重要な箇所や文字などをマーキングする際に使われるのが蛍光ペンです。派手なネオンカラーのペンと思われがちですが、近年は多彩な機能・色味があります。好みに合う蛍光ペンを見つけるための選び方や、おすすめの商品を紹介します。
蛍光ペンの選び方
一口に蛍光ペンと言っても、近年は種々の変化や工夫が見られます。どれを選ぶかで使い心地・使い勝手が異なるため、こだわって選ぶのがおすすめです。
蛍光ペンを選ぶときに、チェックしたいポイントを見ていきましょう。
ペン先は使い心地に関わる
筆記具は、ペン先の形状が書き心地に影響します。蛍光ペンも同様で、必ずチェックしておきたいポイントです。近年の主なペン先の形状は以下になります。
- ノーマル型
- 透明窓付き型
- 樹脂コート型
- 筆ペン型
ノーマル型は先が四角くカットされていて、くっきりきれいな長方形のラインを引けるのが特徴です。ラインの安定性が高く、書類から参考書のマーキングまで幅広く対応できます。
透明窓付き型は、ペン先にある窓から下の文字が見える仕様です。ラインをどこまで引けば良いか分かりやすく、ラインのはみ出しが起こりにくいメリットがあります。
樹脂コート型は、耐久性が高いのが特徴です。樹脂コーティングでペン先がつぶれにくく、長持ちします。定規に当てても、ペン先がダメになることは少ないでしょう。
筆ペン型は、ペン先の角度でラインの太さを調整できます。引けるラインが多彩で、イラストやデコレーションに最適です。
+αの機能があると便利
蛍光ペンの中には、以下のような機能を持つものもあります。
- 2Wayで使える
- ノック式
- 消せる
- インクを詰め替えて使える
2Wayタイプのペンは、両端に太さの違うペン先が付いているタイプです。1本で異なる太さのラインを引けるため、臨機応変に使えます。ラインの太さ・色の組み合わせはさまざまあるので、用途に併せて選びましょう。
ノック式は上部をノックしてペン先を出し入れするタイプです。キャップを付け外しする手間がなく、キャップをなくす心配もありません。
消せるタイプは、書いた文字やラインを修正できるタイプです。ペンの尻に付いたゴムや消しゴムなどでこすればインクが消えるため、何度も書き直したり引いたラインを後まで残したくなかったりするときにおすすめです。
この他、中身がなくなったらインクを詰め替えて使えるものもあります。別売りの補充用インクを購入すれば、書けなくなってもペンを捨てる必要はありません。
速乾性もチェック
ラインの端の色が横に広がってしまったり、手が汚れてしまったりするのは、色を付けたところがなかなか乾かないためです。ラインをたくさん引いたり、引いた上から文字を書いたりしたい場合は、速乾性の高いペンを選びましょう。
また速乾性の高いペンは、にじみにくい特徴があるともいわれます。薄い紙で裏移りが心配な場合も、速乾性の高い方が安心です。
速乾性が高いかどうかは、試し書きが一番です。テスターが設置されていない場合は、ペンのどこかに『速乾』と書いてあるものなら間違いないでしょう。
色は好みや目的に合わせて
蛍光ペンというとネオンカラーの明るいものが主流です。ラインを目立たせたいときはピンクや黄色、あまりチカチカさせたくない場合は寒色系のブルーや紫などを使うと良いでしょう。
コピーする資料に使う場合は、カラーによっては文字が見えにくくなることがあります。コピーしたときにマーカーが映らないようにしたい場合は、色が反映されにくいイエローがおすすめです。
また、目立たせたいけど目がチカチカする色が好きではないという人は、穏やかな色味の蛍光ペンを選んでみてはいかがでしょうか。
近年はくすみカラーやパステルカラーといった、ネオン系以外のカラーバリエーションが増えてきました。優しい色合いで、手帳や手紙をかわいらしく仕上げたいときにも使えます。
人気メーカーのおすすめ蛍光ペン
(出典) photo-ac.com
蛍光ペンは、学生からビジネスパーソンにまで幅広く使われています。さまざまな文具メーカーが趣の異なる蛍光ペンを発売しているので、まずは人気文具メーカーの定番のおすすめ蛍光ペンを見ていきましょう。
三菱鉛筆 プロパス・ウインドウ クイックドライ
コーポレートブランド『uni』を持つのが三菱鉛筆です。鉛筆やボールペンなど、質の高い筆記具を提供しています。
蛍光ペンは、ペン先に開いた窓から文字が見える『窓付き型』です。文字を見ながらラインを引けるので、はみ出しや引き過ぎを防げます。
インクには新開発の『Q-Dry(クイックドライ)』が使われており、ラインが乾いたり色が定着したりするまでに時間がかかりません。同社従来品と比較して、乾燥時間は約1/3に短縮されました。
薄くツヤがある紙でも速乾性を発揮するため、教科書や手帳などのライン引きにも適しています。太字角芯(4mm)と細字丸芯(0.6mm)の2Wayタイプです。
三菱鉛筆 プロパス・ウインドウ クイックドライ
ZEBRA ジャストフィット モジニライン
シマウマの商標で知られるZEBRAは、1897(明治30)年創業の老舗文具メーカーです。ボールペンからシャーペンまで、さまざまな人気商品をリリースしてきました。
『モジニライン』と名付けられた蛍光ペンは、新成分を配合してにじみを抑えた仕様です。文字の上にベタ塗り・縁取りしてもにじまないため、汚したくないノートや資料もきれいに仕上がります。
またペン先は柔らかく、よくしなるナイロン製です。紙面の湾曲に合わせてペン先がフィットするため、3.5~4mmの安定したラインが引けます。
ZEBRA ジャストフィット モジニライン
PILOT スポットライター2
PILOTは、筆記具等を始めとしたステーショナリー用品・玩具などを販売するメーカーです。取り扱う製品は1000アイテム以上に及び、世界トップクラスといわれています。
蛍光ペンは詰め替え式で、中身が切れた場合は補充が可能です。ペンの素材にはリサイクル素材が使われており、SDGsが注目される今の時代に合った商品といえるでしょう。
色鮮やかなインクは、ノーカーボン紙やファクシミリ感熱紙に使っても変色しにくい『OA対応タイプ』です。事務作業に最適で、オフィスでの使用に適しています。
PILOT スポットライター2
長持ちするおすすめ蛍光ペン
(出典) photo-ac.com
長持ちする蛍光ペンを探している人は、ペン先が強かったり乾燥しにくかったりするものを選びましょう。長く使えると高評価を受けている、おすすめの蛍光ペンを紹介します。
トンボ鉛筆 蛍coat
太芯のコーティングに使われているのは、耐久性の高さに定評のある高分子ポリマーです。ペン先がつぶれにくく、定規に当ててもきれいな状態をキープできます。
また細芯は、顔料インクに最適化したプラスチック芯です。筆圧の強い人も、ペン先のダメージを気にせずに安定したラインが引けるでしょう。
本体はインク補充式で、『蛍コートチャージャー』に立てるだけでインク補充が可能です。環境を考えた作りで、『エコマーク認定商品』『グリーン購入法適合商品』としても認められています。
太芯の線幅は3.8mm、細芯は0.8mmです。オレンジ・黄・緑・青・ピンクの5色が1セットになっています。
トンボ鉛筆 蛍coat
スタビロ ボス オリジナル
世界で初めて蛍光ペンを発売したドイツの文具メーカー『スタビロ』の蛍光ペンです。『ボス オリジナル』は発売から約50年が経過する人気商品で、「蛍光ペンといえばスタビロ」という人も少なくありません。
『筆記距離は約375m』『4時間キャップを開けっ放しでも大丈夫』などとタフな特徴があり、蛍光ペンを長く使いたい人におすすめできます。
本体はスクエア型で、力を入れて握りやすい形状です。斜めにカットされたペン先は5mmと2mmの太細両方に対応でき、色鮮やかに発色します。
スタビロ ボス オリジナル
太さを変えられるおすすめ蛍光ペン
(出典) photo-ac.com
ライン引きだけではなく文字も書く場合は、ラインの太さを変えられるペンがあると便利です。1本で多彩な使い方ができる蛍光ペンを紹介します。
コクヨ 2ウェイカラーマーカー マークタス
太芯には淡い色がきれいに発色する『樹脂顔料インク』、0.3mmの細芯には、細芯対応で発色がよい『染料インク』が採用されています。文字・マーキングが見やすく、ノートや書類のライン引き・コメント挿入が簡単・きれいに終わります。
またライン引き用のインクは、目にチカチカしにくく文字が見やすい、落ち着いたカラーです。OA対応可能で、ノーカーボン紙やファクシミリ感熱紙にも問題なく使えます。
カラーは、極細文字がくっきり目立つ『カラータイプ』とグレーで控えめな色の『グレータイプ』があります。いずれも太芯はピンク・黄・緑・青・紫の5色なので、用途や好みに合わせて選びましょう。
コクヨ 2ウェイカラーマーカー マークタス
呉竹 ZIG ブラッシュハイライト サッと
筆ペンでおなじみのメーカー『呉竹』の蛍光ペンです。
ペン先は筆ペン同様の柔らかさがあり、筆圧の加減でラインの太さを1.5~5.0mmに調整できます。1本でラインを引いたりチェックを入れたり文字を書いたりと、さまざまな用途に使えるでしょう。
インクはOA用紙にもきれいに書ける水性蛍光顔料インキ(ブルーのみ水性顔料インキ)です。
呉竹 ZIG ブラッシュハイライト サッと
+αの機能が付いたおすすめ蛍光ペン
(出典) photo-ac.com
ノック式だったり消せたりと、近年は蛍光ペンの機能も充実しています。蛍光ペンをより便利に使うなら、+αの機能にも注目してみましょう。
PILOT フリクションライト
『蛍光フリクションインキ』を採用した、消せる蛍光ペンです。このインクは、消色設定温度に達すると無色化します。
消したいライン・文字があるときは、付属の専用ラバーでこすりましょう。発生した摩擦熱にインクが反応し、ラインや文字がきれいに消えます。
ラインや文字を消した場合も、消しかすが出ず消し残しも少なめです。消した場所に再度ラインを引いたり文字を書いたりも可能で、鉛筆のような感覚で使えます。
ただし、感熱紙等のOA用紙には不向きな上、ラバーの汚れがそのまま紙面に付着します。使用前に紙質やラバーの状況をしっかりチェックするのがおすすめです。
PILOT フリクションライト
コクヨ ビートルティップ・デュアルカラー
ペン先に2色の芯が設置された蛍光ペンです。1本で2色の色分けが可能となり、蛍光ペンを色分けするときにありがちな『キャップの付け外し』『ペンの持ち替え』の手間を省けます。
色を変えながら直感的にラインを引けるため、情報整理・重要ポイントのマーキングがはかどります。狭い場所・立ったままでもライン引きでき、作業効率が上がるでしょう。
蛍光ペンで色分けをしたいときは、ペン先の向きをくるっと変えるだけです。ペン先にはセパレーターが付いており、誤って2色同時に使ってしまう心配はありません。
1本で2色分使えて、携行時にかさばらないのもメリットです。色の組み合わせはイエロー×ピンク、ライトグリーン×パープル、オレンジ×ライトブルーがあります。
コクヨ ビートルティップ・デュアルカラー
ぺんてる ノック式ハンディラインS
キャップなしでもペン先が乾燥しない『ボールシャッター機構』を搭載した、ノック式の蛍光ペンです。ノックをすれば芯が出てくるため、キャップの付け外しの手間や紛失の恐れがありません。
ペンは、付属のクリップに挟むと自動的に芯が戻る仕組みです。芯を出したままノートや胸ポケットに挟んでしまっても、色移りを心配せずに済むでしょう。
本体は『再生材使用率が50%』『リフィルの交換』とエコな仕様で、『グリーン購入法適合商品』に認定されています。
ぺんてる ノック式ハンディラインS
クツワ ネオンピツ
蛍光の鉛筆芯を使用した蛍光ペンです。液状ではないため、乾燥したり途中でインクが出なくなったりする心配はありません。紙に裏移りする心配もなく、蛍光ペンのにじみや裏移りで紙を汚したくない人におすすめです。
またスケルトン仕様の本体なので芯の残量が一目で分かり、芯がなくなれば交換して使えます。ノック式で芯の長さも調整しやすく、折れる心配がないのもメリットです。
間違ってラインを引いてしまっても、鉛筆と同様に消しゴムで消せます。紙だけではなく木材や布にも線を引けるため、多彩な用途で使えるでしょう。
クツワ ネオンピツ
優しい色味のおすすめ蛍光ペン
(出典) photo-ac.com
ネオンカラーのチカチカした発色が苦手な人は、優しい色味の蛍光ペンがおすすめです。近年はカラーバリエーションも多彩になっており、イラストや塗り絵にも使いやすい色味が見つかるでしょう。
ZEBRA マイルドライナー
水性絵の具のような、優しい色味の蛍光ペンです。たくさんラインを引いても目がチカチカしにくく、雑多な印象になりません。
細芯・太芯の2Way仕様で使い勝手がよく、イラストからマーキングまでさまざまな用途で使えます。線幅は太芯で4mm、細芯で1.0~1.4mmです。
またインクは水溶性で、感熱紙や感圧紙に使っても変色が少なく、文字を隠しません。落ち着いたロゴでシンプルなデザインの本体のため、オフィスでも使いやすいでしょう。
セットには人気の高いマイルドカラー10本が詰め合わされています。
ZEBRA マイルドライナー
スタビロ スイングクール パステル
キュートなカラーと見た目で、SNSでも人気の商品です。ボディカラーそのままの優しい色味が、紙面でもきれいに発色します。
本体はフラットな形状・細身の作りで握りやすく、グリップも付いています。手帳や胸ポケットに挟みやすく、携行しやすいデザインです。
また、キャップなしでも4時間乾燥しない『アンチドライ製法』が採用されており、キャップのフタに神経質になる必要がありません。
ペン先はスクエアカットで、1~4mmのラインを引けます。イエロー・ピーチ・ミント・ピンク・ ライラック・ターコイズの6色セットです。
スタビロ スイングクール パステル
お気に入りの1本を見つけよう
(出典) photo-ac.com
一口に蛍光ペンといってもさまざまな種類があって、色味も異なります。選ぶときは用途や好みを考えて、理想に合うものを選びましょう。
特にペン先の形状・仕様は、使用感を大きく左右します。形状やライン幅をしっかりとチェックするのがベターです。
近年は機能性や新鮮なカラーを備えた蛍光ペンが増えています。紹介した商品を参考に、ぜひお気に入りの1本を見つけましょう。