ツーバイフォー工法とは?内容の詳細とメリット・デメリットについて幅広く解説!


みなさんは、ツーバイフォー工法(2×4工法)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、これから家を建てる方には知っておいてほしい知識です。今回は、ツーバイフォー工法の詳細や、優れている点や注意点をご紹介します。

ツーバイフォー工法(2×4工法)とは?

Point ツーバイフォー工法の住宅は耐震性や耐火性などに優れている!

ツーバイフォー工法とは、住宅建築で使われる工法の種類で、木造の枠組壁工法の通称です。木口の厚さが2インチ、幅が4インチの木材を組み、そこに剛性の高い板を取り付けて「面」で支える点がポイントです。

使われる木材はJAS規格によって品質管理されています。どの木材をどの部分に使うかも決められており、合理的な建築が可能です。

ツーバイフォー工法はもともと1830年代に北米で誕生し、北米やカナダでは木造住宅の一般的な工法です。国内では1974年から認可されており、この工法で建てられた家は近年、数を伸ばしています。なお、ツーバイフォーという名前は、2インチ×4インチ材の規格材を使っていることに由来しています。

ツーバイフォー工法の特徴

Point ツーバイフォー工法は耐震性や耐火性などに優れている!

最大の特徴は、地震が発生したときに揺れを上手く分散させることができる六面体構造になっている点です。これにより建物の崩壊や変形を防ぎ、安全性を高めます。耐震性だけでなく、耐火性や省エネ性にも優れており、総合的に高い性能から人気を集めています。

使われる建材や金物はすべて規定されており、完全にマニュアル化されています。工法によっては大工の技量によって家全体の品質が左右されますが、ツーバイフォー工法は細かなルールが定められているため、職人によるバラつきが出にくく一定の品質を保つことが可能です。

また、ツーバイフォーを上回るツーバイシックスという工法も注目を集めています。これは枠材を2×4材から2×6材にし、断熱性や耐震性をさらに向上させた工法です。壁が厚くなったぶん断熱材を多く入れられるようになり、より快適な家になります。

ツーバイフォー工法と在来工法の違い

Point 在来工法の住宅に比べて、ツーバイフォー工法の住宅は安全に暮らしやすい!

ツーバイフォー工法と在来工法(木造軸組工法)では、建物の支え方が異なります。ツーバイフォー工法のメリットとデメリットは以下の通りです。

ツーバイフォー工法のメリット

1.耐震性が高い

六面体構造になっており、耐震性が非常に高いです。建物への衝撃を面で受け止めて荷重を分散させることで変形を抑えるため、崩壊しにくいつくりになっています

熊本地震と阪神淡路大震災では、ツーバイフォー工法の住宅で全壊・半壊はありませんでした。地震の際には家具の転倒被害が多いですが、ツーバイフォー工法での食器戸棚の被害は低い数値にとどまっています。東日本大震災では津波による横力にも耐え、2階まで浸水したにもかかわらず原型を保っていた住宅もありました。ただし、ツーバイフォー工法は比較的新しい住宅が多いこと、絶対数が少ないことも少なからず影響しています。

2.耐火性が高い

木造住宅は火事のリスクが心配という方も多いですが、実は、木は火に強いという特徴をもっています。小さな木材はよく燃える一方、大きく厚みのある木材は表面が炭化するだけで、火をなかなか通しません。

また、ツーバイフォー工法では枠組材が空気を遮断し、仮に1階が燃えても2階、3階への延焼を遅らせることができる構造になっています。さらに、すべての天井と壁の内側に石膏ボードを貼ることで、火が近づくと水蒸気を放出させ、製材が燃える450度に達する時間を遅らせることができます。

3.省エネ性が高い

ツーバイフォー工法は面構造がゆえに隙間が少なく、断熱性・気密性に優れています。在来工法よりも外気温の影響を受けにくいため、少ない冷暖房費で夏涼しく、冬暖かい省エネ住宅となります。

4.工期が短い

ツーバイフォー工法では使われる木材が決められており、パネルを工場で組み立てて建築現場へと運びます。現場での作業が少ないため、他の工法に比べて短い工期で家が完成します。新居に早めに引っ越したい方には大きなメリットになります。

5.保険料を抑えられる

ツーバイフォー工法の住宅は耐火性能を持つ住宅だとみなされ、火災保険の費用を抑えられます。設計仕様書や図面、パンフレットなどに「省令準耐火構造」という記載があれば保険料が安くなるため、確認してみましょう。

また、火災保険と同様に地震保険料も抑えることができます。木造住宅は地震保険費用が高くなる分類に振り分けられますが、ツーバイフォー工法の住宅であれば、鉄骨造やコンクリート造と同じく保険費用が安くなる分類に入ります。

ツーバイフォー工法のデメリット

1.自由度が低い

ツーバイフォー工法は、柱や梁がない代わりに耐力壁が多く必要です。耐震性を向上させている一方で、間取りや部屋の大きさに制約を受けることになってしまいます。リフォームする際も壁を削ることができないので、将来的に大規模な間取り変更を考えている方は注意が必要です。

また、窓についてもルールがあり、設置する位置や大きさの範囲が定められています。そのため、採光を最優先して大きな窓をたくさんつけたいという方にはあまり向いていません。

2.対応できる住宅会社が限られる

ツーバイフォー工法に対応しているのは、主にハウスメーカーです。これは、工場での組み立てや搬送が必要なため、運搬能力がなければ取り扱えないということが背景にあります。工務店では在来工法が一般的なので、「この工務店のデザインは気に入ったけど、ツーバイフォー工法に対応していない」といったことが発生する可能性があります。

もちろん、すべての工務店で対応していないというわけではないので、まずはwebサイトをチェックしたりして、ツーバイフォー工法で建築してもらえるかを確認しましょう。

まとめ

ツーバイフォー工法は、在来工法よりも耐震性や耐火性、省エネ性に優れた住宅を建築できます。一方で、間取りに制限があるといったデメリットもあるため、工法ごとの特徴を知ったうえで、家づくりにおいてどんな点を重視するかを話し合うことが大切です。

家の構造は、途中で簡単に変更できるようなものではありません。安心して長く快適に暮らすためにも、しっかりと検討しましょう。とはいえ、工法・構造の話は専門用語が多く、理解するには難しい内容もあります。そういった場合は住宅メーカー担当者に直接問い合わせてみることをおすすめします。「ウチつく」から簡単に予約ができますので、ぜひ利用してみてください。

最新記事をもっとみる