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苔を採取するには?苔の基本情報や採取のポイント、注意点も紹介

近頃観賞用としても人気の苔は、自分で見つけて採取することができます。身近なところにも生えている苔は、上手に採取すれば手軽に手に入れ、育てることもできるのです。この記事では、苔の基本情報や採取のポイント、注意点なども紹介しています。

苔の採取に役立つ基本情報

苔にはたくさんの種類がありますが、学術的には三つの種類に分類されます。また、湿度の高い環境を好むのが苔の特徴です。湿度の高い季節や環境でこそ苔の美しさは際立つのです。

苔には大きく3種類ある

苔の種類は世界に約1万8000種、日本だけでも約1800種あるといわれ、非常に多くの種類があります。学問上では、これまではセン類・タイ類・ツノゴケ類の3種類に分類されてきました。

しかし植物の分類の仕方は、その解析方法に新しい手段が取り入れられたことによって、近年では枠組みが大きく変わり、苔の分類方法も変わりました。

現在では、マゴケ植物門・ゼニゴケ植物門・ツノゴケ植物門の3種類に分類されるように変わっています。

苔は湿度の高い場所を好む

苔は基本的に湿度の高い場所を好むものです。苔には根がなく、水を吸収する組織を持っていません。仮根と呼ばれる根のようなものもありますが、これは岩や木の幹にくっつくためだけのもので、水を取り入れる機能は備えていないのです。

根がない苔は代わりに、体表全体から水を吸収する仕組みになっています。そのため、湿度の高い環境の方が生育しやすいのです。

多湿な環境を好む苔は、基本的に半日蔭を好みますが、光合成をするために日光もある程度は必要です。中には、日当たりのよい場所に生えているものさえあるでしょう。

しかしあまりに天気がよく乾燥しがちな環境では、葉を閉じて、水分の蒸発を防ぎます。葉を閉じた苔は、土色になるので枯れたようにも見えるでしょう。

苔の採取は春から夏が最適

苔の採取をするなら、比較的湿度の高い春〜夏が最適です。特に雨が降った後では、苔の緑が最も美しい状態になるので、採取する苔を見定めるのにおすすめです。

逆に空気が乾燥しやすい秋〜冬にかけての時期は、苔の採取には向きません。苔は乾燥した状況に置かれると、葉を閉じてしまうため、茶色く見えます。そのような状態では、美しいものを見極めることができないためです。

苔の採取には、湿度の高い春〜夏にかけての時期が最も適切といえるでしょう。

苔が採取できる場所

苔は意外に身近なところに生えているものです。また山地や林道、沢の近くまで足を運べば、よりたくさんの種類の苔を見つけることができるでしょう。

公園や歩道など身近な場所

苔はとても身近な場所にも生えています。少し気を付けて歩いてみれば、公園や歩道、ブロック塀や石垣の隙間などに生えているのが、意外と簡単に見つけられるものです。

こういった身近な場所で見つけられる苔は、乾燥に強いギンゴケやスナゴケ、ホソウリゴケなどであることが多いでしょう。これらは繁殖力が高く、耐久性にも優れるので、初心者でも育てやすい種類の苔です。

山地や沢、林道

山地や沢の近く、林道にはさらにたくさんの種類の美しい苔が自生しています。

木々の隙間から日の光が差し込むような明るい場所では、スギゴケ・ハイゴケ・ホソバオキナゴケ・アラハシラガゴケが、また沢の近くではコツボゴケ・カサゴケ・ホウオウゴケなどが見られるでしょう。

さらに日の当たらない林道にも、タマゴケ・ヒノキゴケ・コウヤノマンネングサ・オオカサゴケなどたくさんの種類の苔が見つかります。

苔は標高によっても生える種類が違うので、さまざまな標高の山に足を運んでみるのも、珍しい苔を採取することができて面白いかもしれません。

苔を上手に採取するポイント

いざ苔の採取に行く前に、まずは道具を準備しましょう。苔の採取に必要な道具はどれも簡単に手に入るものばかりです。また採取してきた苔は、付着している虫などを落とすためにも、しっかり洗うようにしましょう。

採取に必要な道具を用意しよう

苔の採取に行く前に、まずは必要な道具を準備しましょう。苔の採取には以下の道具があると便利です。

  • ヘラやピンセット、スコップ
  • 持ち帰り用の容器
  • ゴム手袋

まず苔は、仮根で岩肌や樹皮にしっかりくっついているものですので、剝がすための道具が必要です。ヘラやピンセットがあれば便利ですが、スコップでもよいでしょう。

また採取した苔には泥が付いていたり、ぬれていたりすることもあるので、持ち帰り用の容器はふたをして密閉できるものが便利です。

さらに、市街地に生えているような苔を採取するときは、苔にごみや害虫の卵が付いている可能性もあるので、ゴム手袋をして採った方が安心でしょう。

持ち帰るときは保冷剤を用意しよう

特に夏場に苔を採取して持ち帰る場合は、保冷剤や保冷バッグがあると便利です。

苔は湿度の高い環境を好みますが、たとえ湿度が高くても、気温まで高く蒸れるような環境は苦手です。高温多湿の時期に、密閉容器の中に長時間入れておくと、持ち帰ったころには弱っている可能性もあります。

夏に苔を採取して持ち帰る場合は、密閉容器に保冷材も入れるようにするのがおすすめです。

苔には虫やカビ菌が付いているので洗おう

細かい隙間のたくさんある苔は、虫たちの絶好のすみかにもなります。見えないところに虫・虫の卵が潜んでいることもあるので、採取してきた苔はよく洗いましょう。

流水でよく洗うのもよい方法ですし、水を入れたバケツなどにしばらく沈めておくのもおすすめです。苔は太陽の光があれば、水中でも生きることができる生物ですので、数日水に沈めておいても問題ありません。

ただし、ずっと水中で生きられる苔ばかりではありませんので、様子を見ながら行います。また浮いてきてしまうものには、重しをして水の中に沈め、潜んでいる虫などをしっかり落としておきましょう。

乾燥に強いスナゴケやギンゴケ、ホソウリゴケなどの場合は、洗った後に日当たりのよい場所で乾燥させるとカビ対策にもなります。

苔の採取での注意点

苔を採取するときは必要な分だけ採取し、根こそぎ採ってしまわないように気を付けましょう。また私有地である山や川の場合は、必ず所有者の許可を取ってから採るようにします。

必要な分だけ採取する

苔の採取は必要な分だけにとどめましょう。苔は生育するのに時間がかかります。根こそぎ取ってしまうと、その場所からは2度と生えてこなくなる可能性もあるのです。

採取した場所から根こそぎなくなってしまえば、苔の生育に失敗したときに再び取りに来ることもできません。必ず必要な分だけを採取するようにし、再生できる状態にしておきましょう。

私有地の場合は許可を取る

私有地である山や川に生えている苔を採取したい場合は、必ず所有者の許可を得てから採取するようにしましょう。

他人の土地に生えているものを勝手に採取するのは、違法行為に当たる可能性があります。公園や道路など、市町村が管理している土地の場合は、役所などに問い合わせてから採取するのが無難です。

また、神社やお寺に生えている苔も採取しないようにしましょう。神社やお寺の植物は、神様や仏様のものとされることもあります。大切に育てられている可能性もあるため、安易に採取し持ち帰るのはよくないです。

苔を上手に採取しよう

鮮やかな緑の美しい苔が家にあると、何となく心が癒やされるものです。

苔は簡単に自分で採取することができます。山や沢、林道など都会から少し離れた環境にも生育していますが、少し意識をして探してみれば、公園や歩道など街中でも、あちらこちらに生えている苔を見つけることができるはずです。

美しい苔を見つけたら、上手に採取して、家で鑑賞して楽しんでみましょう。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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