固い椅子に長時間座っていると、腰痛や肩こり・背中痛を発症しやすくなります。体への負担を軽減してくれるクッションを取り入れて、椅子に座ったときの快適性をアップさせましょう。椅子用クッションの種類や選び方、おすすめの商品を紹介します。
目次
椅子用クッションの種類
椅子の快適性を底上げするのが、椅子用クッションです。とはいえバリエーションが多く、いざ選ぼうとすると迷ってしまうこともあるかもしれません。
目的にマッチするクッションを選べるよう、クッションのタイプや特徴を理解しておきましょう。
座面クッション
座面に置いて、直接上に腰掛けるクッションです。椅子とお尻の間に敷くため、椅子の固さや冷たさが気になるときに重宝します。厚みがあってホールド力の高いものなら、長時間座っていても疲れを感じにくくなるでしょう。
また座面クッションは、形状や素材・機能のバリエーションが豊富です。『骨盤の歪みが気になる』『痔がつらい』『おしゃれなデザインがいい』などのニーズに合うものを見つけやすく、カラー・デザインも多彩にそろっています。
『置くだけ』なので付け外しも簡単で、気軽に使えるのもうれしいポイントです。
背もたれクッション
椅子の背もたれと、背中部分に挟んで使うクッションです。背中部分のサポート性に優れているため、正しい姿勢を維持しやすくなります。デスクワーク中の姿勢が気になったり、背中痛を感じたりしやすい人におすすめです。
また背もたれクッションを使うことで、腰痛の緩和に役立つこともあります。
人間の背骨は、下半身への負担を軽減するため、緩やかなS字型をしています。このS字が崩れると猫背やストレートネックとなり、腰痛・首痛発症の一因となるといわれます。
背もたれクッションの使用で正しい姿勢を維持できれば、腰への負担を軽減しやすくなるでしょう。
背もたれ付きクッション
座椅子のような形状のクッションで、座面・背もたれが付いています。椅子にそのまま乗せて座ることで、お尻・背中の両方をサポート可能です。背もたれのみ・座面のみのクッションを使うよりも、強い姿勢矯正効果を期待できるでしょう。
多機能なタイプは比較的高額なものが多い印象ですが、椅子以外でも使えるケースが多々あります。ソファ・床でも使えるタイプなら日常で出番が多く、コスパも良好です。
椅子用クッションを選ぶポイント
(出典) photo-ac.com
椅子用クッションを選ぶときは、椅子との相性や自身のニーズを明確にしたりすることが必要です。椅子用クッションを選ぶとき、チェックしたいポイントを紹介します。
サイズを確認
椅子用クッションは、ジャストサイズではなく『小さめ』を意識しましょう。
クッションサイズが椅子の座面ギリギリだったりぴったり過ぎたりすると、お尻の下でもたついたり、折れ曲がったりしやすくなります。これでは座り心地が悪くなり、長時間座っていられません。
クッションを購入するときは、まず椅子の座面サイズを計測しましょう。クッションが座面内側に収まるサイズなら、快適に使えるはずです。
中材で選ぶ
クッションに使われる中材は、座り心地に直結します。主な素材としては、以下のものが一般的です。
- 綿
- ウレタン
- ゲル
- ビーズ
綿はクッションの定番素材の一つです。軽くてやわらかい上、化繊なら洗えます。手ごろな価格帯のものが多く見つかりますが、へたりやすいのはデメリットといえるでしょう。
一方、体圧分散性に優れているのがウレタンやゲルです。どちらもお尻や背中にフィットしますが、通気性・耐久性の面ではゲルが優れています。ただしゲルは重量があるため、購入前に重さを確かめておくのがベターです。
またビーズはフィット感が高く、保温性に優れた素材です。へたりやすいのが気になりますが、商品によってはビーズを補充してへたれを補えるものもあります。
機能性で選ぶ
クッションをお尻や背中に当てていると、ニオイや汚れが気になります。『カバーを装着できるか』『クッション本体を丸洗いできるか』などをチェックしましょう。
理想は丸洗いできるクッションですが、カバーを付けられる・洗えるだけでも衛生的に使いやすくなります。
また、クッションにズレにくい工夫がしてあるかもポイントです。紐付き・ゴム付きのものは、クッションを椅子に置いてもズレたり落ちたりすることなく、ストレスなく使えるでしょう。
椅子で使う正方形・丸形タイプのおすすめ
(出典) photo-ac.com
手軽に使えるクッションを探している人は、オーソドックスな形状のクッションからチェックしてみましょう。
椅子用クッションとしておなじみの、正方形や丸形タイプのおすすめを紹介します。
三幸 「極厚プレミアムチェアパッド」
中材にモールドウレタンを使用した、低反発クッションです。素材特有の弾力性がある上、クッションの厚みは4cmあります。腰を下ろしたときに底付き感を覚えにくく、椅子に座って長時間作業するときにおすすめです。
またクッションカバーには、ナチュラルなドビー素材が採用されています。洗濯機で丸洗いできる上、ファスナー式で着脱の手間がありません。汚れが気になるとき、サッと洗えるのは大きなメリットでしょう。
クッション裏面には滑り止めが付いており、椅子から落ちたりズレたりしにくい仕様です。形状は円形・正方形の2タイプ、カラーは6種類と選択肢が豊富なため、好みやインテリアに合わせて選べます。
サイズは、直径約40cmです。
三幸 極厚プレミアムチェアパッド
Shinnwa「低反発 座布団クッション」
低反発ウレタンフォーム素材の、角形・円形を選べるクッションです。本体サイズは直径約40×厚み約5cmで、適度なやわらかさがあります。椅子用のクッションとしてはもちろん、フロアクッション・カークッションとしても使えます。
またクッションカバーは、優しい肌触りのベロア生地とカラー豊富なポリエステル生地の2種類です。ファスナーを外して家庭で洗濯できるため、衛生面が気になる人も安心して使えるでしょう。
グリーン・ブラウンの2種類のカラーから選べます。
Shinnwa 低反発 座布団クッション
Baibu Home 「コール天生地クッション」
中材にポリエステル綿を使用した、角形クッションです。サイズは幅約40×奥行約40×厚み約7cmで、しっかり体を支えてくれます。
クッションの外側はコーデュロイ生地で、保温性・吸水性が高いのが特徴です。生地特有の光沢感もあって、クッションの見栄えを重視したい人にもおすすめできます。ただしクッション本体・カバー一体型なので、カバーのみの洗濯はできません。
カラーバリエーションは、グリーン・ネイビーなどの4種類です。
Baibu Home コール天生地クッション
テレワーク中のお尻の負担を軽減
(出典) photo-ac.com
近年の社会情勢や産業界全体のデジタル化の流れから、テレワークを導入する会社も増えています。「テレワークの快適性を上げたい…」という人は、お尻の負担を軽減してくれるクッションを選びましょう。
体圧分散性・衝撃吸収性に富んだクッションを紹介します。
IKSTAR 「第四世代座布団 低反発クッション」
U型構造の低反発クッションです。形状は人間工学に基づいて設計されており、お尻や太ももの形状に心地よくフィットします。立体デザインで通気性もよく、長時間座っていても不快なムレを感じにくいでしょう。
またクッションは前に向かって傾斜が付いており、腰を下ろすと自然に背筋が伸びる仕様です。きれいな姿勢を保ちやすく、腰への負担軽減効果が期待できます。
なお本体に取り付けられたカバーは、2層構造の通気メッシュ素材です。滑り止め付き・丸洗い可能で、クッションの快適性を高めてくれます。
クッションのサイズは縦約38×横約45×厚さ約4~11cmです。
IKSTAR 「第四世代座布団 低反発クッション
チチロバ 「ハニカム ゲルクッション」
人間工学に基づく『ハニカム(蜂の巣)構造』を採用したゲルクッションです。体圧分散性が高く弾力性もあり、座姿勢での腰やお尻への負担を軽減します。中空デザインで通気性も高く、お尻の汗やムレが気になりにくいのもうれしいポイントといえるでしょう。
またクッションに付属するカバーは、夏用・冬用が1セットとなっています。チャック付きで着脱しやすく、家庭での洗濯も問題ありません。裏面には滑り止めも付いていて、椅子に置いても安定感があります。
クッションのサイズは41×36×3.5cmです。
チチロバ ハニカム ゲルクッション
MyComfort 「低反発クッション」
低反発素材の上にジェル素材を配置した、W構造のクッションです。座面全体で体を支えるため、体圧が1点に集中しません。体圧分散性に優れ、長時間のテレワークによるお尻・腰の負担を軽減しやすい作りです。
またクッション本体はU字型で、座面の凹凸が特徴です。お尻の形にフィットしやすく、腰を下ろすだけで自然に正しい姿勢に導いてくれます。
付属するカバーは洗濯機で丸洗いできますが、本体は洗えません。お手入れは、乾いた布等で拭くに留めましょう。
クッションのサイズは、縦約45×横約37×高さ約6cmです。
MyComfort 低反発クッション
疲れにくい背もたれクッションのおすすめ
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椅子の背もたれに思い切り寄りかかりたい場合は、背もたれクッションがあると便利です。疲れにくい背もたれクッションから、おすすめの商品を紹介します。
IKSTAR 「腰楽クッション 低反発 ランバーサポート オフィス」
背骨のS字湾曲にぴったりフィットする、立体カーブのクッションです。背中を預けると自然に背中が正しい姿勢になるため、腰や背中への負担を軽減できます。
また中材は、高品質な低反発ウレタン素材です。体圧分散性に優れる上、腰や背中へのフィット感もあります。長時間座っていても、疲れを感じにくいでしょう。
カバーには通気性の高いメッシュ素材が採用され、ムレが気になりにくいのもメリットです。汚れたときはカバーを外して丸洗いできるため、いつでも衛生的に使えます。
本体サイズは、縦約36×横約41×厚さ約12cmです。
IKSTAR 腰楽クッション 低反発 ランバーサポート オフィス
MOGU 「プレミアム バックサポーターエイト」
背中・腰・お尻にフィットする8の字型のクッションです。背骨のS字カーブにフィットしやすく、正しい姿勢をサポートします。
クッションの中材は、通常よりもはるかに微細な『MOGUパウダービーズ』です。米国FDA(米国食品医療薬品局)の安全性基準をクリアしており、万が一誤飲してしまっても体への害はありません。
またクッションの表面生地は、起毛感のある滑らかな素材です。やわらかく耐久性があり、触れると吸い付くようなモチモチ感があります。
クッションは家庭で洗えますが、洗濯機は使えません。手洗いの後脱水をしたら、形を整えて陰干ししましょう。
本体サイズは横約35×縦約45×高さ約12cmです。
MOGU プレミアム バックサポーターエイト
腰痛持ちに優しい背もたれ付きクッション
(出典) unsplash.com
座姿勢は腰部に負担が掛かりやすく、腰痛に悩まされる人が少なくありません。背もたれ付きのクッションをチョイスして、腰への負担を軽減させましょう。
腰痛持ちも安心して使える、おすすめのクッションを紹介します。
MTG 「スタイルプレミアム」
『骨盤を安定させて背骨のS字を保つ』という、カイロプラクティックの発想から生まれたクッションです。腰部を左右から支える『腰椎アシスト』や、腸骨をしっかり支える『腸骨アシスト』などの機能があり、腰への負担を軽減します。
また座面は、緩く前傾した形状です。腰を下ろすと自然に骨盤が自然に立ち上がるため、体に負担が少ない姿勢をキープしやすくなるでしょう。
クッションの素材は、下部に高反発ウレタン、上部に低反発ウレタンを配置した2層構造です。体に当たる部分は低反発ウレタンで優しいフィット感がある一方、高反発ウレタンがしっかり体を支えます。座ったときも安定感があり、体が沈み込み過ぎません。
クッションのサイズは、幅約46×奥行約44×高さ約46cmです。
MTG スタイルプレミアム
Monna 「カーブルチェア」
高弾性の背もたれが尾骨を持ち上げて、腰を支えるクッションです。背骨のS字カーブを保ちやすくなり、座るだけで正しい姿勢に導いてくれます。お尻や背中が当たる部分には高密度クッションが設置されており、座り心地も快適です。
またクッションは汗と熱を循環できるよう、流線型の模様が入っています。本体には極小の通気孔も設けられており、座っていてもムレや熱を感じにくいでしょう。使用中に汚れが気になったときは、中性洗剤を入れた水で軽く拭けばOKです。
カラーバリエーションは4種類で、サイズは幅約34×奥行約33×高さ約33cmです。体の大きな人には、ワイドサイズもあります。
Monna カーブルチェア
西川 「エアーポータブルクッション」
体圧分散性に優れた、東京西川のマットレス『エアー』と同素材のクッションです。素材は凸凹のあるウレタンフォームで、体を点で支えます。体圧が一部に集中しにくく、座りっぱなしでも負担を感じにくいでしょう。
また側生地は、やわらかく伸びて体にフィットするポリエステル素材です。裏面には滑り止めも付いており、椅子の上に置いても安定感があります。
本体サイズは、約80×40×5cmです。携行に便利な専用ケースも付いています。
西川 エアーポータブルクッション
丸洗いできて清潔に使えるクッション
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クッションの衛生面が気になる人は「丸洗い可能かどうか」をまずチェックしましょう。お手入れ簡単なクッションから、おすすめの商品を紹介します。
アイリスオーヤマ「エアリーシートクッション」
洗濯ネットに入れれば、『弱モード』で洗濯機洗いできます。カバーも丸洗いできるため、汚れてもすぐに洗えて安心です。
クッションの中材には、『エアロキューブ』が採用されています。これは東洋紡が開発した新素材で、約95%が空気でできています。通気性が高い上ホコリ・ダニが出にくく、抗菌防臭・制菌加工済みです。アレルギーが気になる人や子どもでも使いやすいでしょう。
またエアロキューブは、弾力性のある繊維が空気を編むように絡まり合っているのが特徴です。適度な固さで体圧分散性に優れており、腰やお尻への負担も低減できます。
クッションのサイズは幅約40×奥行約40×高さ約5cmです。
アイリスオーヤマ アリーシートクッション
お気に入りのクッションを見つけよう
(出典) photo-ac.com
座姿勢は腰やお尻に負担が掛かりやすく、腰痛や背中の痛みを引き起こすことがあります。長時間椅子に座って作業するなら、座り心地のよいクッションを用意しましょう。
クッションの形状・デザイン・中材はさまざまあって、どれを選ぶかで座り心地・見た目の印象は異なります。「腰の負担を軽くしてくれるもの」「清潔に使えるもの」「見た目重視」など、まずは我が家のニーズをはっきりさせることが大切です。
椅子のサイズ・インテリアとの相性も考慮して、お気に入りのクッションを見つけましょう。