グラフィックボードのスペックによって、画像処理の精度は変わります。手持ちのパソコンの搭載スペックを確認し、仕事での画像処理やプライベートでのゲームプレイなど、用途に合わせてスペックを正常化させましょう。おすすめモデルも紹介しています。
目次
グラフィックボードとは?確認の仕方は?
グラフィックボードについての基礎知識と、手持ちのパソコンに搭載されているグラフィックボードのスペックを確認する方法を具体的に紹介しています。手順に従って実施してみましょう。
映像の出力に関わるパソコンのパーツ
グラフィックボードは、パソコンのパーツの1部です。グラフィックレベルの高いゲームやVR、デザインソフトなどを使いたいときに必要となります。
パソコンにあらかじめ搭載されているケースもありますが、搭載がなく、映像を美しく滑らかに映したい場合には、別途購入する必要があるでしょう。
また既に搭載されている場合でも、複数のグラフィックボードを組み合わせると、多くの演算をスムーズに行うこともできるので便利です。
グラフィックボードの確認方法
手持ちのパソコンの、グラフィックボードのスペックをチェックする方法の例として、Windows10の場合を挙げていきます。
Windows10では、一般的に『DirectX診断ツール』を使うことで確認することができます。
Windowsのスタートメニュー内に含まれている検索スペースにまずは『dxdiag』という文字列を打ち込んでみましょう。そうすると、DirectX診断ツールが起動します。表示された画面から『ディスプレイ』タブを選択しましょう。
表示された画面の中の『デバイス』の部分を確認すると、現在のグラフィックボードの情報を見ることができます。
グラフィックボードのメリット
グラフィックボードのスペックが高いと、ゲームをスムーズに楽しめるだけではなく、仕事で映像処理を行う場合にもスピードが格段に変わってきます。
VRを楽しむ場合には、グラフィックボードが搭載されていることが必須条件となるので事前に準備をしておきましょう。
高解像度のゲームを快適にプレイできる
グラフィックが美しく、動きもスムーズで高解像度のゲームが増えている昨今、高性能のGPUを搭載したグラフィックボードがあるとプレイが快適になります。
3Dグラフィックのゲームが標準となり、キャラクターの表現もリアルになった近年のゲームの、もはや映画のような世界観を体感するためには、グラフィックボードが必須でしょう。
またゲームによっては、一定レベルよりも上のグラフィックボードのスペックをそもそも必要とするケースもあります。
特定のゲームをプレイしたくてパソコンを購入する場合には、事前にグラフィックボードのスペックが満たされているかどうかを、確認する方が安心です。
3Dデータや動画編集がスムーズ
グラフィックボードの性能が高いと、3Dデータや画像処理を高速で行うことができます。仕事で画像処理を行うことが多い場合には、スペックの高いグラフィックボードを準備した方がよいでしょう。
画像処理をする際にパソコンが重くて動かないという場合は、現在使っている手持ちのパソコンスペックを見直すのがおすすめです。
スペックがさらに高いグラフィックボードを購入するか、そもそもグラフィックボードの搭載がない場合には、パソコンの買い替えを検討しましょう。
DVDやブルーレイ、VRを高画質で楽しめる
DVDやブルーレイをパソコンで視聴する場合、高性能のグラフィックボードが搭載されていれば、より美しい映像を楽しむことができるでしょう。
パソコンでテレビを見れるようにする『地デジキャプチャー』を付け、地上波放送を映し出す場合でも、グラフィックボードの有無によって映像の美しさに差が出てきます。
またパソコンでVRを楽しむ場合にも、グラフィックボードが必要になります。加えて、VRのヘッドセットによってもグラフィックボードの必要スペックが異なるため、購入前に自分のパソコンのグラフィックボードのスペックを確認しましょう。
グラフィックボードの選び方
グラフィックボードを選ぶ観点を紹介します。目的をまずは押さえて、適切なスペックを選びましょう。
ハイスペックなものを選べばよいというわけでもなく、コストメリット、使用環境を考慮して選び、使い勝手のよい使用環境を目指しましょう。メーカーごとの特徴も説明しています。
使用目的にあった種類を選ぶ
グラフィックボードは、主に2種類に分けることができます。GPUを作っているメーカーとしては、NVIDIAとAMDの2社が有名です。
NVIDIA社の製品は、グラフィックの表示性能や描画スピードの速さに定評があります。3Dゲームの処理能力も高いので、ゲームをすることが多いのであれば、NVIDIA社製のグラフィックボードをおすすめします。
一方、動画処理や画像処理が主な使用シーンになるのであれば、AMDが適しているでしょう。動画を再生する能力はNVIDIA社の製品よりも高く、コストの観点からもAMDの方が抑えられるため、仕事で使う人にはAMDが人気です。
ケースサイズに合うものを選ぶ
スペックを重視して選びがちなグラフィックボードですが、物理的な『サイズ』も選ぶうえで重要なポイントです。せっかく購入したのに手持ちのケースに対してサイズオーバーであれば、そもそも使うことができません。
例えばスリムタイプのケースや、拡張性に制限があるキューブケースを使っているのであれば、『ロープロファイル対応』のグラフィックボードがよいでしょう。サイズがコンパクトで、冷却ファンなどの部品が省かれているのが特徴です。
しかし部品が省かれているが故に、高スペックのものに比べ性能が劣ります。そのため3Dゲームにはあまり適していません。もし3Dゲームを本格的にプレイしたいのであれば、高スペックのグラフィックボードが入るケース選びから検討しましょう。
利用用途に合うスペックで選ぶ
グラフィックボードは、マザーボードの端子ではなく、グラフィックボードの端子から直接PCモニターに接続して使います。出力先のモニターが複数にわたる場合には、端子の数もその分必要になるので、注意しましょう。
また、HD画質のモニターには『DVI端子』『HDMI』の対応が必要になります。4Kモニターの場合には『HDMI』では対応不可の場合もあるので、『DisplayPort』への対応をチェックしましょう。
端子が対応していない場合には、別途ケーブルの購入が必要になるので要注意です。
メーカーの特徴で選ぶ
迷ったら『ASUS』がおすすめです。高品質で動作も安定しますが、価格はやや高めな設定になっています。
『MSI』は、冷却ファンの性能がとても優れているという点で評価が高く、デザイン性も高いのが特徴です。
またコストパフォーマンスを重視するのであれば、『GIGABYTE』がおすすめです。ただしサイズが大きいラインナップもあるので、自身の使用環境に合うかどうか事前に確認しましょう。
『ZOTAC』は、小型パソコン向けの商品を販売しています。省スペース重視の人にぴったりでしょう。
そしてデザイン性よりも、安定して使えることを重視しているのが『ELSA』です。衝撃やホコリなどの汚れにも強く、保証期間も最大3年間と長い点も、ユーザーの間で評価されています。
『玄人志向』は、コストが他のグラフィックボードに比べてかなり安くなるのが最大の特徴です。日本メーカーの製品で、安いものの不調をきたすこともありません。製品名が示しているようにまさに玄人向けなので、初心者には不向きとされています。
NVIDIAのおすすめグラフィックボード
NVIDIAのおすすめグラフィックボードを4点紹介します。ゲームプレイに適している商品が多く、使用時のスピード感はもちろん、冷却機能や静音性に優れた商品もあるのでチェックしてみましょう。
GIGABYTE「GeForce GTX1660Super GV-N166SOC-6GD」
90mmの独自形状のファン2基、オルタネートスピニング、銅製コンポジットヒートパイプ、ヒートパイプダイレクトタッチと3Dアクティブファン機能を備えた『WINDFORCE 2Xクーリングシステム』が特徴です。
全てを合わせることで、高パフォーマンスを低温で実現してくれます。また、Ultra Durableが認定したチョークコイルとコンデンサーを搭載しており、『究極の安定性』を追求している商品です。
GIGABYTE GeForce GTX1660Super GV-N166SOC-6GD
ASUS「TUF Gaming GeForce RTX 3090 24GB GDDR6X TUF-RTX3090-24G-GAMING」
三つのAxial-techファンが搭載されたグラフィックボードです。Axial-techファンには、スリーブベアリングよりも最大2倍の寿命を誇る、『デュアルボールファンベアリング』が使用されており、優れた耐久性を誇ります。
また独立したヒートシンクにより、温度をしっかりとコントロールできる構造になっているため、安定した動作を維持してくれます。
最大8Kの解像度に対応したコアが搭載されており、ゲームのパフォーマンスを大幅に向上させてくれるハイスペックGPUが搭載されている商品です。
ASUS TUF Gaming GeForce RTX 3090 24GB GDDR6X TUF-RTX3090-24G-GAMING
MSI「GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO G3070GXT」
MSIのゲーミングシリーズの商品です。ハードコアなゲーマーのニーズに対応しており、高パフォーマンス・低ノイズに定評のあるグラフィックボードとして知られています。
冷却性能が高いうえに、『嵐の前のような静けさ』とも形容されるほど、静音性にも優れているのも評価が高いポイントの一つです。あらゆるゲームに対応できるので、ゲームで使いたい人にはぴったりの商品でしょう。
MSI GeForce RTX 3070 GAMING X TRIO G3070GXT
MSI「GEFORCE GTX 1660 SUPER AERO ITX OC 」
超高速のGDDR6メモリが搭載された、GeForce GTX “SUPER”シリーズのグラフィックボードです。そのため、従来のGTX16シリーズよりも最大50%高速、また前世代のGTX10シリーズGPUよりも最大で2倍高速になっています。
高速なゲームでも、滑らかなゲームプレイを楽しむことができ、ゲームでの競争力もアップさせてくれることでしょう。
MSI GEFORCE GTX 1660 SUPER AERO ITX OC
AMDのおすすめグラフィックボード
AMDのおすすめグラフィックボードを4点紹介します。ゲームプレイに優れたものから、コンテンツ制作に向いているものなどもあるので、ニーズに合わせて検討する際に参照してみましょう。
ACUBE「AMD FirePro W8100 FPW81-8GER」
CAD/CAEやメディア、エンターテイメントの分野に最適なグラフィックスボードとして知られています。
『大容量8GBメモリ』や『3次元立体視ディスプレイ』に対応し、デジタルサイネージや医療用イメージング処理、デジタルコンテンツ制作といった大規模なデータを使用する際にも、スムーズに処理できるおすすめグラフィックボードです。
ACUBE AMD FirePro W8100 FPW81-8GER
玄人志向「Radeon RX 550搭載 グラフィックボード RD-RX550-E2GB/OC」
ゲームプレイングも安定して行えるグラフィックボードです。ゲーム内の動きが少ない時はパワーを自動で抑えてくれるので、消費電力やバッテリーの消耗も自動でコントロールしてくれます。
VRのヘッドセットともシームレスに動作できるように設計された独自のハードウェア機能を活用でき、より美しく臨場感のあるVR体験の実現を目指した商品です。
玄人志向 Radeon RX 550搭載 グラフィックボード RD-RX550-E2GB/OC
AMD「Radeon Pro WX 3200グラフィックス 100-506115」
基盤に第4世代のグラフィックス・コア・ネクスト(GCN)アーキテクチャーを採用しているグラフィックボードです。これにより算術命令とグラフィックスの並行処理が可能になっています。
また、速度や応答性も非常に高く、スムーズに作業を行うことも可能です。最大4台のディスプレイに対応可能で、高度な臨場感あふれるタスク処理ができます。
4K・8Kのディスプレイにも対応でき、8Kディスプレイ1台、4Kディスプレイであれば最大4台まで対応可能です。
AMD Radeon Pro WX 3200グラフィックス 100-506115
MSI「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」
ハードコアなゲーマーの認知度と信頼を獲得してきた、MSIの象徴である『GAMINGシリーズ』の製品です。
高パフォーマンス・低ノイズかつ、高い冷却性能を実現しながら静音性にも優れており、極めてパワフルなグラフィックボードとして知られています。ゲームを楽しみたい人にぴったりの、おすすめグラフィックボードです。
MSI Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G
1万円以下のおすすめグラフィックボード
コスト重視の人におすすめのグラフィックボードを紹介します。初心者には不向きなグラフィックボードも含まれていますが、使い慣れている人はぜひ検討してみましょう。
玄人志向「Radeon R7 250 搭載 グラフィックボード RD-R7-250-E2GB/D5LP」
ローエンド向けの商品として発売されている商品で、1万円を切るローコストがうれしい商品です。
高速GDDR5メモリを搭載していたり、空冷ファンが搭載されて発熱を抑えてくれたりと、しっかりとした作りになっています。
使い慣れている人はコストメリットの観点からもぜひチェックしてみましょう。
玄人志向 Radeon R7 250 搭載 グラフィックボード RD-R7-250-E2GB/D5LP
玄人志向「NVIDIA GEFORCE GT710搭載 PCI-Express グラフィックボード」
低消費電力のGEFORCE GT710搭載モデルで、冷却ファンのノイズを抑えたファンレス仕様のグラフィックボードです。そのため、静音性を求める環境に向いている商品であるといえます。
またビデオ編集や画像編集などのアプリケーションでも、処理速度の向上を実現してくれるので、ゲーム以外の使用環境にもおすすめです。ただし初心者向けではないので注意しましょう。
玄人志向 NVIDIA GEFORCE GT710搭載 PCI-Express グラフィックボード
ASUS「GT1030-SL-2G-BRK」
冷却用のファンを搭載していない、ファンレス仕様のグラフィックボードです。大型のヒートシンクのみで放熱することができるので、冷却ファンが搭載されていなくても、十分な冷却性能を実現できた商品です。
また動作音ゼロで使用することができるので、静音性を求める人にはぴったりでしょう。クーラー以外の部品取り付けを機械が行い、それにより人の手では実現不可能な高い製造精度を実現しています。
ASUS GT1030-SL-2G-BRK
グラフィックボードで高画質を実現
画像処理やゲームプレイなど、用途にマッチしたグラフィックボードをパソコンに搭載させれば、作業効率やスピード感がアップします。またDVDやブルーレイなどの映像作品を、高画質で楽しむこともできるでしょう。
仕事で画像処理をする際に動作が遅いと感じる場合にも、グラフィックボードのスペックを見直せば改善されることもあります。
メーカーによって特徴があるので、使用環境に合ったものを選びましょう。購入する際に、家電量販店などで専門スタッフに相談するのもおすすめです。