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身近な物で災害を乗り切る!3日間の水対策
大きな災害で水道・電気・ガスなどのライフラインが止まった時の対策、していますか?
特に水道がストップすると、飲み水や調理に使える水が少なくなってしまうのはもちろん、手が洗えない、トイレが使えないなど、衛生面が一気に悪化しかねません。
1人あたり1日3Lを目安に水を備蓄し、対策しておきましょう。
身近なもので備えておこう
災害時は、災害発生からとにかく「3日間」を乗り切るのが重要だとされています。
災害発生から72時間は「人命救助のタイムリミット」とされています。72時間を過ぎると生存率が大幅に下がることから、とにかく人命救助が最優先!避難所や被害の比較的少なかった地域など、安全な場所にいる人への対応はどうしても後回しになってしまいます。
そのため、3日間はライフラインが寸断された状態でも、自力で乗り切らなくてはなりません。
国際災害レスキューナースの辻直美さんは「災害時は水の確保が最優先!身近にあるもので対策しよう」と語ります。お金をかけずにできる水対策について教えていただきました。
ペットボトルでできる節水対策
災害時は壊れた物の片付けなどで手が汚れがちです。またどうしても不衛生な状態になりがちで、感染症が蔓延するリスクもあります。手洗いは欠かせません。
ただ、水道が止まっている状態では、水をできるだけ節約する必要があります。
そんなときに備えて、ペットボトルのキャップにキリなどで1箇所穴を開けたものを作っておきましょう。
これで節水簡易蛇口のできあがりです。
ペットボトルの口を普通に開けてしっかり手を洗うと、500mLのペットボトル1本を簡単に使い切ってしまいますが、この簡易蛇口なら水の使用量は1/10で済みます。
断水時のトイレの使い方
断水時にはトイレも使えなくなってしまいます。風呂水などで強引に流してしまうのは、もし下水道が破損していた場合トラブルにつながるため避けましょう。
自宅待機の際にトイレが使えない場合は、
- 大きいゴミ袋
- ペットシーツ
- 新聞紙
この3つが役立ちます。
まずはゴミ袋2枚を便座にかぶせます。
ペットシーツを観音開きに折り、トイレに乗せて、中央に小さいくぼみを作っておきます。
破った新聞紙ひとつかみを乗せて便座をおろせば、準備完了です。新聞紙は吸水・消臭効果があり、排泄物を目隠しする効果もあります。
これで300mLほどの水分を吸収できます。
用を足したら、ゴミ袋の内側だけを外し、捨てましょう。
ウォータータンクがない時の水の運び方
水道が止まった際は、給水所が設置される場合も多いです。ウォータータンクが備えてあればいいですが、もしない場合は、リュックサック(容量20L程度)とゴミ袋2枚で代用できます。
ゴミ袋を二重にしてリュックサックをしっかり覆います。
リュックをしっかり広げ、半分〜8分目を目安に水を注ぎます。
内側と外側のゴミ袋をそれぞれひとつ結びにすれば、水が漏れてきません。
かなり重くなるので、リュックのベルトを調整し、背中にしっかり密着させて持ちましょう。
避難所へ水を持っていくときは
災害時は飲み水として2L、生活用水として1L、合計で1人あたり3Lの水を使います。「1日2Lも飲むかな?」と思われるかもしれませんが、料理に使う水のことも考えると、最低限これくらいは必要です。
避難所では必ずしも水をもらえるとは限りません。
- 500mLのペットボトル6本程度
- 2Lのペットボトル3本
この量を目安に、避難所に水を持っていきましょう。
リュックの一番下に、水を互い違いにして入れると収納しやすくなります。
しっかり水を備えて災害を乗り切ろう
大きな被害がなく水道が止まっただけでも、水を飲むのを制限してしまったり、トイレを我慢してしまったり…。そんなことを続けてしまっては、体調を崩してしまいます。
もし専用の道具を持っていなくても、身近な道具で断水は乗り切れます。ひとまず3日間、しのぐ準備を整えておきましょう。