学習机はサイズが大きく重いため、簡単に捨てられるものではありません。処分しようと思い立っても、コストや手間が掛かります。学習机の処分方法にはどのようなものがあるのでしょうか。学習机の解体方法や、廃棄したり売ったりする方法を紹介します。
目次
学習机の処分に関する疑問
子どもが巣立った家庭からは「学習机の処分に困っている」という声がよく聞かれます。なぜ学習机を「捨てにくい」と感じる人が多いのでしょうか。
学習机の処分について、多くの人を悩ませる事柄について紹介します。
いつ処分するの?
基本的には「捨てたい」と思ったときに捨てるのが一番ですが、学習机を捨てるタイミングとして多いのは、何かの節目のときです。
例えば、子どもが家を出て行ったときです。子どもが結婚や就職で家を出れば、もはや学習机が必要になることはありません。処分するにはよいタイミングといえます。
このほか、家をリフォームするついでに捨ててもらったり、ほかの机に買い替えたりしたときに処分する人も多いようです。
ただし、いずれにしても重要なのは『処分すると決めたら速やかに処分する』ことです。物の捨て時を逃してしまうと、「処分しなければ」という宙ぶらりんの状態から抜け出せません。
汚れが目立つ学習机は再利用できるの?
学習机が新品同様でもない限り、そのまま再利用するのは困難です。
まず、リサイクルショップなどは買い取ってくれません。
学習机は、子どもの勉強用に使われる机です。長い人なら10年以上同じ机を使うケースもあり、机の劣化は避けられません。この上傷や落書きなどがひどければ、たいていの業者は買取りを拒否します。
もしも引き取ってくれるとしても、有料となることがほとんどでしょう。
また、大人が使うには、学習机は小さすぎます。どうしても再利用したい場合は、DIYで手を加えてほかのものに作り替えるなどが必要です。
学習机の解体方法
学習机を処分するとき、解体するとコンパクトに捨てられます。また、DIYでもいったん解体すると、好きな形状に変えやすくなるでしょう。
学習机をスムーズに解体したいときの方法・手順を紹介します。
学習机の構造を確認しよう
最近の学習机は多機能化しており、構造も複雑です。解体を効率的に行うには、学習机の構造を事前に把握しておくことが大切です。
学習机は、主に次のようなもので構成されています。
- 机本体:天板と引き出しが付いている
- ワゴン:机の横や下に置く棚
- シェルフ:机の横や上部に配置する収納スペース
- 上棚:机の上部に配置する棚
それぞれのつながりや構造については、購入時に付属していた説明書などを確認します。説明書を見れば『どことどこがつながっているか』『どこから解体するとスムーズか』などの見当を付けやすくなるためです。
なお、学習机の説明書を無くしてしまった場合は、メーカーのサイトで確認できる場合があります。学習机の型番や名称などを用意して、説明書を検索してみましょう。
解体に必要な道具を用意する
学習机の解体は、結構な力仕事となります。素手ではとても無理なので、解体に必要な道具をそろえましょう。例えば『ハンマー』『バール』『インパクトドライバー』などがあると便利です。
また、『ノコギリ』は学習机をコンパクトに解体するときに重宝します。近年は、女性の力でもスパッと切れる高品質なノコギリも少なくありません。
中にはスチールパーツがカットできるものもあり、学習机の解体作業がはかどります。
解体の基本の手順
学習机を解体するときの大まかな流れは、次のようになります。
- 机本体から外せるものを全て外す
- ドライバーを使ってネジを外す
- 接着剤でくっついている部分はハンマーで叩いて外す
基本的には、『学習机の部品を外して壊す』という流れです。ただし、学習机の仕様や構造は、製品によって大きく異なります。細かい流れや手順については手元に取扱説明書を用意し、確認しながら進めましょう。
また、学習机を分解していると、飛び散った部品が床や壁、人を傷つける恐れがあります。ハンマーで机や備品をたたくときなどは、周囲にも十分な配慮が必要です。
学習机を無料で処分する主な方法
近年は、ゴミを捨てるのもタダではありません。
お金を掛けずに学習机を処分するには、それなりの手間や労力が必要です。学習机を無料で処分できる方法を紹介します。
解体して可燃ゴミとして処分する
大きな学習机でも、細かく解体すれば可燃ゴミとして出せます。前述の方法で解体して、各自治体の可燃ゴミ用の袋に入れましょう。ゴミの収集日に出しておけば、業者が回収してくれます。
ただし、可燃ゴミで収集できるゴミの大きさは厳密に定められています。大きな天板などは、かなり小さくしないと回収してもらえません。
また解体がうまくいかない場合は、『粗大ゴミで出すもの』『可燃ゴミで出すもの』に分別するのがおすすめです。粗大ゴミとして出す量が少なくなれば、机を丸ごと出すよりもコストを抑えられます。
知人や親戚に譲る
知人や親戚に学齢期の子どもがいるならば、一声掛けてみるのがおすすめです。学習机を買おうかどうか迷っている家庭なら、喜んでもらってくれるかもしれません。
学習机をほかの人に譲れれば、処分費が不要です。譲られた方も無償で机を入手でき、お互いに満足できる取引となります。
とはいえ、近年はお下がりを嫌がる子どもや家庭も少なくありません。声を掛けてみて反応が悪ければ、深追いするのは止めましょう。
また、学習机のコンディションによっては、そもそも声を掛けるのが失礼な場合もあります。机の状態が悪い場合は、声掛けを血縁者に限定した方がベターです。
解体の手間がかからない処分方法
「学習机を簡単に処分できるなら、コストがかかってもよい」という場合は、処分方法の選択肢が広がります。処分費用や手間は処分方法によって異なるので、『コストを取るか』『手間を取るか』をよく考えましょう。
解体の手間を掛けずに学習机を処分する方法を紹介します。
粗大ゴミとして処分する
学習机は、『粗大ゴミ』として自治体が回収してくれます。
申し込みから回収までの手順は、以下の通りです。
- 電話かインターネットで粗大ゴミの回収を予約する
- 有料ゴミ処理券を購入する
- 券に予約番号と氏名を書き、学習机に貼る
- 収集日に学習机を指定の場所に置く
まずは自治体に連絡をして、学習机の回収を依頼します。直接窓口に行く必要はなく、インターネットか電話でOKです。
そして、予約が完了すれば予約番号をもらえます。これは後で『有料ゴミ処理券』に記載する必要があるため。必ずメモしておきましょう。
予約が終わったら、有料ゴミ処理券の購入が必要です。購入した券には氏名や予約番号を記載し、学習机に貼り付けます。
収集日がきたら、学習机を所定の場所に置いておくだけです。そうすれば、自治体が提携している業者が適切なタイミングで回収してくれます。
回収業者に引き取りをお願いする
回収業者の利用は、「今すぐに学習机を処分したい」というときにおすすめです。対応の早い業者なら、その日のうちに来てくれます。早朝・深夜に対応してくれたり、時間指定可能だったりする業者もあります。
回収業者への引取依頼は、電話1本で済むことがほとんどです。自分で学習机を出しに行く必要もなく、粗大ゴミとして出すよりも手間がかかりません。
なお、回収業者ならほかの不用品も併せて処分可能です。イスや棚、電気スタンドなどをひとまとめに引き取ってもらうのもよいでしょう。
買い替え時に引き取ってもらう
学習机を買い替えた場合、購入した店で古い学習机を引き取ってくれることがあります。ただし、このケースは『学習机を購入した場合のみ』に限定されることがほとんどです。ほかの家具の購入では対応してもらえないので、利用できる人は限られます。
また、店舗が引き取るとはいっても、形態はさまざまです。無料引き取りの店舗もあれば、いくらか回収料金が必要となる店舗もあります。さらに、古い学習机を『下取り』として回収し、新しい学習机を値引きしてくれる店舗も少なくありません。
学習机の他の処分方法
学習机の状態がよかったり人気の高いブランドものだったりする場合は、うまくすると売れるかもしれません。また、業者や店舗とやり取りするのが面倒な人は、自分でさっさと処分してしまう方法もあります。
少しでもお金を得たい人や『何でも自力でやりたい派』の人におすすめの学習机の処分方法を紹介します。
リサイクルショップに売る
状態のよい机なら、リサイクルショップで買い取ってくれる可能性があります。
高価な学習机を購入した場合、どうしても「捨てるのがもったいない」という気持ちが働きます。このようなとき、対価があるのなら処分しようと思えるのではないでしょうか。
ただし、使い古した学習机を高額で買い取ってくれる業者はまれです。どんなに購入金額が高かったとしても、500円、1,000円という値段が付くこともあるでしょう。
リサイクルショップまで学習机を運ぶ労力やガソリン代を考えると、マイナスになることもあり得ます。
オークションに出品する
フリマアプリやオークションサイトに出品すれば、「欲しい」と名乗りを上げる人がいるかもしれません。近年はスマホから簡単に出品ややり取りが可能です。利用者は全国規模なので、近場で探すよりも欲しい人を見つけやすくなります。
とはいえ、オークションサイトで学習机を購入する人はまれです。しかも中古品となると、よほど希少価値が高かったりきれいだったりしないと目を留めてもらえないかもしれません。
また万が一取引が成立しても、相手が遠方の場合は多額の送料が掛かります。フリマアプリやオークションサイトへの出品は、「絶対に誰かに譲りたい」「処分だけはしたくない」などのような、強い気持ちのある人におすすめです。
クリーンセンターに持ち込む
学習机を自力で何とか処理したい人は、自治体が運営するクリーンセンターに持ち込むのがおすすめです。持ち込みは車が必須なので、学習机を乗せられる大きな車か軽トラを準備しましょう。
なお、クリーンセンターの利用方法は居住地によって異なります。自治体によっては事前予約が必要だったり不要だったりするケースがあるため、事前の確認をおすすめします。
一般的なクリーンセンターの利用方法は、以下の通りです。
- 受付をする
- 車両の重さを量る
- 所定の場所まで車で運ぶ
- 処分する
- 車両の重さを量る
- 料金を支払う
クリーンセンターでは、処分前と処分後に計量を行います。このとき差で支払う料金が決ります。
学習机の処分に必要な費用
物を捨てるのにお金が掛かる時代とはいえ、不用品はなるべくローコストで処分したいものです。学習机は、処分方法によってコストが大きく異なります。
これから学習机を処分しようと考えている人は、コストと手間のバランスを見極めて処分方法を選択しましょう。
学習机の処分に必要な費用を紹介します。
粗大ゴミとして処分する場合
粗大ゴミとして処分する場合は、有料ゴミ処理券の購入が必要です。机の仕様やサイズにもよりますが、処分費用としては1000~3000円程度見ておけばよいでしょう。
いくらの券を購入すべきかは、自治体によって異なります。例えば、東京都新宿区の場合、学習机を出すときは1200円分の券が必要です。
学習机の処分費用としては安価といえますが、机を所定の場所まで持っていかねばなりません。自宅から距離がある場合は軽トラなどをレンタルする必要もあり、それなりに手間が掛かります。
回収業者に引き取りをお願いする場合
回収業者を利用した場合、学習机の処分費用は8000〜1万5000円程度です。粗大ゴミに出すケースと比較して高く感じますが、手間や労力が掛かりません。
全て業者にお任せなので、重く大きな机を持ち上げたり梱包したりせずに済みます。
高額な費用を『サービス費』と考えられる人にはおすすめです。
買い替え時に引き取ってもらう場合
新しい机の買い替え時に引き取ってもらう場合は、『机の購入代金+α』が必要です。前述の通り、古い学習机の買取りについては、店舗の対応に大きな違いがあります。
なるべく有利な条件で古い学習机を処分したいなら、店舗の条件を事前に調べておきましょう。『無料で古い学習机を引き取ってくれるところ』で新しい机を買えば、机の処分と購入がお得になります。
例えば『ニトリ』なら、同数量または同容量の家具は3300円(税込)で引き取ってくれます。
学習机を適切に処分しよう
学習机を処分するときは、手間やコストを考えて方法を選びましょう。
忙しい人は、電話1本で済む回収業者が便利です。コストは掛かりますが、梱包や持ち出しの手間がありません。忙しくしている人でも、簡単に学習机を処分できます。
一方で、時間が掛かってもコストを抑えたいという場合は、自身で解体するのがベターです。可燃ゴミに出せるくらいコンパクトにできれば、処分にはゴミ袋代しかかかりません。
近年はリサイクルやエコの観点から、ゴミの捨て方が厳しくなっています。さまざまある処分方法から、自分にとってコストや手間のバランスが最もよいものを選びましょう。