洋服は洗濯したりクリーニングに出したりするものの、バッグのお手入れは怠りがちなものです。気づいたら汚れていて、ショックを受けることもあるかもしれません。クリーニングに出したり、自宅でお手入れしたりしてきれいにしましょう。
目次
バッグをクリーニングに出す方法
バッグをクリーニングに出そうと思ったら、まずはどの形態のクリーニング店に依頼するかを決めましょう。
クリーニングに出す前には、バッグの汚れやキズの状態のほか、そもそもクリーニングに出せる素材なのかもしっかり確認してから出すことが大切です。
自分に合うクリーニング店を選ぶ
バッグをクリーニングに出す先としては、店舗型のクリーニング店と宅配型のクリーニング店の、二つの選択肢があります。それぞれのメリット、デメリットを比較の上、自分に合ったタイプを選ぶとよいでしょう。
店舗型のメリットは、店舗が近所にあるなら、思い立ったときにすぐに持ち込めることが挙げられます。
店員さんもいるので、汚れが気になる部分をあらかじめ伝えたり、現物を見ながらクリーニング方法や必要な料金の目安を確認できたりするので、安心して依頼できるでしょう。
デメリットとしては、営業時間が限られているため、ライフスタイルによっては、なかなか足を運ぶのが難しい場合もあることです。
一方、宅配型のメリットは、24時間いつでもどこからでも依頼できることです。自宅まで集荷に来てもらえる上、店舗によっては夜遅い時間帯まで対応しているので、ライフスタイルにかかわらず利用しやすいでしょう。
デメリットとしては、送料がかかるため店舗型より高くつくことがあることが挙げられます。また、直接スタッフと顔を合わせないため、気になる汚れを伝えたり相談したりできず、少々不安を感じる可能性もあるでしょう。
店に出す前に「状態」と「素材」を確認する
店舗型・宅配型問わず、クリーニングに出す前には、必ずカバンの状態と素材を確認しておくことが大切です。
店舗に持ち込むなら、カバンのキズ・シミなどを、できるだけ店員さんと一緒に確認をするのがおすすめです。宅配型を利用する場合は、クリーニング前の状態を写真に収めておくのが望ましいでしょう。
また、縫製のほつれがあったり、生地の色があせていたりする場合は、併せてメンテナンスの依頼を検討するのがおすすめです。
さらに、洗濯表示を確認して、クリーニング可能な素材かどうかを確認しておくことも必要です。洗濯表示のあるタグかカードが付いているはずなので、よく確認してからクリーニングに出しましょう。
特にレザーなどの天然素材は、クリーニングによって風合いが大きく変わってしまうリスクがあります。多少の変化なら仕方ありませんが、あまりに変わってしまった場合は、店舗に相談するべきです。
バッグクリーニングにかかる費用
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バッグをクリーニングに出すなら、費用がどれくらいかかるのか気になる人も多いでしょう。バッグのクリーニング費用は、素材やサイズ、ブランドによって異なります。
バッグクリーニングの料金相場
バッグのクリーニングの料金は、店舗はもちろん素材やサイズ、ブランドによって異なります。レザーバッグの場合の相場は1万5000円程度、布製の場合は3000円くらいからが目安でしょう。
高級ブランドのバッグの場合は、布製でも1万円以上、レザーだと2万円以上はかかります。事前に見積もりを確認したり、お店と相談したりすると安心でしょう。
料金が決まるポイント
バッグのクリーニング料金が決まるポイントは、素材・サイズ・ブランドです。素材については、ナイロンやキャンバス地などの『綿素材』であれば、比較的安く収まります。
『レザー』は、種類や染色方法によって料金が異なり、クリーニング方法が難しいほど料金は高くなります。
また、『エナメル』や『スエード』など、特殊な素材のクリーニングには深い知識と高い技術が必要になるため、店舗によっては断られることもあるでしょう。
サイズについては、縦・横・奥行きの寸法の合計や長辺によって選別され、サイズが大きいほど価格が上がります。
さらに、ブランドバッグかノーブランドのバッグかも大きなポイントです。クリーニング業者が指定する高級ブランドのバッグだと、通常料金よりも5000〜2万円近く高くなるでしょう。
自宅で「人工素材のバッグ」を洗う方法
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扱いが比較的簡単な人工素材のバッグなら、自宅で洗うこともできます。素材によって洗い方が異なるため、素材を確認の上それぞれに適した方法でお手入れしましょう。
綿製バッグを洗う手順
綿製バッグは、おしゃれ着洗剤などの『中性洗剤』を使って洗います。洗濯の手順は以下の通りです。
- 洗面器に水を張り、洗剤を少量入れる
- バッグを入れて押し洗いする
- 汚れが落ちたら、泡が出なくなるまでしっかりすすぐ
- 軽く水を切り、バスタオルなど大きめのタオルで包んで水分を取り除く
- シワを伸ばし、持ち手が下になるようにピンチハンガーで留めて乾かす
手順2の際、生地を傷めないために、もみ洗いやこすり洗いをしないようにします。バッグをすすぐ際は、すすぎ残しがあると変色の原因となりますので気を付けましょう。
また、持ち手の皮脂汚れによって黒ずんでいるのが気になる場合は、水でぬらしてから中性洗剤や固形せっけんを塗り、歯ブラシなどでこすれば汚れを落とせます。
ナイロン製バッグを洗う手順
ナイロン製バッグの場合は、軽い汚れなら、中性洗剤を薄めた洗浄液に浸して絞ったタオルで軽くたたけば落とせます。
特に汚れやすい持ち手部分は念入りにたたいておきましょう。最後に水で絞ったタオルで全体を拭き、風通しのよい場所で陰干しします。
タオルで拭いても落ちない場合は手洗いするとよいでしょう。手洗いの場合は、以下の手順で洗います。
- 洗面器にぬるま湯を張り、少量の中性洗剤を入れて洗浄液を作る
- バッグを入れて押し洗いする
- 汚れが落ちたら水を替えて、押し洗いする要領でしっかりすすぐ
- 軽く水を切ったら、大きめのタオルで包むように水分を取り除く
- 形を整えて陰干しする
洗剤が残っていると変色やシミの原因となるので、すすぎは念入りに行いましょう。
ウール製バッグを洗う手順
ウール素材のバッグは、ニットと同様にデリケートです。洗濯の際も、以下の手順で優しく丁寧に洗いましょう。
- 水を張った洗面器に、おしゃれ着洗剤などの中性洗剤を少量入れる
- 洗面器にバッグを入れ、15分程度つけ置きする
- きれいな水で、泡がなくなるまでしっかりすすぐ
- 大きめのタオルで包み、優しく水分を取り除く
- 風通しのよい日陰に平干しして乾かす
ウール素材は、優しく洗うことと、乾かすときは平干しするのがポイントです。平干しは、ニットを干すときにも便利な平干しネットを使うと乾かしやすいでしょう。
合皮製バッグを洗う手順
合皮素材は湿度に弱いため、自宅で洗濯する際は、まず洗濯表示を見て水洗い可能かどうかを確認しましょう。水洗いできないものは自宅では洗えないので、クリーニングに出すしかありません。
水洗いが可能な場合は、以下の手順で洗いましょう。
- 軽くブラシをかけてほこりや汚れを取り除く
- おしゃれ着用洗剤を水で薄め、洗浄液を作る
- タオルなどを洗浄液に浸し、液だれしない程度に軽く絞る
- 洗浄液を付けたタオルで、ポンポンと軽くたたくように汚れを落とす
- 乾いたタオルなどで乾拭きして、水分を取り除く
- 風通しのよい日陰で乾かす
仕上げに合皮用保護クリームを塗っておけば、艶が出る上、ほこりや汚れが付きにくくなります。
自宅で「天然素材のバッグ」を洗う方法
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本革やリアルファーなどの天然素材のバッグは、自宅で洗うこともできます。複雑な工程もないので、汚れが気になる際には挑戦してみるとよいでしょう。
本革製バッグを洗う手順
水洗いができない本革製のバッグのお手入れは、専用のクリーナーと柔らかい布を使って行います。次の手順でお手入れするとよいでしょう。
- 軽くブラッシングして、ほこりや汚れを取り除く
- 柔らかい布にクリーナーを少量付け、優しくカバンを拭く
- 特に汚れがひどい部分は、軽くたたくようにして汚れを浮かせる
- 仕上げに乾拭きをして完了
クリーナーは、付け過ぎると色落ちの原因となってしまうので注意しましょう。また、汚れを落とす際はこすらないようにします。こすると、汚れが広がったり色落ちしたりする原因になります。
汚れに気づいたら、できるだけすぐにお手入れすることで、艶のあるきれいな状態をキープできるでしょう。
リアルファー製バッグを洗う手順
リアルファー製のバッグは、シャンプーとコンディショナーを使って、次の手順で洗います。
- ぬるま湯を張った洗面器にバッグをつける
- シャンプーを1プッシュ分ほど手に取り、優しくもみ込む
- ぬるま湯か水の中で、ゆすって洗うようにすすぐ
- 少量のコンディショナーを手に取り、ファー全体になじませる
- 再度ぬるま湯か水の中で、ゆすって洗うようにすすぐ
- すすぎ終わったらタオルで包み、優しく押すようにして水分を拭き取る
- 風通しのよい日陰で平干しする
- 乾いたら、毛の流れに沿ってブラッシングすれば完了
手順3の際、毛が抜ける原因となるので押し洗いをしてはいけません。必ず、水の中でゆすって洗う『振り洗い』をしましょう。
バッグの汚れを防ぐには?
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お手入れを簡単に済ませるためにも、バッグは汚さないのが一番です。保管方法や収納場所に少し気を付けることで、汚れたり傷んだりしにくくなります。
革製バッグは保管袋を使う
革製バッグを長期間収納する場合は、ほこりが付かないように不織布保管袋を使うのがおすすめです。
保管袋は、わざわざ用意しなくても、購入した際にバッグが包まれていたものを使えばよいでしょう。普段使いのバッグの場合は、袋に入れなくても布をかぶせておくだけで十分です。
また、バッグの中に丸めた新聞紙やタオルを入れて収納すれば、湿気の除去や型崩れの防止にも有効です。バッグを使わない日には中身を全て出し、丸めた新聞紙やタオルを入れておきましょう。
収納場所の湿気対策をする
バッグが汚れないよう保つには、収納場所にも気を配る必要があります。特に大切なのが、湿気対策をすることです。収納場所に湿気がこもっていると、カビが発生してしまい、バッグの汚れや傷みにつながります。
収納場所にはあまりたくさんのものを詰め込み過ぎず、たまには扉を開けたり、風を送り込んだりするなど、小まめに除湿や換気をすることが大切です。
また、汚れたりぬれたりしたものを、そのまましまうこともよくありません。カビの発生を防ぐためにも、しっかり乾いた清潔な状態でしまうようにしましょう。
バッグを洗うときに便利なアイテム
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自宅でバッグを洗うなら、人工素材なら中性洗剤、革素材なら専用クリームを準備する必要があります。初めてバッグのお手入れに挑戦する人向けに、おすすめのアイテムを集めました。
花王 エマール アロマティックブーケの香り
人工素材のバッグを洗う際に使えるおしゃれ着用洗剤です。カタチコントロール洗浄によって、素材の伸び・ヨレ・シワを防げます。さらに、毛玉・縮み・色あせも防げるので、ウール素材のバッグでも洗いやすいでしょう。
洗浄成分が繊維の奥まで浸透することで、汚れや臭いもきれいに落ちるので清潔な状態を保てます。香りは、アロマティックブーケのほか、リフレッシュグリーンの香りがあります。
花王 エマール アロマティックブーケの香り
コロニル デリケートクリーム
1909年創業のドイツの老舗レザーケアブランド、コロニルの革製品専用のクリームです。カーフ(子牛)・ラム・シープ(アニリン染め)・ヌメ革・ナッパレザーなどのスムースレザー全般に使えます。
ポリッシングクロスにクリームを適量取って軽く拭けば、革を傷めることなくきれいに汚れを落とせるでしょう。バッグはもちろん、靴・サンダル・小物など革製品全般に使えます。
コロニル デリケートクリーム
M.MOWBRAY デリケートクリーム
スムースレザーの皮革製品全般に使える栄養・保湿クリームです。水分を豊富に含み、よく伸びるゼリー状になっているので、少量でも革に浸透します。
油分が少ない一方、革の柔軟剤であるラノリンが配合されているので、ベタ付くことなく、柔らかな仕上がりにできるでしょう。艶もしっかり出るので、美しい状態を保てます。カラーは、無色のほかにブラックもあります。
M.MOWBRAY デリケートクリーム
コロンブス 磨きクロス 2枚入り
1919年創業の老舗靴用品メーカー、コロンブスの磨きクロスです。革製品にクリームを塗ったり、磨いたりするのに使えます。
素材は綿100%で柔らかいので、革製品を傷つける心配もありません。両面起毛タイプなので、どちらの面でも磨けます。
また、クロスの汚れが気になってきたら、手洗いできるので長く使えるでしょう。2枚入りで、バッグや靴のほか、財布のお手入れにも使えて便利です。
コロンブス 磨きクロス 2枚入り
素材に合った方法でバッグをきれいにしよう
(出典) pexels.com
バッグの汚れを落とす方法は、素材によってさまざまです。素材に合った方法でお手入れしなければ、キズが付いたり、色があせてしまったりするなど、大切なバッグが台無しになってしまう可能性もあります。
自宅洗浄・クリーニング問わず、洗濯表示をよく確認して適した方法で洗うことが何より大切です。適切な方法でバッグをお手入れし、長くきれいに使いましょう。