【国際災害レスキューナースが教える】100均グッズでキッチン防災

キッチンの防災対策、する/しないが生死を分ける

防災対策、していますか?「食糧や水を備蓄している」「非常持ち出し袋を買ってある」というお宅は多くても、お部屋の耐震対策をしているご家庭は多くないのではないでしょうか。

国際災害レスキューナースの辻 直美さんに、「大地震の際に一番危険な場所」と言われるキッチンの耐震対策について教えていただきました。

耐震対策していた/していなかったお宅の差

2018年6月、大阪府北部を震源とする最大震度6弱の「大阪北部地震」が発生しました。

震度6弱の揺れについて、気象庁は以下のように説明しています。

  • 立っていることが困難になる。
  • 固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることがある。
  • 壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することがある。
  • 耐震性の低い木造建物は、瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。

引用:気象庁|震度について 震度と揺れの状況

耐震対策をしていた辻さんのお宅のキッチンはほぼ被害がなかったように見えますが、同じマンションの隣室では、揺れで飛び出してきた食器や食品がキッチンの床を覆い尽くす大惨事になりました。

大地震の際、家庭内で最も危険な場所がキッチンと言われています。大きな地震が起きると、割れると凶器になる食器類や、重い家電製品が容赦なく飛んできます。日頃から小さな耐震対策を積み重ねたり、習慣づけておくことが、いざという時に命を守ることに繋がります。

まずは手に入りやすい100均グッズでキッチンの耐震対策を始めましょう。

食器の飛び出し対策

「食器を集めるのが好き」という方も多いのではないでしょうか。でも食器は大地震で食器棚から飛び出してしまうと、割れて凶器になってしまいます。

まずは食器棚の耐震対策をしましょう。ちょっとした工夫で、利便性を損なわずに耐震対策ができます。

オープンラックの飛び出し対策

オープンタイプの食器棚の場合は、食器をプラスチックケースに入れ、ケースの下に滑り止めシートを敷いておくと飛び出さなくなります。

まずは滑り止めシートをケースの底のサイズに合わせて2枚カットします。

そのうち1枚、外側に貼るものは少し長くしておいてください。

滑り止めシートを外側に貼り付け、長くしておいた部分をくるくる巻いて高さを出します。

内側にはそのまま滑り止めシートを置きます。

横から見たところ。高くなっている方が手前に来るようにして、食器棚に設置しましょう。

傾斜をつけることで手前にずれてこなくなります。

設置したところ。かなり揺らしても食器は無事!

でも食器自体は固定していないので、普段は不便なく使えます。

カトラリーラックの飛び出し対策

こんなカトラリーラックも忘れずに対策しておきましょう。

カトラリーラックの底と同じ大きさに滑り止めシートをカットし、貼っておきます。

開き戸の飛び出し対策

特に吊るし戸棚など、高い位置にある開き戸が揺れで開いてしまうと危険です。

ドアつきの戸棚は、チャイルドロックなどでロックしてしまうといいでしょう。

S字フックでもしっかりロックできます。

下から引っ掛けるようにしておけば、開けたい時にくるっと回すだけ。スムーズに開け閉めできます。

家電の飛び出し対策

家電も大地震の際には容赦なく飛んできます。家電は重さがあり、中に熱い料理やお湯が入っている場合も多く、災害時には危険物になります。しっかり固定しておきましょう。

設置面が広い家電の対策

電気ケトルやコーヒーサーバーなど、底の接地面積が多い家電は下に滑り止めシートを敷きましょう。

滑り止めシートの上からさらにコルクシートを重ねると、摩擦力がアップして倒れにくくなります。

脚がある家電の対策

炊飯器など脚がついている家電は、接地する部分に耐震マットを敷きましょう。揺れを吸収し、倒れにくくなります。

日頃から対策を心がけて自分の命を守ろう

100均のプチプラ防災グッズでも、大地震が起きた際の被害を軽減する効果は十分にあります。特に災害時に危険物が多くなりがちなキッチンはしっかり対策しておきましょう。

日頃から対策を心がけることが、自分や家族の命を守ることに繋がります。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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