コロナ禍によって経済が不安定な今、家計も大きな影響を受けています。お財布事情が不安でも、在宅勤務や子どもの休校によって、食費がかさんでしまう家庭もあるでしょう。できるだけ食費を節約するための、ポイントやコツを紹介します。
目次
一カ月あたりの食費にかかる費用の平均は?
日本における、各家庭の1カ月あたりの食費は8万円前後です。一般的には手取り額の15%程度に収めると良いとされています。支出のうち食費の割合を表すエンゲル係数は、豊かさの指標とされており、25%程度が平均です。
世帯収入や家族構成、ライフスタイルによって食費には差があります。若い世代や単身では食費自体は安くても、収入における食費の割合は高い傾向にあります。
逆に家族が多い世帯では、一人あたりの食費は安くなりますが、食費自体は大きな額になるようです。
引用元:家計調査報告-2020年(令和2年)11月分-家計調査
世帯収入別、食費の平均額
世帯収入に分けて見ると、低収入世帯ではエンゲル係数は高く、高収入になるにつれてエンゲル係数は低くなります。低収入世帯ほど、食費の負担を感じやすいでしょう。
また高収入世帯は、食費以外の支出も多くあると考えられます。住宅費や教育費、貯蓄などの支出もあるでしょうから、高収入だからといって食費を節約しなくていいわけではありません。
家族構成別、食費の平均額
家族が増えるほど必然的に食費は増えます。複数人世帯では、一度の買い物での支出が大きく、食費の負担を感じやすいでしょう。しかし、一人当たりの食費自体は世帯人数が多いほど、安くなる傾向があります。
単身世帯は気軽に外食も楽しめるので、食材費としての食費がかかるというよりも、外食の支出が多いようです。複数人世帯では、まとめ買いや大量買いは日常的かもしれませんが、それに伴い食品ロスが増えることもあります。
2人暮らし
2人暮らしの世帯では、ひと月の食費の平均額は約6万4000円です。勤労者世帯の月額実収入は約47万円がの平均額となっています。収入における食費の割合の平均は15%以下なので、理想的な食費の割合といえるでしょう。
2人とも収入があることで、食費に関して少し余裕のある暮らしになるかもしれません。
2人暮らしの場合は、外食や惣菜購入などの頻度を上げないことで、食費の節約につながります。共働きだと食事の用意が億劫になることもあるでしょう。無理をする必要はありませんが、作り置きがあると億劫な時でも対応できます。
引用元:総務省統計局
4人暮らし
4人暮らしの世帯では、ひと月の食費の平均額は約8万3000円です。2人暮らしに比べて、1人1万円程度増えますが、2倍とまではいきません。
しかし、4人暮らしは食費以外の支出も増えるでしょうから、食費の節約をすることで、家計をより安定させることができるでしょう。
各自のおやつや嗜好品などの出費を抑えること、食品ロスを防ぐことが節約につながります。特に子どもがいると、想定外の出費が増えがちなので、買い物の時点から注意が必要です。
引用元:総務省統計局
はじめに取り組む食費節約のコツ
食事は生きる上で大切なものです。そして、生きていく楽しみの一つでもあります。食費を節約しようとして無理な計画を立てると、食事に喜びを見出せなくなったり、結局挫折したりしてしまいます。まずは、簡単なことからはじめてみましょう。
食費にかかる予算を立てる
今まで、食費にどれくらいかけていたのか把握した上で、これからの食費の予算を立てましょう。世帯人数や、年収による平均額を目安にしてもいいでしょう。
平均額と今までの食費の差がとても大きい場合は、無理をせず、余裕を持った予算にした方がいいかもしれません。予算を決めて買い物をすることで、無駄な出費を減らすことができます。
外食を減らす
食費のうちで、金額が大きくなりやすいのは外食です。 1人あたりの金額も大きいので、複数人世帯であればあるほど食費を圧迫します。
外食は楽しみでもあり、リフレッシュできるものでもあります。そのため、少しずつ回数を減らすことを目標にしていくと、習慣化しやすくなります。頻繁に外食するよりも、たまの外食の方が特別感が出て、今までよりずっと楽しめるかもしれません。
家でできる食費の節約におすすめのコツ
実際に食費を予算内に収めて節約するには、どのようなコツがあるでしょうか。小さなことでも意識を変えていくことで、節約につながります。節約術は様々ありますが、家庭のライフスタイルに合わせて取り入れていくのがおすすめです。
作り置きをする
作り置きは、お酢を使って保存食を作ったり、火を通したりすることで、食べ物を長持ちさせる節約術の定番です。丁寧な暮らしを感じることもできるので、趣味だという人もいるでしょう。
食材は早めに調理しないと、栄養も鮮度も逃してしまいます。買い物とセットで、作り置き時間を取るといいでしょう。
休日のほとんどを作り置きで潰してしまって、子どもとの時間が取れない、ということもあるかもしれません。そんな時は子どもと一緒に料理をする、作り置きタイムを作ってみましょう。
親子で一緒に料理する時間が取れて、食費の節約にもつながります。また、子どもにとっても、料理や手際を学ぶ機会にもなり、一石二鳥です。
野菜や肉を冷凍保存する
買い物をしてきた野菜や肉は、作り置きと同時に冷凍保存しましょう。小分けにして冷凍しておくと、一種類の食材でも、様々な用途に使えるので便利です。1週間ほどで使い切るのが、おいしく安心して食べられる目安となります。
さらに、下処理をした状態で冷凍保存すると、使い勝手が良くなるのでおすすめです。下準備の時間をショートカットできるので、食費の節約に加えて時短にもなります。
疲れてご飯の支度ができない時にも、外食をするのではなく「最後の仕上げだけだから、自炊にしよう」と、踏みとどまれるかもしれません。
食品ロスを減らす
食品ロスは、お金を捨てているのと同じことです。有限な資源である食材を、なるべく無駄にしないで使い切ることは、エコでもあります。
食材の皮などをうまく料理に使えば、無駄な廃棄を減らすこともできます。また、家族の嗜好や体調に合わせたメニューなら、食べ残して廃棄することも減るでしょう。購入時から、食品ロスを減らす意識を持つと、出費も減らすことができます。
食費の節約に欠かせない買い物のコツ
食費の出費は買い物が主なので、買い物上手は節約上手につながります。しかし、意識しすぎるとかえって食費がかさんでしまうこともあるので、自分に合う買い物方法を探しましょう。
食材をまとめ買いする
食費を減らす、支出を減らすために、お金を使わないノーマネーデーを作るのはどうでしょうか。毎日ちょこちょこ何か買ってしまう人に、ぜひ取り入れてほしい方法です。
週に1度か2度、まとめ買いをする日を作ることで、お金の管理を簡単にし、支出を意識しやすくなります。業務用スーパーなど、お得に大量に買い物できるところもあるので、利用するといいでしょう。
ただ、一気にたくさん買ってしまうと、結局食べられなくて食品ロスを生むこともあります。家庭の消費量を考えた上で、購入時には賞味期限も忘れずにチェックして買い物しましょう。
献立を考えておく
まとめ買いをするためには、大まかにでも献立を考えておくと、買い物がしやすくなります。しかし献立にこだわりすぎて、食材が高価な時に買い物をしてしまっては損になります。チラシをチェックしながら、献立を考える方が無難です。
食べたいものをメインにして考えた献立だと、普段は使わない食材を購入することもあるでしょう。その時は、極力少ない量を購入するのがポイントです。他の献立に活用するのが難しそうな食材の場合、食品ロスを生みやすいからです。
安くていろいろな料理に使える食材を買う
使い切る自信のある、万能な常備菜を決めておくのも良いでしょう。安くてかさ増しにもなり、日持ちもする、キャベツや白菜、にんじん、玉ねぎなどはまとめ買いしておくと便利です。
買い物に行けなかった日でも、冷蔵庫にあるもので料理をするときに、万能野菜があれば安心です。ただし、もやしやキノコ、ひき肉などは安くて便利ですが、あまり日持ちしないので、作り置きか冷凍してしまうことをおすすめします。
食費の節約におすすめの料理のコツ
買ってきた食材を余すことなく料理し、さらに食事としての満足感も得ることができる節約料理の方法を紹介します。節約上手は料理上手への近道かもしれません。
リメイクレシピを作る
一つの食材や料理から、他の料理にリメイクすることで、手間も減り食費も浮きます。翌日もおいしいカレーですが、飽きると食品ロスにつながります。チーズを足してカレードリアにしたり、衣をつけてカレーコロッケにしたりするのはいかがでしょう。
少ない追加食材でリメイクできると節約にもなりますし、リメイクまで視野に入れて買い物や料理ができれば、節約上級者でしょう。リメイク食材の定番であるチーズや薬味など、冷凍できるものを常備しておくのもおすすめです。
かさ増し料理を作る
複数人世帯ではよく使う知恵かもしれませんが、料理をかさ増しすることも、食費を抑えることにつながります。キャベツや豆腐、はんぺんやきのこは、かさ増し食材として重宝します。
ハンバーグを作るときにはひき肉を使いますが、ひき肉以外でかさ増しするために、つなぎに豆腐を使ってみると、味のレパートリーも増えます。かさ増し目的だけではなく、料理の幅も広がるので、ぜひ取り入れたいテクニックです。
食費を節約して快適に過ごそう
食費を節約することで家計に余裕が出ると、心にも余裕が生まれます。コロナ禍で不安も多くある中、リフレッシュできる機会が減っている人も多いかもしれません。そんな中でも元気に過ごすために、節約も料理も楽しみつつ、快適に過ごしましょう。