洗濯機はほぼ毎日使用するにも関わらず、掃除を怠ってしまいがちな家電の一つです。汚れを放置しておくと、思わぬトラブルを招くことがあります。定期的に掃除して、洗濯機を長持ちさせたいですよね。
この記事では、洗濯機を掃除する頻度や手順を紹介します。
目次
洗濯機は見えない部分が汚れている
洗濯機は洗剤や水を使うので、いつも清潔であると思いがちですが、実は汚れやすい環境にあることをご存じでしょうか。常に清潔な状態をキープするために、汚れの種類や掃除の頻度について知っておきましょう。
汚れの種類は様々
洗濯機の汚れは、主に以下のものが要因です。
- ホコリ
- ゴミ
- 繊維のくず
- カビ
- 洗剤カス
これらの汚れが、それぞれ複合的に絡まり合って、トラブルを引き起こします。
特にホコリで汚れやすい部分は、洗濯機のふた周りの部分です。また、ゴミ取りネットには、ホコリや繊維のくずが固まった物が詰まるので、小まめに取り除きましょう。
そして、カビや雑菌などの汚れは、洗濯槽や脱水槽など、目に見えない裏側の部分にたまりやすい傾向があります。洗濯機は、水を使う上に空気がこもった状態になりやすく、どうしてもカビが繁殖しやすい状態になりやすいので注意しましょう。
月に1回は掃除が必要
洗濯機は日常的に使用する家電です。家族が多いなどの理由で使用頻度が高ければ、それだけ早く汚れがたまっていきます。
しかし、洗濯槽内部は手が届かない部分が汚れやすく、毎回使用後に掃除することは難しいものです。そのため、洗濯槽のような掃除がしにくい部分は、月に1回ほど手を付けるようにしましょう。
また、汚れを蓄積させないためにも、洗濯のついでに手が届く範囲を拭き掃除する癖をつけておくのもおすすめです。定期的にきれいにしておけば、汚れをため込まずに済みます。
掃除をサボるとこんなトラブルが
洗濯機の掃除をサボると、どんなトラブルが起こるのでしょうか。小さなトラブルであればまだよいですが、取り返しがつかない事態になってしまうこともあるので、掃除のサボり癖を甘く見てはいけません。
洗濯物が汚れる
汚れたままの洗濯槽で洋服を洗っていても、本当の意味で洗濯物をきれいにすることはできません。なぜなら、一見仕上がりがきれいに見えても、目に見えないカビや雑菌などの汚れが付着していることがあるからです。
汚れがピークに達すると、洗濯槽から剥がれ落ちたゴミが洗濯物に付着することもあります。洗濯後に、今まで洋服についていなかった『ヘドロのような黒っぽい』付着物を見つけたら、それは洗濯槽にたまった汚れが付いた可能性が高いです。
また、洗濯機の内部の汚れが原因で、嫌な臭いを発生することもあります。ふたを開けたときに嫌な臭いがしたら、すでに汚れがたまっている証拠です。
水漏れが起こる
洗濯機内部の汚れが原因で、水漏れが起こる可能性があります。特にドラム式洗濯機に多いのですが、洗剤入れの中で洗剤が固まったり、フィルターにゴミが詰まったりすることがあります。これが原因となり、水が排出されにくくなり水が漏れてしまうのです。
特に、集合住宅に住んでいる人は、階下の住人に迷惑がかかってしまうので注意したいところです。
故障の原因になることも
内部に付着したカビや汚れが原因で部品が劣化すると、洗濯機の故障を早めてしまう原因になりかねません。ゴミ取りネットやフィルターなど、細かいパーツにゴミや汚れがたまると、洗濯機に余計な負荷がかかり、故障につながってしまうのです。
簡単に直せる故障であればよいですが、最悪の場合は買い直しとなってしまう恐れもあります。洗濯機は決して安い家電ではないので、寿命を伸ばすためにも小まめな掃除を心がけ、できるだけ長く使用したいものです。
洗濯機掃除の基本
洗濯機には様々な種類がありますが、『縦型』も『ドラム型』も基本的な掃除の手順は同じです。基本となる手順を押さえていきましょう。
部分ごとに掃除が必要
洗濯機は様々なパーツの組み合わせで成り立っているので、部分ごとに分けて掃除することがポイントです。
掃除が必要な部分は、主に以下に分けることができます。
- 洗剤投入ケース
- ゴミ取りネット
- フィルター類
- ふたの裏
- 洗濯槽
細かい部分から先に掃除を始め、大きな部分に移っていくことが基本です。
また、忘れてしまいがちですが、防水パンや洗濯機の下部にたまった汚れも掃除すると清潔感を保つことができます。
洗濯槽クリーナーは『酸素系』『塩素系』がある
洗濯槽クリーナーは種類が多いですが、大まかに『酸素系』と『塩素系』の種類に分けられます。
酸素系のクリーナーの主成分は、過炭酸ナトリウムです。汚れを剥がす力が強く、泡で包み込むようにして『厚みのある汚れ』を落とせるので、ため込んだ汚れにもアプローチできます。そのため、掃除の頻度が低い家庭でも使いやすいでしょう。
一方、塩素系のクリーナーは殺菌力が強いことが特徴です。生乾きの臭いやカビが気になるときに効果的ですが、ため込んだ汚れを剥がす力はさほど強くありません。
もし、洗濯機の汚れを数カ月間放置してしまった場合は、まず酸素系で積み重なった汚れを洗浄してから、塩素系で細かい汚れを落とす、という順番で使用すると効率的でよいでしょう。
掃除機や棒状のブラシがあると便利
洗濯機は入り組んだ構造をしているので、手が届きにくい部分が必ず出てきます。ホースやパーツの裏に隠れている部分は、特に掃除しにくいものです。
そんなときは、使い古した歯ブラシや長い棒状のブラシを用意しましょう。隠れている部分や『パッキンの裏側』などの手が届きにくい部分にもアプローチできるので、ムラなくきれいに掃除することができます。
また、乾燥機能がある洗濯機は、フィルターやダクトにたまったゴミを掃除機で吸い、清潔な布で拭くだけでOKです。汚れがひどい場合は取り外し、水洗いしてきれいに仕上げましょう。
分解掃除は業者に依頼しよう
市販のクリーナーでは、期待したように汚れが落ちず、「洗濯槽を分解して掃除したい」という人も多いかもしれません。しかし、洗濯機は非常に複雑な構造をしており、パーツを解体する際に感電や故障の危険を伴います。そのため、素人が分解するのはおすすめできません。
どうしても分解して掃除したいときは、業者の力を借りるのがベターです。業者に依頼すると、通常は手が届かない部分まできれいになり、市販の洗剤よりも洗浄力が強いアイテムで掃除をし、除菌をしてもらうこともできます。
もちろんコストがかかるので、頻繁な利用は難しいかもしれませんが、たとえば1年に1回年末だけなどのペースで業者に頼ってみるのもよいでしょう。
掃除のポイントを部分ごとに解説
洗濯機は複雑な形状をしているので、慣れていないと、効率よく掃除することが難しい場合があります。スムーズに掃除するために、押さえておきたいポイントを紹介します。
洗濯槽の掃除手順
洗濯槽の内側は一見きれいに見えることが多いですが、外側には汚れがこびり付いています。そんなときは、洗濯用の粉末漂白剤や洗濯槽専用のクリーナーで、汚れを落としましょう。
- 『40~60℃程度のお湯』を洗濯槽にためる
- 漂白剤、もしくはクリーナーを投入する
- 洗濯機を数分間空回ししてよく混ぜる
- 2時間以上そのまま放置する
- 汚れが浮いてこなくなるまで『洗い→すすぎ→脱水』を繰り返す
洗剤を投入する前にお湯を入れておくと、汚れを浮かして落としやすくなります。しかし、塩素系のクリーナーを使用する場合は、お湯を使うと塩素の臭いが充満して気分が悪くなることがあるので、水を使う方が安心でしょう。
漂白剤を使用する際、基本的には『水10Lあたり約50cc』が目安ですが、専用のクリーナーを使う場合はメーカーの使用方法を必ず守るようにしましょう。
洗濯槽以外の掃除のコツ
洗剤投入ケースの周辺は、洗剤のカスやホコリがこびりつきやすいです。頑固なこびりつき汚れは、拭き掃除だけでは落としづらいこともあるでしょう。そんなときは、『60℃程度のお湯』を流すと落としやすくなります。
また、ゴミ取りネットやフィルターなど、取り外せるように設計されているパーツは全て外し、ぬるま湯につけてブラシでこすり洗いをするときれいになります。もしも汚れがひどい場合は、洗濯槽のつけ置き洗いのときに一緒につけておいてもOKです。
他のパーツでは、パッキンの裏側・ふたの裏・洗濯槽の縁なども、ホコリがたまりやすいです。縁の部分は洗濯槽を傾けるように動かすと、隅々まで汚れを落とせます。隠れた部分の汚れも、見逃さないようにしましょう。
実践したい汚れ対策
付着してしまった汚れを落とすことも大事ですが、必要以上に汚れないように予防策をとると、掃除の頻度や手間を減らすことができます。早速、普段から実践できる汚れ対策を見ていきましょう。
洗剤を入れすぎない
洗濯物をきれいにするために、つい洗剤をたっぷり入れたくなってしまう人もいるでしょう。しかし、規定量以上の洗剤を入れると、溶け切らずに残った洗剤カスが残ってしまうことがあります。最悪の場合、排水口を詰まらせることもあるため、洗剤は規定量を守りましょう。
また、過剰な洗剤は洗剤カスだけでなく、カビを発生させる原因にもなります。すすぎのときに泡が残っているようなら、洗剤の入れ過ぎと判断しましょう。
あまりに汚れがひどい場合は、部分的に『予洗い』して汚れを取ってから洗濯機で洗えば、洗剤の使い過ぎを防げます。
洗濯前の服をため込まない
汚れた状態の衣類を洗濯槽に入れっぱなしにしておくと、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。
衣類にこびりついた『食べカスや汗』が、カビのエサになって繁殖を助けてしまうので、洗濯槽に洗濯物を入れっぱなしにすることは避けましょう。
洗濯機を使わないときは洗濯槽に物を入れず、ふたを開けた状態にしておくことが大事です。こうすることで風通しが良くなり、湿気がたまることを防げます。
ただし、横型のドラム式洗濯機の場合はふたを開けっぱなしにしておくと、小さな子どもやペットが入ってしまうことがあるので、十分に注意しましょう。
毎日の一手間で洗濯機を清潔に
洗濯機は目に見えない部分に汚れがたまりやすく、掃除をサボると様々なトラブルの原因になります。
特に、洗濯槽は汚れがたまりやすく、手では汚れを落とせないので漂白剤やクリーナーなどを使用する必要があります。可能であれば、1カ月に1回程度の頻度でクリーナーを使って落とすのがベターです。
また、カビを繁殖させないためにも、洗剤の使い過ぎや、洗濯槽に汚れ物を入れておくことは避けましょう。洗濯機を使わないときは、何も入れずにふたを開けておくと湿気対策にもなるのでおすすめです。
小まめな掃除を心がけ、清潔で長持ちする洗濯機を目指しましょう。