提供:コープ住宅株式会社
お家の中を快適な温度に保ってくれるエアコン。とても身近な家電ですが、エアコンの仕組みを理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、エアコンが空気を冷やしたり温めたりする仕組みをご紹介します。
また、エアコンの機能を最大限に活用するためには、メンテナンスが欠かせません。この記事では、自分でできるエアコンの掃除方法もお伝えします。ぜひ最後まで読んで、快適なエアコン生活を送ってくださいね。
目次
まずは知っておこう!エアコン内部の仕組み
エアコンの内部には様々な部位がありますが、中でもお部屋の空気を冷やしたり温めたりするのに重要なのが「フィルター」「熱交換器」「ファン」です。
フィルターは、エアコン内部に侵入する空気中の汚れをブロックするためにあり、熱交換器に空気中の汚れが付着することを防ぎます。
熱交換器は、空気を冷たくしたり熱くしたりする部分です。冷たくなったり熱くなったりした熱交換器を通過することで、空気の温度が変わります。
ファンは、回ることにより室内の空気を熱交換器に送り届けます。
エアコンで部屋が涼しくなる・暖かくなる仕組みは?
空気は、熱交換器によって冷やされたり温められたりしますが、冷房と暖房でその仕組みは異なります。
冷房の仕組み
部屋の中にある「室内機」と外にある「室外機」は、配管で繋がっており、その中を「冷媒」と呼ばれるガスが循環しています。冷媒は“熱を運ぶ”働きをする、エアコンになくてはならない物質です。
冷房を使ってお部屋が涼しくなる仕組みは、以下のとおりです。
1.熱交換器の冷却:
冷房運転が開始されると、冷媒が室内機の熱交換器を通ります。冷媒は室外機で熱を放出して冷たくなり、これが室内機の熱交換器を冷やします。
2.暖かい空気を吸い込む:
室内機のファンが回ることで、部屋の暖かい空気を吸い込みます。
3.空気を冷やす:
吸い込まれた暖かい空気は、冷却された熱交換器を通して冷やされます。
4.冷やされた空気の送出:
冷えた空気はファンによって部屋に送り出され、部屋全体に広がります。
5.熱の移動:
室内機の熱交換器で吸収された熱は、冷媒を通じて室外機へ運ばれます。室内機と室外機は冷媒配管でつながっており、冷媒が循環することで熱を運びます。
6.外での放熱:
室外機では、熱交換器を通じて冷媒が熱を外の空気に放出します。これにより、冷媒が再び冷たくなります。
7.循環:
冷たくなった冷媒が室内機に戻り、再び室内の空気を冷やす役割を果たします。このサイクルを繰り返すことで、エアコンは部屋を涼しく保ちます。
冷房運転時に外部に水が発生する理由
冷房時、室内の暖かい空気に含まれる湿気が、冷却された熱交換器(室内機内)を通ることで結露が発生します。結露水はドレンホースを通って外部に排出されます。これが夏場に室外機のホースから水が出てくる理由です。
暖房の仕組み
暖房の仕組みは、冷房とは異なります。暖房を使ってお部屋が暖かくなる仕組みは、以下のとおりです。
1.熱交換器の加熱 (室外機側):
暖房運転が開始されると、冷媒が室外機の熱交換器を通ります。冷媒はここで外の空気からわずかに存在する熱を吸収し、温まります。
2.冷たい空気を吸い込む (室内機側):
室内機のファンが回ることで、部屋の冷たい空気を吸い込みます。
3.空気を温める:
吸い込まれた冷たい空気は、加熱された熱交換器を通して温められます。
4.暖かい空気の送出:
温められた空気はファンによって部屋に送り出され、部屋全体に広がります。
5.熱の移動:
室外機の熱交換器で吸収された熱は、冷媒を通じて室内機へ運ばれます。冷媒が循環することで、熱を室内に運びます。
6.室内機での放熱:
室内機の熱交換器を通じて、冷媒が外から運んできた熱を室内の空気に放出します。これにより、冷媒が再び冷たくなります。
7.循環:
冷たくなった冷媒が室外機に戻り、外の空気から熱を吸収するプロセスを繰り返します。
暖房運転時に外部に水が発生する理由
暖房運転を続けると、室外機の熱交換器が凍結し始めます。凍結を検知するとエアコンは一時的に冷房モードに切り替わり、冷媒を逆転させて室内機から室外機に熱を送ります。これにより室外機の凍結を溶かし、凍結が解消されると再び暖房運転が戻ります。これが、冬場に室外機から水が排出される理由です。
自分でできるエアコンのフィルター掃除
ここまで紹介してきたエアコンの仕組みを正常に機能させるためには、メンテナンスも大切です。ここからは、メンテナンスの必要性と自分でできる掃除方法について紹介します。
空気中の汚れによりフィルターが詰まると運転の効率が下がる
室内機より取り込まれたお部屋の空気は、フィルターを通して再び室内に放出されます。空気が頻繁に通過するフィルターは、空気中の汚れで徐々に目詰まりを起こしていきます。
フィルターが詰まっているにも関わらず放置してしまうと、エアコンの運転効率が下がります。その結果、お部屋がうまく涼しくならない・暖かくならないといったトラブルが起きやすくなるでしょう。フィルターの目詰まりは、必要以上に電気代がかかってしまう原因にもなります。
自分でできるフィルター掃除の方法
エアコンをスムーズに稼働させるためには、フィルターの掃除が大切です。フィルターの掃除は自分でできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。自動お掃除機能がついたエアコンをお使いの場合は、3~6か月に一度、ダストケースに溜まったゴミを取り除いてください。
なお、自分でできるとはいえ、事故や故障が起きないよう注意して作業してくださいね。
フィルター掃除をする前に
まずは、フィルター掃除を始める前に必ず押さえておきたい注意点を紹介します。しっかりと理解し、準備しておきましょう。
【フィルター掃除をする前に押さえておきたい注意点】
- 感電事故を防ぐため、あらかじめエアコンのコンセントを抜いておく
- フィルターを取り外す際は高いところでの作業になるため怪我に注意する
- フィルターにカビがついている場合は強い薬剤は避け、各メーカーの説明書で推奨される方法に従う
「たかがフィルター掃除」と思わずに、安全第一で行うことが大切です。
フィルター掃除の手順
フィルター掃除の具体的な手順は、以下のとおりです。
Step | 手順 | ポイント |
---|---|---|
1 | エアコンからフィルターを外す | ホコリを吸い込まないよう、マスクを装着しておくと安心です。エアコンのフロントパネルは無理に開けると壊れてしまう恐れがあるため、説明書を見ながらゆっくり行いましょう。 |
2 | フィルターのオモテ側から、掃除機でホコリを吸い取る | 床にホコリやチリが散らばらないよう、新聞紙を床に敷き、その上で吸い取るのがおすすめです。 |
3 | フィルターを水洗いする | フィルターは、ウラ側から洗いしましょう。 |
4 | フィルターのオモテ側に残っている汚れを、使い古しの歯ブラシ等の細かいブラシで取り除く | フィルターの変形や破損を防ぐため、力の入れすぎに注意し、網目が壊れる・穴が開く・フレームが曲がる・破損するといったトラブルが起きないように注意しましょう。 |
5 | フィルターを乾燥させる | 日陰で完全に乾燥させましょう。 |
6 | フィルターを元に戻し、コンセントを差す | コンセントは全ての作業が終わってから差してください。 |
※自動お掃除機能が搭載されていないエアコンのフィルター清掃手順です。
それぞれのステップのポイントを意識し、安全で故障のない掃除を行ってくださいね。
フィルター以外のこんな掃除はプロに任せて!
自分でできるエアコンの掃除は、基本的にフィルター掃除のみです。それ以外の掃除はプロに任せましょう。
熱交換器やファンなどエアコン内部の部位を自分で掃除すると、思わぬ事故や故障に繋がる可能性があります。自分でできるフィルター掃除であっても、汚れがひどいときなどは専門的な知識を持ったプロに依頼するのがおすすめです。
こうなったらエアコンの買い替え時かも
以下のときは、エアコンの買い替えの検討時期かもしれません。
- 10~15年以上使用している
- フィルターを掃除しても冷暖房の効きが悪い
- エアコンの室内機・室外機の異音や異臭、水漏れなどのトラブルがある
※2、3の場合は念のためメーカーに確認してから買い替えを検討してください。
エアコンの使用年数の目安は、室内機に貼ってあるシールで確認できます。「設計上の標準使用期間」などと記載されているので、確認してみてくださいね。
コープ住宅では、エアコンの買い替えについて総合的にサポートしてくれるサービスを展開中です。気になることがある方は、ぜひ気軽に下のリンクから問い合わせてみてくださいね。
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こんなに進んでる!エアコンの機能
エアコンは決して安価な家電ではないため、買い替えるのを躊躇する方もいるかもしれません。しかし、最近ではお掃除をラクにしてくれるものや節電に貢献してくれるものなど、便利な機能が搭載されたエアコンが増えています。
そのような機種を選べば、買い替えることでむしろお得になることもあります。ぜひ検討してみてくださいね。
自動お掃除機能付きエアコンならお手入れがラク!
エアコンの掃除をラクにしてくれる「自動お掃除機能」が付いたエアコンが増えています。三菱電機、SHARP、ダイキン、Panasonic、日立などのメーカーでは、独自のお掃除機能を搭載したエアコンの開発が盛んです。
「自分でお掃除する頻度を極力減らしたい」「エアコンの稼働効率を上げて節電したい」という方は、チェックしてみてくださいね。
自分のお家に合った機能のエアコンを選ぼう
メーカーや機種によっては、以下のような便利機能がついているものもあります。
- お部屋の空気がキレイになる「換気機能」
- 菌・ウイルス・カビ・花粉などの活動を抑制する機能
- 人感センサーによるエコ運転
- すぐにお部屋が暖まる速暖機能
花粉症の家族がいるなら“花粉を抑制する機能付き”を選んだり、家の断熱性能が低くお部屋が温まりにくいと感じるなら“速暖機能付き”を選んだりと、自分のお家に合った機能のエアコンを検討してみてください。
お部屋の空気が変わると、生活もガラリと快適になりますよ!
まとめ|エアコンを活用して年中もっと快適に
今回は、エアコンの仕組みから自分でできるフィルター掃除、エアコンの最新機能まで紹介しました。「エアコンがどのようにお部屋の空気を冷やしたり、温めたりしているのか」を知ると、エアコンの性能や節電についてより意識するきっかけになりますよね。
エアコンは、私たちの体調管理に欠かせない家電です。より快適に過ごせるよう、しっかりメンテナンスして上手に活用していきましょう。
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