手軽に設置できるウォーターサーバーが増えているので、利用しているご家庭も多いのではないでしょうか。そこで悩むのがお手入れ方法です。今回はウォーターサーバーの掃除の仕方や頻度について詳しく解説しますので、ぜひ実践してみましょう。
目次
ウォーターサーバーの掃除が必要な理由
手軽にきれいな水が飲めるウォーターサーバーは、定期的な掃除が必要です。まずは、ウォーターサーバーに掃除が必要な理由についてご紹介します。
水道水のように塩素を含んでいない
一般的な日本の水道水には、消毒用の塩素を含むことを基準として設けています。塩素が入っていることで、水道管を通して各家庭に水を衛生的に供給できるのです。
一方、ウォーターサーバーの水には塩素が含まれていません。RO膜で不純物を取り除いた無菌状態のRO水や、有害物質の基準を満たしろ過された天然水などを使用します。
工場でボトル詰めされる際にも、容器や水に加熱殺菌などの処理はされるものの、塩素消毒はされません。
結果として、ウォーターサーバーの水は安全性は守られているものの、水道水に比べると傷みやすくなっています。
雑菌が内部に侵入することが考えられる
ウォーターサーバー用のボトルは密閉性が高く、サーバー自体にも除菌・抗菌などの衛生機能が付いていることがほとんどです。
しかし、ウォーターサーバーの給水口部分・水受け皿・ボトルの差込口などは汚れやすいので、内部に雑菌が侵入してしまうかもしれません。塩素が入っていない水に雑菌が入ると、せっかくのきれいな水が不衛生な水になってしまいます。
定期的な掃除で、汚れやホコリを取り除く必要があります。
特にカップ麺などに注ぐ場合は注意
カップ麺や味噌汁などにウォーターサーバーのお湯を注ぐと、気を付けていても注水口に細かいしぶきが飛んでしまうものです。カビや雑菌はこれらの汚れを好むため、繁殖しやすくなります。
カップ麺を作る場合には、注いだ直後にアルコールを使って注水口を拭くなどして清潔に保ちましょう。
ウォーターサーバーの掃除の基本
(出典) photo-ac.com
ウォーターサーバーの掃除は、どのように行うのがよいのでしょうか。ウォーターサーバーを掃除する際の基本を押さえておきましょう。
掃除に使うもの
ウォーターサーバーを掃除する際には、以下のような道具を使います。
- 除菌アルコールウェットティッシュ
- キッチン用アルコール除菌スプレー
- ふきん、もしくはキッチンペーパー
- 綿棒
- 中性洗剤
- スポンジ
サーバーに残っている水分を拭き取った後、アルコールで除菌するのが基本です。
水受け皿などの取り外し可能な部分は、取り外して中性洗剤とスポンジを使って洗いましょう。隙間や細かい部分は、綿棒を使うと便利です。
掃除の頻度
ウォーターサーバーは、背面部分以外は週に1回ほどを目安に掃除しましょう。汚れが付いてしまった場合は、その都度きれいに拭き取ります。
特に、以下の箇所は定期的な掃除を心掛けましょう。
- ウォーターサーバーの外側
- ウォーターボトルの差込口
- 給水口(蛇口)
- 水受け皿
ウォーターサーバーの構造や適切な掃除の頻度は、メーカーによって異なる場合があります。事前に取扱説明書で確認しておきましょう。
ウォーターサーバーの背面部分にはホコリなどがたまるため、こちらも半年に1度くらいは掃除するのがおすすめです。
給水口周りの掃除の仕方
(出典) photo-ac.com
給水口周りは水受け皿から内側の細かい部分まで、大小さまざまなパーツがあります。各パーツごとに適切な方法で掃除しましょう。
熱湯に注意しながら、きれいな布で拭く
まずは、きれいな布で給水口の水気を拭き取ります。乾いていて清潔なふきんや、キッチンペーパーを使用しましょう。
給水口が取り外せる場合には、取り外して掃除します。一度水洗いしてから、清潔なふきんやキッチンペーパーで水分を拭き取り、再度取り付けます。
熱湯の出る給水口がある場合には、熱湯で火傷をしないように注意しましょう。
内側は綿棒を使って
給水口の内側は、綿棒を使って掃除します。給水口の内側は飲み水が直接触れる部分なので、特に清潔にしておきたい部分です。
綿棒の先は、アルコールスプレーで除菌してから使用しましょう。給水口の内側1cmほどを綿棒で拭き取り、最後にアルコール除菌スプレーを噴きかけます。
綿棒以外にも、清潔な歯ブラシや配管掃除用のチューブブラシでも代用できます。
なお、綿棒を深く入れ込んでしまうと熱湯やお水が出てきてしまうことがあるため、1cmほどを目安に掃除しましょう。
受け皿は取り外して洗剤で洗う
水受け皿は、取り外して洗剤で洗いましょう。
ウォーターサーバーの受け皿は、汚れていてもウォーターサーバーの機能に影響がない分、汚れが見落とされがちな部分です。しかし、実際には水垢などの汚れがたまりやすく、水がたまった状態を放っておくと不衛生です。清潔なふきんなどですぐに拭き取るようにします。
掃除の際には受け皿を取り外して、台所用中性洗剤とスポンジを使って食器と同じように洗浄しましょう。洗った後は、柔らかい布やキッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取ります。
ボトル差込口の掃除の仕方
(出典) photo-ac.com
ボトルの差込口は、水がたまりやすく不衛生になりやすい箇所です。こぼれた水を拭き取るだけでなく、定期的に掃除をしましょう。
全体的に清潔な布で拭く
ボトル差込口はきれいな布で拭き取ってから、アルコール消毒をしましょう。
ボトル差込口は水がたまりやすい部分です。水がたまると雑菌が繁殖しやすくなり、不衛生になってしまいます。
清潔なふきんやキッチンペーパーにアルコール除菌スプレーを吹きつけてから、差込口の突起部分と周辺を拭き取ります。雑菌が繁殖する原因になるため、差込口を指などで直接触れないように注意が必要です。
10秒ほど待ってアルコールのにおいが消えてから、新しいボトルをセットしましょう。
下から交換するタイプも掃除は必要
下からボトルを交換するタイプのウォーターサーバーも、定期的な掃除が必要です。
下からボトルをセットするタイプのウォーターサーバーは、重たいボトルを持ち上げる必要がなく、小柄な女性でも体に負担をかけずに交換できます。上部にボトルを設置しないため、見た目がすっきりしているものが多いです。
しかしこのタイプはボトル位置が床から近く、内部に床のゴミやホコリが入り込みやすいともいえます。気付かぬうちに不衛生な状態にならないよう、下からボトルを交換するタイプも定期的に掃除をしましょう。
ウォーターサーバーの外側もきれいに
(出典) photo-ac.com
ウォーターサーバーの外側には、ホコリなどの汚れがたまるものです。背面などの手が届きにくい箇所も工夫して掃除しましょう。
指紋や飛び散った汚れを拭き取ろう
ウォーターサーバー本体の外側は、清潔な布を使って乾拭きしましょう。
ウォーターサーバーの外側は、ホコリや指紋などが付着しがちです。そのままでは見た目も悪くなる上、ホコリなどがウォーターサーバー内部や飲み水に入ってしまうと不衛生です。定期的に、タオルなどの清潔な布で乾拭きしましょう。
もし汚れが取れない場合には、スポンジに中性洗剤を少し染み込ませて汚れを拭き取ります。乾いたタオルで2度拭きし、洗剤が残らないようにしましょう。
電源を抜き、背面のホコリを掃除機で吸う
ウォーターサーバーの背面を掃除する際には、電源プラグを抜いて、掃除機などでホコリを吸い取りましょう。
背面の電源プラグ周辺は、高温になっていることがあります。掃除の際に触れてしまい火傷を負わないよう、あらかじめコンセントから電源プラグを抜いておき、しばらくしてから掃除を開始しましょう。
掃除機で背面に付着したホコリなどを吸い取ってから、ぬらして絞った柔らかい布で拭き掃除をします。電源プラグの周辺は、感電防止のために乾いた布で拭き取るようにしましょう。
ウォーターサーバーの背面は掃除がしにくい箇所ではありますが、ホコリを放っておくと思わぬ事故に繋がることがあります。特に電源プラグ周りはゴミがたまらないように、数カ月に1度は掃除するようにしましょう。
ウォーターサーバーを衛生的に保つために
(出典) photo-ac.com
ウォーターサーバーを衛生的に使用するために、いくつかのポイントがあります。ポイントを押さえて、きれいな状態を保ちましょう。
特に給水口、ボトル差込口は手で触れない
給水口やボトル差込口は、直接手で触らないようにしましょう。
ウォーターサーバーのボトル自体は密封されているため、開封前の水は無菌状態が保たれています。開封後も適切な使い方をすることで、ゴミや雑菌の侵入を防げます。
特にウォーターサーバーの給水口やボトル差込口は、外気に触れているためカビや雑菌が繁殖する可能性があります。定期的な清掃で清潔にしておく他、給水口やボトル差込口は直接手で触れないことが大切です。
また、給水時にはコーヒーやスープなどの液体が飛び散ってしまうかもしれません。これらが付着することで、菌が繁殖して不衛生な状態となってしまいます。
細かな水はねはどうしても起きてしまうので防ぎようがありませんが、子どもが手で触れないように指導したり、小まめにアルコールなどで除菌しておきましょう。
電源は常に繋いでおく
ウォーターサーバーの電源は、常にオンにしておくようにしましょう。
電気代の節約や省エネの観点から、使用しない時に電源をオフにしてしまうのはおすすめできません。電源をオフにするとサーバー内の水が常温に戻り、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
電源を常にオンにしておくことで、ウォーターサーバーに備わっているクリーン機能やUV除菌機能が作動します。
長期の旅行などで2カ月以上使用しない場合には、水抜きや電源をオフにするなど、各メーカーの商品ごとに対応が異なります。取扱説明書などで確認し、適切に対応しましょう。
内部の掃除はどうするの?
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ウォーターサーバー内部も、定期的にお手入れをする必要があります。内部も掃除をして、清潔でおいしい水を飲めるようにしましょう。
メンテナンスを受ける
メーカーのメンテナンスを受けることで、ウォーターサーバー内部のクリーニングをしてもらえる製品があります。
1年か2年に1回のペースで、ウォーターサーバーをメーカーに回収してもらい、メンテナンスをしてもらえるサービスもあれば、ユーザー側から依頼することでメンテナンスにきてもらえるなど、対応は業者によって違います。
メーカーごとに内容や料金に差はありますが、サーバーのシステムや衛生管理についての資格を保有している専門のスタッフがメンテナンスをしてくれるメーカーもあり、安心です。
無料メンテナンス・無料交換のサービスがあるメーカーを選べば、長年使っていてウォーターサーバー内部の衛生状況が気になった際に、気軽に交換を依頼できるでしょう。
クリーン機能やクリーニングキットで掃除
ウォーターサーバーのクリーン機能があれば、指定のクリーニングキットで内部を掃除することができます。毎日自動的に内部の衛生状態を保ってくれるので、お手入れもぐんと楽になるでしょう。
自分で手軽にウォーターサーバー内部の掃除をしたい場合には、メーカーが販売しているセルフクリーニングキットを活用します。
例えば、タンクに電解水である次亜塩素酸水を洗浄水をセットすることで、ウォーターサーバー内のタンクと通水部分を除菌・洗浄できるものがあります。次亜塩素酸は高濃度食塩水が原料になっているので、薬剤ならではの有害性やにおい残りがなく、安心して使用できます。
簡単なお手入れで使えるウォーターサーバー
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お手入れが簡単なウォーターサーバーを選ぶことで、お手入れの手間を削減できます。手軽に毎日おいしいお水が楽しめるウォーターサーバーを見ていきましょう。
富士の湧水
富士の湧水のウォーターサーバーは、定期的な『自動クリーニング機能』を搭載しています。
『自動クリーニング機能』は、ウォーターサーバー内に温水を循環させる高温循環機能によって、内部を清潔に保つためのシステムです。普段閉じているサーバー内のバイパス弁が開かれ、温水が循環します。運転中はパネル正面右側のランプが点灯するので、正常に稼働しているかどうかが見えて、安心です。
週に1度自動で運転するため、うっかり掃除をし忘れて不衛生になる恐れもありません。日本製で高品質にこだわられた、安心安全のウォーターサーバーです。
コスモウォーター
コスモウォーターのウォーターサーバーは、定期メンテナンスの手間がかからないよう、特許を取得したクリーン機能を搭載しています。
コスモウォーターは、特許技術の『クリーンエア』によって、外気がクリーン化されてから取り込まれます。雑菌の侵入を防ぐことで、サーバー内を清潔に保てるでしょう。
また、『クリーンサイクル』機能を搭載しており、48時間ごとに熱水を自動循環させてくれます。熱水でサーバー内部をクリーンな状態に維持してくれる、便利な機能です。
プレミアムウォーター
プレミアムウォーターは、採水地から密封状態へ自宅へ直送してくれるシステムです。サーバーには加熱クリーンシステムが付いていて、ボトル内の水を清潔にキープできます。
加熱クリーンシステムは、温水タンクのお湯を冷水タンクに循環させる機能です。タンク内に温水を流し、2時間ほど約70℃の状態に維持させることで、熱で雑菌を殺菌する効果が期待できます。
充填される水もウォーターサーバーのタンク内も、常に衛生的に保てる仕組みが特徴的です。
フレシャス
フレシャスのウォーターサーバーは、空気に触れにくくお水の品質がキープしやすい構造です。温水を循環させるクリーニング機能が搭載されているので、クリーンな状態を保ちやすくなっています。
空気がぼこぼこと音を立ててボトルに入っていかず、容器が収縮していきます。雑菌が侵入しにくいので、水の品質をしっかりとキープしてくれます。ウォーターボトルも保管や回収の必要がなく、不燃ゴミとして処理できるので手間がかかりません。
各ウォーターサーバーのウォーターサーバーの料金&メンテナンス比較まとめ
富士の湧水 | コスモウォーター | プレミアムウォーター | フレシャス | |
サーバーレンタル代(税込) | 838円 | 0円 | 0円または1100円 | 300円~ |
水の料金(税込) | 1,645円(12L) | 4,104円(24L) | 3,974円(24L) | 1155~1170円(7.2L) |
サーバー側の定期メンテナンスサービス | なし(代理店によるサービス点検) | なし | なし(訪問クリーニングサービスあり) | なし |
清潔を保つ機能 | 自動クリーニング機能 | Wクリーン機能 | 加熱クリーンシステム | クリーニング機能搭載 |
おいしいお水をキープしよう
(出典) photo-ac.com
毎日飲む水はおいしさはもちろんのこと、常に衛生的であることも重要です。せっかくウォーターサーバーを設置しているにもかかわらず、雑菌などが繁殖した不衛生な状態になってしまっていれば、体内には汚れた水を取り入れることになってしまいます。
適切なお手入れでウォーターサーバーのきれいな状態をキープし、清潔でおいしい水を楽しみましょう。