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SDGsってなに?
最近よく耳にする言葉の中に「SDGs」というものがありますが、“持続可能な開発目標”と言われても、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか?
数ある目標の中でも、持続可能な環境を作っていくために欠かせないのは、環境や資源のことをきちんと理解し、守っていくこと。
リサイクルやリユース、リデュースなどさまざまな環境への取り組みがある中で、今、わたしたちが身近でできることは何なのでしょうか?
簡単DIYで「アップサイクル」を楽しもう
ゴミを減らしたり、必要なものはできるだけ買わないようにしたりなど、おうちの中でもできることはたくさんありますが、まずはもっと簡単に、 “物を大切にすること”の感覚を身につけましょう。
おすすめは、「アップサイクル」というもの。要らなくなったものに手を加えて、これまでよりもっと素敵に、便利なものに生まれ変わらせて使い続けるアイデアのことです。
おうちの中を見渡してみて、しばらく使っていないものや、捨てるには惜しいけどもう使えないな…という思い出のアイテムはありませんか?
例えば…
・柄がお気に入りのTシャツ、襟がのびちゃった…!
・ベビーベッド、子供が大きくなってもう使わないな…
・使っていないパイプチェア、捨てるのも面倒でずっと置いてあるな…
など、きっとあなたのおうちの中でもすぐ見つかるはず。
そういった物にアイデアと少しの手を加えて、アップサイクルを楽しみましょう。
使わなくなったお気に入りのTシャツは、ミツロウラップ(繰り返し使えるラップ)に
新聞紙の上に正方形にカットしたTシャツ、ミツロウ、クッキングシートをのせて、アイロンをかけます。
ミツロウラップは野菜や果物の保存にも適していると言われていて、市販のラップを使わなくなる脱プラの第一歩にも。
ベビーベッドとしての役目を終えたら、柵を外して子供用の勉強机に
ベッド用に作られた物なので、天板もしっかりしており、柵を取り外すだけで物をたくさん置いても安心な机に早変わり。S字フックや飾りをプラスしてオリジナルな机にしたり、取り外した柵をラダーラックとして活用したり楽しみ方をいろいろ探ることができそうです。
パイプチェアは座面を外して、収納グッズに
座面を外し、100円ショップに売られているワイヤーラックを組み合わせてワイヤーなどで固定するだけで、便利な収納ボックスに生まれ変わります。お好みで、ペンキを塗ったり、加工をしたりすると部屋のテイストに合わせた素敵なアイテムに。
どうしても「捨てる」ことになったら…
アップサイクルで物を大切にする感覚が自然と身に付いてきても、どうしても「捨てる」という選択をしなければならなくなる時もあります。もちろん日頃の生活で出るゴミについてもそうですが、そういった「捨てる」ときに大切にしなければいけないこと、しなくてはならないことは、何なのでしょうか?
まず大事なのは、決められた分別をしっかりすること。
そんなの当たり前にやっているよ、と思ってしまいますが、ではなぜ分別することは大事なのでしょうか?
なぜ分別は必要?
答えはただ一つ。「資源には限りがあるから」です。
ゴミは、自治体や各メーカーに回収されたあと、ゴミの種類によってリサイクルにまわされるか、そのまま燃やされるか、はたまた埋められるかの道を進んでいきます。
例えばリサイクルできる素材であるペットボトルを燃やすゴミに入れてしまったら、生ゴミに混ざって焼却されて終わり。でもペットボトルとして回収されれば、リサイクルされて新しい資源として生まれ変わります。
リサイクルできるものが燃やされてしまったら、もう一度ペットボトルを作るには新たに資源を石油から作り出さなければなりません。それってすごくもったいないと思いませんか?
リサイクルにも色々
限りある資源を守るためにも、リサイクルには積極的に取り組みたいということをお伝えしましたが、実はリサイクルの中には種類があります。
使用済みのペットボトルが、食品のシートや繊維に再利用されるものと、使用済みのペットボトルが、新しいペットボトルに再利用されるものがあります。
ペットボトルを食品のシートや繊維に再利用する場合、ペットボトル→食品のシート→繊維→その他成形品→熱エネルギー→リサイクル終了というように、どんどん形を変えながら最終的にリサイクルが終わってしまいます。一度形を変えた素材は、二度と元に戻すことができないのです。
対して、使用済みペットボトルをペットボトルに再利用する場合、ペットボトル→ペットボトル→ペットボトル→∞と、半永久的にペットボトルであり続けることができます。このリサイクルを「水平リサイクル」と呼び、今注目されているリサイクルの在り方なのです。
「水平リサイクル」をするには
この「水平リサイクル」を進めていくためには、私たちがペットボトルを捨てるときにちょっとした工夫をすることが必要です。
それは「ラベルを剥がし、キャップを外し、中身をすすいできれいな状態に」して捨てること。
キャップやラベル、中身が残ったまま時間が経ったものは、水平リサイクルとして活用するには再生するまでの時間と手間が大きすぎて難しいため、食品シートや繊維へのリサイクルが主となります。
おうちからでるペットボトルは濯いで捨てているから安心、と思う方も多い一方で、自販機横、スーパーやコンビニ、さらにオフィスや学校の回収ボックスを思い浮かべると、なかなかそうはなっていない現実が分かってきます。
自販機横の回収ボックスに、タピオカのカップさえ捨てられてペットボトルが入らなくなっている姿を、何度も見かけたことはありませんか?
そもそも、自販機横やオフィスなどに分別ごとにおいてあるものを「ゴミ箱」だと思い、なんでも捨ててしまっている人が多いのではないでしょうか。
それらは「ゴミ箱」ではなく「回収ボックス」であり、リサイクルをするために設置されているもの。そのためそういった回収ボックスに他のゴミや汚れたままの状態のものが混ざっていると、「水平リサイクル」はおろか、通常のリサイクルをすることさえ非常に難しくなってしまうのです。
「水平リサイクル」がもっと浸透してくためには、私たち個人も、自治体も、メーカーも、みんなが協力していくことが必要なのだ、ということがよく分かります。
「水平リサイクル」を始めている自治体を発見!
そんな中で、今国内では「水平リサイクル」に取り組む動きが少しずつ始まってきています。
京都府宇治市・城陽市や兵庫県東播磨などの地域では、大手飲料メーカーであるサントリーと協定を結び、ペットボトルの「水平リサイクル」を積極的に進めていくなど、自治体とメーカーが協力していく動きが見られます。
この協定が結ばれることで、これまではペットボトルが自治体に回収された後、何に生まれ変わるかわからないままリサイクル工場に運ばれていったものが、自治体から直接ペットボトル再生工場へと運ばれるようになります。
そこで再生されたペットボトルがサントリーの工場に運ばれて、また新たなペットボトル飲料として販売されるようになります。
私たち個人ができること、自治体ができることとすべきこと、メーカーができること、すべきこと、持っている技術を結び合わせて、はじめて実現できるのがこの「水平リサイクル」。
「水平リサイクル」をはじめとした環境への取り組みが広がっていくことはまさしく「SDGs=持続可能な開発」であり、どんどん広がっていくことは、すごく素敵なことだと思いませんか?
もちろん、この「水平リサイクル」は、ペットボトルだけでなく、衣服や日用品(なんとオムツでも!)など、さまざまなカテゴリのジャンルで取り組みが始まっています。
地域の回収ボックスや普段よく行くスーパーに回収ボックスが設置されたら、積極的に利用して、限りある資源を大切にしていきましょう。
2022年、そしてその先の未来が、もっと素敵な世の中になるように、今できることを今始めましょう。