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朝顔の上手な育て方を紹介。種まきの仕方や日頃の手入れ、注意点も

朝顔は日本の夏の代表的な草花です。上手に育てればたくさんの花をつけ、その涼やかな美しさは、じめじめした梅雨や夏の空気を爽やかに感じさせてくれることでしょう。この記事では、朝顔の種まきの仕方や育て方、注意点まで解説します。

まずは朝顔の基本情報をチェック

日本の夏を代表する植物『朝顔』は、昔も今も日本において人気の高い草花です。さまざまな品種があるので、いろいろな楽しみ方をすることができるでしょう。

朝顔とは

朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属に分類される、つる性の一年草です。

熱帯から亜熱帯地域原産の植物で、日本へは中国から入ってきました。当初は薬草として用いられていましたが、江戸時代から観賞用として親しまれ始め、現在でも人気の高い植物です。

種まきは5月初旬から6月ごろにかけて行い、7月の夏至を過ぎた頃には次々と鮮やかな色の花をつけます。開花時期は10月ごろまで続き、長期間楽しむことができる植物です。

朝顔にはさまざまな種類がある

朝顔にはさまざまな種類がありますが、日本朝顔・西洋朝顔・琉球朝顔の三つに大別することができます。

日本朝顔は、奈良時代に中国から薬草として入ってきた古い品種です。早朝に開花すると、午前中には咲き終わってしまいます。花数は少なく、1本の花茎につき一つの花しかつけません。

一方西洋朝顔は、暑さに強い品種で、午後3時ころまで開花しています。花数が多く、1本の花茎について三~七つほどの花をつけます。

つるがよく伸びることもあり、垣根仕立てにして、緑のカーテンとして暑さ対策のために育てられることも多いでしょう。

また琉球朝顔は、その名の通り、主に沖縄県に分布する朝顔です。青色や紫色の花を咲かせるので、『オーシャンブルー』と呼ばれることもあります。

通常朝顔は一年草ですが、琉球朝顔は多年草で、とてもたくましい品種です。沖縄県では、土手に群生していたり、海岸近くで自生したりしている姿がよく見かけられます。

朝顔の育て方「栽培環境」

朝顔の花を美しく咲かせるためには、条件を整えた栽培環境で育てることが大切です。また、良質な用土も準備して植え付けることで、健やかに成長するでしょう。

植える場所の条件

朝顔は日当たりがよく、風通しのよい場所に植えて育てます。朝顔は基本的に暑さに強い植物ですが、葉がしおれてしまう可能性のある真夏の西日は避けた方がよいでしょう。

また、朝顔は日照時間がだんだん短くなる時期に花をつける短日植物であるため、夜間の照明に気を付ける必要があります。

夜間にも蛍光灯・街灯の明かりを当ててしまうと、花を咲かせないこともあるためです。夜に、文字が読めるほど明るい環境下に置くことは避けるようにしましょう。

必要な用土の特徴

朝顔は、排水性・保水性・通気性・保肥性に優れた、良質な土で育てることが大切です。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で構いませんが、水はけ・水もちが気になる場合は、堆肥・腐葉土・川砂を足すとよいでしょう。

地植えの場合は、堆肥・腐葉土をすき込み、排水性・保水性を高めます。自分で土を作る場合は、赤玉土:腐葉土を6:4の割合で混ぜるのがおすすめです。

また、朝顔は酸性土壌を好まないため、苦土石灰を施して中和しておくことも大切です。元肥として緩効性肥料を施し、養分もしっかり含ませておきましょう。

朝顔の育て方「植え方」

朝顔の発芽率を高めるためには、準備した種を正しい時期にまくことが大切です。苗をポットで育てている場合は、タイミングを見て植え替えを行います。

種まきの準備と時期

朝顔の種まきの時期は、品種にもよりますが、基本的に5~6月に行います。

発芽率が高く、何もしなくても多くの種から芽が出ますが、種をまく前に『芽切り』をすることで、種が水を吸収しやすくなり、さらに発芽しやすくなります。

芽切りとは、カッターナイフややすりなどで種の表面を少し削り取る作業です。茶褐色の表皮が削られ、白い部分が見えるようになれば十分です。ただし、種のへそ部分は傷つけないよう注意しましょう。

種まきの仕方

朝顔の種まきは、以下のような手順で行います。

  1. 指先で1.5cmほどの深さの穴を開けます。人差し指の第一関節よりも少し短いくらいが目安です。
  2. 芽切りをした部分を上にして植えます。
  3. 土をかぶせてならします。
  4. 水をたっぷりあげれば完了です。

気温が低い時期に植えてしまうと発芽しなかったり、うまく育たなかったりするので、種まきは必ず時期を守って行いましょう。

苗を植え替える方法

育苗ポットなどで育てている場合は、本葉が出始めた頃に植え替える必要があります。植え替えには以下のものが必要です。

  • 鉢底網
  • 鉢底石
  • 培養土

必要なものをそろえたら、以下の手順で植え替えましょう。

  1. 鉢底網を敷いた鉢に、底が見えなくなるまで鉢底石を入れます。
  2. 鉢の縁の2~3cm下くらいまで培養土を入れます。
  3. 苗をポットから抜き、土を入れた鉢に置きます。
  4. 苗の周りに土を追加します。
  5. 鉢底から流れ出るほど、たっぷり水をあげれば完了です。

ポットから苗を抜いた際に根が固まっていた場合は、鉢に入れる前に根鉢を少しほぐしておくことで、根の生育を促すことができます。

朝顔の育て方「管理方法」

朝顔は少々管理に手間がかかる植物です。しかし正しく管理することで、たくさんの花をつけさせることができ、長い時間楽しむことができるでしょう。

水やりのやり方

朝顔の水やりは、基本的に1日1回、毎日行います。特に、種をまいてから発芽までは水を切らさないことが大切です。

土が乾いていることを確認したら、午前中のうちに鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。雨が降った後などで土が湿っている場合は、与える必要はありません。

開花後は、花に直接水がかからないよう、株元にゆっくりと土全体に染み渡らせるように与えます。

また、特に梅雨明けから真夏にかけての気温が高い時期は、朝だけでは水が不足することがあります。土の乾き具合を見ながら、必要であれば朝・夕の涼しい時間帯に2回水やりをするようにしましょう。

肥料のやり方

朝顔は、最初に元肥として用土に緩効性肥料を混ぜ込んでおくのが、基本です。植え付けから2週間ほど経過すると、元肥が切れ始めるため、追肥が必要になります。1週間から10日に1回の頻度で、液肥を与えるようにしましょう。

ただし追肥には、チッ素が多く含まれた肥料を選ぶと、茎や葉ばかりが成長し、花つきが悪くなってしまいます。チッ素があまり含まれておらず、リン酸分を多く配合したものを選んで与えるようにしましょう。

花がら摘みの仕方

開花後は、しおれた花を摘み取る『花がら摘み』を定期的にする必要があります。

しおれた花をそのまま放っておくと、養分を取られてしまうため、新しい花がつきにくくなったり、株自体の寿命が短くなったりしかねません。長く朝顔の花を楽しむためにも、定期的に花がら摘みを行うことは非常に大切です。

花がらを摘む際は、種や実がつくところを摘むのが基本です。咲き終わった花のすぐ下を切り取っても構いませんが、花首の下に伸びた茎の分岐点から切り取れば、見た目をきれいに保つことができます。

摘芯の仕方

朝顔がきれいな花をたくさんつけるように育てるためには、『芯』と呼ばれる芽の先端を摘み取る作業が必要です。摘芯を行わなければ、わき芽が伸びずに、頂芽ばかりが成長し、その先にしか花をつけなくなっていまいます。

摘芯は、たくさんのわき芽を育てるためにも、成長過程の早い段階で行うことが大切です。本葉が10枚ほどになったら行いましょう。

わき芽が伸びているのを確認の上、茎の先端を手で摘み取るか、ハサミで切り取って行います。わき芽が伸びている箇所の少し上を切るのがよいでしょう。

朝顔の注意すべき病害虫

朝顔にも注意すべき病害虫があります。花を長く楽しむためにも、かかりやすい病気やつきやすい害虫をあらかじめ知っておき、万が一被害に遭ったときに、素早く正しい対処ができるようにしておきましょう。

朝顔がかかりやすい病気

朝顔がかかりやすい病気としては、『モザイク病』や『うどんこ病』が挙げられます。

モザイク病にかかると、初期には葉の先端近くに、薄い緑色の斑点ができたり、葉脈に沿って、色が薄くなったりといった症状が見られます。

進行すると株全体に広がり、花びらにすじ状の斑が入ったり、葉の縁が縮れたりし、ひどい場合は枯れてしまうこともあるでしょう。

モザイク病はウイルス性の病気で、特にアブラムシによって媒介されるため、予防にはアブラムシの防除を行う必要があります。

またうどんこ病は、うどんの粉のような白い粉が葉や花につく病気です。白い粉はカビの一種で、うどんこ病になると光合成を行えなくなります。放っておくと、変色したり枯れたりする可能性もあるでしょう。

うどんこ病にかかっている部位を見つけたら、農薬・殺菌剤を散布するか、重曹・お酢を水で希釈してスプレーしておくのが効果的です。

朝顔につく害虫

朝顔につきやすい害虫は『アブラムシ』や『ハダニ』です。

アブラムシがついてしまうと、モザイク病にかかってしまう危険性があります。そのためアブラムシを見つけたら、殺虫剤を使って駆除しましょう。殺虫剤は種まきのときに使っておくのが効果的です。

予防には、種まきのときにシルバーのマルチングをしたり、寒冷紗(かんれいしゃ)や防虫ネットで株を覆ったりするのも有効でしょう。

一方ハダニは、体長0.1~0.8mmと非常に小さく、肉眼で見つけることは難しい虫です。糸を吐き出す性質があるので、葉に白くて薄い網のようなものが見られれば、発生している可能性が高いといえるでしょう。

ハダニは葉裏に潜んでいることが多く、株の養分を吸い取ります。見つけたら葉裏に強めのシャワーを当てて駆除するか、殺ダニ剤を散布するとよいでしょう。

また薬剤を使う場合は、数種類の薬剤を使うのがおすすめです。ハダニは、抵抗や免疫の発達が速いため、同じ薬剤を使い続けても効かなくなってしまうことがあるためです。

朝顔を育てて美しい花を観賞しよう

どことなく涼やかさの漂う朝顔の花は、湿気の多い日本の夏に、ひとときの清涼感をもたらしてくれるものです。

たくさん花をつけさせて楽しむためには、少々管理する手間もかかりますが、その分、咲き誇った花を観賞する喜びと楽しみは増すことでしょう。管理の手間がかかるといっても、複雑なことは一つもありません。

ぜひこの夏は、朝顔の栽培に挑戦し、その花の美しさを堪能しましょう。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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