効率よく部屋を暖めるためには、冬の暖房の風向きを下向きと上向きのどちらにすればいいのでしょうか。
それだけでなく「できれば電気代を抑えたいし、乾燥を防ぐためにはどうしたらいいのだろうか」などといった暖房に関する悩みはたくさんありますよね。
そこで今回、暖房を使う上で気になる暖房機能の効率化・節約方法・デメリット解消法の3つについて詳しく紹介します。使い方次第では、他の暖房器具が不要になる可能性もあります。ぜひこれから先暖房の使用頻度が増える前に、この記事を参考にしてみてください。
目次
暖房の風向きは上下か左右どっちが効率的?風量や温度設定についても
寒くなってくるこの季節、暖房の使い方次第で部屋の暖まり方は大きく変わってきます。
ただ闇雲に温度を上げたり風量を強にしたりするだけでは、電気代が高くなるだけです。部屋を効率よく暖めるためには、風向きや風量、設定温度に注意して暖房を使用しましょう。
- 風向きは下向きに設定
- 風量は強または自動に設定
- 温度は20℃に設定
まずは暖房の風向きから紹介していきます。
風向きは下向きに設定
冷たい空気は下に暖かい空気は上に溜まりやすいので、暖房の風向きは下向きに設定しましょう。上向きにすると、足元に温かい空気が届かず冷えてしまうからです。
ただ、少し下向きにするだけではエアコンから出てきた暖かい空気は足元に届く前にすぐに上へと舞い上がってしまいます。吹き出し角度を水平に対して60度より下向きにするのがベストです。
また、「風向きに関係なく、暖房を使えば必然的に体は暖まるのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、暖かいと感じるためには、私たちの体に触れている空気の温度をある一定の温度に保つ必要があります。
特に下半身を冷やすと体調も崩しやすくなるので、足元を暖めるイメージで下向きに暖房の風を送ることが重要なのです。
風量は強または自動に設定
暖房のつけ始めは風量を強にして、部屋が少し暖まってきたら自動に設定しましょう。
先述の通り、暖房の風向きは下向きにしたほうが部屋が暖まりますが、風量が弱いと暖かい風が足元に届く前に上へと舞い上がってしまいます。
節約のためといって風量を抑えているといつまでたっても部屋が暖まらず、温度を上げたり長時間稼働したりしてかえって電気代は上がります。そもそも、風量を上げてもほとんど電気代は変わりません。
風量を強めるだけで同じ設定温度でも部屋の暖まり方は大きく変わるので、ぜひ暖房は下向きにすることとセットで覚えてくださいね。
温度は20℃に設定
エアコンの設定温度に迷ったら、環境省が推奨している「冬の暖房時の室温20℃」を参考にしてみてください。地球温暖化対策にともなう暖房の温度設定の見直しで推奨されている温度ではありますが、20℃は私たち人間が快適に過ごせる温度といわれています。低すぎず高すぎない温度に暖房の温度を設定することが大切なのです。
最初から温度を高めに設定するのではなく、まずは部屋に温度計を置いて、室内温度が20℃になるように暖房の温度を設定してみてください。その後、室温20℃で寒いと感じるのであれば、もう少し温度をあげたり風向きや風量を調整してみるといいでしょう。
暖房効率をパワーアップさせるワザ
暖房の使い方をちょっと工夫すれば部屋の暖まり方は格段に変わります。しかし、部屋が広かったり暖房に対して死角部分があったりすれば、暖房の風が行き届かず空気の冷たい場所ができてしまうでしょう。
ここからは、暖房と併用することでさらに暖房機能を高められる方法を紹介します。
- 【サーキュレーターや空気清浄機】空気を循環させよう
- 【加湿器】湿度を上げて体感温度アップ
順に紹介していきます。
【サーキュレーターや空気清浄機】空気を循環させよう
暖房の風向きを下向きにすることで足元は暖まりますが、徐々に暖かい空気は天井に溜まっていくため、結局冷たい空気と暖かい空気が二分した状態になってしまいます。
そこで、空気の循環をして部屋全体の温度を均一化させるために、サーキュレーターや空気清浄機を暖房と併用しましょう。
サーキュレーター
サーキュレーターは部屋全体の空気をかき混ぜるイメージで下から上に向かって風を送りましょう。首振り機能がなくても問題ありません。風力は中または強にして、しっかり天井付近に溜まっている空気を循環させることが大切です。
洗濯物を乾燥させるために、サーキュレーターを夏場に使用する人も多いでしょう。1年中活躍するので、家に1台あると便利ですよ。
空気清浄機
空気清浄機は上部に吹き出し口が付いている商品が多いので、エアコンの真下でなければ置き場所はどこでも大丈夫です。空気中のホコリを吸い込んで、エアコンのフィルターにホコリが溜まるのを防いでくれます。
サーキュレーターと空気清浄機の使い方で注意しておきたいのは、風向きです。
窓に向かって風を当てないようにしましょう。窓際は冷たい空気が溜まっているので、窓に向かって風を送ると部屋の中にどんどん冷たい空気が入ってくるからです。
暖房の風向きは下向きに、サーキュレーターや空気清浄機は上向きにして、天井付近に溜まった空気を循環させて部屋を暖めましょう。
【加湿器】湿度を上げて体感温度アップ
暖房の効率化を上げるためには、湿度を1%でも上げることを意識しましょう。いくら暖房の温度を高く設定しても、湿度が低いとなかなか部屋は暖まらないからです。
もっとも簡単、なおかつ効率よく部屋の湿度を上げるなら、加湿器が便利です。加湿器を暖房と併用して、部屋の湿度が40〜60%になるように調整してみてください。
加湿器の設置場所としては、加湿器の蒸気が直接エアコンに当たらない位置がいいでしょう。できれば部屋の中央そしてテーブルや棚の上などの少し高い位置に置くと、湿った空気が部屋全体に行き届きやすくなります。水蒸気が一瞬にして冷やされ、結露してしまうのも同時に防げます。
加湿器の使用で気をつけておきたいのが、多湿です。
部屋全体の湿度が高すぎるとカビが発生しやすくなり、空気の循環がかえってカビをまき散らしてしまう可能性があるからです。ある一ヶ所に集中して蒸気を当てるのも避けましょうね。
湿度が10%上がると、体感温度は1度上がるといわれています。湿度40〜60%をキープしながら暖房と一緒に加湿器も使ってみてくださいね。
冬こそ省エネ対策で電気代を抑えよう!
暖房だけならまだしも、石油ストーブや電気ヒーター、こたつを使うと冬は何かと電気代が高くなりがちです。電気代を抑えるためだからといって、暖房機能を使わずたくさん着込んで過ごすのも無理がありますよね。
夏にかかった電気代を少しでもカバーできるように、暖房機能を高める省エネ対策を紹介します。
- なぜ夏より冬のほうが電気代が高いの?
- 今日から実践できる節約術
20℃を下回る時期になったら、どんどん節約術を使っていきましょう。
なぜ夏より冬のほうが電気代が高いの?
冬に使える暖房器具はさまざまな種類がありますが、夏は多くのご家庭でクーラーを使用する人が多いでしょう。なぜ、同じエアコンなのに夏と冬で電気代に大きな差が出るのでしょうか。
それは、夏より冬のほうが外気温と設定温度の差が大きいからです。
たとえば、夏であれば外気温35℃冷房設定温度27℃とすると、その差は7℃です。一方冬の場合、外気温7℃暖房設定温度20℃だとすると、その差は13℃です。
温度差が開くほど多くのエネルギーを必要とし、それに伴い電気代も上がるのです。
電気代を抑えるためには、外の空気が室内に入ってきて室内温度を下げないようにすることが重要なのです。
今日から実践できる節約術
これまで暖房の効率化を上げる方法を紹介してきましたが、まだまだ暖房を使った電気代の節約法はたくさんあります。いますぐ始められる対策ばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
- 多くの時間を過ごす場所に風を向ける
- エアコンのフィルターを掃除する
- 窓に断熱シートを貼る
- 家族みんなが1つの部屋に集まる
- 電力会社を見直す
1つずつ紹介していきます。
多くの時間を過ごす場所に風を向ける
エアコンは上下の風向きだけでなく、左右の風向きもうまく利用しましょう。
たとえば、テレビを見たり本を読んだりする時はある特定の場所で長い間過ごしますよね。その時に、エアコンの風向きを自分がいる場所に向ければ、その場所を集中的に暖めることができます。
風向きを左右に動かしても、下向きにしておくことは忘れないでくださいね。
エアコンのフィルターを掃除する
日頃からエアコンを使っているとフィルターにホコリが溜まり、空気が通りにくくなります。その結果、設定温度まで部屋を暖めようと多くのエネルギーを必要として、電気代が上がってしまいます。
2週間に1回のペースで掃除するのが理想ですが、難しいようであれば1ヶ月に1回のペースでホコリを取り除きましょう。季節が変わるタイミングで掃除しておくと、クーラーとして使用する時にすぐに稼働できるのでいいですよ。
窓に断熱シートを貼る
窓からの冷気は思った以上に部屋の温度を下げます。
「暖房をつけているのに部屋がなかなか暖まらない」という時は、冷気の侵入が原因になっていることが考えられます。ドアやカーテンを閉めるだけでも冷気の侵入を遮断することができますが、断熱シートを窓に貼って、外から入ってくる冷たく空気を遮断するほうがより効果的です。
ニトムズ 断熱シ-ト
また、窓だけでなくドアの隙間やポストからも冷たい空気は入ってきます。
アルミシートが家に1枚あれば、自由自在に切って隙間を埋めたり覆ったりすることが可能です。特にポストは盲点になりやすいので、全体を覆うようにしてアルミシートを被せるといいですよ。
アストロ 保温・保冷シート
アルミシートで窓を覆ってしまうと、外の光が入ってこなくなるので、窓に貼るのは透明の断熱シートがおすすめです。
家族みんなが1つの部屋に集まる
当たり前ですが、1人でも多くの人が部屋にいれば部屋の中の暖まり方は大きく変わります。やはり、人が持つ体温は侮れません。
子どもたちがそれぞれ自分の部屋で暖房を使っていればそれだけで電気代は高くなるので、できるだけリビングに集まって過ごすと節約にもなりますよ。
電力会社を見直す
2016年にスタートした電力自由化により、さまざまな電力会社が登場しました。1kwhあたりたったの数円の差であったとしても、1ヶ月に換算してみると大きな差です。
さらに、暖房だけでなくその他の電気製品も必然的に電気代を抑えられることになるので、一石二鳥です。
最近では、各家庭に合ったプランやスマートフォンやガスなどと抱き合わせ販売などのプランも展開されています。特に家族の人数が多いご家庭は、一度見直してみるといいですよ。
暖房による乾燥が心配な方へ!簡単な乾燥対策
たとえ暖房の電気代が抑えられたとしても「暖房による乾燥が苦手」という人は多いのではないでしょうか。特に女性はただでさえ冬は乾燥しやすいので、暖房を付けると余計に肌や唇などが乾燥するでしょう。
乾燥対策としての暖房の使い方を紹介します。
- エアコンの風を横に流して直接肌に当たらないようにしよう
- 加湿器がなくてもOK!エアコン使用中の乾燥対策
覚えておくべきことはたったの2点。ぜひ、これからの季節、意識して乾燥対策に取り組んでみてください。
エアコンの風を横に流して直接肌に当たらないようにしよう
暖房の温風は部屋を乾燥させるので、風向きを調節して直接肌に当たらないようにしましょう。部屋を暖めるために風向きを下向きに設定しておくことは鉄則ですので、左右のスイングを調整するといいですよ。
また、エアコンの真正面にダイニンテーブルを置いたりソファを置いたりせずに、家具の配置を工夫するのも一つの手です。
加湿器がなくてもOK!エアコン使用中の乾燥対策
加湿器の代用はいくらでもあります。たとえば、下記のような今日からでも取り組める乾燥対策がありますよ。
- 洗濯物を部屋干しする
- 塗れたタオルを干す
- コップや洗面器に水を張って置く
- お風呂場のドアを開けておく
- 鍋や煮込み料理を作る
「屋外より部屋の中で干したほうが洗濯物が乾くまでに時間がかかるのではないか」と思う人もいるかもしれませんが、光が入らなくても部屋の中は乾燥しているので、朝干せば夜には乾くことがほとんどです。
また、積極的に鍋や煮込み料理といったスープ類の料理を作るのも、蒸気が部屋の中に充満して乾燥対策になります。
上記の簡単対策をするのとしないのとでは、湿度は大きく変わります。ぜひ、実践してみてください。
まとめ:暖房機能を高めるために風向きは下向きに設定しよう
暖房の風向きは下向きに設定して、暖かい空気がなるべく足元に集まるようにしましょう。また、風量や温度設定も暖房機能を高めるうえで重要です。サーキュレーターや空気清浄機、加湿器などを暖房と併用すれば暖かい空気が部屋全体に行き届きやすくなり、結果として電気代も抑えられます。
ちょっとした工夫で乾燥といったデメリットも解消できるので、ぜひこの記事を参考にして暖房機能の効率アップ・節約をして寒い冬を乗り切りましょう。