近年では黒板塗料を使ったDIYが流行しています。インテリアとしておしゃれなだけでなく、チョークで書いても消せるので、メッセージボードや子どもの落書き用におすすめです。下処理不要でDIY初心者でも挑戦しやすい、黒板塗料を紹介します。
黒板塗料ってどんなもの?
「最近、黒板塗料が流行していると聞くけど、一体どんなものなのだろう?」と気になっている人もいるでしょう。黒板塗料は下準備もほとんど必要なく、誰でも手軽におしゃれなペイントができるのが人気の理由といえそうです。
塗るだけでおしゃれな黒板になる塗料
黒板塗料とは、塗るだけでチョーク文字やイラストが描ける黒板になる塗料のことです。『ブラックボードペイント』や『チョークボードペイント』と呼ばれることもあります。
ペンキを塗れる所ならどこでも黒板になるので、木の板や壁はもちろん、冷蔵庫などの家電に塗るのもよいでしょう。乾くとマットな質感になるのもおしゃれで、インテリアのアクセントにもなります。
また、カラー展開が豊富にそろう商品もあり、部屋の雰囲気に合わせた色を選ぶのもおすすめです。さらにペンキの嫌な臭いがしない商品を選べば、塗った直後に部屋の中に設置しても気になりにくいでしょう。
下準備なしでDIY初心者でも簡単に塗れる
「色を付けるだけじゃなく、黒板にするなんてさぞかし難しいのでは…?」と心配になる人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
黒板塗料は、普通の油性ペンキのように古い塗装を剥がしたり下塗りをしたりといった下準備は必要なく、塗りたい所にすぐに塗れます。重ね塗りをする必要もないので、DIY初心者でも簡単・きれいに仕上げられるでしょう。
伝言板や子どもの落書き用、インテリアにも
黒板塗料を使ってペイントすればさまざまなインテリアが作れます。キッチンスペースに黒板塗料を使って作ったボードを設置すれば、伝言板として家族みんなで楽しめる他、忘れてはいけないことをメモしておくのにも便利でしょう。
マグネットの付いたボードにペイントすれば冷蔵庫に貼ることもできます。
また、壁一面に塗って子どもの落書きスペースにするのもよいでしょう。英語のロゴや季節ごとのイラストを描いてみれば、おしゃれでかわいいインテリアウォールを演出できます。何も書かず、塗るだけでもアクセントになっておしゃれです。
黒板塗料を選ぶときのポイント
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黒板塗料はどの商品を選んでも同じ、というわけではありません。実際に商品を購入する際は、いくつかのチェックすべきポイントがあります。
水性か油性か、塗りたい場所の材質に対応した商品か、容量は多すぎず少なすぎないか、といったこともよく確認しながら選びましょう。
水性か油性か
黒板塗料には水性と油性のものがあります。どちらを選ぶべきかは、出来上がったものをどのように使いたいかに合わせて決めるとよいでしょう。
室内で作業をしたりチョークで頻繁に書き直すことを想定していなかったりする場合は、水性を選ぶのがおすすめです。水性塗料は、溶剤として有機溶剤(シンナー)ではなく水が使われているため臭いがきつくありません。
また、塗料は塗りやすくするために成分を薄めることがありますが、その際にも有機溶剤ではなく水が使えます。油性に比べると乾燥時間も短くてすむのもメリットといえるでしょう。
ただし、チョークで書いたものが消しにくいことがあります。そのため、何も書かない場合や、何度も書き直すことを想定していない場合に選ぶのがよいでしょう。
一方、屋外での使用を考えていたり、何度もチョークで書き直したりしたいなら油性塗料を使うのがよいでしょう。水性塗料よりも耐久性に優れ、塗装が剥がれにくいので、気温や湿度の変化が大きい屋外でも長く使えます。
また、水性よりもチョークで書いたものを拭き取りやすいので、何度も書き直してもきれいな状態を保ちやすいでしょう。ただし、溶剤の臭いがきつい点はデメリットといえます。
子どもやペットがいるなら「低VOC」製品を
『VOC(Volatile Organic Compounds)』とは揮発性有機化合物のことで、ガソリンやシンナーなどに含まれるものです。空気中に放出されることで大気汚染や健康被害を引き起こす可能性があるといわれています。
そのため、小さな子どもやペットのいる家庭で使うなら『低VOC』という記載のある製品を選ぶのが安心です。さらにラテックスやメチルイソチアゾリノンなどの化合物ができるだけ入っていないものを選べば、より安心して使えるでしょう。
塗る場所に対応した商品
黒板塗料はさまざまなものにペイントできますが、商品によっては対応していない材質もあります。商品を購入する際は、自分がこれから塗ろうとしているものの材質に対応したものであるかどうかを必ず確認して選びましょう。
また、黒板塗料は下処理が不要であることも魅力の一つではありますが、商品や塗る対象の材質によっては下処理が必要なものもあります。
DIY初心者やあまり手間をかけたくない人は、下処理が必要かどうかも併せてチェックして選びましょう。
1回で使い切れるサイズを選ぶ
黒板塗料は容量の大きなものよりも、できるだけ一度に使い切れるサイズのものを選ぶのがおすすめです。
確かに大容量の商品の方がコスパはよいかもしれませんが、黒板塗料は余った分の保管が難しく、時間がたつと使えないことも多いものです。
そのままゴミとして処分できず、廃棄に手間がかかることもあるので、できるだけ1回で使い切る容量を購入する方がよいでしょう。
塗る場所の面積と商品に記載された塗布面積をよく確認の上、ちょうどよい容量のものを選ぶのがおすすめです。
また、商品によっては2度塗りや3度塗りを推奨するものもあります。その場合は、重ね塗りする分も計算して選ぶことも忘れないようにしましょう。
黒板塗料を塗ってみよう
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黒板塗料はとても簡単に塗ることができます。ペイントするのに必要なものも多くはないので、初心者でも挑戦しやすいでしょう。
準備するもの
ペイントを始める前に、まずは必要なものをそろえましょう。以下のものを準備します。
- 黒板塗料
- ハケ
- 撹拌棒(割りばしでもOK)
- 缶オープナー(マイナスドライバーでもOK)
- ペイントバケット
- 新聞紙
- マスキングテープ
- 軍手
また、塗料は衣服に付くと取れないので、汚れてもよい服装で作業するようにしましょう。手にも付くものなので軍手も着用するようにします。
さらに、床や壁など塗料を付けたくない所には新聞紙をマスキングテープで貼って保護しておきましょう。
黒板塗料の塗り方
黒板塗料や商品やペイントするものによって、下塗りのありなしや仕上げ方が異なります。実際に塗る際は商品に記載されている内容に従って塗るようにしましょう。ここでは、ベニヤ板に水性塗料を使ってペイントする場合の手順を紹介します。そのため、サンドペーパーを追加で用意します。
- サンドペーパーで表面を整える
- 塗料の容器をよく振ってから、使う分だけペイントバケットに入れて水で薄める。塗料と水がきれいに混ざるよう、撹拌棒でよく混ぜる
- ハケを使ってペイントする
- 乾かす
- 必要に応じて2度塗り、3度塗りをする
- 完全に乾けば完成
塗りやすい水性の黒板塗料
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水性塗料の一番の魅力は、やはり臭いが少ないところでしょう。室内で塗ったり子どもやペットがいたりするなら、水性タイプを選んでおくのがおすすめです。おしゃれな色の製品が多いのもうれしいポイントです。
壁紙屋本舗 イマジン チョークボードペイント CHALK UP!
カフェやデパートなどの手描きディスプレイが大人気のCHALKBOY氏がプロデュースした黒板塗料です。
CHALKBOY氏が特にこだわったという色は全部で14種類あり、どの色も白いチョークとの相性がよく、インテリアにもなじむので使いやすいでしょう。
ビニール壁紙にのりやすく剥がれにくいように成分設計されており、DIY初心者でもムラになることなくきれいに仕上がるはずです。
壁紙屋本舗 イマジン チョークボードペイント CHALK UP!
エコス チョークボードペイント オーガニック水性塗料
世界で唯一、オーガニック成分でできているという安心・安全な水性塗料です。食品や医療品グレードの成分でできているので、万が一、口に入っても体に害がでないといわれています。ベビールームやペット回りのものでも、安心して使えるのがうれしいポイントです。
一般的な塗料の3倍の顔料を使用しているため、発色がよく仕上がりもきれいです。さらに、使用されている成分はすべて土にかえるので、ペイントに使った道具を洗った水はそのまま下水に流しても問題ありません。人にも環境にも優しい塗料です。
ダイワ 黒板塗料 EF 黒板ペイント
ベンジャミンムーア チョークボードペイント
アメリカの老舗ペイントメーカー・ベンジャミンムーアの黒板塗料です。下地の色の影響を受けにくく、特に技術がなくても表面をなめらかに仕上げられるため、DIY初心者でも使いやすいでしょう。極低VOC、極低臭であるのもうれしいポイントです。
色はチョークボードブラックで、日本限定オリジナルセレクトカラーとなります。何も描かなくても優れたインテリア性を発揮し、おしゃれな空間になるでしょう。
ベンジャミンムーア チョークボードペイント
しっかり塗れる油性の黒板塗料
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チョークで書いたり消したりを何度もしたいなら、油性塗料を選ぶのがおすすめです。しっかり塗れて、耐久性にも優れるので屋外で使用するものに塗っても長く楽しめるでしょう。
ラスト・オリウム チョークボード ハケ塗り
アメリカの塗料メーカー、ラスト・オリウム社の黒板塗料です。色は透明なので下地の色を生かしたチョークボードが作れます。
使用可能な素材は、木材や化粧ボード、ダンボールの他、金属やコンクリートなど幅広く、短毛ローラーを使えば簡単に塗れるでしょう。ただし、黒板としての使用は室内しか対応しておらず、屋外で使用するものの塗装には向きません。
ラスト・オリウム チョークボード ハケ塗り
ダイワ 黒板塗料 EF 黒板ペイント
速乾性に優れた、油性の黒板塗料です。艶消しされたスタンダードな黒板風に仕上がるので、レンガやタイル、コンクリートなどの素材やビンテージ風の空間など、ブルックリンスタイルによく合うでしょう。
耐久性や耐水性に優れるので、屋外で使用するものの塗装に向きます。チョークを使った文字やイラストは、ぬれた布でサッと拭くだけできれいになるので、何度でも描いて楽しめるでしょう。カラーはブラック、ダークグリーンから選べます。
ダイワ 黒板塗料 EF 黒板ペイント
かわいいカラーもある黒板塗料
(出典) photo-ac.com
「スタンダードな黒板風に仕上げるのもいいけれど、どうせなら珍しくてかわいい色にしたい!」と思う人もいるでしょう。ここではそんな人にぴったりのかわいいカラーもある黒板塗料を集めました。
カラーワークス Paint+ KAKERU PAINT
2012年度の『グッドデザイン賞』で『ものづくりデザイン賞』を受賞した黒板塗料です。水性で低臭、低VOCになっているので、子どもと一緒でも安心して使えます。
塗膜の耐久性が強いため、チョークで書いた文字やイラストを消したいときはぬらした布で拭き取ればきれいに消せます。何度書いても元の状態になり、メッセージボードとしてはもちろん、子どもの落書き用にも活躍しそうです。
カラーは個性的な色の名前がついており、『パープルキッス』は楽しくなるようなカラーリングでお部屋のアクセントになりそうです。
カラーワークス Paint+ KAKERU PAINT
ターナー色彩 チョークボードペイント
12色ものカラーバリエーションのある黒板塗料です。定番のグリーンやブラックの他、ミルキーピンクやミント、オレンジ、ピーコックブルーなど明るくかわいい色味もあります。
水性なので嫌な臭いがする心配もなく、速乾性なので早くきれいに仕上がります。塗れる素材も幅広く、木材やダンボール、塩化ビニルクロスの他、金属やガラス、コンクリートなどにもペイントできます。
チョークは水拭きをすればきれいに消せるので、何度でも楽しめるでしょう。
ターナー色彩 チョークボードペイント
タカラ塗料 チョークボードペイント
全部で13種類ものカラーがそろう黒板塗料シリーズです。『セサミプディング』や『アボカドクリーム』、『アーモンドジェリー』など、どれも食べ物の名前の付いた鮮やかな色味です。水性塗料なのであまり臭いがせず、使いやすいでしょう。
他のカラーと混ぜて使うこともできるので、オリジナルの色を作って楽しむのもよいかもしれません。木材や石膏ボードの他、ビニルクロス、コンクリートなどにも塗れます。
タカラ塗料 チョークボードペイント
黒板塗料でおしゃれなDIYを楽しもう
(C) Shutterstock.com
黒板塗料は初心者でも簡単に楽しめるDIYアイテムです。一般的なペンキを塗るときのような下処理をする必要がない商品もあり、塗るだけで誰でも簡単におしゃれなインテリアを作れます。
スタンダードな緑や黒といった色だけでなく、かわいい色味の商品もあるので、インテリアや好みに合わせて選べばよりすてきな空間を作ることもできるでしょう。黒板塗料を使ったDIYに挑戦し、おしゃれなインテリアを作って楽しみましょう。