レーヨンの中には、家庭で洗えるものもあります。まずは洗濯絵表示をチェックしてみましょう。洗える場合でも、傷めたり縮めたりしないように、正しく洗う具体的なコツや注意点を知っておきましょう。縮んだ場合の復活裏ワザも紹介しています。
目次
レーヨンの洗濯方法は?素材特徴から確認しよう
レーヨンは魅力的な素材である一方で、とてもデリケートでもあります。洗濯方法には特に注意が必要です。
不適切な洗い方をしてしまうと、衣類が傷んでしまったり縮んでしまったりとせっかくのデザインや質感を損なう原因となります。適切に扱うために特徴を知っておきましょう。
レーヨン素材の強みと弱点
レーヨンは、シルクのような滑らかな肌触りが特徴的な素材です。光沢があり、発色もよく、柔らかくドレープ性に優れているため、洋服の素材として重宝されています。
吸水性が高く、さらりと肌触りのよい着心地をかなえてくれるので、夏服に使われることが多い素材です。魅力的なレーヨン素材ですが、一方で弱点もあります。
水に弱く縮みやすいので、洗濯はもちろんのこと、雨の日に着用する際にも水シミが付かないように注意が必要です。また、シワになりやすく、乾きづらいという特徴もあるので、レーヨン100%の衣類などは、家庭での取り扱いに工夫が必要になります。
レーヨンの洗濯絵表示の見方
基本的に水に弱いレーヨンですが、家で洗えるケースもあります。まずは、洗濯絵表示をチェックしてみましょう。『水洗い不可』の表示がされている場合には、家庭では洗濯せずにドライクリーニングに出すのが適切です。
一方で、『ウォッシャブルレーヨン』という、洗えるレーヨン素材が使われているケースも増えているので、手洗いや洗濯機などの『水洗い可』の表示がされている場合には、家庭で洗えます。
ただし、洗濯機などで洗う際にも、いつも通りの洗濯方法ではなく、おしゃれ着用の洗剤を使って30℃以下の水でさっと洗うのがおすすめです。できれば手洗いがベストでしょう。
レーヨンの洗い方を解説
レーヨン素材を家庭で洗う際の手順を、『手洗い』『洗濯機』それぞれの場合に分けて具体的に解説しています。注意点もしっかりと押さえておきましょう。アルカリ性の洗剤は、縮んだり型崩れの原因になるのでNGです。
レーヨン素材の手洗いの手順
レーヨン素材のものを家庭で洗濯する際には、手洗いがおすすめです。『おしゃれ着用の中性洗剤』『洗面器』『バスタオル』をまずは用意しましょう。
洗面器がない場合には、洗面所に水をためる方法でも洗えます。水で洗えるとはいえ、基本的には水に弱い素材なので、ポイントは『短時間で』『優しく』洗うことです。
以下、手洗いの手順を紹介します。
- 洗面器などの中に、水と洗剤を混ぜて洗浄液を作ります。
- 洗いたい服を、洗浄液の中で手早く押し洗いします。もみ洗いやすり洗いは繊維を傷めるのでNGです。
- 水またはお湯の温度は、30℃以下にします。レーヨンは熱に弱いので、温度が高すぎると色落ちしたり、縮んだりしてしまいます。
- 泡がなくなるまでしっかりとすすいだら、バスタオルに挟んで優しく水気をとりましょう。
レーヨンを洗濯機で洗いたい場合
洗濯機で洗う場合にも、必ずおしゃれ着用の中性洗剤を使い、洗濯ネットに入れましょう。また、お湯は極力使わず、30℃以下の水道水で洗うようにします。
コースは『ドライ』『手洗い』などの、優しめのモードを選びましょう。落としたい汚れが付いている方を、外側にして洗うのがポイントです。
より丁寧に洗う場合には、30秒ほど『弱』コースで洗ってから、洗面器などに移して水で素早く手洗いするとよいです。この場合は、最後は手洗いの場合と同様に、バスタオルで水気を拭き取って仕上げます。
洗濯機で洗う場合の注意点
レーヨンは、水に触れると染料が溶けやすくなる素材です。そのため、色物や柄物の衣類を他のものと一緒に洗濯する場合には、色落ちに注意が必要となります。
洗濯機で洗う前に、事前に洋服の隅の目立たない部分などに、洗剤と水を含ませてチェックしておきましょう。
また、脱水のしすぎも要注意です。自動コースを選んでいると、レーヨンにとっては長めの時間となってしまうため、脱水が始まってから10秒くらいですぐに取り出すのをおすすめします。
レーヨンの干し方や保管方法は?
洗濯した後のレーヨン素材の衣類などの、正しい干し方と保管方法を紹介しています。デリケートな素材なので、洗う際だけではなく干し方や保管方法でも注意が必要です。
洗濯後の工程で雑な扱いをしてしまうと、洗濯時の注意が台無しになってしまいます。保管まで丁寧に行いましょう。
陰干し、平干しが鉄則
レーヨンは、直射日光に当てると色あせてしまいます。また、とても型崩れしやすいので、ハンガーを使わずに平干しをするのがおすすめです。ハンガーを使うと、伸びてしまうこともあります。
レーヨンはシワになりやすいので、干す際には、小さなシワであってもなるべく伸ばすようにします。また、室内干しをしてしまうと、臭いが残りやすくなってしまいます。室外の風通しのよい場所で素早く乾かしましょう。
保管のコツは湿気と虫食いから守ること
水に弱いレーヨンは、湿気でも縮んでしまうことがあります。乾燥剤や除湿剤を入れて保管しておくとベストです。ドライクリーニングに出した場合には、必ずクリーニングの袋から取り出して保管します。
袋に入れっぱなしにしていると、湿気が溜まってしまうので注意しましょう。また、レーヨンは、虫食いされやすい素材でもあります。汚れが付いたまま保管していると、虫が寄ってきやすくなるので、必ずきれいに洗濯してから保管しましょう。
防虫剤を使うのをおすすめします。型崩れやシワになったりしないよう、ハンガーにはつるさず余裕を持って引き出しの中などにしまいましょう。
レーヨン素材のアイロンのかけ方
レーヨン素材への正しいアイロンがけの方法を紹介しています。注意点がいくつかあるので、しっかりと押さえておきましょう。
万が一レーヨンが縮んでしまったときに、アイロンを使って復活させる方法も紹介します。
レーヨン素材への正しいアイロンがけ
レーヨンは、洗濯後はシワになりやすいため、アイロンがけをした方がよいでしょう。ただし、熱や水に弱かったり、素材に光沢があったりするため、アイロンがけの際にもいくつか注意点があります。
- 低音もしくは中温設定:熱に弱いため温度設定に注意する必要がある
- スチームは使用NG:本来はシワのばしに有効な機能ですが、レーヨンは水に弱いので避ける必要がある
- 当て布:直接アイロンがけをすると、レーヨン独特の光沢がなくなってしまうリスクがある
縮んだレーヨンの復活ワザ
縮み方が軽度な場合には、アイロンを使って縮みを直していきます。当て布をして、引っ張るようにアイロンがけをすると、縮みが伸びてくれます。また、髪の毛を洗うときに使う『コンディショナー』を使った裏ワザもあります。
ただし、コンディショナーにシリコン成分が入っていることが条件です。洗面器などに、3プッシュほどして水で混ぜた洗濯液を作ります。その中に30分程度つけておき、取り出したらさっと水ですすいで干すだけです。諦める前にぜひ試してみましょう。
レーヨンの洗濯はおしゃれ着用洗剤を使おう
レーヨンを家庭で洗濯する際には、おしゃれ着用の洗剤が欠かせません。具体的な商品を2点紹介しています。機能性にこだわりながらも使い心地の優しさにこだわった洗剤を使って、レーヨン素材を安全に洗濯しましょう。
ザ・ランドレス『デリケートウォッシュ レディ』
シフォン・レース・シルクなどのデリケートな素材を使った衣類の洗濯にも使える洗剤です。ファブリックケアのスペシャリティである、ニューヨークのブランド『ザ・ランドレス』の商品です。
成分にもこだわっており、石油性の原料を使用せず、植物性のもののみが使われています。エッセンシャルオイルのさわやかで女性らしい香りが人気です。洗濯機でも手洗いでも、どちらでも使うことができます。
ザ・ランドレス『デリケートウォッシュ レディ』
LION『アクロン おしゃれぎ用洗剤 ナチュラルソープの香り(微香)』
洗いながら、服の繊維が伸びたり、ヨレたりするのを防いでくれる洗剤です。また毛玉も付きにくく、洗濯による縮み・型崩れなども防いでくれる処方になっているので、デリケートな衣類も洗うことができます。
すすぎ1回で使えるように工夫されているので、衣類へのダメージも半減するでしょう。『おしゃれ着モード』は、水流が弱くなりますが、臭いや汚れをしっかりと落としてくれる成分が配合されているので、心地よく仕上げてくれます。
LION『アクロン おしゃれぎ用洗剤 ナチュラルソープの香り(微香)』
レーヨンの衣類を正しくケアしよう
レーヨンの衣類はの中には、家庭で洗えるものもあります。洗濯絵表示をチェックしてみましょう。洗濯機が使えるケースもあれば、手洗いのみOKというケースもあります。
また、せっかく正しく洗濯したとしても、干したり、アイロンがけをしたりと、保管までの工程を間違えると傷んでしまったり、縮んでしまったりします。トータルで正しいケア方法を押さえ、お気に入りのレーヨン素材の衣類を長持ちさせましょう。