女性が男性にチョコレートを渡して思いを伝えるバレンタインデー。最近の日本では、友チョコや義理チョコなどバレンタインデーが多様化してきましたが、男性が受け取る側であることに変わりはありません。
しかし、女性から男性にプレゼントをするのは世界共通ではないようです。実は、バレンタインデーの過ごし方や祝い方には、海外との違いがあります。
今回は、日本と海外のバレンタインデーを比較しながら、その違いについて紹介します。友チョコ・義理チョコ・ご褒美チョコの定義や、チョコレートを渡すベストなタイミングなども紹介するのでぜひ参考にしてください。
目次
日本のバレンタインはおかしいといわれるワケ
実は、世界的に見ても「日本のバレンタインはおかしい」と言われています。
日本以外の多くの国では、バレンタインデーに男性が女性にプレゼントをしたり、恋人同士で食事に出かけたりします。しかし、日本では女性から男性にチョコレートを贈るのが主流です。また、バレンタイン本来の意味とは異なる友チョコや義理チョコなどが浸透しているのも、日本独特のバレンタインデーです。
- 女性から男性にチョコレートをプレゼントする習慣のある日本
- 友チョコ・義理チョコ・ご褒美チョコとは
- バレンタインデーの日本の文化を知った海外の反応は?
順に紹介します。
女性から男性にチョコレートをプレゼントする習慣のある日本
日本のバレンタインデーは、女性から好きな男性にチョコレートを渡し告白をするのが主流なので、バレンタインデーに男性から何か贈り物をする習慣はありません。
チョコレートではなくモノをプレゼントすることもありますが、やはり定番はチョコレートです。おしゃれな高級チョコレートを買ったり手作りしたり、相手の好みに合わせて用意する人が多いです。
男性は、当日中に告白の返事をすることもあれば、3月14日のホワイトデーに返事をする人もいます。
告白をする女性はもちろん、男性にとっても「いくつチョコレートをもらえるか」「本命の相手からチョコレートがもらえるか」と落ち着かない日だそうです。
友チョコ・義理チョコ・ご褒美チョコとは
日本には、友チョコ・義理チョコ・ご褒美チョコといった日本独特の文化があります。告白と同じように、思いを伝える日という意味で、友達に日頃の感謝を伝える「友チョコ」、お世話になっている男性の同期や上司に贈る「義理チョコ」などが日本に浸透していきました。
また、近年のバレンタインデーは女性から男性というパターンに縛られず、自由にチョコレートを贈り合う習慣があります。学生時代に「徹夜して友チョコを数十個も作った」という経験を持つ女性は多いでしょう。
日頃から頑張っている自分自身へのご褒美としてあげる「ご褒美チョコ」というものもあります。社会人になってから友達や家族に会う機会が減り、自分のためだけにご褒美チョコを買う女性が増えているようです。
バレンタインデーの日本の文化を知った海外の反応は?
女性から男性にチョコレートをプレゼントして告白をしたり、友チョコや義理チョコを贈ったりする日本のバレンタインデーの習慣に対し、海外の人々の反応は実にさまざまです。
ポジティブに捉える人もいれば「日本のバレンタインデーは嫌だ」とネガティブに捉える人もいます。いくつか海外の人々の反応を紹介します。
ネガティブな意見
- バレンタインデーにチョコレートを買うことが義務になっている。
- ホワイトデーまで返事を待てない。
ポジティブな意見
- 男性は花やディナーを用意する必要がないから羨ましい。
- 義理チョコであれ、男性はチョコレートをたくさんもらえるからいいね。
日本以外の多くの国では、女性はプレゼントをもらい祝ってもらう側なので、チョコレートを男性に渡すことに抵抗があるようです。ただ、男性にとっては、本命であれ義理であれチョコレートをもらえる日本のバレンタインデーが羨ましいようです。
昔ながらの伝統を変えずにバレンタインデーを過ごしてきた海外の人々にとって、時代の流れとともに柔軟に変動する日本のバレンタインデーの過ごし方や祝い方を「珍しい」と感じるのかもしれませんね。
バレンタインデーの海外との違いは?ホワイトデーはあるの?
日本のバレンタインデーとは異なり、男性から女性へプレゼントをする国や地域がほとんどですが、国によって過ごし方や祝い方は違います。今回は、6ヶ国のバレンタイン文化を紹介します。
- 【アメリカ】おもてなし精神バツグン
- 【イギリス】食事や花束をプレゼント
- 【イタリア】恋人たちの日
- 【メキシコ】ラブソングを歌うのが定番
- 【韓国】4月14日はブラックデー
- 【シンガポール】1年で最もお金を使う日
はたして、日本と海外の違いとは何でしょう。
【アメリカ】おもてなし精神バツグン
アメリカでは、男性から女性へプレゼントを贈るのが主流です。プレゼントはチョコレートだけでなく、メッセージ付きの花束やぬいぐるみ、ジュエリーなどをプレゼントします。
恋人や夫婦の場合、男性が事前におしゃれなレストランのディナーを予約して、優雅な1日を過ごすこともあるそうです。
【イギリス】食事や花束をプレゼント
アメリカ同様、イギリスのバレンタインデーは男性が女性に花束を贈り、豪華な食事に招待します。
日本のような、男性が女性にプレゼントを贈るホワイトデーはありません。そのため、バレンタインデーに恋人同士でプレゼントを交換し合う人たちもいます。
【イタリア】恋人たちの日
イタリアのバレンタインデーは別名「恋人たちの日」と呼ばれ、恋人や夫婦が互いに思いを伝えあう日です。プレゼントに決まりはありませんが、女性に赤いバラの花束を贈る男性が多いです。
【メキシコ】ラブソングを歌うのが定番
メキシコのバレンタインデーでは、男性が好きな女性に向かって歌を贈るのが定番です。メキシコの女性はロマンチックな雰囲気が大好きだそうで、プレゼントや食事に力を入れる男性が多いようです。プレゼントや食事に力を入れる男性が多いです。
また、カップルだけでなく家族でバレンタインデーを楽しむ習慣があり、子供たちもフォーマルな恰好をしてディナーを楽しむ光景がよく見られます。
【韓国】4月14日はブラックデー
韓国のバレンタインデーは、日本と同じく女性から男性にチョコレートを贈り、ホワイトデーには男性から女性へプレゼントを贈ります。近年では、友チョコや義理チョコのような、お世話になっている人にチョコレートを渡す習慣もあります。
ホワイトデーの1ヶ月後の4月14日はブラックデーです。日本にはない韓国特有の文化で、バレンタインデーとホワイトデーにプレゼントをもらえなかった恋人のいない男女が集まって、韓国風ジャージャー麺を食べる日のことです。ブラックデーがきっかけで恋人が誕生することもあるそうです。
【シンガポール】1年で最もお金を使う日
シンガポールのバレンタインデーは、プレゼントを贈り豪華なディナーを楽しむのが定番。そのため、男性が女性のために1年でもっともお金を使う日といわれています。平日であれば、オフィスに花束を届ける人もいるそうです。
バレンタインデーの起源や由来!日本に根付いた理由とは
バレンタインデーの起源は、約2000年前のローマ帝国時代といわれています。その後、14世紀ごろから西洋で徐々に定着していき、1950年代に日本に入ってきて祝われるようになりました。バレンタインデーの由来や日本独特の祝い方について紹介します。
- キリスト教のお祝いが起源
- キャンペーン広告がきっかけで日本に広まる
順にみていきましょう。
キリスト教のお祝いが起源
バレンタインデーの由来には諸説ありますが、ローマ帝国時代に皇帝の命令によって2月14日に処刑された司祭ウァレンティヌスの名前が由来といわれています。
当時のローマ帝国では、皇帝クラウディウス2世が戦力を上げるために兵士の確保を急いでいました。若い男性が結婚して出兵を拒むことを恐れた皇帝は、男性の結婚を禁じたのです。
これを知ったキリスト教司祭のウァレンティヌスは「結婚できないまま戦地に送り込まれるのは哀れだ」と言って、内密に結婚式を執り行っていました。しかし、司祭ウァレンティヌスの行いが皇帝の不興を買い、処刑されてしまいます。
その後ウァレンティヌスは「聖バレンタイン」として広く知られるようになり、14世紀頃から恋人たちの日として愛を告白する風習が生まれました。
キャンペーン広告がきっかけで日本に広まる
日本でバレンタインデーが広く浸透していったのは1950年代からです。「バレンタインにチョコレートをプレゼントしよう」といった広告がきっかけで、日本にバレンタインデーの文化が定着していきました。
また、ホワイトデーが誕生したのは1970年代です。福岡の老舗菓子店が3月14日を「マシュマロデー」としてマシュマロのお菓子の販売を始めたことが起源といわれています。その後、「マシュマロデー」はバレンタインチョコのお返しをする日として、全国飴菓子業協同組合がホワイトデーと定めました。
多くのお店がバレンタインデーやホワイトデー限定仕様のチョコレートやお菓子の販売を始め、若者を中心にチョコレートを買い求める人が増えていきました。
相手が喜ぶチョコレートの選び方!いつ渡すのがベスト?
バレンタインデーにチョコレートを贈るのが主流でしたが、今ではクッキーやキャンディーなどさまざまなお菓子をプレゼントする人も増えています。「失礼に当たらず、なおかつ相手に負担にならない義理チョコをプレゼントしたい」といった悩みを持つ人のために、相手が喜ぶお菓子の選び方や渡すタイミングについて紹介します。
- 本命・友・義理・ご褒美チョコの選び方
- デート中や帰り際にチョコレートを渡そう
- 失敗しないための注意点
たとえ親しい間柄であっても、マナーを守ってプレゼントするのが重要なポイントです。
本命・友・義理・ご褒美チョコの選び方
気持ちをそのまま代弁できるチョコレートやお菓子をプレゼントすることは、もちろん大切です。しかし、相手を不快にさせないためにも、相手の立場や状況をきちんと把握したうえで選びましょう。
本命チョコ
相手の好みを詳しく把握していない場合は、食べやすい味のチョコレートを準備しましょう。
お酒入りのチョコレートや甘すぎるチョコレート、逆に苦すぎるチョコレートは避けるといいですよ。自分の好みではなく、相手が喜ぶ姿を想像しながら選びましょう。
付き合いの長いパートナーへのチョコレートは、相手が飽きないための工夫も大事です。今年はどんなチョコレートが欲しいのか、直接聞いてみるといいかもしれません。
友チョコ
中学生や高校生であれば、流行っているお菓子をプレゼントすれば、友達は喜んでくれるでしょう。両親に作り方を教えてもらいながら手作りするのもいいですね。ただし、学校に持っていく場合は校則に注意してください。
大学生や社会人になれば、バレンタインデーにカフェで一緒にデザートを食べて過ごすのもいいでしょう。予定が合わない場合は、e-ギフトなどを送り合ってみてはいかがですか。お菓子や飲み物を選べるバレンタインデー仕様のe-ギフトがたくさん販売されていますよ。
「プレゼントしたのにもらっていない」といったトラブルの心配がないのでおすすめです。
義理チョコ
社会人になれば、会社の上司や同期、後輩にチョコレートを贈る機会が増えるでしょう。
ただ、数十人分のチョコレートを準備するのは金銭的にも負担が大きいです。金額が高すぎると相手に気を遣わせてしまうので、一人1000円以内に収めましょう。
また、少しでも選ぶ時間と労力を軽減することも大事なことです。ひとりひとりに合わせたチョコレートを選ぶのではなく、全員に同じものを渡しても失礼ではありません。手作りチョコレートは本命と捉えられやすいため、避けてくださいね。
なるべく男性が持って帰りやすいように、パッケージが小さいものや軽いものを選ぶといった配慮も大切です。
ご褒美チョコ
特にプレゼントする相手がいない場合は、思い切って自分だけのためにチョコレートを買ってみませんか。
バレンタインデーの時期に合わせて新商品が発売されたり、期間限定ショップがオープンしたりしているので、いつもなら手に入らないチョコレートを買うことができます。普段買わないような高級チョコレートを自分の為だけに買って食べるのもいいですね。
また、欲しいけど我慢していた服やアクセサリー、美容家電などを自分にプレゼントするのもいいでしょう。年に1度のバレンタインデー、ちょっと贅沢してみるのもいいのではないでしょうか。
デート中や帰り際にチョコレートを渡そう
本命チョコであれば、デート中や帰り際など二人きりになれるタイミングでチョコレートを渡しましょう。その際、きちんと思いを伝えることを忘れないでくださいね。
会社の男性に贈る義理チョコであれば、就業前に渡しましょう。急な予定が入って相手が退社してしまう可能性もあるので、朝一番に渡しておけば安心です。
どうしても渡すタイミングが分からない場合は、誰かが渡し始めたタイミングで一緒に配る方法もありますよ。
本命・義理に限らず、誰かと話をしているときや忙しそうにしているときは渡さないほうがいいでしょう。気持ちよく受け取ってもらうためには、渡す側の配慮も大切です。
失敗しないための注意点
本命チョコの場合は、チョコレートが食べられるかどうかを事前に確認しておきましょう。もしも苦手であれば、シンプルな味付けのクッキーやパウンドケーキなどがおすすめです。そもそも甘いものが苦手な可能性もあるので、周りの人からこっそり好みを聞き出しておくといいですよ。
また、持ち歩き時間を考慮して、生クリームやフルーツを使用したお菓子を贈るのは控えましょう。特に手作りのお菓子は市販品より賞味期限が短いので、使う材料にも配慮してくださいね。
まとめ:どの国もバレンタインデーは大忙し
日本以外の多くの国は、バレンタインデーに男性から女性へチョコレートや花束をプレゼントする習慣があります。バレンタインデーに女性から男性にチョコレートを贈ったり、友チョコや義理チョコをプレゼントしたりする日本の文化は、海外ではめずらしいようです。
ただ、どの地域も思いを伝えたり相手のために贈り物を準備したり、特別な日であることには変わりありません。
本命チョコだけでなく、義理チョコや友チョコに「何を贈るべきか」悩んだ人は、ぜひこの記事を参考にして楽しいバレンタインデーを過ごしてくださいね。