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エアコンの電気代を節約する方法とは?1時間あたりの電気代も解説

真夏や冬場は、エアコンの使用がかかせません。しかし、気になるのは電気代です。エアコンの電気代はどれくらいかかり、どんな節約法があるのでしょうか。エアコンにかかる電気代と高くなる要因、さらには効果的な節約法をご紹介します。

エアコンにかかる1時間あたりの電気代

エアコンの電気代の節約方法を考える前に、まずは現状を把握することが大切です。現在、1時間あたりの電気代はどれくらいかかっているものなのか、計算して確認してみましょう。

1時間あたりの電気代を計算する方法

1時間あたりの電気代は、『消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金』で求めることができます。

『消費電力(kW)』とは、電化製品を1秒動かすのに必要な電力量のことです。製品のカタログや説明書に記載がありますので、確認してみましょう。

wで記載されている場合は、kWに換算して計算する必要があります。1kW=1000wとして求めましょう。

次に、『1kWhあたりの電気料金』は、電力会社が定める料金です。地域や料金プランによって異なりますので、自分が利用している電力会社のプランを確認してみましょう。

『消費電力(kW)』と『1kWhあたりの電気料金』をかけ合わせれば、1時間あたりの電気代を求めることができます。

エアコンの冷房・暖房にかかる電気代

エアコンの冷房・暖房使用時にかかる電気代は、エアコンの『対応畳数』と『設定温度』によって変わります。

例えば、6畳の部屋で、6畳用のエアコンが標準運転の際に消費する電力量は570Wで、1時間あたりの電気代が15.3円であるとしましょう。

それに対し、12畳用のエアコンは同条件下だと、消費電力量が1160W、1時間あたりの電気代は31.3円になります。

6畳の部屋に12畳の広さに対応するエアコンを設置しても、冷え方は変わらないのに電気代が2倍近くかかることになってしまうのです。

また、エアコンの設定温度も電気代に大きく影響を与える要因です。

夏に室温を18℃になるように設定した場合と、28℃に設定した場合とでは、18℃設定の方がより多くの電力量が必要となるため、当然料金も高くなります。

冷房・暖房・除湿による電気代の違い

(出典) pexels.com

冷房と暖房では、暖房の方が電気代は高くなるものです。また、冷房と除湿の電気代ではどちらが安くなるのかについては、使用する環境や運転モードによって異なります。

冷房よりも暖房の方が電気代が高い理由

エアコンの電気代は、室温と設定温度に差があるほど高くなるものです。

例えば、2020年の東京における8月の最高気温は37.3℃でした。この日に冷房の温度設定を28℃にしたとすると、その気温差は約9℃です。

一方、2020年の東京における2月の最低気温は-2.1℃でした。暖房の温度設定を20℃とすると、気温差は約22℃もあることとなり、夏よりも気温差の値はずっと高くなります。

このように、夏よりも冬の方が外気と室内の温度差は大きくなる傾向にあり、電力量は温度差の分だけ消費されるので、冷房よりも暖房の方が電気代は高くなるのです。

参考:気象庁|過去の気象データ検索

冷房と除湿の違いは?

冷房と除湿の違いは、部屋の温度を下げることを目的とするか、湿度を下げることを目的とするかということにあります。

どちらも、空気を取り込んで、エアコン内部で冷やした空気を部屋に送るという点では同じです。

冷房の場合はそれだけの機能ですが、一方除湿の場合は、空気が冷やされることで出てきた水分を、ホースを通して室外に放出します。

部屋に戻す空気から湿度が取り除かれ、これを繰り返すことで、室内の湿度と温度を下げていくのです。

また、電気代については、そのときの気候の温度や湿度などによりますし、選択する除湿モードの違いにもよるため、どちらの方が安いかは一概にはいえません。

10年前・最新のエアコンの電気代の差

(出典) pexels.com

10年前のエアコンは省エネ性能が劣るので、電気代が高くつくとよくいわれますが、近頃ではそこまで変わらないことも多いものです。

ただし、エアコンは経年劣化によって、どうしても消費電力に差が出ます。あまりに古いモデルを使用している場合は、買い替えた方が電気代を抑えられるでしょう。

2010年ごろから省エネ性能の差は横ばい

一般的に、古いモデルのエアコンと最新モデルのエアコンとでは、省エネ性能に差があるため、電気代に差が出るとよくいわれてきました。

確かに、10年前のモデルと最新モデルとでは、最新モデルの方が電気代は安くなります。

しかし、2010年ごろのモデルから、省エネ性能については大きな変化のないメーカーが多く、安くなったといっても年間にして1000円程度しか変わらないこともあるのです。

もちろん、電気代はメーカーや使用モデル、対応畳数によって違うため、大きく節約できる場合もあります。

しかし、2010年以降のモデルを使用しているのであれば、それほど変わらないことも少なくありません。

経年劣化による消費電力の変化

エアコンの消費電力量は、毎年4~5%の割合で増加していくものです。

エアコンは、室温が設定温度に下がるまでは、電力をたくさん消費する高速運転をし、設定温度に達すると低速運転に切り替える仕組みになっています。

新しいエアコンの場合、パワフルに稼働し、あっという間に設定温度に達するため、高速運転時間は短くて済むものです。

一方で、経年劣化した古いエアコンは、性能の低下により設定温度に達するまでに時間がかかり、高速運転の時間も長くなります。

あまりにも劣化したものだと、設定温度に達することができず、ずっと高速運転を続けることもあるかもしれません。消費電力量が増えた結果、電気代も高くなってしまうでしょう。

買い替え時はエアコンのグレードもチェック

エアコンは同じグレードのものを10年前のモデルから最新モデルに買い替えたとしても、スペックは5%ほどしか変わらないものです。

しかし、一般的なグレードからハイグレードのモデルに買い替えた場合は、機能面はもちろん、電気代に大きな差が出ます。

特に、最新のエアコンのハイグレードモデルは、気流によって部屋の気温を効率よく調節したり、『人感センサー』によって人がいる場所の温度のみを調節したりといった機能が充実し、節電効果の高いものが多いでしょう。

家族が集まり、稼働時間も長くなりがちなリビング用のエアコンは、思い切ってハイグレードモデルの設置を検討するのがおすすめです。

また、現在販売されているエアコンには、『統一省エネラベル』というものが付いています。

これは、エアコンの形態・冷房能力・大きさが同じなら、どれくらい省エネ性に優れ、節電効果が見込めるかを表したものです。

買い替えの際は、統一省エネラベルをチェックしながら選ぶのもよいでしょう。

エアコンの電気代を節約する方法

(出典) pexels.com

エアコンの電気代を節約する方法には、すぐにでも実践できる簡単なものや、少しの手間でできるものなど、取り入れやすい方法がいくつかあります。できることから始めてみましょう。

自動運転モードに設定する

エアコンの電気代を節約するためには、『自動運転モード』に設定しておくのが最も効果的です。

弱運転にした方が、節約できるように思う人も多いのではないでしょうか?しかし、実は弱運転の方が電気代はかかります。

エアコンが最も電力を消費するのは、室温が設定温度に達するまでの間です。弱運転にしてしまうと、設定温度に到達するのに時間がかかってしまうため、電気代も多くかかることになるのです。

一方、自動運転モードにすると、室温を設定温度まで一気に調節し、その後は省エネ運転に切り替わるため、電気代を節約することができます。

エアコンの設定温度を1℃上げる

省エネを目的とした、環境省が提示しているエアコン使用時の室温の目安は、夏は『28℃』、冬は『20℃』です。

しかし、夏はこの温度では暑く感じるため、低い温度に設定してもっと室温を下げている人も少なくないのではないでしょうか?

そんな人は、設定温度を1℃上げてみましょう。冷房の設定温度を1℃高くすれば、約13%の節電効果が見込め、電気代を節約することができます。

また、暖房時は設定温度を1℃下げることで、約10%の節電効果が期待できます。

参考:どうして「28℃」?/COOLBIZ|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
参考:ウォームビズとは|ウォームビズ(WARMBIZ)
参考:みんなで節電アクション! | オフィスでできる節電アクション | 1.エアコンで節電!

送風機(サーキュレーター)を併用する

エアコンと送風機(サーキュレーター)の併用も、電気代の節約に有効です。

一般的に、冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上にたまりやすく、部屋の空気の温度は場所によって差があります。

送風機を使って空気を循環させることで、この温度差を解消することができ、設定温度が同じでもより涼しく感じるでしょう。

その結果、冷房の設定温度を頻繁に変える必要がなくなったり、少し低めの設定温度でも過ごしやすくなったりするため、電気代の節約につながります。

送風機がない場合は、扇風機を使ってもよいでしょう。

フィルターと室外機を掃除する

フィルターと室外機の掃除も大切です。フィルターにごみやほこりがたまると、エアコンから出る空気の量が制限されるため、冷暖房効率が悪くなり、電気代が高くなってしまいます。

環境省によると、フィルター清掃を2週間に1回のペースで行えば、『冷房効率は約4%』『暖房効率は約6%』上昇するそうです。できるだけ小まめに、エアコンのフィルター掃除を行うようにしましょう。

また、室外機もごみやほこりによって運転効率が落ちますし、そのまま放っておくと故障の原因にもなり得ます。こちらも定期的な清掃を心掛けましょう。

参考:みんなで節電アクション! | オフィスでできる節電アクション | 1.エアコンで節電!

エアコンはつけっぱなしの方が節約になる?

(出典) pexels.com

エアコンは、電源を入れた直後が最も電力を消費するため、つけっぱなしの方が節約になることがあります。もちろん、すべての場合において節約になるわけではありません。

つけっぱなしがよい場合と、切った方がよい場合を知った上で使い分けましょう。

エアコンは立ち上がり時に電力を消費する

エアコンは、電源を入れてから室温をエアコンの設定温度に下げるまでの間に、最も電力を消費します。

つまり、小まめにエアコンの電源を入れたり切ったりするほど、消費電力が増えるといえます。そのため、つけっぱなしの方が節約になることもあるのです。

ただし、つけっぱなしにしておく方がよい時間の目安は、外気の温度や使用しているエアコンによって異なるので注意が必要です。

つけっぱなしにする時間と実際にかかった電気代を比べながら、安くなる時間の目安を探ってみるとよいでしょう。

つけっぱなしの節約効果は年式次第

エアコンをつけっぱなしにすることで、電気代の節約効果を得られるのは、エアコンの年式によります。

古いエアコンの場合は、多くの電力を消費する高速運転時間が長くなったり、ずっと高速運転を続けたりすることがあります。つけっぱなしにすることで、逆に大量の電力を消費してしまう可能性もあるのです。

2010年以前の古い年式のエアコンの場合、節約どころか、結果的に電気代が高くつくこともあるでしょう。

外出時間でオン・オフを使い分ける

つけっぱなしの方が電気代の節約ができるといっても、長時間外出していて、誰もいない部屋でエアコンを稼働させ続けるのは節約にはなりません。

外出時にエアコンをつけっぱなしにするかどうかの目安は、室温が設定温度に達してから『1時間以内』に帰宅するかどうかです。

1時間以上外出するなら、オフにしておくのが効果的とされています。

無駄な電力を消費しないためにも、外出時間に応じて使い分けるようにしましょう。

契約の見直しも電気代節約になる

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契約している電力会社や料金プランを見直すことで、電気代を大幅に節約できることがあります。現在の使用状況を踏まえながら、最も無駄のないプランを選びましょう。

電力会社を変えると電気代が安くなる

電力会社を変えることで、大幅に電気代を安くできることがあります。

一日の中で、最も電力を消費する時間帯にお得になるプランを提供している会社を選ぶなどすれば、1万円以上節約できることもあるでしょう。

また、2016年に電力の小売りが自由化されたことで新しく参入した会社の場合、従来からある大手電力会社よりも、電気料金が安いことも多いものです。

さらに、元がガス会社の場合は、ガス料金とのセット割、通信業者ならインターネット料金とのセット割を提供していることもあり、それらを活用すればより節約できることもあるでしょう。

電気契約見直しのポイント

電気契約見直しの際にポイントとなるのは、電力会社・料金プラン・契約するアンペア数です。

まず、電力会社については、電気をどれだけ利用するのかに応じて、基本料金と従量料金の1kWあたりの単価を比較して選びます。

電力をあまり使用しない場合は基本料金が安い会社を、たくさん使用する場合は、従量料金が安い会社を選ぶのがおすすめです。

料金プランについては、電気を最も使う時間帯にお得になるプランや、公共料金や通信料金とのセット割でお得になるものを選ぶとよいでしょう。それぞれのプランの違いをしっかり理解した上で選ぶことが大切です。

また、契約するアンペア数も、最も電力を消費する時間帯に合わせて選びます。安いからと低く契約すると、ブレーカーが落ちて停電する可能性がありますし、逆に高すぎるアンペア数で契約すると基本料金が上がってしまいます。

必要なアンペア数を把握した上で、見直してみるようにしましょう。

エアコンの使い方を工夫して電気代を節約!

(出典) pexels.com

エアコンは、新しいほど高い節電効果が見込めるわけでもなく、小まめに消すことで節電できるわけでもありません。

もちろん環境や、購入してからどれくらいの時間が経過しているかにもよりますが、自動運転モードを活用したり、外出時間に応じてつけっぱなしにしたりするなど、使い方を少し変えることでも電気代を節約することができます。

効果的な使い方をして、上手に電気代を節約しましょう。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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