ゲームをする際、通常のモニターでゲームをしても楽しいものですが、ゲーミングモニターを使うとパフォーマンスが違います。ゲームの結果を左右することさえあるでしょう。ゲーミングモニターの種類や選び方、おすすめのモニターを紹介します。
目次
ゲーミングモニターとは?
ゲーミングモニターとは、通常モニターよりもさまざまな処理速度が速いモニターです。一瞬の時間差が命取りともいえる場面も少なくないゲームの世界では、導入するとしないとでは、大きな違いがあるでしょう。
通常モニターとの違い
ゲーミングモニターと通常モニターとの違いは、その映像のなめらかさにあります。特にその違いが際立つのが、アクションゲームやレーシングゲームなどスピード感のあるゲームです。 ゲーミングモニターは残像が残ることが少なく、画面のブレもあまりありません。
またコントローラーやキーボードで操作してから、モニターに伝わるまでの速度も速く、スムーズにコントロールできます。 ゲーミングモニターを導入することで、通常のモニターの人よりアドバンテージをつかみやすくなるでしょう。
ゲーミングモニターを使用するメリット
ゲーミングモニターを使用するメリットは、表示遅延によるミスが減ることです。 表示遅延とは、コントローラーやキーボードを使って指示した内容が、モニター画面に表示されるまでに起こるタイムラグのことを言います。
表示遅延が少ないと『避けたはずなのに、相手の攻撃がヒットしてしまう』といったことを減らせます。 特に格闘ゲームなど、素早くコントロールする必要があるようなゲームでは、ゲーミングモニターを導入するかどうかが勝敗を決することもあるでしょう。
リフレッシュレート、応答速度を解説
表示遅延を起こす要因は、『リフレッシュレート』と『応答速度』の違いにあります。
リフレッシュレートとは、モニターが1秒あたりに画面を更新する回数のことです。更新回数が増えるほど、ゲーム機本体から送られた指示が、画面に反映されるまでの時間が短くなります。 通常のモニターの場合、リフレッシュレートは60Hzで、毎秒60回画面の更新を行っていることになります。対して、ゲーミングモニターのリフレッシュレートは144Hzのものが多く、通常モニターの倍以上も画面の更新を行っていることになるのです。
また応答速度とは、モニターに信号が送られてから、その内容が画面に表示されるまでの時間のことです。 数値が低いほど、画面表示されるまでにかかる時間は短いことになります。応答速度が遅いと、残像や画面ブレの原因になります。
ゲーミングモニターの種類と特徴
ゲーミングモニターは、サイズ・解像度・採用パネルに種類があり、それぞれ特徴があります。自分が快適にゲームを楽しめるスペックのものを選ぶことが重要です。
ゲーミングモニターのサイズ
ゲーミングモニターは、24~27インチ(横約53~60×縦約30~34cm)くらいのサイズがおすすめです。多くのゲーマーに人気のサイズで、種類も豊富にそろっています。 また敵の動きを広く視認できるので、大きいほどよいという人もいるでしょう。しかし、その分予算や設置スペースが必要だったり、視線の移動が多くなり気分が悪くなる人もいたりしますので、よく検討した方がよいです。
なお設置スペースが限られている場合は、21インチ(横約46×縦約26cm)でも十分快適にプレイできます。
美しい映像に重要な解像度
美しい映像でゲームをするために重要となるのが、解像度です。解像度とは、画面の表示領域のことを表し、数値が大きいほど美しくリアルな画像を表示することができます。ゲーミングモニターの一般的な解像度は、以下の3種類です。
- フルHD(FHD):1920×1080
- クアッドHD(QHD)・ワイドスクリーン・クアッドHD(WQHD):2560×1440
- 4KウルトラHD(UHD):3840×2160
現在最も普及しており、おすすめなのはFHDです。より美しさにこだわるなら、QHDやWQHDに対応したものを検討してもよいでしょう。 またUHDのゲームモニターはかなり高価な上、相当性能の高いパソコンも必要になります。そのためよほどのこだわりがない限り、候補から外してよいでしょう。
パネルにも種類がある
パネルにも種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。主な種類は以下の三つです。
- TNパネル
- VAパネル
- IPSパネル
TNパネルはリフレッシュレートが高く、応答時間も短いので、格闘ゲームなどの高速ゲームに適します。比較的安価なものが多いですが、視野角が狭く、角度によっては見づらいことがあるのはデメリットです。
VAパネルはスペックとしては、TNパネルとIPSパネルの中間です。他の種類よりもコントラスト比が高くなり、暗い画面での画質が違います。 IPSパネルは視野角が広く、画質も非常に安定しています。しかし、応答時間は長くかかります。画質にこだわってRPGゲームを楽しみたい場合などによいでしょう。
それぞれ一長一短あるため、パネルを選ぶ際は好みで選ぶのがよいです。 ただし、現在販売されているゲーミングモニターで採用されているパネルは、ほとんどがTNパネルです。TNパネルは、リフレッシュレートや応答速度などゲーマーが重視すべき点が優れているため、ゲーミングモニターとしては無難といえるでしょう。
ゲーミングモニターの選び方を解説
ゲーミングモニターを選ぶ際は、リフレッシュレートと入力端子を必ず確認しましょう。せっかく高性能のものを購入しても、出力側が対応できなければ意味がありません。またプレイするゲームの種類によっても、適するタイプが違います。
接続するゲーム機器で選択
ゲーミングモニターのリフレッシュレートは、接続するゲーム機器に合わせて選びましょう。ゲーム機器によって、対応できるリフレッシュレートの限界が異なるからです。
PS4やニンテンドースイッチは60Hzが限界であるため、144Hzのゲーミングモニターを購入しても対応できません。 またPCゲームの場合は、最低でも120Hzは欲しいところです。
FPSのような動きが激しいゲームをプレイする場合は、144Hz以上のモニターを選びましょう。
入力端子は事前に確認を
現在発売されているほとんどのゲーミングモニターの入力端子は、HDMIとDisplayPortの二つです。 特に問題となるのは、パソコンをつなぎたい場合です。
現在販売されているパソコンは、HDMIかDisplayPortを使うものが主流となっていますが、少し前まで販売されていたモデルでは、DVIが一般的でした。 しかしDVIに対応しているゲーミングモニターは少なく、特にリフレッシュレートの高いものはほとんどありません。 またリフレッシュレートが高いモニターは、DisplayPortでないと対応できないため、少し古いモデルのパソコンは使えないのです。
一方ゲーム機は、必ずHDMI出力となっています。複数のゲーム機を接続したい場合は、HDMI入力端子の数を確認しておくとよいでしょう。
プレイするゲームの種類で選ぶ
ゲーミングモニターを選ぶ際には、プレイするゲームの種類も重要です。
FPSなどのシューティングゲームの場合は、解像度の低いFHDがよいでしょう。解像度が高くなるほど、1秒あたりのコマ数であるフレームレートが下がるため、素早く正確な操作が必要なゲームには不利であるためです。
RPGやレーシングゲームなどを中心にプレイするなら、美しいグラフィックや迫力の映像を楽しめるWQHDなどの高解像度のものがおすすめです。 また、各メーカーで独自の特化機能が付いていることもあるので、プレイしたいゲームに合わせて選びましょう。
PS4、ニンテンドースイッチ向けモニター
PS4やニンテンドースイッチに対応できるのは、リフレッシュレートが60Hzのものに限ります。ここでは、リフレッシュレートが60~75HZ程度の中でもおすすめのものをご紹介します。
BenQ 「モニター ディスプレイ GL2780」
入出力端子が、HDMI・DVI-D・D-sub・DisplayPort・イヤホンジャックと豊富で、さまざまなメディアに対応可能です。 応答速度は超高速1ms(GtG)、リフレッシュレートは60/75Hzと表示遅延を抑えます。
ブルーライト軽減技術や、周辺の光量を検知して輝度を自動調整する独自の『ブライトネスインテリジェンステクノロジー』によって、目にかかる負担も軽減します。
BenQ モニター ディスプレイ GL2780
ASUS「フレームレス ゲーミングモニター VL278H」
スリムかつ極薄設計が特徴のフレームレスモニターです。応答速度は1msと超高速で、残像感はなくなめらかな映像でプレイできます。
入出力端子は、HDMIが二つ、D-sub15が一つ、オーディオ用HDMIが二つとステレオミニジャックが一つです。 ブルーライト軽減機能とフリッカーフリー機能付きで、目にもやさしいモニターです。
ASUS フレームレス ゲーミングモニター VL278H
Acer「ゲーミングモニター SigmaLine KG221QAbmix」
黒の強弱を調節することで、暗い画面における視認性を高める、『ブラック・ブースト機能』や、FPSゲームで活躍する照準機能が搭載されています。 応答速度は1msと高速で、モニターに内蔵されたFreeSyncテクノロジーにより、なめらかな動きを楽しむことができます。
さらにステレオスピーカーを搭載することで、よりリアルな音が表現され、臨場感を感じながらゲームをプレイすることができるでしょう。
Acer ゲーミングモニター SigmaLine KG221QAbmix
PS5やPC向けのゲーミングモニター
PS5やXbox Series Xの場合は120Hzの映像出力が可能です。ここでは、PS5・Xbox Series X・PCにおすすめの、リフレッシュレートが120Hz以上のゲーミングモニターをご紹介します。
Dell 「ゲーミングモニター S2421HGF」
モニター背面のジョイスティックとショートカットボタンによって、簡単にOSDメニューを操作し、ゲームモードを設定可能です。応答速度1ms、リフレッシュレート144Hzとスムーズで途切れのない動きを実現します。 奥行き189.4mmとスリムですが、画面スペースは広く、迫力のある映像でプレイできます。入力端子はHDMIが二つ、DisplayPortが一つ、ヘッドホン用ジャックが一つです。
Dell ゲーミングモニター S2421HGF
Acer「ゲーミングディスプレイ XF240QSbmiiprx」
応答速度0.5ms、リフレッシュレート165Hzと非常に高性能なモニターです。 黒の強弱を調節することで、暗い画面上での視認性を高める『ブラック・ブースト機能』の他、FPSゲームプレーヤーにうれしい照準表示機能『Acer Aim Point』を搭載しています。
ゲームモードは8種類あり、ジャンルに応じて選べます。 またディスプレイ本体には、エルゴスタンドを採用しており、首フリ調節・高さ調節・チルト調節が可能で、さらにピボット機能も付いています。
Acer ゲーミングディスプレイ XF240QSbmiiprx
I-O DATA 「ゲーミングモニター EX-LDGC242HTB」
応答速度0.6ms、リフレッシュレート144Hz、表示遅延は約0.05フレームと動きの速いゲームに最適のモニターです。 ゲーム上の暗いシーンでも鮮明に表示する『Night Clear Vision』を搭載し、暗闇に隠れた敵の動きや変化を見逃すことなくプレイできます。
3年の保証期間と、土日もつながるコールセンターもあるのも安心です。
I-O DATA ゲーミングモニター EX-LDGC242HTB
240Hz以上のハイスペックモニター
240Hz以上のハイスペックモニターは、ハイスペックな分値段は高くなります。しかし144Hz以下のモニターと比べると、パフォーマンスの差は歴然で、ゲーマーにとってはやはり魅力的でしょう。
ASUS 「TUF Gaming ゲーミングモニター VG279QM」
280Hzと超高速のリフレッシュレートで、驚くほどなめらかな映像を楽しみながらプレイできます。 IPSパネルを採用していますが、従来のIPSパネルよりも応答速度を高速化しており、1msの応答速度を実現しています。そのため画面ブレやティアリングもありません。
また『Dynamic Shadow Boostテクノロジー』を搭載し、暗いシーンでもはっきり映像を捉えることができます。
ASUS TUF Gaming ゲーミングモニターVG279QM
MSI 「Optix G32CQ4 ゲーミングモニター」
e-sportの世界大会で使用されているモニターと同程度の性能で、臨場感のあるプレイを楽しむことができるフルスペック製品です。1msの応答速度・240Hzのリフレッシュレートにより、美しく滑らかな映像を実現します。通常スペックでは味わえない、スムーズで快適なプレイを楽しむことができるでしょう。
画面が暗くなるシーンでも見やすい視界を確保する『ナイトビジョン機能』など、プレイヤー目線の機能が搭載されているのも嬉しいポイントです。ブルーライトカット機能も備わっているため、ゲームだけでなくリモートワークでも活躍してくれるでしょう。
MSI Optix G32CQ4 ゲーミングモニター
適したモニターでゲーム時間を快適に
ゲーマーにとって表示遅延は、勝負の行方を左右することもある非常に重要な問題です。 ゲームの種類に適したモニターを選んで使えば、表示遅延による不本意なミスを防ぐことができます。
また、残像や画面ブレのないなめらかな動きを楽しむこともでき、快適にプレイできるでしょう。 最適なゲーミングモニターを購入し、ゲーム時間をもっと楽しいものにしてみましょう。