カセットコンロは、室内で使うのか、アウトドアで使うのかで選ぶべきタイプが変わります。基本の選び方や注意点を知り、自分に合ったものを上手に選びましょう。さらに使用シーン別に、15品のおすすめカセットコンロも紹介します。
目次
カセットコンロの基本の選び方は?
カセットコンロは、まず自分が使いたいシーンに合わせて選ぶことが大切です。どこで使うかで重視すべき機能が異なりますし、どれくらいの人数で使いたいかによって選ぶべきサイズが変わります。
また、火とガスを使うものですので、安全性を確認しておくことも大切です。
どこで使うかで選ぶ
カセットコンロは、使用場所に合わせて選ぶことが大切です。
鍋料理など、主に家で使うことをメインに考えている場合は、火力の調節機能や数種類のプレートを使えるものがおすすめです。とろ火機能が付いているものなら、みんなでゆっくり鍋を囲むときに便利でしょう。
プレートを付け替えるだけで、焼肉やたこ焼きなども楽しめるものなら、料理の幅が広がります。
一方、キャンプなどアウトドアシーンで使いたいなら、何より重視したいのは風よけの有無です。風よけがあることで、風によって火が流れてしまうことなく、安定した火力を供給できます。
また、携帯のしやすさもポイントです。専用ケース付きのものや折り畳み式のものなら、持ち運びに便利です。
さらに、カセットコンロは災害時にも活躍します。防災目的のために用意しておくなら、防風対策が施された、外でも使えるものを選ぶとよいでしょう。
収納場所や鍋に合うサイズを選ぶ
カセットコンロは、収納場所に合うサイズや、使用する鍋やプレートのサイズに合わせた大きさのものを選ぶことが大切です。
大きいサイズのものは、大人数の場面では活躍するものの、収納場所を取ります。小さいサイズのものは、収納する際にもかさばりにくく1人暮らしにぴったりです。実際に使用するシーンをイメージしながら選ぶようにしましょう。
また、鍋やプレートの大きさに対して小さすぎるカセットコンロだと、うまく加熱できません。なにより、ボンベ部分に調理器具が乗ることで、ボンベに熱が伝わってしまい、事故につながる危険性もあります。
逆に、鍋やプレートよりも大きすぎる場合は、鍋やプレートが安定せず、ひっくり返る可能性もあるでしょう。
目安としては、1人鍋や防災用なら幅30×奥行30cmくらいの小さめを選ぶのがおすすめです。アウトドアなど大人数で使用するなら、幅60×奥行40cm以上の大型のものを選ぶとよいでしょう。
安全機能はしっかりしているか
カセットコンロは、火とガスを使うものです。安心して使えるものかどうかも注意するべきところでしょう。
ほとんどのカセットコンロに備わっている安全機能が『圧力感知機能』です。この機能が搭載されていると、加熱によってボンベ内の圧力が急上昇したときに、自動的にボンベが外れて火が消えます。
ほかにも、『容器装着安全装置』が付いていると、コンロのつまみが閉じた状態でなければボンベを装着できないので、より安心です。
追加でチェックしたいポイント
(出典) photo-ac.com
便利かつ、安全にカセットコンロを使うために、ほかにも確認しておきたいポイントがあります。燃焼持続時間やお手入れのしやすさ、さらにメーカーもチェックしておくとよいでしょう。
火力や燃焼持続時間に注目
ガスボンベ1本で燃焼し続けられる時間を表した『燃焼持続時間』もチェックしておきたいポイントです。ほとんどの場合は1時間程度ですが、中には3時間以上のものもあります。
防災用など、特に長時間燃焼し続ける必要がある場合は、できるだけ長いものを選んでおくと安心でしょう。
また、燃焼持続時間とともにチェックしておきたいのが火力です。中には、燃焼持続時間は長いものの火力が弱いものもあり、使い方によっては不便なこともあるでしょう。
コスパを重視する人や、頻繁に使用する予定の人には、内炎式バーナーを採用したものがおすすめです。鍋の底に炎を集めるので、効率よく火力を使えます。
お手入れがしやすいか
カセットコンロは、鍋をしたときに吹きこぼれたり、焼肉をしたときに油が飛んだりと汚れやすいものです。手軽にお手入れするためにも、五徳部分が取り外し可能なタイプを選ぶ方がよいでしょう。
拭き取るだけのお手入れで済ませたいなら、フッ素加工されたものがおすすめです。サッと拭くだけで、汚れをきれいに落とせます。
また、トッププレートの構造がシンプルなものも、汚れを拭き取りやすいのでおすすめです。
カセットコンロの有名メーカーから選ぶ
火やガスを使うカセットコンロは、有名メーカーのものを選んでおくのが安心と考える人もいるでしょう。カセットコンロの主なメーカーとしては、イワタニ(Iwatani)・ニチネン(NITINEN)・アラジン(Aladdin)などが挙げられます。
カセットコンロなどLPガス分野において、トップシェアを誇るのがイワタニです。製品ラインナップも豊富で、用途に合ったものを選べるでしょう。
ニチネンは元々、業務用固形燃料を扱うメーカーでした。現在では、カセットコンロをはじめ、焼き網やグリルなどさまざまな商品を扱っています。
海外メーカーでは、アメリカのアラジンがあります。ストーブやキッチン家電を扱い、ユニークな見た目のカセットコンロも販売しているメーカーです。
カセットコンロを使用する際の注意点
(出典) photo-ac.com
カセットコンロを安全に使用するために、気を付けるべき注意点がいくつかあります。思わぬ事故を起こしてしまわないためにも、あらかじめきちんと知っておきましょう。
ボンベの種類や保管方法に注意
カセットコンロとガスボンベは、同じメーカーのものを使用しましょう。
カセットコンロの規格は、日本工業規格(JIS)で統一されているため、国内製のコンロとガスボンベならば使用はできます。
しかし、メーカーによっては、同じメーカー製のものでなければ、コンロの『安全装置が作動しない』というケースもあります。ガス漏れや火災の危険を避けるためにも、ガスボンベはコンロと同じメーカーのものを使用するのがベストです。
また、ガスボンベを保管する際は、『直射日光が当たらない場所』『40℃以下の場所』『乾燥した場所』に保管するようにします。中に含まれているガスが、高温により膨張して破裂・爆発してしまう恐れがあるためです。
アウトドアなどで屋外の環境に置いておく場合も、直射日光が当たる場所に置かず、日陰に置いたりシェードなどで日光を遮ったりしましょう。
カセットコンロの使い方に気を付けよう
カセットコンロは、正しく使わなければ危険です。誤った使い方をすると、火災や爆発を起こす危険性があります。
以下に挙げる注意点を必ず守って、安全に使いましょう。
- ガスボンベにかかるような、大きすぎる鍋やプレートを使わない
- 2台並べた上に大きなプレートを載せて使わない
- IHヒーターの上に載せて調理しない
- テントや車の中で使わない
- 家具・壁・カーテンなど燃えやすいものの近くで使わない
- ボンベは正しくセットして使う
参考リンク:カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方|一般社団法人 日本ガス石油機器工業会(JGKA)
カセットコンロには寿命がある
カセットコンロの寿命は約10年とされています。目立った故障箇所がなくても、Oリングと呼ばれる、ガス漏れ防止用のゴムパッキンが劣化してしまうためです。
使用頻度にかかわらず経年劣化してしまうものなので、約10年を目安に買い替えた方がよいでしょう。
いつ購入したかは、コンロ本体に貼ってある『製造年月日』が記載されたステッカーを確認してみれば分かります。
シンプルでおすすめの家庭用カセットコンロ
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家での使用をメインに考えて選ぶなら、シンプルで機能的なものがおすすめです。
高さの低い薄型のものを選べば、鍋などを置いても食べやすいので便利です。ヒートパネルが搭載されたものを選べば、最後まで火力をキープできるでしょう。
イワタニ カセットフー 達人スリム CB-AS-1
和食でも洋食でも、違和感のないシンプルなデザインのカセットコンロです。
テーブルから五徳のトップまでの高さは、わずか74mm程度と非常に薄くなっています。深さのある鍋を置いても中身が見えやすく、食べやすいでしょう。
炎の出口である『炎口』を縦長形状にすることで、炎が外に広がることなく鍋底に当たり、ムダ火を抑制することができます。
トッププレートには、高性能のプレコートフッ素鋼板を採用しているので、お手入れも楽々です。
イワタニ カセットフー 達人スリム CB-AS-1
キャプテンスタッグ ポータブルカセットコンロ UF-28
アウトドア用品ブランド、『キャプテンスタッグ』のカセットコンロです。
製品サイズは約幅342×奥行270×高さ86mm、重量は約1.5kgと、薄型かつコンパクトで軽量です。室内で使うのはもちろん、アウトドアシーンに持ち出すのにも便利でしょう。
ガスボンベはマグネット式なので簡単に正しく取り付けることができ、圧力感知の安全装置も搭載されているので安心して使えます。取り外しも、レバーを押すだけと簡単です。
キャプテンスタッグ ポータブルカセットコンロ UF-28
東海 卓上コンロ コン郎 TC-30MH
メタリックなベージュの色味が、どことなく高級感の漂うカセットコンロです。
火力は3.5KWとハイパワーな上、ボンベを適度に温めて火力を維持させる『ヒートパネル』が搭載されています。最後まで火力が衰えることなく、ガスを消費し切ることができるでしょう。
また、マグネット式なので、ボンベの着脱を簡単に正しく行うことができます。圧力感知安全装置が付いているのも安心です。
東海 卓上コンロ コン郎 TC-30MH
ニチネン マイコンロ・至 KC328-A
アルミ一体型なので頑丈な上、高級感のあるカセットコンロです。本体には、艶なしのブラック塗装が施されており、汚れや傷が目立ちません。
火力は3.5KWと強力な上、さらに直立炎バーナーを採用することで、熱効率と安全性にも優れます。
ヒートパネルも搭載され、ボンベ内のガスの気化を促進するので、最後まで火力をキープしたまま加熱可能です。
ニチネン マイコンロ・至 KC328-A
アウトドアに最適なカセットコンロ
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アウトドア用のカセットコンロを選ぶ際は、風よけが付いていることや携帯性に優れることが大切です。機能性が高いだけでなく、おしゃれなものを選べば、アウトドアでの調理や食事をさらに楽しめるでしょう。
イワタニ FORE WINDS ラックスキャンプストーブ FW-LS01
風よけになるトップカバーと風防リングが付いた、風に強い設計のカセットコンロです。
炎口は282個もあり、3.5KWのパワフルな火力が使えるので、料理の幅も広がるでしょう。五徳もしっかりした設計になっているので、鍋を置いても安定します。
また、デザインも洗練されているので、アウトドアシーンでの食卓をおしゃれなものにしてくれるでしょう。色はブラックとシルバーの2色があります。
イワタニ FORE WINDS ラックスキャンプストーブ FW-LS01
イワタニ カセットフー アウトドアコンロ タフまる CB-ODX-1
耐荷重20kgとダッチオーブンも使えるカセットコンロです。
五徳回りには、外側風防と内側風防の二つの風防を備えた『ダブル風防ユニット』を搭載し、五徳の上にどんな調理器具を置いても安定した遮風効果を発揮します。
その一方、火が燃えるのに必要な空気は、内側風防の下から入るように設計されているので、火力は衰えません。
さらに、多孔式バーナーが採用されており、炎が風の影響を受けにくいようになっています。アウトドアクッキングを存分に楽しみたい人におすすめです。
イワタニ カセットフー アウトドアコンロ タフまる CB-ODX-1
スノーピーク HOME&CAMPバーナー GS-600BK
五徳を収納するとコンパクトな筒状になるガスバーナーです。使わないときはキッチンの棚に置いておけば、インテリアの一部としても違和感がありません。
重さは1.4kgと軽量な上、かさばらないのでバッグに入れて持ち運ぶこともできます。
五徳を展開するとロックピンで固定され、本体の脚を含めて4点で支えるので、大きな鍋を置いても安定して使えるでしょう。アウトドアシーンはもちろん、家で活躍させることもできます。
カラーはブラック・シルバー・カーキの3色展開です。
スノーピーク HOME&CAMPバーナー GS-600BK
アウトドアに人気の2口タイプ
(出典) photo-ac.com
ファミリーキャンプなど大人数でアウトドアレジャーを楽しむときは、2口のカセットコンロが便利です。大きくても持ち運びが便利なもの、置きやすいものを選んでおくと使いやすいでしょう。
ソト ツーバーナー ST-527
トップカバーを閉めて収納したときのサイズは、約幅54.5×奥行33×高さ9.5cmとコンパクトなので、持ち運ぶ際にとても便利です。
発熱量が、3300kcal/hのバーナーが2口搭載されており、それぞれにカセットボンベを取り付けて使います。
別売りのスタンドを使えば、立ったまま調理することもできて便利でしょう。経済産業省の定めるPSLPGマークを取得しているのも安心です。
ソト ツーバーナー ST-527
ユニフレーム ツインバーナー US-1900
重量は約3.9kgと軽量で、楽に持ち運べます。さらに引き出しハンドル付きなのも、持ち運びの際に便利です。
パワーブースター(加温器)が搭載されており、燃焼部分の熱でカセットボンベを温めることで、安定した火力が供給されます。
最大火力は3900kcal/hと、ハイパワーでの加熱ができる一方で、簡単に火力調整ができるためとろ火でゆっくり加熱することもできます。
フタ部分は取り外しができるので、どんなサイズの鍋でも対応できるでしょう。
ユニフレーム ツインバーナー US-1900
イワタニ カセットガス テーブルトップBBQこんろ
カセットボンベを、水平方向に平置き装着して使用するカセットコンロです。装着後でも底面が平らなままなので、テーブルの上に直置きして使えます。アウトドアシーンはもちろん、室内でも活躍するでしょう。
また、水皿は深く設計され、さらに多孔式バーナーを採用しているので、屋外の風の影響を受けにくくムラなく加熱できるでしょう。
別売りのアクセサリーには、たこ焼きプレートや網焼きプレートをはじめ、さまざまな種類のプレートがあり、料理のレパートリーが広がります。
イワタニ カセットガス テーブルトップBBQこんろ
おしゃれなデザインのカセットコンロ
(出典) photo-ac.com
デザイン性の高いものを使えば、食卓の雰囲気が大きく変わります。ここでは、おしゃれなだけでなく、機能面においても優れ、おいしく調理できるものを集めました。
アラジン ポータブル ガスカセットコンロ ヒバリン SAG-HB01
火鉢や七輪を思わせるユニークな見た目のカセットコンロです。商品名の『ヒバリン』は、火鉢と七輪を掛け合わせたネーミングです。
グリルキットが付いているので、餅や魚を焼くのにも使えます。放射プレートを赤熱させて熱を発生させるので、焼きムラができることなく、中までじっくり加熱できる仕組みです。
中央が少し凹み、バーナー部分を囲むように設計された天板の形状によって、風が吹いても火が消えにくい構造になっています。
アラジン ポータブル ガスカセットコンロ ヒバリン SAG-HB01
イワタニ アモルフォ プレミアム CB-AMO-80
スタイリッシュで高級感の漂うデザインが目を引くカセットコンロです。2010年度のグッドデザイン賞を受賞し、そのデザイン性の高さは広く評価されています。
テーブルから五徳までの高さは約8.4cmと薄型です。鍋の中身を取り出しやすく、料理や食事を楽しめるように設計されているのも使いやすいポイントでしょう。
また、吹きこぼれや風によって火が消えても、センサーが温度変化を感知し、自動的に再点火させる安全装置が付いているなど、機能面も優れています。
イワタニ アモルフォ プレミアム CB-AMO-80
カセットコンロをさまざまなシーンで活用!
(出典) photo-ac.com
カセットコンロがあれば、室内でも屋外でも、料理のレパートリーが広がります。自分の使いたいシーンに適した機能が付いたものを選べば、快適に調理や食事ができるでしょう。
さらに、カセットコンロを一つ持っておけば、災害時の備えにもなり安心です。
正しい選び方を知り、上手に選んだカセットコンロは、ぜひさまざまなシーンで活躍させましょう。