ベランダは、いざ掃除をしようとすると、どこから手をつけようかと迷う場所かもしれません。この記事では、汚れの種類に合わせた掃除方法を紹介します。また、ベランダは集合住宅では共用部になっていますので、近所への配慮も忘れないようにしましょう。
目次
ベランダが汚れる原因
代表的なベランダ汚れを紹介します。いずれも、外から自然と運ばれてしまうので、避けられない汚れであることが特徴です。ベランダは放置しておくと汚れてしまう場所なので、定期的な掃除を心がけると快適でしょう。
砂埃や土
ベランダ汚れの原因の大半は、『砂埃や土』です。風に乗って、どこからともなく自然に運ばれてくるものなので、ふと気づいたら溜まってしまってることが多いでしょう。
また、ガーデニングをしている場合には、自然に吹かれてくる砂埃だけではなく、プランターの中の土が加わります。
いずれも、『あの時、土をこぼしてしまった』というような明確な記憶や事象がなくても自然に発生している汚れです。
洗濯物のホコリ
ベランダには、ホコリもたくさん落ちてしまっています。室外のため、ベランダにホコリが落ちているとは意外に思う人も多いでしょう。実はこのホコリの原因は、ベランダに干している洗濯物や布団です。
洗濯物や布団に付着している繊維やゴミなどが落ちて固まってしまい、ホコリやゴミとして溜まってしまいます。これも、砂埃や土と同様に予防するのが難しく、普段の生活の中で自然と発生してしまっている、見落としがちな汚れの一つでしょう。
排気ガス
家の周りの交通量が多い場合は、排気ガスに含まれる油によってベランダが汚れてしまうことがあります。
これは、落とそうとしても手間がかかってしまう頑固な汚れです。その上ねばついているため、油汚れの上にホコリや土などが付着して固まってしまうのです。
このように、ホコリやゴミが油と混ざって固まってしまうと、なかなか落としづらい頑固な汚れに変化してしまうというケースもあります。
掃除前に用意するもの
いざベランダを掃除しようとしても、手元に道具がなければ、せっかくのモチベーションが削がれてしまうかもしれません。そのため、掃除に取り掛かる前に一式まとめて揃えておくとよいでしょう。おすすめの道具や洗剤を紹介します。
ほうきやちり取りなど掃除道具
まずは、ベランダの掃除道具を用意しましょう。砂埃や土、ホコリなどを取り除くには、ほうきとちりとりがあると便利です。
そのため、ほうきとちりとりはセットにして常にベランダに置いておくのをおすすめします。また、床などの拭き掃除には、雑巾や不要なタオルなどの布を用意しておきましょう。
さらに、排水口のあたりなどの細かいところの掃除には、使用済みの歯ブラシが大活躍です。新聞紙も床掃除に便利なので準備しておくことをおすすめします。
汚れを落とす洗剤
ベランダ汚れの種類によって、最適な洗剤は異なります。間違った洗剤で洗ってしまうと、汚れが落ちないだけではなく、ベランダの素材を傷めてしまうケースもあるので、正しい知識を押さえておきましょう。
まず、排気ガスによる油汚れには、アルカリ性の洗浄剤が有効です。市販のものはもちろんのこと、安心な素材を求めるのであれば、『重曹』をおすすめします。重曹5gを水100mlくらいの配合バランスで重曹水を作って使いましょう。
砂埃や土などの汚れには、中性洗剤が適しています。また、鳥のフンなどのかなり頑固な汚れには、『酸性洗剤』が効果的です。
市販の酸性洗剤は強めなので避けたいという場合は、『クエン酸』でも代用できます。クエン酸10gを水100mlに混ぜてスプレー容器に入れて使うと便利です。
掃除の手順
揃えた道具を使って、掃除をしていきましょう。まずは手すりや壁、次に床のゴミ取り、最後に排水口の順番がスムーズです。それぞれの場所を掃除するにあたっての、具体的なコツや注意点も確認しておきましょう。
手すりや壁を拭く
まず、拭き掃除から始めます。雑巾や使い古したタオルなど不要な布を用意し、手すりや壁を水拭きしていきましょう。雨が降ったあとで掃除をする場合には、その水滴をそのまま掃除に利用できるのでスムーズです。
手すりは、布を手のひらで包み込んだままの状態で、くるりと一回転させましょう。こうすれば、手すりの下の部分も拭き残しがなくなります。
スムーズに掃除を進めるためにも、拭き掃除は床掃除の前に終えておきましょう。拭き掃除のときに床に落ちてしまったゴミやホコリなども、床掃除のステップでカバーすることができるからです。
床のゴミを取る
次は、床の掃除です。床は、ベランダの中でも最も汚れている場所となります。
まずは、新聞紙を使います。用意した新聞紙を濡らして、ほうきのように使い、細かいゴミを集めていきましょう。
そのあと、ほうきとちりとりで全てゴミを集めればOKです。
集めたあとは、汚れの種類に応じて、酸性・中性・アルカリ性いずれかの洗剤を使い、ブラシでこすったり、拭き掃除などをしておくと、より念入りな掃除となります。
排水口の掃除
ベランダ掃除は、排水口で締めくくります。排水口の掃除は手間がかかりますが、コツをつかんでスムーズに進めましょう。
まず、使用済みの歯ブラシなどを再利用して、細かい溝などに溜まっている汚れからしっかりとこすり落としていきます。
汚れがひどい場合は、まずは重曹を振りかけ、その上からクエン酸水をスプレーしましょう。こうすることで、重曹とクエン酸が反応して発泡し、その泡が汚れを浮かせてくれるので落としやすくなります。
集合住宅はここに注意
集合住宅の場合は、掃除をするときの水の使い方に注意が必要です。ベランダは隣の家とも繋がっているため、共用部分の位置付けになっています。トラブルにならないよう、あらかじめ注意すべき点を押さえておきましょう。
水が隣の家に流れないか
集合住宅の場合は、ベランダの排水口を隣の家と共用しているケースもあります。そのため、ベランダの掃除をする際に水を使ってしまうと、隣に大量の汚水が流れてしまい、迷惑をかけることにもなるでしょう。
これがトラブルの元になってしまう場合もあるので、勢いよく水を使って掃除を始める前に、状況をよく確認することが重要です。
また、外壁をつたって水が垂れてしまった場合は、下の階の家で干されている布団や洗濯物を濡らしたり汚したりすることにもなりかねません。
大量の水は漏水の原因に
大量の水を使って床掃除をすると、下の階に漏水してしまう可能性があります。
これは、ベランダが防水加工されていなかったり、経年によって防水効果が下がってしまっていたりすることが原因です。
そのため、集合住宅などで2階以上に住んでいる場合には、事前に防水加工の状態を調べてから掃除をしましょう。
気づかずに掃除をしてしまうと、思わぬところで下の階に迷惑をかけてしまい、トラブルになってしまうことにもなります。
規約を確認しておこう
集合住宅によっては、規約の中で『ベランダで大量の水を流すこと』を禁止しているケースもあります。
そのため、掃除の前に一度確認しておくと近隣に迷惑をかけることもなく、トラブルを回避することができます。
また、規約で、ある程度の水を流すことが許されている場合でも、ベランダで水を少し使うことがある旨を、事前に隣の家や階下の家に伝えておくとよいでしょう。
水を撒かずに掃除する方法
水を使ってベランダ掃除をしたい場合には、確認すべきことが多く、面倒に感じた人もいるかもしれません。
ここでは、水をベランダに直接まくのではなく、別の道具に染み込ませて上手く掃除に応用する方法を紹介します。この方法なら、トラブルのリスクを回避できるでしょう。
新聞紙を活用
まず、新聞紙をちぎってボール状に丸めていきます。しかし、あまり細かくしてしまうと、新たなゴミになってしまうので、やり過ぎには注意しましょう。ベランダの床を転がしながら小さなゴミやホコリを巻き取っていけるくらいの、適度な大きさに仕上げるとよいです。
ちぎって軽く丸めた新聞紙を準備できたら、水で濡らしましょう。
そして、ベランダの上に、濡らした新聞紙のボールをいくつかまいて、ほうきで転がしていきます。ほうきだけでは細かすぎて取りきれなかったホコリやチリでも、湿った新聞紙であれば絡め取ることが可能です。
また、掃除機を使っても同様の効果を得られますが、家の中で普段使う掃除機をベランダでも使うことに抵抗がある人もいるでしょう。そのような人には、この新聞紙を使った方法をおすすめします。
濡れ雑巾で拭く
水をまかずに、水気を使って汚れを落とすためには『濡れ雑巾』を使った拭き掃除を行います。
まず、中性洗剤と水を混ぜたものや重曹水など、洗剤として使える物をバケツの中に入れて準備をしましょう。洗剤類を入れる理由は、洗剤の力で汚れを浮かせることが可能になるためです。
そのバケツに雑巾を浸して緩めに絞り、床を拭きます。一通り拭いたあと、一度バケツの中で雑巾をすすぎましょう。
そして、すすぎおわった雑巾を再度濡らし、今度は硬く絞ります。水気をしっかり取った雑巾で先ほど拭いた部分をもう一度拭くと、きれいに仕上げることができます。
定期的にベランダも掃除しよう
ベランダは、つい掃除をするのを忘れがちな場所かもしれません。だからこそ、気づけば汚れが溜まり、掃除が大仕事になってしまいがちです。
ベランダは汚れていないようで、実は汚れやすい場所であるという認識で、定期的に掃除をする習慣をつけましょう。
また、基本的な掃除道具が常にベランダにセットしてあれば、思い立ったときに掃除に取り掛かりやすくなるかもしれません。まずは道具から揃え、環境を整えてみるところから始めるのもよいでしょう。
集合住宅に住んでいる場合には、ベランダで大量の水をまかないようにくれぐれも注意することが大切です。ルールを守り、水を上手く使った掃除方法を取り入れて快適な環境を作っていきましょう。