住まいにおいて、リビングや自室とは違った落ち着いた空間として人気がある場所がヌックと呼ばれるスペースです。しかし、ヌックという言葉を初めて知った方もいるのではないでしょうか。そこで今回はヌックの概要や魅力、おすすめの設置場所などを解説します。
目次
ヌックとは
Point こぢんまりしていてこもれる・居心地がいい空間のこと
ヌックは、ちょっとこもれる空間やこぢんまりしていて居心地がいい空間のことを指します。ヌックの由来はスコットランドの「イングル・ヌーク(Ingle neuk)」という言葉にあるとされ、イングル・ヌークとは中世石造住宅の暖炉の側方に設けた腰かけのことを言います。
一般的に2~3帖ほどの小さなスペースで、ドアで他のスペースと区切ることはせず床から一段上げたり天井を低くしたりしてゆるやかに線引きされています。
日本においても輸入住宅を中心に古くからヌックが設けられ始めたのですが、コロナ禍以降にさらに注目を集めるようになりました。家で過ごす時間が増え、ヌックの魅力を再認識したのです。
ヌックのメリットや効果
Point 居心地が良い距離感で空間にメリハリをつくることもできる
ヌックのメリットや効果として3つのポイントを挙げます。それぞれについて詳しく解説しましょう。
こぢんまりしていて居心地が良い
ヌックは、狭いスペースだからこそ心地良さを感じる方が多くいます。一人になりたいとき、部屋に閉じこもるよりも心を落ち着けられる空間になるかもしれません。
程よい距離感でつながれる
ヌックは個室ではなくドアは設けません。そのため、他の部屋とゆるやかなつながりを持つことができます。少し離れたところで他の家族が見ているテレビの音が聞こえたり、読書している姿が見えたりして、程よい距離感を持つことができます。
空間にメリハリをつくれる
ヌックを床から一段上げて作ったり、ヌックだけ天井を低くしたりすると、他の部屋とメリハリをつけることもできます。ヌックに大きめのカラフルなクッションを置いたり、照明を変えたりすると、空間の雰囲気を変えることができます。
ヌックを設置するおすすめの場所
Point リビングの一角や階段下などのデッドスペースにも設置が可能
ヌックを設置するおすすめの場所を4つ紹介します。それぞれの場所の魅力も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
リビングの一角
リビングの一角にヌックを設置すると、別空間の感覚を覚えながらもリビングにいる他の家族とつながりを感じられる空間にすることができます。お互いの存在を強く意識することがなく、程よい距離感を保つことができるため、人気の設置場所です。
リビングは、家族が最も時間を共有する場所ですのでヌックとの相性も良いです。開放的なリビングにこぢんまりしたヌックを設けるとさらにリビングにメリハリがつき、落ち着いたスペースも豊富になります。
階段の下
階段の下のスペースを活用してヌックをつくるのも人気です。スペースの活用と同時に、階段が通る場所から過ごす場所となり、住まいの中に居心地の良い場所を増やすことができます。
子ども部屋
子ども部屋にヌックを作ると、好奇心をかき立てるプレイルームにしたり、読書を楽しむ落ち着いたスペースにすることができます。また、ヌックに置くものを変えることによって年齢に応じた使い方ができます。
ヌックは他のスペースと分ける緩やかな線引きがされているため、ここでは遊んで良い、ここまでは散らかしても良いという学びを得る場所として活用されることもあります。
窓際の一角
景色のいい窓がある場合は周辺にヌックを設けるのもおすすめです。日向ぼっこをしながらのんびりと過ごすことができます。床よりも一段上げて腰掛けのあるヌックを作っても良いですし、天井を下げたり壁を一面だけ変えたりして雰囲気を変えるのも良いでしょう。
ヌックを設置する際の注意点
Point メリハリや居心地の良さなどを意識しよう
床の高さや素材を変えてメリハリをつける
ヌックを設置する際は、床の高さや素材を変えて、他のスペースとは線引きがあることを意識できるようにしましょう。ヌックにはドアがなく、どの部屋にも属さないような緩やかな存在です。たとえリビングとつながっていても、リビングではないヌックにいるのだという気持ちになる空間にしましょう。
居心地の良い広さを考える
ヌックはこぢんまりした狭い空間ですが、用途に合わせて広さは想定する必要があります。ヌックで読書したいのならば本を置くスペースを設けたほうがよいかもしれませんし、大きいクッションを置きたいのならば少し広めにとっておく必要があります。
ヌックの広さは2~3帖ほどが一般的ですが、どのように使いたいか、何を置きたいかということも考慮して理想の広さを決めましょう。
空気の流れや室温を考慮する
ヌックは狭い空間のため、他の空間に設置されたエアコンによって空調を調整する必要があります。この時、ヌックも含めた空気の流れを考慮しなければヌックには夏は暑さと湿気がこもり冬は寒さで凍える空間になってしまいます。ヌックで快適に過ごせるように空気の流れや室温を意識しましょう。
照明を考える
ヌックを落ち着いた空間にするために照明選びは大切です。リビングより少し照明を暗くしたり、床に間接照明を置いて位置を低くしたりすることで、落ち着いた空間に仕上げることができます。
まとめ
ヌックは、ちょっとこもれる空間やこぢんまりしていて居心地がいい空間のことを言います。広さは2~3帖ほどで広くないため、落ち着きやすくなります。家族と同じ部屋に居ても程よい距離感でつながりを感じられるでしょう。
ヌックは、リビングの一角や階段の下、子ども部屋などに設置するのがおすすめです。目的に合わせてヌックを設置する場所を選びましょう。
床の高さや素材を変えてメリハリをつけたり自分達にとって居心地の良い広さを考えたりすることで理想のヌックを作ることができます。
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