借金のように睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」というワードも話題になり、睡眠が改めて注目されている印象です。睡眠の質を上げるため、寝具にこだわっている人も少なくないはず。自分の身体に合ったものが作れるオーダーメイド枕もよく見かけますが、枕を変えることで実際にどれほどの影響があるのでしょうか。 今回伺ったのは「&Free ねむりの相談所」。寝具メーカー「西川」が眠りに関する研究と技術をもとに、コンサルティングと測定によって最適なオーダーメイド枕を作ってくれるそう。さっそくオーダーメイド枕を作成する手順とともに、安眠につながる枕選びのポイントを教えていただきました。
枕選びのポイント
(1)好みの素材を選ぶ
枕を選ぶ際には、「素材」と「高さ」のふたつが重要。「&Free」では、硬くてしっかりした「そば殻」や低反発で柔らかい「エンジェルフロート」など、6種類の中から素材を選択できます。枕の硬さの好みは個人差があり、「硬い方が良い・悪い」などといったことはないそう。これまで使用してきた枕にも関係があるので、素材は自分好みのものを選べばOKです。
(2)高さを計測する
その後、専用の器具「プレスシェイパー」で頭~首~背中までのラインを計測。結果をもとに、自分に合った高さの枕を作成します。 睡眠時の体勢で一番理想的なのは、“立った状態に近いこと”。その体勢をサポートするために枕の高さが重要になってきます。身体のラインは男女差や体型などにはあまり左右されず、人によって大きく異なるので、自分の形状に合った枕の高さを割り出してくれます。 就寝中は、首や肩に頭の重さを支える負担がかかります。きちんと支えられていないと、疲労の原因にも。朝起きたときに首や肩が痛かったりすると、枕が合っていない可能性があります。
(3)実際に試して微調整する
好みの素材と測定結果をもとに作ったサンプル枕で実際のフィット感をチェックし、微調節していきます。 「&Free」の枕は、中心部と比べて両端が高くなっているのが特徴。それは、仰向けと横向きで寝るのとでは、最適な枕の高さが異なるから。仰向けに寝たときを考慮し、中央は首に合わせた高さに。両端は、横向きに寝た場合に備えて高さをプラスしているそう。枕の位置は、枕の下側が両肩にあたるあたりがベストなので、普段から正しい位置に合わせて寝るようにしましょう。 また、枕の高さは使用しているマットレスによっても変わってきます。たとえば、マットレスが硬ければ身体も沈みにくいので、柔らかいタイプを使っているときよりも枕の高さが必要ですよ。
(4)調合する
ここまでの調整結果から、自分に合った枕を仕立ててもらえます。こうして、世界にたった一つのオーダーメイド枕が完成です。 中の素材にもよりますが、だいたい3年程度でへたってくるので、定期的に交換することが大切です。
仮眠をとる際は、横にならないこと
ちなみに、「昼寝をした方が効率も上がる」といった話もよく耳にしますよね。日中の仮眠は、完全に横になって眠らないことがポイントというのをご存知でしょうか。深い眠りに入ってしまうと、起床後に頭がボーッとして返って頭も冴えないのだとか。昼寝をするなら、座ったままうつ伏せの状態または上半身を少し起こした形で寝るのがベターだそうです。 ▲おひるね専用ピローアイテム「konemuri」 身体が痛くならないように、クッションなどでサポートしてあげると○です。仕事中に仮眠を取る際は、お昼寝用のアイテムを持っておくといいですよ。 また、普段安眠するためのポイントは、自分に合った枕を使用すること以外にもあります。たとえば、寝室環境で重要になるのは「温度」「湿度」「明るさ」「音」の4つ。「ねむりの相談所」では、これらのデータを測定するセンサを貸し出し、実際に計測することができます。寝ているときの環境にもぜひ注目したいですね。 朝の目覚めが良いと、やる気も上がって仕事の質にも変化がありますよね。しっかり寝ているはずなのに、なんとなく身体がだるかったり、活力が起きなかったりする場合、もしかしたら“睡眠の質”が影響しているかも? 充実した日を過ごすためにも、普段の寝具から見直してみてはいかがでしょうか。 取材協力/日本橋西川 住所: 東京都中央区日本橋1-5-3 電話番号:0120-543-443 営業時間:10:30~18:30 定休日:無休 &Free https://andfree.jp/