災害は家にいるときに限り起こるわけではありません。旅先や出張先などで災害が起こることもあります。いつどんなときに起こるか分からない災害に備え、持っておきたいのが防災ポーチです。今回は防災ポーチの作り方や入れるべきアイテムをご紹介します。
目次
備えの段階について知ろう
災害時の備えにも段階というものがあります。どんな状況で災害にあうかで、備えておくべきものも変わってきます。ここでは、備えの段階とそれに合わせた準備しておきたい防災グッズをご紹介します。
0次の備え
0次の備えとは、普段常に持っているバッグやポーチに入れておく防犯グッズのことです。常に持ち歩きたいので、小さなバッグやポーチにも入る必要最低限のものだけを入れておきます。
防犯グッズに入れておきたいものとしては、以下のものが挙げられます。
- ウエットティッシュ
- ばんそうこう
- 常備薬
- ビニール袋
- メモ帳
- ペン
他にも、緊急連絡先や季節に合わせてホッカイロや水分補給ができる水筒なども備えておくと安心です。
1次の備え
1次の備えとは、いわゆる『非常持ち出し袋』のことです。緊急時の避難する際に持ち出すものになります。
緊急で避難することを考えて、持ち出し袋は両手を使うことができ、避難の邪魔にならないリュックがおすすめです。この持ち出し袋の中には、主に2〜3日生活できることを考えて備えておきます。
持ち出し袋に入れておきたいものとしては、0次備えの防災グッズに加えて以下のものを用意しましょう。
- トイレットペーパー
- 簡易トイレ
- 生理用品
- 懐中電灯
- 包帯
- ガーゼ
- タオル
- 靴下
- 下着
- 防災用アルミシート
- 非常食
- 水
- 身分証明書、健康保険証などのコピー
また、1次の場合は避難することが前提ですので、避難の際に身に着けておくべきものもあらかじめ準備しておくと安心です。
主に、以下のものが挙げられます。
- レインコート
- ヘルメット
- 上着
- 軍手
- ヘッドライト
1次の備えとしては、季節も考慮する必要があります。例えば、夏の暑い季節に避難する際はブランケットやホッカイロは邪魔になってしまいますし、冬の季節に虫よけ等は必要ありません。
加えて、避難するときは必要最低限のものを持ち、素早く避難する必要があります。季節によっては必要がなくなる防災グッズもあるでしょう。そのため、春〜夏用と秋〜冬用の二つに分けて準備しておくと、避難する際もスムーズです。
2次の備え
2次の備えは、避難先から一度家に帰宅し、救援物資が届くまでの3日以上を過ごすための備えです。電気やガスが止まってしまっていることも十分に考えられるので、自給自足で過ごすことができるように想定して準備しておくことが大切です。
状況によっては、数週間と長期化する恐れもありますので、かなりの量の備えが必要となります。そのため2次の備えは、家の倉庫やキッチンの床下収納、押し入れなど十分なスペースがある場所に保管しておくことが重要です。
場合によっては避難先に持ち出すこともあるので、持ち出しやすいようにボックスや旅行用の大きなバッグに入れておくと安心です。
主に準備しておくものとしては、以下になります。
- 乾電池式充電器
- 予備の電池
- ゴム手袋
- おしりふき・からだふき
- メイク落としシート
- つめ切り
- 歯磨きシート
- ドライシャンプー
- 消臭スプレー
- 洗濯用洗剤
- ロープ
- カセットガスストーブ
- 瞬間冷却剤
- 寝袋
また、非常食やそれを食べるための道具も十分に備えておくことが必要です。
準備しておくといいものは、以下になります。
- 経口補水液
- 食べなれたお菓子
- 缶詰などの非常食
- レトルト食品
- 乾燥野菜
- 使い捨てコップ
- 紙皿
- ラップ
- キッチンペーパー
非常食は気づいたら賞味期限が切れてしまっていたという場合もありますので、こまめにチェックすることも必要になります。賞味期限があるものは適度にチェックすることができるように、すぐに取り出せる場所に保管しておきましょう。
0次の備えに、防災ポーチの主な中身
ここからは、0次の備えとしての防災ポーチにどんなものを入れておけばよいのかをご紹介します。
飲料やお菓子
まず防災ポーチに入れておいてほしいのは、飲料やお菓子です。外出先で災害にあってしまうと、いつ家に帰れるか分かりませんので、栄養補給は大切になってきます。お菓子は飴やキャラメル、チョコなどといったカロリーがやや高いものにすることがポイントです。
これらは栄養補給が目的なので、飴はノンシュガーでないもの、チョコは時期によっては溶けてしまうので、コーティングされたマーブルチョコなどがおすすめです。
また、飲み物はポーチには入りませんが、水分を補給できるように常にバッグに入れておきたいアイテムとなります。お茶は利尿作用がありますし、ジュースだと喉が渇いてしまうので、水がおすすめです。
モバイルバッテリー
スマホや携帯ラジオなどは、万が一の際の連絡手段や情報源になります。しかし、いざ使いたいときに充電が切れてしまっていたら、意味がありません。そのため、少しかさばりますが、いざというときに充電することができるモバイルバッテリーは常備しておきたい防災グッズの一つです。
一つ持っていれば普段使いもできますし、近年ではコンパクトで薄型のものもあります。忘れずにポーチに入れておきましょう。
ライトやホイッスル
ライトやホイッスルも、もしもに備えて準備しておきたいアイテムの一つです。映画館やエレベーターの中など暗い場所で停電になってしまった場合でも、ライトがあれば安心です。
またホイッスルは、どこかに閉じ込められたしまった場合に自分の居場所を知らせることができるアイテムです。
ホイッスルは100均などでも購入できますし、防災用のものであれば少ない息で大きな音を出すことができます。さらに、ストラップとして携帯電話やポーチに取り付け可能なものもありますので、かさばらずに常備しておけます。
あると安心な防災ポーチの中身
ここからは、持っておくといざというときに安心な防災グッズをご紹介していきます。
ポケットラジオ
ポケットラジオは災害時、正確な情報を聞くことができる重要なアイテムなので常備しておきましょう。
携帯やスマホからも情報を得ることができますが、充電の心配や目視で情報を得る必要がありますので、歩いて避難する際に使用するのは大変危険です。
一方ポケットラジオは充電の心配がいらず、避難しながら聞き流しておくことができるので、災害時でも非常に便利です。ポケットラジオには手回し式や太陽光発電式のものもあり、サイズもコンパクトなので、持ち運びにも最適でしょう。
救急キッドや衛生用品
救急キッドや衛生用品は、忘れずに防災ポーチに入れておきたいアイテムです。避難時にケガをしたり、体調を崩したりしてしまう可能性は十分にあります。いつ何が起きても対処できるように備えておくことが大切です。
救急キッドには、ばんそうこうや消毒液などを、また持病がある方は普段飲んでいる薬を忘れずに入れておきましょう。その他にも解熱剤なども入れておくと安心です。
衛生用品には、マスクや簡易トイレ、ティッシュペーパーを入れておくとよいでしょう。マスクは建物が崩壊した際のチリやホコリの吸い込み防止になりますし、冬場には寒さ対策にもなります。
また簡易トイレは災害時近くにトイレが無い場合に便利ですし、ティッシュペーパーは水に流せるタイプだとトイレの際にも使うことができますので、予備にいくつか持っておくと安心です。
防寒用具
外出先で被災してしまった場合、空調が十分でなかったり、長時間外にいなければならなかったりすることもあるでしょう。そのため、防寒用具を常備しておくのも大切です。防寒用具としておすすめなのが、『アルミシート』です。
アルミシートは薄くて軽いので持ち運びにも便利で、なおかつ保温性が高く防寒対策には最適なアイテムとなっています。また、アルミシートを利用して中で着替えをすることもでき、プライバシーを保つ際にも役立ちます。
防災ポーチ、作り方のコツ
毎日常備しておきたい防災ポーチの作り方のコツは、何があるのでしょうか?ここからは、作り方のコツをご紹介します。
ポーチは軽いものを選ぶ
ポーチは軽いものを選ぶことがコツの一つです。防災ポーチは毎日持ち運びたいので、負担にならないようにポーチも軽いものを選ぶようにしましょう。
ポーチはできるだけコンパクトなもので、なおかつ機能性も損なわない範囲で選ぶとよいです。なお、ポーチの重さは200~300gがおすすめです。
コンパクトにまとめよう
仕事用やいつも持ち運ぶバッグに入れても邪魔にならないようにコンパクトにまとめるのもコツの一つです。そのためにも、本当に必要なものを厳選してすっきりとまとめることが大切と言えます。
防災ポーチは、あくまで災害発生直後に必要なものだけあれば十分です。そのため、本当に必要なものかどうか、こまめにチェックして選別することが必要です。
子どもがいる場合の防災ポーチの作り方
小さな子どもがいる場合、防災ポーチにはどんなものを準備しておけばよいのでしょうか?ここからは、子どもがいる方専用の防災ポーチの作り方をご紹介します。
子ども専用の防災ポーチを用意しよう
小学生くらいになると、毎日の通学やおつかい、習い事など子ども1人で外出する場面も多くあるでしょう。子どもが1人のときに災害にあってしまった場合を想定して、子ども専用の防災ポーチを用意しておくことが大切です。
子ども専用の防災ポーチにはこれまで紹介したものの他に、子どもが好きなお菓子やテレホンカード、家族の連絡先を書いたカードなどがあれば安心です。
また、商業施設や遊園地など広い場所で災害にあった際、家族の写真も入れておくと、万が一子どもが1人離れてしまったときも周りの人達が探す際の手助けになります。
さらに、ホイッスルや携帯トイレも子どもに持たせておきましょう。使い方が少し難しい場合は、1度子どもと一緒に使って、使い方を覚えさせるとよいです。そうすることで、万が一のときに使い方が分からず、とまどってしまう心配もありません。
防災頭巾を忘れずに
防災頭巾も忘れずに持たせたいアイテムの一つです。
災害時には、建物からの落下物やガラスの破片などが上から降ってくることもあり、頭部を負傷してしまうことも少なくありません。
防災頭巾はヘルメットと違いかさばる心配もありませんし、火災の際は熱から頭部を守る働きもあります。必ず用意しておきましょう。
着替えも必要
子どもがいる家庭の場合、着替えも忘れずに用意しておきたいものです。子どもは汗をかきやすく、また汚れた服を何日も着ておくと皮膚病の原因にもなってしまいます。そのため、こまめに着替えることができるよう、余分に持っておくと安心です。
また小学校高学年になれば、生理が始まる子どももいるかもしれません。災害時に生理が来てしまっても大丈夫なように、子ども用の生理用ショーツやナプキンも併せて準備しておく必要があります。
防災ポーチを作りいざというときに備えよう
防災ポーチを準備する際のポイントや、何を入れておけばよいのかを紹介してきました。防災ポーチは、外出先などでの急な災害に備えるために毎日持ち歩きたいものです。
いざというときに慌てることがないよう、中身を定期的にチェックし、見直しすることも忘れないでおきましょう。