タンブラー乾燥はとても便利です。時短効果はもちろん、生乾きのリスクも少なく、天候を気にする必要もありません。ただし、相性の悪い衣類に使えば、縮んで着れなくなることもあります。使用可否を見分けるポイントを押さえて、うまく活用しましょう。
目次
タンブラー乾燥のメリットとデメリット
タンブラー乾燥は、時短などのメリットもありますが、衣類への負担などのデメリットもあります。具体的にチェックしてみましょう。
天気に関係なく短時間で乾かせる
タンブラー乾燥とは、洗濯物を回転させながら熱風を当てて乾燥させる方法のことです。回転によって熱風を満遍なく当てることができるので、短時間で乾かせるといううれしい特徴があります。 家庭で使われるドラム式乾燥機やコインランドリーの乾燥機は、この技術を活用しているので、梅雨の時期や、花粉が多い日など、外に洗濯物を干せないときに活躍します。 また、熱によって生乾きの元になる雑菌を寄せつけにくく、不快な臭いを感じる機会も少なくなるでしょう。
洋服を傷める原因に
タンブラー乾燥の回転機能は、スピーディーに乾かしてくれるというメリットになる一方で、衣類が乾燥機の壁に叩きつけられることにより、生地が傷む原因になることがあります。 そもそも、乾燥機の熱風にダメージを受けてしまうケースもあるため、タンブラー乾燥を行う前に、洋服に記載されている『洗濯表示』をしっかりと確認しましょう。『タンブラー乾燥OK』の印が付いていればひとまず安心です。
タンブラー乾燥禁止のものとは?
便利なタンブラー乾燥ですが、意外と使用禁止のアイテムも多いです。基本的には、洗濯表示マークで都度確認する必要があります。 まずは大まかに『この素材はNG』という傾向を押さえておくと失敗リスクを減らせます。
洗濯表示マークや注意書きでNGのもの
アイテムによってはタンブラー乾燥NGのアイテムもあるので、乾燥する前に必ず洗濯表示の可否を確かめましょう。 『ウール』『シルク』『綿』『麻』、そして本革や合皮は避けた方がよい傾向にあります。 タンブラー乾燥OKの表示があったとしても、乾燥機を使うと自然乾燥よりも傷みやすいため、大切な衣類はタンブラー乾燥は避けておくのが無難です。 いかにも乾燥機で洗えそうな一見シンプルなTシャツでも、表記にNGマークが付いていることもあるので要注意です。マークの代わりに文字ベースでタグに記載されているケースもあるので、マークが見つからなければ探してみましょう。
デリケートな素材や装飾のある衣類
ウールやシルクなどの天然素材は、熱に弱くてデリケートです。傷むだけではなく、サイズが縮んでしまうこともあります。また、細かい装飾があったり、プリントされたりしているものはタンブラー乾燥に不向きです。 刺繍の場合は糸が切れてしまったり、プリントは剥がれてしまったりします。生地の素材自体はタンブラー乾燥OKでも、このプリント部分が実はNGということもあるので表示をしっかりと確認しましょう。 ストッキングやブラジャーなど、女性の下着もタンブラー乾燥には向きません。ブラジャーの場合は、ホックが装飾にあたるだけでなく、他の洗濯物を傷つけてしまう可能性もあります。
ニットは縮みやすい
ウール素材のニットは、基本的に乾燥機に入れるのはNGです。縮んでしまうリスクが極めて高く、かつ、一度縮んでしまうと元には戻りません。セーターだけではなく、靴下などにもウールは使われていることがあるので、乾燥機に入れる前に確認しましょう。 また、素材に関わらず、ニットは生地が編まれて作られているので、乾燥機で乾かすと全体的に縮みやすい傾向にあります。糸と糸の間の隙間が、乾燥機の熱風によって詰まってしまうので、その分だけ縮んでしまうのです。
コットン素材も避けよう
天然素材の一つであるコットンも、縮みやすい素材なので乾燥機は避けましょう。コットンは吸水性が高いため、そもそも洗濯して水を含むと縮んでしまいます。 この状態で乾燥機にかけると、急速に熱風を当てらることでまず膨張するのですが、その後、急速に回転しながら揉まれることで、ギュっと縮んでしまうのです。コットン素材の洗濯物は多いでしょうから、注意が必要です。
向いているのはどんなもの?
毎日使うタオルなどは、タンブラー乾燥にとても向いています。洗濯頻度が高く、タンブラー乾燥と相性がよいアイテムを知っておきましょう。
タオルや布団シーツなどのリネン類
『タオル』『シーツ』『枕カバー』などのリネン類は、洗濯回数が多く、洗っては取り換えるという消耗品に近いアイテムには、タンブラー乾燥がとても便利です。 面積も大きいので、洗濯物として干そうとすると、ほぼスペースを取られてしまいます。また、タオルは厚みもあり、乾きづらいアイテムでもあるので、タンブラー乾燥することができると洗濯の効率もグッと上がるのではないでしょうか。 かつうれしいことに、タオルは天然乾燥させるよりも、むしろタンブラー乾燥させることでふんわり仕上がる場合もあるのです。
部屋着やインナー・靴下など
部屋着やインナーなどの人目に触れないアイテムであれば、少々シワになっても気にせずに使えるので、タンブラー乾燥がおすすめです。 靴下などの細かいアイテムは、一つ一つ洗濯バサミで止めると手間も時間もかかってしまいます。タンブラーで一気に乾燥させることができれば時短にもつながるので効率UPの観点でもおすすめです。 靴下は、概ね丈夫な作りになっているのでタンブラー乾燥向きではありますが、素材によってはウールやシルクのものもあるので、気になるものは洗濯表示を確認しましょう。
素材によっては毛布も可能
毛布は、面積も大きく天然乾燥では乾くまでに時間を要してしまいます。『ポリエステル』『アクリル』『綿』素材の毛布であれば、タンブラー乾燥できるものもあるので、表示を確認した上で試してみましょう。 また、毛布のように大きな洗濯物の場合は、サイズと重量が手持ちの乾燥機に納まるかどうかも、タンブラー乾燥可否の判断ポイントになります。
衣類を縮ませずに乾燥させる方法
浴室乾燥機や天日干しなど、タンブラー乾燥以外の乾燥方法のメリットとデメリットを紹介します。タンブラー乾燥とその他の乾燥方法を併用して、効率よく乾かすコツも知っておくと便利です。
タンブラー乾燥不可の場合は浴室乾燥機で
タンブラー乾燥不可の洗濯物をスピーディーに乾かすには、浴室乾燥機の利用がおすすめです。ただし、お風呂の湿気は事前に取り除いておくのがおすすめです。 浴室乾燥機を使う場合は、外に干すときと同じように、吊り干しした状態で温風を当てるので、家で洗えるウールのセーターなどにもダメージを与えることなく乾かすことができます。電気代がかかるのがデメリットです。
天日・陰干しする
天日・陰干しでの『自然乾燥』は、万能です。洗濯物の素材に関わらず、ダメージを気にすることなく使える方法です。とはいえ、どうしても天候に左右されやすかったり、乾くまでに時間を要してしまったりする点はデメリットでしょう。 室内干しの場合は、部屋に湿気が溜まるとカビの原因にもなってしまうので、除湿器を併用するとよいです。
乾燥機を使う場合は早めに取り出す
できるだけ洗濯物を縮ませたりシワにせずにタンブラー乾燥を利用するコツは『短時間で乾燥機から取り出すこと』です。夜のうちに、翌朝には乾燥が完了するように予約したとすると、朝になったら洗濯物を取り出して、部屋の中に広げておきましょう。 また、縮みやシワが気になるアイテムを急ぎ乾かしたいという場合に、タンブラーをうまく活用しましょう。 例えば、いったん約30分ほど乾燥機にかけて生乾きの状態で取り出し、あとは、天日干しや浴室乾燥機などで干すという活用方法があります。 タンブラー乾燥機を最初に使っているので、乾くスピードがアップし、濡れたままの状態で吊り干しに切り替えるので、縮んだりシワになるリスクも減らせます。とはいえ、もちろん前提としてタンブラー使用OKなアイテムに限ります。
タンブラー乾燥の特徴を知って上手に使おう
使ってはいけない素材さえ押さえておけば、タンブラー乾燥機はとても便利です。相性のいいアイテムの場合には、時短効果はもちろん、仕上がりが天候に左右されることもないので、積極的に取り入れるとよいでしょう。 注意ポイントさえしっかり把握すれば、家事の強い味方になってくれます。タンブラー乾燥を上手に取り入れて、日々を快適に過ごしましょう。