洋服の種類によっては陰干しにすべきものがあります。しかし、陰干しには一体どんな意味があるのでしょうか。この記事では、いまさら他人に聞けない陰干しの基本や、陰干しをすると発生しやすい、あの嫌な生乾き臭対策についても解説しています。
目次
陰干しとは?
陰干しとは、直射日光を避けて干す方法です。衣類へのダメージが少なく済む干し方なので、素材によっては陰干しでなければならないものもあります。
直射日光を避けた干し方
陰干しとは、直射日光を避けて日陰で干す方法のことです。日陰であれば屋外でも室内でもどちらで干しても問題ありません。
直射日光を当て、紫外線による殺菌効果を得ながら乾かす日干しと違って、雑菌の増殖を防ぐ効果はありませんが、衣服の色あせや繊維へのダメージを防ぐことができます。
特に、ウールやシルクなどの天然繊維は、直射日光によって変質したり変色したりする恐れがあるので、極力陰干しにした方がよいでしょう。
陰干しすべき洗濯物・陰干しマーク
陰干しすべき衣服かどうかは、衣服に付いているタグに、陰干しマークがあるかどうかを確認すれば分かります。
陰干しマークとは、正方形の左上に斜線が描かれたマークです。真ん中に縦線が1本の場合はつり干し、縦線が2本ある場合は濡れた状態で日陰でつり干し、真ん中に横線が1本の場合は、日陰で平干しすべきことを示しています。
また、この陰干しマークは、2016年12月1日以降から使用されている新しい表示であり、それ以前のマークとは異なります。以前の陰干しマークは、長袖Tシャツのイラストの右上に3本の斜線が入ったものでした。
陰干しのやり方
陰干しは、基本的に直射日光に当たらないところに干せばよいだけですが、屋外で干す場合は、日照時間と太陽の高度に気を付ける必要があります。特に室内で干す場合は、生乾きの臭いがしないように工夫することも大切です。
基本的な干し方
基本的な陰干しのやり方は、直射日光が当たらず風通しのよい場所を探して干すだけです。特に屋外で干す場合は、季節によって日照時間や太陽の高度が違うので、時間帯を工夫して干すとよいでしょう。
太陽が高く日照時間が長い春から夏にかけては、早朝から10時頃までと夕方17時頃から夜20時前後まで、太陽が低く日照時間の短い秋から冬にかけては、早朝から11時頃までと夕方16時から夜間にかけてが陰干しにおすすめの時間帯です。
生乾きの状態だと雑菌が繁殖しやすいので、しっかり乾いてから取り込むようにしましょう。
室内で干す場合
室内で干す場合は、特に生乾きの臭いがしないように気を付ける必要があります。
できるだけ風通しのよい部屋で、さらに窓やドアを開けて換気をよくした状態で干しましょう。扇風機の風を2~3時間衣服に当てて乾かしたり、夏場ならエアコンをドライにした状態で乾かしたりするのもおすすめです。
また、陰干しするスペースが室内にない場合は、お風呂場で乾かしてもよいでしょう。その場合も、換気扇を回し、風通しをよくした状態で干します。さらに、浴室乾燥機や扇風機を使えばより早く乾きます。
夜に干す場合
室内では干したくないけれど、日照時間を気にするのも面倒だという場合は、夜に干すのもよいでしょう。
ただし一晩中干すと朝日に当たってしまったり、季節によっては夜露に当たってしまったりすることもあります。特に春や夏の場合は20時頃までに取り込んでおきたいところです。
一晩中乾かしておく場合は、風通しがよく朝日が昇っても日陰になる場所を選んで干しましょう。
陰干しで臭いを出さない方法
陰干しをすると、雑菌が繁殖しやすくなり、生乾きの臭いがすることがあります。生乾きの臭い対策には、できるだけ早く乾かすこと、抗菌効果のある洗剤を使用することで、ある程度予防できるでしょう。
生乾きの時間を短くする
嫌な臭いの発生を防ぐためには、できるだけ短時間で乾かすことが大切です。屋外でも室内でもできるだけ風通しがよく、乾燥しやすい場所で干すようにしましょう。
特に夏場は、気温が高く、雑菌が繁殖しやすい季節です。扇風機を当てたり、エアコンのドライ機能を利用したりするなど、できるだけ部屋の湿度を下げるようにしましょう。
また、洗濯物同士の間隔をできるだけ空けて干すのも有効です。
洗剤の力を利用
臭い対策には、抗菌効果をうたった洗剤を使用して洗濯するのもおすすめです。特に最近では、部屋干し用をうたっている洗剤も多く発売されています。部屋干し用の洗剤は、干している間も抗菌作用が続くことで、臭い対策をしてくれます。
また、併せて防臭効果や消臭効果のある柔軟剤を使えば、さらに生乾きの臭いを抑えることができ、安心して陰干しした服を着ることができるでしょう。
正しい洗濯方法でお気に入りを大切に
直射日光を当てずに日陰で干す陰干しは、紫外線によるダメージから衣服を守ることができる、衣服に優しい干し方です。
素材によっては、日干しをしてしまうと変質や変色を起こしてしまうものもあり、必ず陰干しをする必要のあるものもあります。衣服を傷めないためにも、タグの洗濯マークをよく確認してから正しい方法で洗濯をすることが大切です。
お気に入りの衣服を、長く大切に着るためにも、それぞれの衣服に適した方法で洗濯するようにしましょう。