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エアコンの馬力とは?kWに換算した場合や業務用エアコンの選び方も

家電量販店でエアコンのスペックを見たときに「馬力」の意味が分からず、困ったことがある人もいるかもしれません。馬力の意味やkWへ換算した場合の数値について、分かりやすく紹介します。業務用エアコンの選び方についても見ていきましょう。

エアコンに使われる馬力とは?

エアコンの馬力について詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。馬力の意味やkWへ換算したときの大きさ、業務用エアコンにおける馬力の確認方法について紹介します。

業務エアコンの「馬力」の意味

『馬力』は、主に業務用エアコンの能力を示す単位として使われています。馬力はその漢字のとおり、1頭の馬のパワーを単位として表したものです。荷役馬1頭が継続的に荷物を引っ張る仕事率を馬力と呼びます。

この単位が大きくなればなるほど、広い部屋を効率的に暖めたり、涼しくしたりできるわけです。業務用エアコンのほかに自動車やバイクなどでも、馬力表示が使われることが多いでしょう。

現在、エアコンの能力は『kW(キロワット)』で表示するのが一般的です。しかし、業務用エアコンでは馬力を単位として使用する業者やメーカーが残っており、今でも馬力表示が使われることは珍しいことではありません。

また、メーカーのカタログなどでは、馬力を『horsepower(ホースパワー)』の略称として『HP』と表示することもあります。

1馬力の冷暖房能力はどのくらいか

業務用エアコンの1馬力は、kW単位へ換算すると『約2.5kW』です。約2.5kWのエアコンで対応できる畳数の目安は『8畳(約13~14平方メートル)』とされています。

ただし、業務用エアコンの場合、設置場所の広さだけでなく『業種』や『設置環境』によっても適切とされる馬力が変わります。1.5馬力相当の業務用エアコンを業種の異なる店舗に設置した場合、どれくらいの広さに対応できるのかの目安は以下の通りです。

  • 一般商店(アパレル・日用雑貨店など)……約25~28平方メートル
  • 一般事務所(デスクワーク中心)……約17~38平方メートル
  • 飲食店……約11~21平方メートル

洋服などを販売する一般商店と火を使う飲食店では、後者の方が冷房の利きが悪くなることが分かります。そのため前者よりも大きな馬力のエアコンの導入が必要です。

業務用エアコンの馬力の確認方法

業務用エアコンの馬力を確認したいときは、型式に含まれた数字をチェックしましょう。

ほとんどの型式には40・45・50・56・63・80・112・140などの数字が含まれています。型式に含まれた数字は、定格の冷暖房能力(kW)を10倍にした数値です。

型式と馬力、冷暖房能力(kW)の関係については、下記の通りです。

型式 馬力 冷暖房能力(kW)
40 1.5馬力 4.0kW
45 1.8馬力 4.5kW
50 2馬力 5.0kW
56 2.3馬力 5.6kW
63 2.5馬力 6.3kW
80 3馬力 8.0kW
112 4馬力 11.2kW
140 5馬力 14.0kW
160 6馬力 16.0kW
224 8馬力 22.4kW
280 10馬力 28.0kW

たとえば、型式に『112』と記載されている場合、kWに換算すると11.2kWであると確認できます。馬力への換算は『4.0馬力』です。

冷暖房能力の単位で使われている『kW』は、消費電力を示したものではなく仕事量を示しています。以前は『kcal/h』が使われていましたが、ISO規格の導入により『kW』に変更されました。

業務用と家庭用エアコンの違いを解説

(出典) pexels.com

業務用と家庭用のエアコンには、形状や耐久性などにさまざまな違いがあります。具体的にどんな違いがあるのか確認しておきましょう。

見た目や最大馬力、パワーが異なる

家庭用のエアコンは壁掛型が一般的ですが、業務用は天井に設置するタイプが大半です。天井設置タイプ以外には、家庭用と同じ壁掛形、床置型、厨房用、ビルトイン型、ダクト形などがあります。

どのタイプの業務用エアコンを選ぶかは、設置場所のスペースや用途、内装などに合わせて決めましょう。

たとえば、天井に設置する『4方向天井カセット形』の場合、吹出口が4方向あるので満遍なく風が流れるのが特徴です。天井に埋め込むタイプのため、スッキリとした見た目でも魅力でしょう。オフィスや店舗の雰囲気を壊しません。

また、家庭用エアコンが最大3馬力に対して、業務用は1.5~10馬力まで対応できます。広い空間や人の出入りが多い場所を想定して設計されており、家庭用のものより空調管理能力が高く作られているのも業務用ならではです。

耐久性にも違いが

業務用エアコンは、家庭用よりも長時間の連続運転を想定して設計されています。そのため、長時間の稼働に耐えられるよう耐久性が重視されているのです。

家庭用の耐用年数が約6年に対して、業務用エアコンでは約13~15年といわれています。また、業務用エアコンは家庭用よりもシンプルな作りのものが多く、故障しにくい傾向です。

電源、電気代が違う

業務用と家庭用のエアコンでは、電源の種類が異なります。家庭用エアコンの電源は電圧の低い『単相200V』が一般的です。一方、業務用エアコンの電源は、効率的に多くの電力を流せる『三相200V』と単相200Vの2種類があります。

電源が変われば、電気代も変動します。単相の電気代は、基本料金が安く使用量が高くなる傾向です。対する三相の電気代は、基本料金が高く使用料金が安くなりやすいといわれています。

年中エアコンを稼働する場合は、『三相』の方が電気代が安いケースが多いでしょう。夏や冬でもエアコンをあまり使わない場合は、『単相』の方が電気代を安く抑えられるかもしれません。

業務用エアコンの最適な選び方とは?

(出典) pexels.com

業務用エアコンには、それぞれの用途に適したものを選ぶことが重要です。具体的な選び方や失敗したときのリスクについて解説してきます。

業種や発生する熱量に最適な馬力で決める

業務用エアコンを選ぶときは『業種』や『発熱機器の有無』に応じて馬力を決めましょう。店舗の広さが同じであっても、業種によって適したエアコンは異なります。

たとえば、雑貨屋や服飾店などでは、室内の温度を上げる発熱機器はほとんどありません。

しかし、飲食店には厨房のコンロが、焼肉店やお好み焼き店では客席で調理するための鉄板などが設置されています。発熱機器が多ければ多いほど、室内の温度を調節するためには、馬力の高い業務用エアコンが必要です。

間違った選び方をすると起きること

エアコン選びを間違えると『快適な温度にならない』『ブレーカーが頻繁に落ちる』『電気料金が高くなる』といったリスクが発生します。

たとえば、馬力の足りないエアコンを設置した場合、なかなか快適な室温になりません。また、最大能力でエアコンを連続稼働させるため、ブレーカーが落ちたり、予想以上に電気代が高くなったりする危険性もあります。

さらに耐久性が高い業務用エアコンであっても、常に大きな負荷をかけ続ければ故障の原因です。購入後に後悔しないためにも、本体の価格の安さだけでなく、業種や用途に合った馬力のエアコンを選ぶようにしましょう。

適した馬力のエアコンを選ぼう

(出典) pexels.com

業務用エアコンは、家庭用のエアコンよりも馬力が大きい製品が多くあります。しかし、同じ広さの部屋であっても、業種や発熱機器によりエアコンの適した馬力が変動することを覚えておきましょう。

エアコン選びに失敗すると電気代が高くなったり、ブレーカーが頻繁に落ちたりする危険性があるので注意が必要です。

業務用エアコンを選ぶときは、面積と用途をはっきりさせて設置環境に合った馬力のものを選択しましょう。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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