エアコンの室外機から水が出ていると、思わず故障かと思ってしまうかもしれません。しかし、これはほとんどの場合、正常な状態です。一方で、異常な水漏れがあるのも事実です。正常と異常の見分け方を知り、異常な場合には適切な手段で解決しましょう。
目次
エアコンの室外機から水が出る理由は?
エアコンの室外機から、水が出る理由は何でしょうか?基本的に心配する必要はありませんが、余計な心配をしないためにも、水が出るメカニズムを具体的にチェックしてみましょう。
暖房時の霜取り運転によるもの
エアコンで暖房を使うと、室外機から冷たい風が出ます。その結果、室外機に霜が付いてしまうのです。
エアコンは、霜が付いたのを感知すると自動で『霜取り運転』を行う設計になっています。
そのため、気づかないうちに霜取り運転機能が発動し、室外機の霜が溶かされて水となって流れているというわけです。
これは故障ではなく、メンテナンス機能の一種として、ほぼどのエアコンにもあらかじめ搭載されている機能です。室外機から水が流れているからといって、一概に心配する必要はありません。
冷房の仕組み、結露によるもの
エアコンの冷房機能は、室内の空気を機内に取り込み、冷やして戻すという仕組みになっています。
取り込まれた空気が、エアコンの中の熱交換器で急激に冷やされる過程で、空気中に含まれていた水滴が熱交換器に付着して結露します。この結露が、水受け皿からドレンホースを通して室外に排出されるのです。
また、エアコンを運転しているときには、室外機の配管が冷やされ、結露が発生してしまうことがあります。
その結果、この結露がポタポタと室外機から垂れるため、まるで室外機から水漏れしているように見えてしまうことがあるのです。
いずれにせよ、故障ではないことが大半なので、気にすることはありません。
水が出なくても室温が正常ならば問題なし
では逆に、ドレンホースから水が出なければ、故障しているのでしょうか?その答えはNOです。
熱交換器の中で、結露が発生するかどうかは、部屋の空気中に含まれる水分量によって変わります。ドレンバンを通って大量に水が出ることもあれば、ほぼ出ないこともあるのです。
水が出ていなくても、部屋が正常に冷やされているのであれば、故障の心配はありません。
ただし、ドレンホースを放置していると、虫やゴミが入ってしまう場合もあります。定期的に掃除をするなどの手入れをおすすめします。
正常な水漏れでもどうにかしたい場合
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室外機からの水漏れがいくら正常な状態であったとしても、ベランダに水がたまってしまったり、水の染みが付いてしまったりと困るケースもあるでしょう。すぐに試せる、具体的な解決策を提示しています。
ドレンホースの設置、延長をする
室外機からの排水により、ベランダに水で染みができてしまったり、水が大量にたまってしまったりするなどの現象に困っているケースもあるでしょう。その場合には、ドレンホースの水が排出される場所を調整する必要があります。
もし、長さが足りなくて、排水口の方向に水の出口を向けることができない場合には、ホースの延長工事を検討しましょう。業者に依頼する場合、およそ1mの延長で600円程度が価格の目安になります。
排水レールを取り付ける
ドレンホースからの排水が大量で、ベランダが水浸しになってしまうケースでは、『排水レール』の取り付けがおすすめです。排水レールを使えば、排水口まで水を誘導することができます。
特に夏場には、エアコンの構造上、室外機から排出される水の量が増える傾向にあります。水はけのあまりよくないベランダの場合には、全体が水浸しになってしまい、置いているスリッパなどが水没してしまうこともあるでしょう。
ホームセンターなどに行けば、ベランダの床に貼るだけで簡単に設置できるレールが販売されています。使いたい長さに応じて選べるので、ぜひ探してみましょう。
異常な水漏れの見分け方、解決方法は?
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エアコン本体から、室内に水漏れがするなどのケースは、異常な水漏れに当たります。原因を知って、適切な解決策を試しましょう。
エアコンの水漏れはドレンホースを疑う
エアコンから室内に水漏れがしてくる場合には、まずドレンホースの詰まりを疑いましょう。エアコンをつけて、室外機のドレンホースからすぐに水がある程度流れてくれば正常な状態です。
逆に、ポタポタとしか出てこないような場合には、詰まっている可能性があります。詰まっていると、ドレンホースから水が逆流してしまい、水漏れを起こしてしまうのです。
ベランダに出ているドレンホースは、地面に接しているので、ゴミが入りやすい状態にあります。また、虫などが入ってしまうことも多いです。このような状態になっている場合には、ホース内を掃除をしましょう。
ドレンホースの掃除の仕方
ドレンホースの掃除方法の手順を具体的に紹介します。必要なものと併せてチェックしましょう。
- 使わない歯ブラシか割り箸、ガーゼのような不要な布、輪ゴム、掃除機を用意する
- 歯ブラシか割り箸で、ホース入り口のゴミを外にかき出す
- およそ取り除いたら、ホースの先端に布を巻き付け、輪ゴムで止めてふたをする
- 布でふたをしたホースの先端を、掃除機で吸い込む
- 布を取り外し、ホースから水が出てきたら完了
掃除機で吸い込むとき、ホース内の水を掃除機が吸い上げてしまうと故障するので、2秒くらいを目安に吸い上げます。
もし、吸い上げているときに『ズル』っというような水を吸い上げる音がしたら、2秒待たずにすぐ掃除機を離しましょう。
また、掃除機を壊さないためには、冷房を使わずに数日たってからこの方法を試すのがベストです。
ドレンホースに異常がない場合の原因
ドレンホースが正常に動いているようであれば、水漏れの原因として『フィルターの汚れ』『熱交換器の汚れ』『ルーバーの結露』などを疑ってみましょう。
フィルター汚れは自分で洗うこともできますが、熱交換器はプロに任せる必要があります。エアコンクリーニングを業者に依頼するのもおすすめです。
ルーバーの結露の場合には、固定した状態で使うのではなく、向きを変えながら使ってみることで解消されます。
また、万が一購入したばかりのエアコンで水漏れがする場合には、設置に問題があるかもしれません。取り付けてくれた業者に連絡して、確認してもらいましょう。
室外機の水問題を解決しよう
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エアコンのドレンホースから水が流れ出るのは、基本的には正常な状態です。ドレンホースの長さや向きに問題があり、ベランダが水浸しになるような場合には、排水レールなどのツールを試して解決してみましょう。
室内への水漏れがある場合、まずはドレンホースの異常を疑い、掃除をするのがベストです。ドレンホースに異常が見当たらない場合には、フィルターなどの掃除が必要になります。
場合によっては業者の手を借りながら解決し、エアコンをスムーズに動作させて快適な毎日を送りましょう。