日本の高温多湿な気候においては、室内のダニをゼロにするのは現実的ではありません。しかし、健康被害につながるリスクがあるので、ダニ退治は必須です。ダニがたまりやすい場所や、有効な対策を具体的に紹介します。
目次
まずは敵を知ろう!ダニの特徴について
ダニは、どのような特徴を持っているのでしょうか?対策するためにも、まずは特徴を知ることが大切です。部屋によく生息するダニの種類を、具体的に紹介していきます。
部屋に発生するダニの種類は?
部屋の中に発生することが多いダニは、『チリダニ』『コナダニ』『ツメダニ』の3種類がメインになります。
このうち、8割程度が『チリダニ』だといわれています。チリダニが生息しない家はほぼないと言っても過言ではないでしょう。
チリダニは、人を刺したりかんだりはしませんが、ふんや死骸などがアレルギー疾患の原因になる恐れがあります。
コナダニも人をかむことはありませんが、ツメダニはまれに人をかみ、かゆみを発生させることがあります。
ダニが発生しやすい時期・環境は?
ダニは、高温多湿の環境が大好きです。温度は20〜30℃、湿度が60%の条件がそろうと発生しやすくなります。梅雨の時期から秋ごろまでが最も発生しやすい時期です。
場所としては、布団・ソファーなどの、繊維が多く暗いところを好む傾向にあります。
寝汗や皮脂が付着する布団などは、ダニが大好きな場所です。何百万ものダニが潜んでいる可能性もあるでしょう。
ダニが増殖しやすい場所と対策は
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ダニが増えやすい場所と対策を具体的に紹介していきます。今まで何もしていなかった場合は、できるところから早めに着手していきましょう。
布団や枕などの寝具
ダニは、高温多湿を好みます。そのため、寝ている間に汗をかいてしまったり、熱がこもりやすかったりする布団や枕などの寝具は、格好の場所です。
ダニは50℃以上の熱に弱いため、『布団乾燥機』を使うのが効果的な対策です。40分程度の乾燥を2〜3カ月に1回行うとよいでしょう。
また、コインランドリーなどで乾燥させるのもOKです。温度設定を120℃の高温に設定することもできるので、ぜひ試してみましょう。
天日干しは、温度の観点からダニ死滅の効果が乾燥機よりは下がりますが、布団を乾燥させてダニが生息しづらい環境をつくることが可能です。
いずれも終わった後は、必ず掃除機をかけましょう。放置していると適温がキープされてしまい、ダニが逆に住みやすくなってしまいます。
カーペットや畳
カーペットや畳も、熱によるダニ退治が効果的です。もし、布団同様に乾燥機にかけられるカーペットであれば、同じように試しましょう。
しかし難しい場合は、定期的に掃除機をかけるようにするのがよいです。食べ物のカスやホコリなど、ダニの餌を取り除くことで増殖を防止できます。
また、『スチームアイロンがけ』も有効なので、以下の手順で行いましょう。
- 部屋を1時間ほど真っ暗にして、ダニが出てきやすい環境をつくる
- カーペットや畳の上にぬれタオルを当てて、上からスチームアイロンをかける
- 最後に、掃除機をかけて完了
スチームアイロンは100℃以上の高温になりますので、やけどに気を付けながら使いましょう。
ソファ
日常的に使うソファも、食べカス・汗・フケなどがたまりやすい場所なので、ダニが発生しやすいです。
洗えるカバーが付いているタイプのものであれば、小まめに洗うことでダニ対策になります。
また、ソファ本体に掃除機を定期的にかけるのも効果的です。布団と同様に、暗くしてからアイロンと掃除機をかけるのも有効ですので、試してみましょう。
ソファは丸洗いできないものの、小まめに対策をすることで駆除・予防になります。
ダニが人体に与える影響とは
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ダニは、人体にアレルギー症状などの影響を与えます。具体的に知ると、対策の必要性をより感じるのではないでしょうか。子どもがいる家庭は、特に注意が必要です。
さまざまなアレルギー疾患を引き起こす
ダニは、アレルギー疾患を引き起こす可能性があります。
具体的には、『アトピー性鼻炎』『アレルギー性結膜炎』『気管支喘息』『アトピー性皮膚炎』などです。咳が出る、鼻水が止まらない、皮膚のかゆみなどの症状が出るのが特徴です。
花粉症との区別が難しいこともありますが、ダニによる場合は季節性がなく、年間を通して症状が見られます。
大人よりも、子どもの方がつらい症状が出やすいので要注意です。気になる症状が見られる場合には、すぐにダニ退治を行いましょう。
刺されることでかゆみ・湿疹の原因に
ダニに刺されると、かゆみ・湿疹などの症状が見られます。
部屋の中に生息するダニは、あまり人を刺さない傾向にあるものの、半袖など肌の露出が多い暑い季節には、刺されるリスクが上がるでしょう。
刺されると、翌日ごろに赤み・かゆみなどの症状が出てきます。二の腕・太ももなど、皮膚が柔らかい場所が刺されることが多いので、もし該当する部分に症状が出た場合はダニの可能性を疑いましょう。
なお、1週間くらい症状が続くこともありますので、気になる場合には皮膚科の受診をおすすめします。
効果的なダニ対策は
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ダニ対策に効果的な方法には、どのようなものがあるのでしょうか?すぐに実践できる、具体的な方法を紹介していきます。
くん煙剤を使う
生きているダニには、『くん煙剤』が有効です。殺虫成分を部屋中に満遍なく行き渡らせることができるので、ベッドやソファーなどの一部分だけでなく、部屋全体を駆除できます。もちろん、天井裏やクローゼットの中なども殺虫してくれます。
効果が出るまで2〜3時間はかかるので、まとまった時間を取れるときに実施するとよいでしょう。
また、使用後はダニの死骸がたくさん転がっている状態なので、必ず掃除機をかけます。ダニの死骸もアレルギーの原因になるためです。
なお、くん煙剤を使用すると、煙や霧が大量に散布されるので、パソコンなどの精密機器は、別の部屋に移動させるかカバーを掛けておきましょう。ペットも部屋に入れないようにする必要があります。
定期的に掃除を行う
ダニ対策として効果的なのが、週に1回以上の頻度で掃除機をかけることです。
床に落ちている食べ物のカスやホコリなど、ダニを増やす要因になるものを取り除いておきましょう。寝具も頻繁に洗濯をし、カバーも取り替えるのがおすすめです。
また、小まめに換気して乾燥した空間をキープするのも、ダニ防止対策になります。
日本は、高温多湿な気候のため、ダニが自然と発生しやすい環境にあります。ダニをゼロにすることは難しくても、掃除の頻度を多くし、ダニが発生しづらい環境をつくることが大切です。
おすすめのダニ対策アイテムは
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おすすめのダニ対策アイテムを紹介します。くん煙剤をはじめ、さまざまな商品を紹介しているので、ニーズに合うものを見つけてみましょう。
アース製薬 ダニアースレッド
室内のダニ駆除をしてくれるくん煙剤です。極力無駄な煙を減らし、煙に含まれる有効成分の比率が高まるように開発された商品です。
火を使わずに使えるほか、セットしてから煙が蒸散し始めるまでに1分程度の余裕があるため、部屋を出るときも焦らずにすみます。
こちらの商品は6〜8畳向けのほか、12〜16畳のより広い部屋に対応できる容量のものもあります。使いたい部屋に応じて検討してみましょう。
アース製薬 ダニアースレッド
P&G アリエールスプレー ダニよけプラス
ソファや布団などにスプレーするだけで、手軽にダニを駆除・予防できる商品です。
なかなか洗いづらいベッドやぬいぐるみなどに使うのも効果的でしょう。皮膚科医が監修した肌テスト済みなので、安心して使えます。
また、シーツや布団カバーなどの洗濯には、同じシリーズのラインナップの洗剤を使うのもおすすめです。うまく併用することで、洗濯の可否にかかわらず、ダニ対策を隅々まで講じることができます。
P&G アリエールスプレー ダニよけプラス
大日本防虫菊 KINCHO タンスにゴンゴン
ウォークインクローゼットなどのダニを防ぐことができる商品です。
クローゼットのレールに引っ掛けておくだけで、衣類やバッグなどにダニが付くのを防いでくれます。1個につき、有効期間は1年間です。
無臭タイプなので、お気に入りのアイテムに臭いが付いてしまう心配もありません。場所も手間も取らず、手軽にダニ対策ができるでしょう。
大日本防虫菊 KINCHO タンスにゴンゴン
イースマイル さよならダニー
ベッド用のダニ退治アイテムです。4シート入っていて、一つのシングルベッドに2枚のシートを使います。
使用方法は、『さよならダニー』シートを、マットレスとベッドパットの間に挟むだけと簡単です。
1枚のシートで25万匹ものダニを捕獲でき、使用方法もシンプルなので、洗うのが難しいベッドに最適なアイテムでしょう。シートの交換時期は、およそ2カ月に1回です。
イースマイル さよならダニー
日革研究所 ダニ捕りロボ
「ダニアレルギーに苦しむ孫を救いたい」という一心で開発された商品です。ダニが好む香りが処方されているので、シートを置いておくだけでダニをおびき寄せられます。
シートに捕獲されたダニは、乾燥して死滅する仕組みになっています。化学性の殺虫成分は使われていないので、安心して使える点でもおすすめです。
ベッドやソファ、カーペットなどに置いておき、3カ月ごとに交換するだけでOKと手間もかかりません。手軽に導入できて汎用性も高いので、ぜひ試してみましょう。
日革研究所 ダニ捕りロボ
ダニが発生しやすい場所は徹底的に対策を!
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部屋の中で、ダニが特に発生しやすい場所は、ある程度決まっています。
布団やベッドなどの寝具・ソファなど、日常的に過ごす場所は要注意です。体温や汗などで高温多湿になりやすい上に、ダニの餌となる食べ物のカスなども落ちやすいためです。ダニ対策を意識して、できるだけ清潔に保つよう心掛けましょう。
また、ダニは熱に弱いので、布団乾燥機やスチームアイロンなどを使うのも効果的です。さらに、小まめに掃除も行うとベストです。
アレルギーなどの原因になる恐れもあるので、特に子どもがいる場合はしっかりと対策をしましょう。