ドラセナは、インテリアとして人気のある観葉植物です。見た目がおしゃれなだけではなく、初心者にもおすすめの育てやすい品種をいくつか紹介します。育て方や注意点を参考にし、気になった品種を実際に育ててみましょう。
目次
ドラセナの基本を知ろう
『幸福の木』としても知られるドラセナは、室内に置ける観葉植物として、広く愛されている植物です。実際に育てる前に、どのような特徴があるのか、基本的な原産地や特徴などを知っておきましょう。
ドラセナとはこんな植物
ドラセナは、熱帯アジアやアフリカを原産地とする観葉植物です。生命力が強く枯れにくいので、初心者にも育てやすい植物であるといわれています。
一年中緑の葉を楽しむことができ、ごくまれではありますが、花が咲くこともあります。
また、種類は豊富にあり、葉の形や色にもバリエーションがあるので、インテリアのイメージに合うものを選ぶ楽しさもあるでしょう。置くだけでおしゃれな空間になるので、贈り物としても人気のある植物です。
ドラセナの花言葉や風水について
ドラセナの花言葉は『幸福』です。品種によっては『幸福の木』とも呼ばれています。花言葉は、ドラセナを家の前に置くと幸福が訪れるとされる、ハワイの習慣に由来しています。
また、ドラセナは風水の文脈でも縁起がよい植物です。玄関にドラセナを置いておくと、『金運』と『幸運』を高めてくれるとされます。
加えて、葉の形が尖っていることから、玄関から邪気が入ってくるのを防ぎ、魔除けの効果もあるといわれているのです。
風水で、気の流れが停滞するといわれる『リビング』などに置くのもよいかもしれません。
ドラセナは種類の多さが特徴的
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ドラセナには、多くの品種があります。葉や幹にそれぞれ特徴があり、魅力的です。中でも、育てやすくインテリアとしても人気の高い品種を4点ピックアップしました。
ドラセナ・コンシンネ
ドラセナ・コンシンネの特徴は、細長く尖った葉と繊細な幹です。スタイリッシュな印象を与える品種で、特にインテリアとして人気があります。
葉色のバリエーションが多様で、赤・黄・白などがあり、部屋の印象によって選べるのも人気のポイントです。
成長すると数メートルの高さになるものから、数十センチほどの小ぶりなものまで、大きさには幅があります。
シャープで真っ直ぐな葉の印象から『真実の木』とも呼ばれ、風水では邪気を払うのに特に効果的だとされます。
ドラセナ・マッサンゲアナ
一般的に『ドラセナ』としてイメージされるのは、この品種でしょう。班が縦に入った葉と、太い幹が特徴です。
いわゆる『幸福の木』としても知られているので、贈り物としても人気があります。
品種に共通の『幸福』という花言葉に加えて、『永遠の愛』『隠しきれない幸せ』などもあるので、とても縁起のよい木です。
耐陰性が弱いので、インテリアとして部屋に置く際は、日当たりのよい場所に置いて育てましょう。
ドラセナ・サンデリアーナ
ドラセナ・サンデリアーナは、葉と茎に特徴があります。笹のような形をしており、ストライプ模様と光沢が美しい葉と、柔らかく形を自由に変えられる幹を持っているので、インテリアのアクセントになる観葉植物として人気です。
成長すると3mほどの高さにもなるので、リビングなどに置いておくとかなりの存在感が出てくるでしょう。
また、とても丈夫なので初心者におすすめです。生命力が強いことから、開運や金運のシンボルとされており、別名『ミリオンバンブー』とも呼ばれています。開店・開業祝いなどにも人気の品種です。
ドラセナ・レフレクサ
ドラセナ・レフレクサは、葉の美しさと幹の柔らかさに特徴があります。ドラセナの中でも葉の量が多いためボリューム感があり、豪華な印象の品種です。
また、色と形の美しい葉は、垂れ下がりながら成長するため、インテリアとして置くとエレガントな雰囲気にまとまります。
全体的に存在感がある品種なので、リビングなどをゴージャスに演出したい場合におすすめです。
緩やかに成長し、特に剪定は必要としないため、初めての人でも育てやすいでしょう。
ドラセナをうまく育てる環境づくり
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ドラセナを上手に育てる環境づくりのコツはたくさんありますが、重要なポイントをまずは押さえておきましょう。ここを知っておくと、初めてでも安心して育てられます。
直射日光を避ける
ドラセナは熱帯気候の地域を原産とする植物です。そのため、直射日光にも強そうなイメージがあるかもしれませんが、実は逆です。
ほかの植物と同様、ある程度の日当たりは必要ですが、直射日光に当てすぎると葉が枯れてしまいます。
とはいえ、全くの日陰でも生育不足になってしまうので、日照バランスのよい『明るい日陰』となる場所を探しましょう。室内であれば窓際に置き、レースのカーテンで日光を少し遮るとちょうどよいです。
ただし、乾燥に弱いので、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。室外で育てる場合には、日除けのある場所に置くことをおすすめします。
10℃以上を保つ
ドラセナは、10℃を下回る環境では枯れてしまう傾向にあります。目安として、朝の気温が15℃を下回るようになったら対策をしましょう。室外のドラセナは室内に移動します。
室内に置いている場合にも、あまりにも窓際に近すぎる場合には要注意です。外気が入ってくる窓際は、朝晩の冷えの影響を受けやすい場所であるからです。この時期のドラセナは、窓から少し離した場所に置いて育てましょう。
とはいえ、育てるには適度な日当たりも必要になります。一手間かかりますが、2日に1回ほどの頻度で、昼間の暖かい時間帯に外に出し、少し日光浴をさせるのがベストです。
水はけのよい土を使う
ドラセナを育てる際には、水はけのよい土を用意しましょう。一般的に販売されている、観葉植物用の培養土をそのまま使うとスムーズです。
混ぜて用土を作る場合は、『赤玉土:腐葉土:川砂=6:3:1』などの割合をおすすめします。ただし、腐葉土や有機肥料が混ざっている土の場合には、カビに要注意です。
また、室内で育てる場合は、赤玉土のみを使うという手もあります。小ぶりなサイズのドラセナであれば、土を使わずに『ハイドロカルチャー』の使用も検討してみましょう。
水やりや肥料はどうすればいい?
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ドラセナを育てる上で欠かせない、水やりと肥料のポイントについて解説します。水やりや肥料は、タイミングや量を間違えると枯れさせてしまうことにもなりかねません。注意点をしっかりと押さえましょう。
季節ごとの水やりのポイント
ドラセナの水やりのポイントは、季節ごとに異なります。春〜秋にかけての成長期には、たっぷりと水やりを行いましょう。土の表面が乾いたら、鉢底から溢れ出るほどの量を与えます。
特に、夏は水分が不足しがちになるので、毎日水やりをするくらいがちょうどいいです。霧吹きなどで葉水もするとベストです。
逆に、成長が緩やかになる冬には、水やりの頻度と量を抑えねばなりません。土が乾いてから3〜4日ほど間をあけるくらいの頻度に変えましょう。
最も気温が下がる1月や2月などは、1カ月に2回程度の水やりでも十分なケースもあります。様子を見ながら調整しましょう。
肥料は5~9月の間に与える
ドラセナの肥料は、成長が活発になる5〜9月に与えましょう。観葉植物用の置肥を、2カ月に1回の割合で使うのがおすすめです。
あるいは、液体肥料を2週間に1回与えるのもOKです。いずれの場合にも、根や幹を傷めないように、距離を離して与えましょう。
また、肥料は与えすぎもNGです。逆にドラセナが弱ってしまい、成長に悪影響が出てしまいます。ドラセナは本来、肥料がなくても育つので、心もち少ない量を与えるのがおすすめです。
ドラセナを育てる上で気を付けることは?
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ドラセナを育てる中で、気を付けるべきポイントがあります。常に必要な世話ではないですが、定期的に欠かせないことではあるので、時期が来たときに対応できるようにチェックしておきましょう。
生育初期に適切に剪定をする
ドラセナは、放置していると管理が難しい高さにまで育ってしまいます。そのため、生育初期の5〜8月ごろに、理想の高さのところで剪定をするのがおすすめです。枝を水平に切るだけでOKなので、初めての人でも簡単に行えます。
切り口の下から新しい芽が出てくるので、剪定後は風通しのよい場所に置いて、様子を見守りましょう。
また、高さの調整だけではなく、枯れてしまった部分を取り除く際にも剪定は有効な手段です。葉の先端が黒くなっている場合などには、枯れた部分を斜めにカットして、見た目を美しく整えましょう。
植え替えのタイミングと正しいやり方
ドラセナの植え替えのタイミングは、2年が目安です。時間が経過するにつれて、株や根が成長するため、ひとまわり大きな鉢に移動しましょう。放置していると、水やりをしても十分に栄養を吸収できない状態になってしまいます。
鉢の底から根が出てくるなどの現象は、植え替えタイミングのサインとして分かりやすいので要チェックです。
時期は、5〜8月の成長期を選びましょう。根に付いた古い土を1/3ほど落とし、新しい用土を入れた鉢に植え替えます。
植え替えから2週間程度は、根を安定させるために明るい日陰に置くようにしましょう。
また、水やりは土の表面だけではなく、中まで乾き切ってから行うのがベストです。この間の水分補給には、葉水も併用しましょう。
害虫がついた場合の駆除方法
ドラセナは、乾燥すると害虫がつきやすくなります。ドラセナにつく害虫には、『ハダニ』や、『カイガラムシ』などがあります。
いずれも、ドラセナの枝や葉から汁を吸って植物を弱らせてしまうため、見つけたらすぐに駆除が必要です。
即効性があるのは殺虫剤ですが、カイガラムシはピンセットで駆除する方が有効なケースもあります。
また、水が苦手な害虫も多いので、予防策として普段から積極的に、葉水をしておくのがおすすめです。
ドラセナの特性を知ってうまく育てよう
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ドラセナは、基本的には初心者にも育てやすい観葉植物です。具体的な育て方のコツや注意点を知って、実際に育ててみましょう。
品種によって、それぞれに個性的な特徴があり、インテリアのアクセントにもなります。葉や枝、幹の特徴や大きさをチェックして、イメージにぴったりのドラセナを探してみましょう。
『幸福』という縁起のいい花言葉通りに、部屋に置いておくと気分が上がり、見ているだけでも幸せな気持ちになるかもしれません。