柔軟剤を使わないことに、メリットがあるのをご存知でしょうか?ふんわり感を出す洗濯方法や香りの付け方を知ることで、柔軟剤に頼らなくて済むようになるでしょう。柔軟剤を使わないメリット・デメリットや洗濯の仕方、香り付けの方法を紹介します。
目次
柔軟剤を使わないとどうなる?
柔軟剤を使わないことによるメリットとデメリットをお伝えします。洗い上がりの好みやライフスタイルに応じて、柔軟剤の有無について考えていきましょう。
使わないことで起きるよい変化
柔軟剤を使わないメリットを三つ紹介します。
まず、『肌に優しい』ことです。柔軟剤には、界面活性剤などの石油系の原料が使われています。子どもや敏感肌の人にとっては刺激になり、肌トラブルの原因にもなり得るのです。
また、香り付けを目的としている人は、柔軟剤をより多く入れる傾向にあります。既定の量よりも多く入れるとすすぎきれず、肌トラブルの原因になることが多いでしょう。
二つ目のメリットは、タオル本来の『吸水性を維持できる』ことです。柔軟剤は生地の表面に膜を張ってしまうため、吸水性が落ちることがあります。
そして、三つ目は『生活コストが下がる』ことです。もし、洗濯用洗剤以外に柔軟剤を買い足している場合、使用をやめることでより節約できます。
柔軟剤を使わない場合のデメリット
次に、柔軟剤を使わないデメリットを三つ解説します。
一つ目は、洗濯後の『臭い残りを感じやすい』ことです。洗濯洗剤の香りだけになるためよい香りを感じにくくなり、むしろ嫌な臭いが残った場合にはより不快に感じやすくなってしまいます。
二つ目に、衣類が『硬くなる』ことです。柔軟剤は、繊維をコーティーングしてふわふわに仕上げてくれるものです。柔軟剤を入れないことで繊維が絡まり、より硬い洗い上がりになってしまうでしょう。
三つ目は、『静電気が発生しやすくなる』ことです。柔軟剤には、静電気を防止する『陽イオン性界面活性剤』が含まれています。
柔軟剤を使わないで洗濯をすると、衣類の繊維に摩擦が生じ、静電気が発生しやすくなるのです。静電気は空気中の花粉などを寄せ付ける原因にもなります。
柔軟剤を使わない洗濯の仕方
(出典) pixabay.com
柔軟剤を使わずに洗濯する方法を解説します。柔軟剤がなくても、わずかなポイントを押さえることで、より肌触りよく洗い上げることができます。
柔軟剤なしで洗濯するときのコツ
タオルを例にとって、柔軟剤なしでの洗濯の仕方を具体的に解説します。
- タオルを洗濯ネットに入れる
- 適正量の洗剤を入れる
- 水の量を多めにして洗濯する
- すすぎは複数回行う
洗濯のコツは三つあります。
まず、『洗濯ネットに入れる』ことです。タオル生地の表面にあるパイルは輪っか状になっており、ふわふわの仕上がりにするためには、パイルをつぶさないことが重要です。洗濯ネットに入れることで、このパイルがつぶれにくくなります。
二つ目に『洗剤は適正量を保つ』ことです。柔軟剤の代わりといって入れすぎると逆効果になります。
柔軟剤なしの洗濯のコツの三つ目は、洗濯の『水を多めにする』ことです。洗濯物同士がこすれるのを抑え、生地の繊維が倒れにくくなります。
干し方のコツ
干し方のコツは二つあります。
まず、『干す前に繊維を立たせる』ことです。洗濯後は繊維が倒れてしまっているため、衣類やタオルを10回程度振って立たせるようにします。
繊維の流れに逆らうようになでて立ち上がらせてもよいでしょう。より衣類が乾きやすくなり、生乾きを防止する効果もあります。
次に、『乾かす時間を短くする』ことです。特にタオルは、完全に乾かすとゴワゴワした状態になってしまいます。わずかに水分を含んだ程度にしておくことで、肌触りのよい状態を保てるようになるのです。
干すときは、風通しのよい場所での陰干しがおすすめですが、もし天日乾燥したい場合は3時間程度に留めておきましょう。
柔軟剤は素材で使い分けをしよう
(出典) photo-ac.com
柔軟剤に適したもの、適さないものを解説します。柔軟剤は、必ずしも使わない方がよいというわけではなく、洗うものによって使い分けることが大切です。
使わない方がいいもの、素材
柔軟剤を使わない方がよいものや素材は、以下の通りです。
- タオル
- ナイロン製の洋服
- マイクロファイバー
- ベビー服
- 吸汗や撥水、耐火性、防水性の高い洋服
柔軟剤を使いがちなタオルも含まれるので、気を付けましょう。薬剤が繊維の周りにコーティングされてしまい、タオルの吸収力が落ちてしまいます。
また、柔軟剤の薬剤が繊維に蓄積されることで硬くなっていき、早く劣化してしまう危険性もあります。
布マスクも柔軟剤は使わない
布マスクには柔軟剤を使わない方がよい理由は、三つあります。
まず一つ目は、『型崩れしやすい』ことです。柔軟剤を使うことでマスクが柔らかくなりすぎてしまい、形状を維持できなくなってしまいます。
二つ目に、『機能性や素材の劣化原因になる』ことです。柔軟剤の薬剤がマスクに残ることで、吸水性が落ちてしまったり、風合いや肌触りが変わってしまったりすることがあります。
そして最後は、『肌荒れの原因になる』ことです。マスクの繊維に柔軟剤の薬剤が残ってしまうと、汗と反応してトラブルを引き起こすことがあるのです。
特にすすぎが不十分であれば、常に肌に柔軟剤を塗っているのと同じような状態になります。健やかな肌を維持するためにも、柔軟剤を使ってマスクを洗わないようにしましょう。
上着類は柔軟剤の使用がおすすめ
外気に触れる上着類は、柔軟剤を使用することで清潔に保ちやすいです。油膜を張るため静電気の発生を防いでくれます。結果的にPM2.5や花粉の付着を少なくする効果が期待できるでしょう。
また、上着以外にも、ワイシャツやブラウスへの使用もおすすめです。柔軟剤はツヤや潤いを与えてくれます。よりふんわり見せてくれるため、風合いを残したまま洗い上げることができます。
柔軟剤のようなふんわり感を出す洗剤
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洗い上がりがふんわりするようなお助けアイテムについて解説します。家庭にあるもので、柔軟剤のデメリットをカバーできる優れものを二つ取り上げますので、ぜひ取り入れていきましょう。
クエン酸が大活躍
クエン酸は弱酸性のため、弱アルカリ性の洗剤を中和しふわふわの仕上がりにしてくれます。柔軟剤のようにコーティングしないため手触りのよさは劣りますが、吸水性が落ちない上に肌に優しいというメリットがあります。
クエン酸の使い方を解説しますが、一般家庭の洗濯量の6kg程度を想定していますので、その時々の洗濯量に応じて調整しましょう。
ドラム式洗濯機の場合には、水50ccにクエン酸小さじ1杯を溶かして柔軟剤投入口へ入れます。
一方、縦型の洗濯機の場合は、同様に柔軟剤の投入口へ入れてもよいですが、最後のすすぎのタイミングで直接洗濯槽へ入れてもOKです。
重曹でも代用可能
重曹はふんわりと洗い上げてくれる上に、静電気を抑えてくれる効果が期待できます。柔軟剤の香料が苦手な人にもおすすめです。
それでは、重曹を使った洗濯手順を解説します。
- 30〜40℃のぬるま湯で重曹を溶かす
- 柔軟剤の投入口に入れる
- 通常の手順で洗濯する
重曹を使用する際、注意するべきポイントがあります。
まず、重曹は水に溶けにくく、詰まりの原因になってしまうことがあるため、『30〜40℃のぬるま湯』を使う点です。
次に、色柄モノを洗う際には、事前に目立たないところで『色落ちチェック』をしておきましょう。
そして、重曹はアルカリ性のため、使用の際は『ゴム手袋』をします。また、保管の際には、『密閉容器に入れて保管』するようにしましょう。
洗濯物によい香りだけ付けたい場合は?
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洗濯物によい香りを付ける方法と手順を、詳しく解説します。生地を傷めず、効果的に香り付けすることができるでしょう。いままで柔軟剤の匂いに頼ってきた人も要チェックです。
サシェやファブリックミストを使う
フランス語で『匂い袋』を意味するサシェには、ワックス製のシートタイプ・ポプリが入ったもの・紙袋に入ったものなど、さまざまなものがあります。
紐が付いていたり、穴が空いていたりすれば、クローゼットの中のポールやハンガーなどに掛けられます。ほかのフレグランスアイテムと比べて匂いが強すぎず、ほのかな香りがほしい人におすすめです。
また、ファブリックミストを使うのもよいでしょう。ひと吹きするだけで消臭・香り付けができる便利なアイテムです。
洋服以外に、カーテンやソファーなどにも使えるので重宝するでしょう。携帯用やマスク用など種類も豊富です。
アロマオイルを洗濯に使用する
アロマオイルを洗濯に使用するのも効果的です。
使い方は以下の通りです。
- 170mlの水に、グリセリンとクエン酸を大さじ2杯ずつ混ぜる
- エッセンシャルオイル15〜20滴を入れて溶かす
- 最後のすすぎの前に、30mlほど洗濯槽か投入口へ入れる
注意点として、エッセンシャルオイルは溶け残るとシミの原因になるので、しっかり混ぜましょう。また、高温にさらされると香りが飛んでしまうため、直射日光に当てたり乾燥機にかけたりしないようにします。
さらに、アロマオイルの選び方ですが、色の付いたものはシミの原因になるので避けます。
アロマオイルを選ぶ際は、以下の2点を満たしているかどうか、確認しましょう。
- 緑色、青色、茶色の遮光瓶に入っているか
- ラベルなどに『エッセンシャルオイル』『精油』『Pure Essential Oil』の表記があるか
上記の要件を満たしていない場合、合成香料である可能性があるため注意しましょう。
柔軟剤を使わない生活、始めてみませんか?
(出典) photo-ac.com
柔軟剤を使わないメリットは三つあります。まず、柔軟剤の薬剤が肌に付かないため、肌トラブル防止につながることです。次に、洗濯物の生地を傷めないこと、そして生活コストが下がることです。
一方、柔軟剤を使わないことにはデメリットもあります。洗濯後の嫌な臭いを感じやすくなること、仕上がりの手触りが硬くなってしまうこと、静電気が発生しやすくなることの3点です。
また、柔軟剤はタオル・布マスクなどに使用するのは避け、上着・シャツ・ブラウスなどには使用するのがおすすめです。
柔軟剤のようにふんわり洗い上げたい場合は、クエン酸や重曹で代用するという方法があります。サシェやファブリックミスト、アロマオイルを使用すると、生地を傷めずにふんわりと香り付けができます。
メリット・デメリットを踏まえた上で、上手な洗濯方法や香り付けのアイデアを生かし、柔軟剤を使わない生活を始めてみてはいかがでしょうか?