提供:ヤクモ家具製作所株式会社
オイル仕上げの家具の魅力はなんといっても、本来の木の感触に近いしっとりとした質感と、木が濡れたような深い色合いです。しかしながら、一般的にオイル仕上げには「シミや汚れがついてしまう」「メンテナンスが大変そう」というイメージも多くあります。 ウレタン仕上げの家具に比べると、どうしても上記のような点がデメリットと思われ“がち”ですが、正しい知識やお手入れ方法を知ることが、無垢の家具と長く、楽しく付き合うことにつながります。
ご家庭でもできる比較的簡単なお手入れも紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
目次
オイル仕上げの家具のお手入れは必要なの?
オイル仕上げの家具のメンテナンスは必ず必要というわけではありません。普段は空拭きや、硬くしぼった布巾であれば水拭きでも問題ありません。
しかし、ご使用いただくにつれて少しずつ表面のオイルが取れていき、ツヤがなくなったり、シミがつきやすくなります。そのため、定期的なメンテナンスをおすすめしているのです。
オイル仕上げの家具のお手入れの方法
今回は、手軽に行える「ワックスメンテナンス」と、より撥水性能が高く、美しく仕上がる「オイルメンテナンス」をそれぞれご紹介します。
ツヤと滑らかな質感を取り戻す、手軽な「ワックスメンテナンス」
ワックスメンテナンスは、手軽に行えるお手入れ方法です。オイルメンテナンスと比べますと、撥水性能や木の色合いの深みなどはやや劣りますが、乾燥時間も短く、比較的簡単に行えます。
目安として半年~1年に1回程度ワックスをかけることで、ツヤと質感を維持することができます。
1:用意するもの
・ワックス(製品に使用されている塗料と同じメーカーのものが推奨) ※写真の製品は オスモ&エーデル ワックスアンドクリーナー
・ウエス
・#400~800のサンドペーパー(なくても行えますが、ペーパーをかけた方がきれいに仕上がります)
2:お手入れ方法
Step 1:全体的に軽くサンドペーパーをあてます。必ず“木目方向に沿って”かけましょう。ただし、キズや汚れが特に見られないという場合はこの工程は省略しても問題ありません。
Step 2:1平方メートルあたり大さじ1~2杯程度のワックスをたらし、乾いたウエスで薄く塗り伸ばします。
Step 3:1~2時間程度乾燥させます(※乾燥中は上にモノを置かないでください)
キズやシミ・汚れを落とし、撥水性能を維持する「オイルメンテナンス」
オイルメンテナンスは、撥水性能の維持に加えて、細かいキズやシミ・汚れを落とすことができます。
ワックスメンテナンスと比べて、やや作業工程と乾燥時間が増えますが、木材の持つ美しい色合い、風合いを最大限に活かすことのできるお手入れ方法です。
1:用意するもの
・オイル塗料(製品に使用されている塗料と同じメーカーのものが推奨) ※写真は オスモ&エーデル #3101 ノーマルクリアー
・ウエス
・刷毛(ウエスでも代用できます)
・サンドペーパー(#220~#240)
2:お手入れ方法
Step 1:天板表面全体にサンドペーパーをあてます。必ず“木目方向に沿って”かけましょう。
Step 2:刷毛またはウエスでオイル塗料を塗布します。
Step 3:塗布後しばらく時間をおきます。(夏時期:5~10分/冬時期:15~20分程度) ※時間を置きすぎるとオイルが固まってしまい、次工程の「塗料の拭き取り」が困難になりますのでご注意ください。
Step 4:ウエスで塗料をきれいに拭き取ります。 ※塗料の塗布・拭き取りに使用した後のウエスは自然発火の可能性があります。使用後はウエスを十分水に浸してから処分してください。
Step 5:拭き取り後24時間乾燥させます。(※乾燥中は上にモノを置かないでください)
24時間経過後も、表面は乾燥していますが、内部のオイルは乾燥硬化していません。完全乾燥(木材内部に浸透したオイルの硬化)までに2週間~1ヶ月程度かかり、期間中は撥水性能が輪ジミ等がつきやすい状態となりますので、メンテナンスからしばらくの間はランチョンマットやコースターのご利用がおすすめです。
オイル仕上げの家具をメンテナンスしてみよう
オイル仕上げの家具は自分でメンテナンスをすることで、長くきれいにお使いいただくことができます。美しいツヤや質感を取り戻した家具を見ると、まるで自分が育てているかのようで、より愛着も深まります。 ダイニングテーブル等は毎日使うものですので、オイルメンテナンスの場合はなかなかタイミングも難しいですが、旅行や帰省など、数日間家を空けるタイミングで行うと良いかもしれません。
メンテナンスを繰り返しながら、お気に入りの無垢の家具をきれいに心地良く使いましょう。
※オンラインショップからもお手入れ方法の確認やメンテナンス用品をご購入いただけます。