フローリングの傷やへこみ、剥がれなどはDIYが可能です。今回はフローリングをDIYする方法を症状別に紹介します。またフローリングのDIYの前に確認するべきことや、業者に頼んだ方がよい症状とその費用、DIYにおすすめの商品も参考にしましょう。
目次
DIYでフローリングを補修する方法
DIYでフローリングを補修する方法と、必要な道具を併せて解説します。DIYが初めての人も取り組みやすい内容です。フローリングの破損の仕方に応じて、適した方法を選択しましょう。
傷がある場合の補修手順
椅子やテーブルなどを引きずったときに、こすり傷が付くことがあります。劣化して表面が白くこすれていたり、色が取れていたりする場合も同様の方法で補修します。
こすり傷の補修は、以下の手順で行いましょう。
- ナイロンパッドを使って傷口を軽くこすり、補修箇所のほこりや汚れをきれいにします。
- ハードスティックをホットナイフで溶かし、盛り上がるくらいの量を傷に乗せます。
- 固まったら専用のスクレーパーでこすり、平らにして完了です。
スクレーパーでこする際は、消しゴムでシャープペンシルの文字を消すくらいの力加減で行うとよいでしょう。
へこんでいる場合の補修手順
へこみはアイロンで直せます。手順がシンプルで、5分程度で完了させることができます。必要なものは『画びょう・安全ピン』『雑巾・タオル』『アイロン』の三点です。
へこみの補修は、以下の手順で行いましょう。
- へこんだ部分に画びょう・安全ピンを刺し、小さな穴を数カ所あけます。
- 雑巾・タオルを水でぬらして、しっかり絞ったらへこみの上に乗せます。
- アイロンを5秒かけます。
- へこみ具合を確認しながら数回繰り返す。
- へこみが見えなくなったら完了です。
フローリングに使われる木材は、水分を含むことで膨らむ性質を持っています。蒸気をフローリングに吸わせることで木材が膨張するため、へこみが改善するという仕組みです。
剥がれている場合の補修手順
フローリングが剥がれている場合は、『接着剤』『パテ』『養生テープ』『サンドペーパー』を用意しましょう。道具をそろえたら、以下の手順で行っていきます。
- 剥がれた後の破片を接着剤で貼り付けます。
- 隙間ができるので、破片の周りを養生テープでとめます。
- とめたら、パテを使って隙間を埋めてなじませます。
- 隙間を埋めたら、はみ出した部分をサンドペーパーで削って完了です。
平らになるまでこすったら、フローリングと似た色でパテを塗り、ニスでツヤを出すとより自然な仕上がりになるでしょう。
DIYで補修する際の注意点
DIYの補修にはリスクが伴うことがあります。トラブル時こそ焦らず、必要な手順を踏んで対処することで、その後の大きな2次トラブルを防げます。
賃貸の場合は管理者へ連絡を
賃貸物件のフローリングを補修したい場合、管理会社もしくは管理している大家さんへの事前確認が必要です。あくまで物件を借りている状態なので、勝手に建物に手を加えるとトラブルを招きます。
また、生活に支障のない範囲の傷やへこみは、無理に手を加えなくとも問題ありません。
むしろ黙って修繕してしまうことで、敷金から補修費用やクリーニング費用を引かれてしまうことがあるので注意しましょう。
間違った補修は劣化の原因に
もし破損部分の状態が非常に悪かったり、生活に支障をきたしたりする程度のものであれば、業者へ依頼しましょう。DIYでの補修は簡単で手軽に行えますが、不安な場合は不用意に手を付けないという選択肢もあります。
DIYの補修は完璧に元通りに直すものではありません。応急処置的なものであり、誤った対処により劣化を招く恐れがあるのです。
例えば、パテを塗りすぎて腐食させてしまったり、ムラができてより補修が必要になったりするケースがあります。
業者に頼んだ方がよい症状と費用
業者に頼むかどうかの判断材料や費用相場をお伝えします。フローリングのさらなる劣化やトラブルを招かないためにも、状況を冷静に判断することが大切です。
業者に頼んだ方がよい状態
補修範囲が広い場合は業者へ依頼しましょう。フローリング材の張り替えが必要になることが多いためです。
張り替えはDIYでも可能で安く仕上がりますが、高度な技術を必要とするため依頼する方が安心感があり仕上がりもきれいです。
また、劣化・傷・へこみ・汚れがひどい場合にも業者へ依頼します。プロの目で的確に状況を判断し対処しなければ、余計に劣化させる危険性があります。
さらに、シミは程度にかかわらず劇薬が必要になるため、素人が対処するのは困難です。なお、シミを放置した結果膨らんでしまった場合は、プロでも対処できない場合があるので、早めに依頼しましょう。
補修を業者に頼む場合の費用相場
補修にかかる費用は、作業内容というよりも作業時間によります。
半日で約1万5000円、1日で3万円程度が相場になります。追加料金は1時間当たり約5000円が目安です。小さめの傷なら、1日で5〜10カ所ほど補修可能です。
ただし、人差し指以上の大きさのものへの補修は、単価で費用が決まることが多いでしょう。例えば、直径10cm程度の大きさの傷を4カ所補修した場合、2万5000〜3万円かかることがあります。
費用は業者により異なるため、事前確認や相見積もりを取っておくとよいでしょう。
フローリングの補修に使えるおすすめグッズ
フローリングの補修におすすめの商品を三つ紹介します。DIYを趣味として行っている人はもちろん、初心者でも扱いやすい商品を紹介していきます。
建築の友 かくれん棒 フローリング用 ヘラ付 4色セット
フローリング以外にも、テーブルなどの木製品の補修に最適な商品です。さまざまな深さの傷やへこみに対応できます。
また、床暖房のあるフローリングにも使用できるため汎用性が高いです。ハードタイプなので、耐久性に優れているというメリットもあります。
使用する際はドライヤーが必須です。補修箇所の色に合わせて柔らかくなるまで温めたり、傷からはみ出たかくれん棒を温めて、拭き取りやすくするためにも使用します。
建築の友 かくれん棒フローリング用 ヘラ付 4色セット
セメダイン エポキシパテ 木部用
エポキシ樹脂を使用し、接着力に優れた『エポキシパテシリーズ』の木部用の商品です。フローリング補修にはもちろん、家具や柱の欠け補修にも使えます。10分程度で固まり、硬化後は釘打ちや穴あけもできるほどの強度になります。
また上から塗装もできるため、フローリングの色に合わせて色を塗ったり、ニスでツヤ足ししたりすることも可能です。使用時は肌荒れなどを防止するために、必ずゴム手袋を着用します。
硬質プラスチック・金属・陶磁器などの欠け補修ができる、ほかのラインナップもありますので、ニーズに合わせて選びましょう。
セメダイン エポキシパテ 木部用
コニシ ボンドフロアメンダー
フローリングの剥がれなどを補修できる、エポキシ樹脂系の接着剤です。専用注入機を使うと隙間への注入もスムーズにできます。耐水性に優れているため、注入箇所が万が一ぬれてしまっても安心です。
また、室内のフローリングはもちろん、ベランダ床などの屋外でも使用できます。業務用として売られていますが、使い方がシンプルなので素人でも扱いやすいです。
ただし、室内フローリングが床暖房付きの場合は使用できませんので、注意しましょう。
コニシ ボンドフロアメンダー
フローリングの状態を見極めて補修しよう
フローリングの傷やへこみ、剥がれた部分はDIYで補修可能です。傷にはハンドスティックやナイフなどを使用します。へこみは画びょうやアイロンで補修し、剥がれは専用の接着剤を使い、パテやサンドペーパーで調整しましょう。
また賃貸物件を補修する場合は、管理会社へ連絡してから取り組むことが大切です。事前確認をしないまま勝手に手を付けてしまうと、退去時などに原状回復のための費用を請求されることがあります。
もしDIYに不安があったり、補修が必要な箇所が多かったりする場合には、業者へ依頼するという選択肢もあります。
DIYに挑戦したい人は、今回紹介した商品を参考にし、必要な物をそろえていきましょう。