寒いとおでんが恋しくなる
寒くなると、ついつい食べたくなるおでん。たっぷりの練り物、味わい深い牛すじ、もっちもちの餅巾着。もちろん芯まで味がしみた大根やこんにゃく、あつあつの煮卵も欠かせません。タンパク質豊富で夜に食べても罪悪感が薄く、熱燗とも相性抜群。大鍋いっぱいに作り置きする方もいるのでは。
ただ、自分でおでんを作ると、「作り立ては味が薄い」「味がしみこむまで時間がかかる」というトラブルがつきものです。短時間で味を芯までしみこませるレシピを紹介します。
味しみ大根の作り方
おでんの花形、味しみ大根。一口かじってみて、大根の内部が白っぽいと残念な気分に…。
芯までしっかりダシをしみこませる方法を紹介します。
まずは大根を厚さ3〜4cmの輪切りにし、皮を厚めにむきます。
大根の皮周辺は繊維がしっかりしており舌触りが悪いため、厚めにむくのがポイント。むいた皮はきんぴらなどにすると美味しく食べられます。
大根の表面に隠し包丁を入れます。深さ1cm程度の十字の切れ込みを大根の表面に入れてください。
耐熱皿に大根を並べ、水50mLをかけてラップをします。500Wのレンジで10分加熱し、火を通します。
10分経ったら、熱い状態の大根を冷たい出汁に入れます。
あとは鍋に入れ、他の食材と一緒に煮込んだら完成です。
左側がレンジなし、右側がレンジあり。レンジありの大根の方が中まで茶色く、味がしみているのがわかります。
おでんの大根、どこを使う?
おでんに使う大根は、大根全体の中間部分が適しているとされます。中間部分は繊維がしっかりしていて煮崩れしにくく、味のバランスも良いため、おでんなどの煮物に向いているとされます。
大根の先端部分は他の場所に比べて辛味が強く、繊維もごわごわしているため、「大根おろし」に向いています。
葉っぱに近い部分は、辛味がマイルドで肉質も柔らかいため、サラダなどに向いています。
味しみこんにゃくの作り方
こんにゃくはゆでる前に砂糖をまぶしておくと、味がしみこみやすくなります。
適当な大きさに切ったこんにゃくをポリ袋に入れ、砂糖をまぶします。そのまま2〜3分もんでみてください。
砂糖の浸透圧で、こんにゃくに含まれていた余分な水分が出てきます。
この水分があったところに出汁がしみこむため、こんにゃくの芯まで味がしみこみやすくなります。
こんにゃくをさっと水洗いし、おでんの鍋に入れて煮込みます。
美味しいこんにゃくになりました。
白いこんにゃくで実験したものです。上が砂糖なし、下が砂糖あり。砂糖ありの方が中まで茶色くなっているのがわかります。
やわらか煮卵の作り方
おでんには欠かせないあつあつの煮卵。からしをたっぷりつけてハフハフしながらかじるもよし、黄身を出汁にといて味変を楽しむもよし。ただ、たまに煮込みすぎて、白身がゴムのような食感になった煮卵に遭遇することも…。
そんなときは大根おろしでひと工夫。ゆで卵を煮る前に、大根おろしを表面にたっぷりまぶしてみてください。
ゆで卵をジップロックに入れ、おろしたての大根おろしを入れます。35〜40℃、少しぬるめのお風呂程度の温度のお湯を加え、30分程度つけおきします。
大根に含まれる酵素が煮卵のタンパク質を分解してくれるため、長時間煮込んでも固くなりにくい卵になります。
大根おろしに漬けた後、3時間煮込んだ煮卵。固くならず、ちゃんと弾力をキープしています。
ポイントを押さえて美味しいおでんを作ろう
「自分で作ったおでんが思ったより美味しくなかった…」となってしまうのは残念です。今回紹介したレシピなら、作り立てでも美味しく、時間が経っても卵が固くならずに、美味しく食べられるはず。ぜひ試してみてください。