ハンドミキサーは、料理効率を大幅にアップしてくれる調理器具です。お菓子作りや離乳食作りに役立つのはもちろん、多機能なものなら食材の下ごしらえにも使えます。ハンドミキサーを選ぶときのポイントや注意点、さらにはおすすめ商品を紹介します。
目次
ハンドミキサーとは
「自宅でスイーツを作りたいけど泡立てが面倒…」、そんなお悩みを解決してくれるのがハンドミキサーです。「ハンドミキサーってどんなものだっけ?」という人は、まずハンドミキサーの概要やブレンダーとの違いについて確認してみましょう。
混ぜたり泡立てたりする調理器具
ハンドミキサーは、材料を混ぜたり泡立てたりする調理器具です。手に持ちやすいサイズ感で、先端にアタッチメントを取り付けて使用します。
動作は電力で行うので、面倒な生クリームや卵白の泡立ても時間や手間がかかりません。
また、ハンドミキサーはスイーツ作り以外にも使えます。例えば、ホワイトソースやスープを作るときなどは、鍋にそのまま入れてかき混ぜられます。いちいち容器を入れ替える必要がなく、洗い物の手間を軽減できます。
ミキサーとブレンダーの違いは?
ミキサーとブレンダーはどちらも同じものと考えて問題ありません。
もともと「ミキサー」とは、日本でのみ使われていた呼称です。主に英語圏では、同じ物が「ブレンダー」と呼ばれています。
海外製のブレンダーは、日本市場に入ってきたときも名称が変わることはありませんでした。そのため、同じ物でも「ミキサー」「ブレンダー」の呼び名が混在するようになったのです。
ただし近年は、海外製のブレンダーの方が市場では優位です。そのため、ミキサーをあえて「ブレンダー」と呼ぶ人が増えています。
ハンドミキサーのメリット・デメリット
ハンドミキサーは使い勝手がよい反面、デメリットといわれる面もあります。ハンドミキサーの購入を検討している人は、それぞれについてきちんと理解しておきましょう。
メリット
ハンドミキサーのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- 料理の手間が省ける
- 比較的低コスト
- お手入れ・収納が簡単
前述した通り、電動のハンドミキサーなら、面倒な料理工程を高速かつ効率的に行ってくれます。例えばスイーツを作るとき、泡立てやかき混ぜを全て人力でしていては、大変な手間と時間がかかります。しかし、ハンドミキサーなら高速回転であっという間です。
また、ハンドミキサーでもアタッチメントの種類が少ないものは、比較的安価で入手できます。「お試し感覚で使ってみたい」という人も手を出しやすいです。
さらに、ハンディタイプはお手入れが簡単な点も魅力です。
デメリット
一方、ハンドミキサーのデメリットは以下のような点です。
- 手が離せない
- ケガのリスクがある
ハンディタイプは扱いやすくて便利ですが、調理中は本体をずっと持っておく必要があります。置き型のように『工程をお任せして他のことをする』ことはできないため、やや面倒に感じるかもしれません。
また、ハンドミキサーはアタッチメント部分がむきだしなので、誤動作を起こすとダイレクトに影響を受けます。食材が飛び散るだけならまだよいですが、最悪、指などを切ってしまうこともあるでしょう。子どもと調理するときなどは、特にアタッチメント部分の扱いには注意が必要です。
用途に応じて機能を選ぶ
ハンドミキサーはとても便利な調理器具ですが、適当に選ぶと十分にメリットを享受できません。購入前に「何のためにハンドミキサーが必要なのか」をきちんと考えてみることをおすすめします。
ハンドミキサーの用途に応じて機能を選ぶとき、注意したいポイントを見ていきましょう。
何を作るか
ハンドミキサーの購入でまず考えたいのが、「何を作るのか」ということです。
例えば、お菓子作りが趣味の人は、アタッチメントの回転速度を細かく調整できるものが望ましいといえます。
一方、離乳食をメインで作りたい場合は、多機能タイプがおすすめです。混ぜる機能しかないハンドミキサーよりは、『つぶす』『きざむ』などの機能があるものを選びましょう。
機能が増えるほど高額に
ハンドミキサーは、機能の数に比例して価格がアップする点に注意しましょう。
例えば、アタッチメントが一つしかなく回転数の切替えもできないタイプは、比較的安価です。数千円程度でさまざまな商品が見つかります。
一方、アタッチメントが複数付いていてさまざまな用途に使えるものは高価です。海外ブランドのおしゃれなハンドミキサーなら、数万円するものも珍しくありません。
アタッチメント数は多い方が便利なのはもちろんですが、「いらなかった」と後悔するケースも多々見られます。
コストと実用性のバランスを最適化できるよう、購入前に必要な機能・不要な機能を見極めておきましょう。
使い勝手の良さも重要
調理に使うなら、使い勝手が良いことも必須条件です。ハンドミキサーは『手で持って調理する』という点を考慮して選ぶと、使い勝手の良いものが選べますよ。
ハンドミキサーの使い勝手を測るときのポイントを紹介します。
コードの有無と長さ
まず、コードの有無と長さは重要です。
ハンドミキサーは電力で動くため、使用時はコンセントに接続しなければなりません。コードが短過ぎると、移動の範囲が限定されます。調理場所と電源の距離をきちんと把握し、長さが足りるかどうかチェックしておきましょう。
また、ハンドミキサーの中には、グリップ部分にバッテリーを内蔵したコードレスタイプもあります。これなら、コンセントとの距離を気にせず調理することが可能です。
ただし、本体にバッテリーを内蔵しているため、重量は重くなりがちです。加えて、長時間使用するのは難しく、使用時間が制限される点には注意しましょう。
片手で持てる重さか
ハンドミキサーを使うときは、片手でボウルなどをきちんと固定しなければなりません。容器を安定させないままミキサーを突っ込むと、振動で倒れたり中身がこぼれたりする恐れがあるためです。
稼働時は必然的に『片手で持つ』こととなるため、長く持っていられないほど重いものは使えません。コンパクトかつ軽量なものが望ましいでしょう。
具体的には、女性が使うなら本体重量800g程度までがおすすめです。1kgを越えると手への負担が大きく、長く持つのが困難になります。
その他のチェックポイント
ハンドミキサーの機能や使い勝手は重要ですが、それ以外にもチェックしておきたいポイントがあります。一度購入してしまったら、失敗したからとすぐに次を購入するわけにはいきません。
ハンドミキサーのその他のチェックポイントを見ていきましょう。
手入れのしやすさ
使用後のお手入れを考えると、アタッチメントの形状は重要です。メーカー・ブランドによってさまざまなタイプがあるので、「洗いやすいかどうか」を必ずチェックしましょう。
例えば、混ぜるときに使う『ビーター』は、中軸があったり幅が狭かったりすると洗いにくくなります。スポンジですみずみまで洗えるものがベターです。
また、アタッチメントが外せないタイプは、本体にアタッチメントをつけたまま洗うことになります。本体が水に濡れれば、故障の恐れもあるでしょう。
ハンドミキサーを購入する際は、アタッチメントの形状とともに取り外しの可否もチェックしてくださいね。
アタッチメントの種類
混ぜるだけのハンドミキサーなら、ビーターしか付属していない製品が多く見られます。食材を砕いたりつぶしたりしたいなら、ブレード(刃)の付いたアタッチメントの有無を確認しなければなりません。
また、アタッチメントの材質は耐久性や使い心地に影響します。長く使うならステンレス製、音や傷が気になるならプラスチック製がおすすめです。
用途をよく考えてアタッチメントを見極めましょう。
速度調節ができるか
前述の通り、お菓子を作るときなどは回転速度の調整ができると便利です。調整幅が細かいほど、お菓子作りや食材を細かくきざむときなどに重宝するでしょう。
ハンドミキサーの中で最もシンプルなものは、『オン・オフ』の切替えしかありません。一方、調整できるものは『低・中・高』の3段階だったり、5段階、さらに10段階だったりします。
高性能になるほど価格も上がるため、「どのくらいの回転調整が必要か」を考えてみましょう。
使用頻度が高かったり本格的にお菓子作りを楽しみたいと考えていたりする人なら、5段階以上調節できるタイプだと安心です。
1万円以下で買える安いハンドミキサー
「泡立てやかき混ぜさえできればよい」「たくさん機能があっても使いこなせない」という人は、シンプルでコスパのよいハンドミキサーをチェックしてみましょう。
1万円以下で購入できる、おすすめのハンドミキサーを紹介します。
貝印 電動ハンドミキサーDL-0501
コンパクトかつシンプルな機能が魅力のハンドミキサーです。本体サイズは幅15×奥行17.8×高さ9.5cmと小さめな上、重量は約730gと軽量なため、女性でも使いやすいといえます。
アタッチメントはビーターのみですが、回転速度は5段階で調整可能です。お手入れのときは、ハンドル部分の上にあるボタンを押せばビーターが外れます。ワンタッチで力もいらないので、お手入れも簡単です。
貝印 電動ハンドミキサーDL-0501
アイリスオーヤマ ハンドブレンダー IHB-601-W
これ1台で食材を混ぜたりつぶしたりできます。ブレンダー部分はきちんとガードされているので、容器を傷つける心配はありません。ボウルや鍋に直接入れてかき混ぜれば、調理の時間をぐっと短縮できますよ。
また、回転速度は5段階に切替え可能です。トップ部分にあるつまみを回すだけなので、作業中の調整も難しくありません。
グリップ部分は細めで握りやすい上、本体重量は600gほどで軽いです。
アイリスオーヤマ ハンドブレンダー IHB-601-W
TokyoDECO 電動ハンドミキサー
コスパの良さが魅力のハンドミキサーです。
アタッチメントはビーターのみですが、5段階の速度調節機能も付いています。ビーターは取り外しも可能なので、お手入れのしやすさも問題ありません。
本体の重量は約620gと軽量な上、電源コードは1.5mの長さがあります。女性や子どもでも扱いやすく、気軽にお菓子作りを楽しめますよ。
TokyoDECO 電動ハンドミキサー
お手入れしやすいハンドミキサー
ハンドミキサーを使うとき、アタッチメントを洗うのが面倒に感じる人は多いようです。お手入れに手間が掛かりすぎると、「洗うのが面倒だし」と使用を敬遠するようにあるかもしれません。
購入後も負担なく使える、お手入れしやすいハンドミキサーを見ていきましょう。
ドリテック ハンドミキサー HM-706
ビーターのみのタイプですが、ビーターはワンタッチで外せます。手で直接触れる必要がないため、汚れが付かず衛生的です。
また、ビーターはワイヤー型で中軸がありません。使用後に洗うときもスポンジを入れやすく、汚れを落としやすい点も重宝しそうですね。
さらに、本体は回転速度を5段階に調節できます。スイッチは稼働しながら親指で動かせるので、材料の様子を見ながら臨機応変なスピード調整が可能です。
ドリテック ハンドミキサー HM-706
テスコム ハンドミキサーミルTHM1300
『ABC Cooking Studio』と『テスコム』の共同開発によるハンドミキサーです。ビーターは中軸のないラウンド形状で洗浄しやすい上、食洗機にも対応しています。
また、ビーターを外すときは『スピード切替えスイッチ』をOFFの状態でスイッチを押すだけと簡単です。
本体は5段階の速度調節が可能な上、ビーターそのものが泡立て効率のよい形状に作られています。少量の材料も泡立てやすく、スピーディーに泡立てられます。
テスコム ハンドミキサーミルTHM1300
お菓子作り好きにピッタリ
お菓子作りは、泡立てたときの質や硬さで仕上がりが大きく違ってきます。ハンドミキサーをお菓子作りに使いたい人は、混ぜる機能・泡立て機能がしっかりしているものを選びましょう。
ツヤッときれいな泡が立つ、おすすめのハンドミキサーを紹介します。
クイジナート スマートパワーハンドミキサー HM-050SJ
おしゃれなアメリカのキッチンブランド・クイジナートのハンドミキサーです。
160Wのパワフルモーターで、ずっしりした生地も作れます。連続して使える時間を示す『定格時間』は30分と長いため、使用が長丁場になったときも安心です。
また、回転速度は5段階に調節できます。生クリームの6分立てや9分立てなどにも対応でき、きめ細かくつやのある泡が立ちます。
付属の収納ケースに2種類のアタッチメントとヘラ、コードを入れれば、すっきりと収納できますよ。
クイジナート スマートパワーハンドミキサー HM-050SJ
パナソニック ハンドミキサー MK-H4
パナソニックのハンドミキサーは、持ちやすいデザインとシンプルな機能が魅力です。速度調節は『高速』『中速』『低速』の3段階まで可能で、様子を見ながら速度を加減できます。
自立型なのでちょっと手を離したいときもそのまま置けます。また、電源コードは1.9mもの長さがあるので、離れたところから電源を取りやすいのもうれしいですね。
収納時はケースに入れると、すっきりコンパクトになります。
パナソニック ハンドミキサー MK-H4
クイジナート HM-060SJ
お菓子作りだけではなく、パン作りにもハンドミキサーを使いたい人におすすめです。付属のアタッチメントは3種類あり、『混ぜる』『泡立てる』のほか『こねる』にも対応できます。
本体重量は約1.1kgと重めですが、160W・定格時間30分とパワフルさではトップクラスです。通常のハンドミキサーでは作れないような、パン生地作りにも対応できる用途の多さは魅力的です。
収納ケース付きで、アタッチメントやヘラが迷子になる心配もありません。
クイジナート HM-060SJ
デザイン性重視派におすすめの商品
「ハンドミキサーもルックスが大切」と考える人は、おしゃれな海外製のハンドミキサーをチェックしてみるとよいでしょう。
見せる収納でも違和感のない、デザイン性の高いハンドミキサーを紹介します。
キッチンエイド ハンドミキサー 9KHM928
ミキサーシェアで世界NO.1を誇る、『キッチンエイド』のハンドミキサーです。シンプルな外見ですが、フロント部分にはしっかりキッチンエイドのブランド名が入っています。
ハンドミキサーは高性能DCモーターを採用しており、速度は9段階まで細かく調節できます。『ソフトスタートコントロール機能』も付いているので、かき混ぜるときに食品が飛び散る心配も少ないでしょう。
付属アタッチメントは4種類と豊富なので、多彩な使い方ができそうですね。
キッチンエイド ハンドミキサー 9KHM928
ビタクラフトジャパン クイックハンドミキサー
アメリカのステンレス調理器具メーカー『ビタクラフト』のハンドミキサーです。スクエア形状とつや消しシルバーのような質感は、他にはあまり見られませんね。
本体は回転速度を5段階に調節できます。『TURBO』ボタンを押せばどの段階からでも最速スピードにできるので、一気に高速回転させたいときに便利です。
さらに、ビーターは撹拌効果の高い『クランク+スリット形状』を採用しています。空気を取り込みやすく、泡立てを効率的に行える仕様です。
ビタクラフトジャパン クイックハンドミキサー
多機能なブレンダーを選ぶなら
ハンドミキサーを普段の料理にも活用したいなら、多彩なアタッチメントがそろっているタイプがおすすめです。泡立て以外にもつぶしたり刻んだりできるため、夕食の下ごしらえなどに重宝します。
多機能なハンドミキサーの中から、特におすすめのものを紹介します。
ブルーノ マルチスティックブレンダー
これ1台で『つぶす』『混ぜる』『刻む』『砕く』『泡立てる』の5役ができるので、食材の下ごしらえから離乳食作り、健康ドリンク作りまで可能です。
ブレンダーと本体を合わせた重量は約570gな上、持ち手部分はスリムなデザインが採用されています。女性の手でも持ちやすく、毎日気軽に使用できるでしょう。
また、ブレンダーは刃の部分を洗うのが面倒になりがちですが、付属のお掃除ブラシを使えば細かい部分の汚れまできちんと落とせますよ。
タイガー スマートブレンダー SKQ-G200
『つぶす』『混ぜる』『刻む』『砕く』『下ろす』に5役に対応できます。
本体重量は約830gと軽量な上、スリム設計で持ちやすいです。速度を5段階に調節可能なので、食材に合わせて使用できます。
また、こちらのハンドミキサーは、2段階の安全スイッチが付いているのも特徴です。カギマークを押しながらでないと、スイッチを入れても稼働しません。危険な誤作動の心配が少なく、子どもとキッチンに立つことがあっても安心です。
お手入れに便利なヘラ付きブラシや『吊り下げフック』も付いています。お手入れや収納が容易なので、毎日気軽に使えるでしょう。
タイガー スマートブレンダー SKQ-G200
ブラウン マルチクイック7 MQ735
電動シェーバーなどで知られる『ブラウン』からは、『つぶす』『混ぜる』『刻む』『泡立てる』の4役をこなすハンドミキサーが販売されています。人間工学に基づいたスリム&フィット形状で、手にしっかりとなじみます。
また、本体に搭載されているのはブラウン独自開発によるモーターです。パワフルかつ均一に食材をつぶしたり刻んだりできるため、後の調理が楽になります。
アタッチメントはボタン一つで外せるほか、食洗機にも対応可能です。使い勝手がよく、日々の料理を楽にしてくれそうです。
ブラウン マルチクイック7 MQ735
自分にピッタリの商品を見つけよう
ハンドミキサーは、手間のかかる泡立やかき混ぜの効率をアップしてくれるアイテムです。ただし、種類のバリエーションや価格帯は幅広いので、まず「本当に必要な機能は何か?」を見極めることが大切です。
このたび紹介したさまざまなハンドミキサーから、ぜひ自分にぴったりの商品を見つけてみてくださいね。