北欧住宅とはどんな家?特徴や日本ならではのアレンジ方法を解説!

家づくりを学ぶ(ウチつく)

家づくりをする中で、「北欧住宅」という言葉を目にすることがあります。どのような家なのか、よく知らないという方も多いでしょう。そこで今回は北欧住宅の特徴や、日本ならではのアレンジ方法などを解説します。

北欧住宅とは?

Point 北欧住宅とは北欧諸国で建てられている家の総称のこと!

ノルウェーやフィンランドなど北欧の国々のデザインや特徴を取り入れた家のことです。地理的に非常に離れていることもあり、日本の家とは異なる点が多くあります。

子どもや孫の代まで永く住む

北欧の方が家に対してどのような認識を持っているかを解説します。

工法や材料などにもよりますが、日本の家は一般的に20~30年ほどで住みにくくなり、建て替えられることが多いです。

しかし北欧では、もっと長期的な視点で家を建てています。家は自分たちでメンテナンスをしながら、子どもの代、さらには孫の代にまで引き継ぐという考え方が一般的です。

これは、「家は一族が資産を増やしていくための拠点である」という認識に基づいています。建て替えたり別の地に引っ越したりするのではなく、自分たちから孫の代までそこに留まって車やボート、絵画といった品物を購入し資産を増やしていくのが北欧における家の考え方とされています。

そのため、常に家の状態に気を配り、メンテナンスを怠りません。長期的に住める家になるよう、プラスチックやウレタンなどではなくレンガ、タイルなど耐久性の高い材料を使うことが多いです。

高気密、高断熱を重視する

北欧の冬は寒く、マイナス30度を下回ることもあります。そのため、気密性や断熱性は家づくりにおいて最も重要な要素の一つです。外気が入らず、家の中の温かい空気が外に漏れないようになっています。

気密性と断熱性を高めるために北欧の住宅で採用されているのが、ツーバイフォー工法と呼ばれる枠組壁工法です。これは2インチ×4インチの木材で枠組みを作り、そこに構造用面材を接合します。室内側に石膏ボードを張ったり、家を囲むように断熱材を入れたりする構造のため、省エネルギーで部屋を温かく保つことが可能です。また、ツーバイフォー工法の他、ツーバイシックス工法やツーバイテン工法でつくられることもあります。

ツーバイフォー工法についてもっと詳しく知りたい方は、ツーバイフォー工法とは?内容の詳細とメリット・デメリットについて幅広く解説!をご覧ください。

採光を重視する

高緯度の北欧は冬の日照時間がとても短いです。そのため、短い時間で日光を最大限取り入れられるよう採光にこだわっています。冬でも光を取り込めるように、大きめの窓を設置します。また、ガーデニングが好きな方や「窓の外の景色を楽しみたい」という需要があることからも、大きな窓を作る傾向にあります。

さらに、窓もただ大きいだけでなく、木製サッシ3層ガラス窓などが採用されています。これは採光を取り入れながらも外気を家の中に入れない構造の窓で、寒さ対策への機能性も怠りません。

北欧住宅のデザインや機能性

Point シンプルで、寒さを感じさせない温かみのあるデザイン!

北欧住宅は長く寒い冬も明るく過ごそうと、温かみを感じられるようなデザインや機能を持っているのが大きな特徴です。具体的にどのような特徴があるか、ご紹介します。

定番はアースカラー

北欧住宅でよく使われるのは、落ち着いたアースカラーです。具体的には、ベージュ、オフホワイト、ライトグレー、カーキ、ブラウン、テラコッタ、マスタードなどがメインとなります。いずれも彩度が低く少しくすんだような色味で、落ち着いた雰囲気を作ることができます。

そしてナチュラルな中に、ワンポイントとしてビビッドな差し色を使います。特に鮮やかなイエローやブルーが定番で、こうしたカラーのブランケットやクッションカバーなどを取り入れると、北欧住宅らしいカラーリングになります。

飾り気の少ないシンプルなインテリア

北欧では基本的に飾り気の少ないシンプルなインテリアや家具が好まれます。

こうしたデザインは飽きがこず、永く住む家にふさわしいと言えます。子どもや孫の代まで住むことを前提とした北欧住宅では、シンプルさは重要な要素です。

天然素材をふんだんに使用

シンプルなインテリアと共通する部分でもありますが、北欧住宅では、木、レンガ、ファブリックなどの天然素材をよく使います。特に天然木は人気が高く、天然木のテーブルやカウンターなどがあると北欧住宅の雰囲気が感じられます。ファブリックは草花や動物などがモチーフにされ、家にいながらも自然を感じられるよう工夫されています。

間接照明を取り入れる

日本ではシーリングライト一つで部屋を照らすことが多いですが、北欧住宅は特徴である「温かみ」を表すために、一つの部屋に複数の間接照明を設置します。柔らかい明るさの間接照明で、テーブルライトやスタンドライトなど明るさを必要とする箇所だけを照らす使い方をします。また、電球は、青みのある蛍光灯ではなく、電球色の暖色のものを選びます。

屋根に勾配がある

北欧では大量の雪が降るため、勾配のついた大きな三角屋根が主流です。平らな屋根では雪が積もってしまうため、角度をつけることで積雪を防ぎます。

屋根材は、海外の家でよく使われる洋瓦、異なる色の材料を使う混ぜ葺き瓦、アスファルトを塗った板状のシングル材などがよく使われています。

外壁はサイディングを使う

外壁はサイディングが使われます。サイディングとは耐水性や対天候性に優れた板材で、板を貼り合わせるようにして外壁を作ります。塗り壁に比べて劣化しにくく、価格が安い点も特徴です。

色は自然に溶け込むホワイト、ブラウン、グレー、ベージュが多いですが、ボルドーやマスタードの家もあり、好みによってわかれます。また、瓦の色と合わせて統一感のある色にすることもポイントです。

こだわりのある庭

日光を感じられる時間が短いため、外に出て日の光を浴びながらガーデニングをする習慣があります。

木々や花を植えるだけでなく、ウッドデッキを作って日光浴や食事を楽しむ家もたくさんあります。家の中だけではなく、外にも目を向けることは北欧住宅の大きなポイントの一つだと言えるでしょう。

ビルトインガレージがある

北欧では大量の雪が降るため、車を外に出しておくと埋もれてしまい、使えなくなってしまいます。そのため、ほとんどの家庭で作られるのがビルトインガレージです。単に車を置いておく車庫としての役割だけでなく、自分の趣味のアイテムを飾ってショールームのようにすることもあります。

日本ならではの北欧住宅アレンジとは

Point 北欧住宅の良さを取り入れつつ、機能性も充実させる!

日本で北欧住宅を建てたい場合は、日本ならではのアレンジを加えることで、快適な家づくりができます。どんな工夫ができるのか、3つのポイントをご紹介します。

湿気対策をする

北欧は湿度が低く乾燥しがちですが、日本の夏は高温多湿になるという環境の違いがあります。そのため、湿気対策は欠かせません。床を無垢材にしたり、壁紙ではなく塗り壁にしたりといった工夫をすることで、湿度を低く保てる家にしましょう。

また、エアコンの除湿機能を使うなど、快適な暮らしのために生活の中でできる湿気対策も積極的に行っていくことがおすすめです。

部屋の中に収納を作る

北欧住宅は基本的に、部屋の中に収納がありません。倉庫や収納部屋など、一つの空間を収納として使います。しかし日本の暮らしに慣れていると不便に感じるものです。

そのため、リビングや寝室など各部屋に収納を設けるのがおすすめです。シンプルなデザインであれば、収納があっても雰囲気を大きく崩すことはありません。毎日過ごす場所なので、機能性を重視することが大切です。

窓辺には北欧ファブリックを使う

日本では家と家の距離が近いことが多く、カーテンを閉めていることも多いため北欧住宅の特徴である大きな窓をなかなか楽しむことができません。

そこで、窓辺ではカーテンに北欧ファブリックを使って北欧らしさを演出するのがおすすめです。また、採光レースカーテンを使うことで光をふんだんに取り入れたり、周辺に北欧テイストの小物や観葉植物などを飾るとより雰囲気を演出することができるでしょう。

まとめ

ノルウェーやフィンランドなどにある北欧住宅は、永く住むことを前提とした、高気密、高断熱な住宅です。おしゃれであたたかみのあるアースカラーや、自然を感じられる天然素材や間接照明を使い方はとても魅力的ですので、どのような家をつくろうか悩んでいる方は、ぜひ北欧住宅も選択肢の一つに入れてみてください。

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※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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