少しずつ春めき始めたこの季節。お庭やベランダで花植えや家庭菜園を始める方も多いのではないでしょうか。
そんな中、多くの園芸家を毎年悩ませているのは「アブラムシ」です。その有害さは、「アブラムシが大量に繁殖すると、お庭に植えたものが全てダメになる」と言われるほどです。
この記事では、日々の水やりやお手入れと一緒にできる、アブラムシの効果的な予防方法や対処方法についてご紹介します!
目次
アブラムシはいつ・どこで発生しやすい?
まずは、アブラムシの発生しやすい時期や環境について把握しておきましょう。
発生時期は3月〜10月頃
アブラムシが現れ始めるのは、春先の3月頃です。4月頃から積極的に活動を始め、9月〜10月まで活動が続きます。
アブラムシの発生時期は、ガーデニングに適した時期とちょうど重なります。アブラムシの被害に遭わないためには「日々のお手入れの中でどのように対策していくか」がポイントです。アブラムシは繁殖速度が早いので、アブラムシが発生していないか日頃からチェックしておくことも大切です。
株間が狭いエリアに注意しよう
アブラムシの発生しやすい場所は、植物が密集していて株間が狭いエリアです。狭いスペースにあれこれ植えてしまうと、アブラムシに格好の隠れ家を与えてしまいます。人の目でもアブラムシの姿を見つけにくくなります。苗を植えるときは株間を詰めすぎないようにしましょう。
風通しが悪い環境も、アブラムシにとっては居心地の良い場所になってしまいます。一つ一つの苗が新鮮な空気に触れられるよう、十分なスペースを確保しましょう。
肥料の撒きすぎがアブラムシを呼び寄せる!?
園芸初心者が陥りやすい落とし穴として、「肥料を撒き過ぎている」という問題があります。肥料は植物の成長を助ける便利なアイテムですが、使いすぎには要注意。アブラムシや他の害虫たちは、肥料に含まれる窒素分を好んで群がります。
肥料を撒くときは、購入した製品の説明書きや注意事項に従って、適切な分量を使用しましょう。すでにアブラムシに悩まされているときは、肥料の量を思い切って減らしてみることも有効です。
アブラムシを寄せ付けない!お酢だけで作れる防虫スプレー
アブラムシは繁殖力が強く、一度発生してしまうと除去することが難しい害虫です。アブラムシ対策では、発生してしまった後の対処より日々の予防が重要です。
おすすめのアブラムシ予防法は、食物酢だけでできる『お酢スプレー』です。日々のお手入れ後にお酢スプレーをさっと吹きかけるだけで、アブラムシの防虫効果が期待できます。
お酢スプレーの作り方
さっそく、お酢スプレーを作ってみましょう。
<作り方>
お酢と水を1:30の割合で用意して、霧吹きの中でよく混ぜる。
<注意点>
- お酢の濃度が高すぎると、植物が変色してしまうことがあります。お酢側の希釈比率を濃くしないでください。
- 手洗い用洗剤を小さじ1程度混ぜると、お酢が植物に付着しやすくなります。
作り方はたったのこれだけ!ものの1分もあれば、すぐに作ることができます。
お酢スプレーの使い方
次に、お酢スプレーの基本的な使い方についてご説明します。
<適した環境>
よく晴れた風の穏やかな日。
<使い方>
お庭全体にまんべんなく散布します。1箇所に1〜2プッシュ程度で十分です。かけすぎに注意してください。
<注意点>
- 雨が降っているとスプレーがすぐに流れてしまいます。強風の日も、スプレーが枝葉に付着しにくくなるので避けましょう。
お酢スプレーの散布頻度
1週間に2〜3回を目安に散布しましょう。「今日はきれいに晴れたな」と感じた日に撒いておく、くらいの頻度がちょうどいいです。ガーデニング期間を通して、定期的にスプレーの散布を続けてください。
防虫にお酢を使うメリットとは?
アブラムシには多くの予防法や対処法があります。その中でもお酢スプレーを特におすすめする理由が3つあります。
- 人やペットに無害
- 家にあるものだけで簡単に作れる
- 水やりの後に少量を吹きかけるだけ
ここからは、お酢スプレーのメリットについてより詳しくみていきましょう。
人やペットに無害
お酢スプレーの最大の強みは、「人やペットに無害」なことです。食物酢を水で割るだけなので、農薬や化学製品を一切使用せずに作ることができます。
農薬や化学製品の種類によっては、人やペットにも悪影響を及ぼす可能性があります。「お手入れをしているときに、誤って吹きかけてしまったら…」「目を離したときに誤飲してしまうかも…」といった不安から、使用を避けたい人は少なくないはず。
お酢スプレーなら、子どもやペットに誤って振りかけてしまっても害はありません。誤飲をしても酸っぱさに驚く程度です。お酢スプレーは最も安全なアブラムシ対策です。
家にあるものだけで簡単に作れる
お酢スプレーは、お酢を水で薄めて、霧吹きに入れるだけで完成します。使用するお酢は、普段口にする食物酢や果実酢で十分です。思い立ったときに気軽に作ることができ、すぐに補充できる点がお酢スプレーのメリットです。
水やりの後に少量を吹きかけるだけでいい
アブラムシ対策では、「日々のこまめなお手入れ」が最も効果的です。水やりや雑草取りの後に、お酢スプレーをさっとひと吹き。この手軽さがお酢スプレーの素晴らしさです。
アブラムシが発生してしまったときの対処法
ここまでは、お酢スプレーを使ってアブラムシを予防する方法についてご説明しました。しかし、すでにアブラムシが発生している場合はどうすればいいでしょうか?残念ながら、お酢スプレーはアブラムシの駆除にはあまり向いていません。
そこで、ここからはアブラムシの駆除方法についてご紹介します。大量に増える前であれば、以下の方法で駆除することができます。
牛乳スプレーでアブラムシを撃退
アブラムシは牛乳をかけられると、呼吸孔が塞がって死滅します。お酢スプレーと同じく、家にあるもので簡単に作れることが牛乳スプレーのメリットです。
<作り方>
牛乳を霧吹きに詰める。(希釈は不要です。)
<使い方>
- 散布前の水やりは控える/日当たりや風通しの良い日を選ぶ
- アブラムシに噴きかける
- 牛乳が乾くまで放置する
- ジョウロなどでよく洗い流す
<注意点>
- 牛乳をかけたまま放置すると、ニオイの原因になります。かけすぎに注意して、散布後はよく洗い流すようにしてください。
広範囲に散布するなら重曹スプレーもおすすめ
牛乳の匂いが苦手、もしくは、大量消費がもったいない場合は、重曹スプレーが効果的です。お酢や牛乳に比べると手間がかかりますが、十分な効果が期待できます。
<作り方>
- 重曹(小さじ1)と調理油(20ml)を混ぜる
- 水(500ml)を混ぜる
- 台所用中性洗剤(1~2滴)を混ぜる *水と油の分離防止
<使い方>
- スプレーをよく振ってからアブラムシに吹きかける
- 水分が乾くまで放置する
- ジョウロなどでよく洗い流す
<注意点>
- 水と油の分離を防止するため、吹きかける前によく振ってください。
- 重曹スプレーをかけたまま放置すると、植物が変色する恐れがあります。かけすぎに注意して、散布後はよく洗い流すようにしてください。
手に負えない場合はプロに相談してみよう
アブラムシが大量に発生してしまった場合、家庭用の農薬に頼る方法があります。ベテランの園芸家なら農薬のノウハウや口コミにも詳しいかもしれません。
一方で、園芸初心者にとって、農薬使用のハードルが高いことも事実です。口に入れる野菜などを育てている場合は特に不安に感じてしまいますよね。
頼れる友人や園芸仲間がいない場合は、プロを頼る方法が確実です。アブラムシは一度発生すると、あっという間にお庭全体に広がっていきます。手に負えなくなる前に早めに相談しましょう。その場の駆除だけでなく、あなたのお庭に合った対処法や予防法をアドバイスしてくれますよ。
まとめ
アブラムシ対策は、普段のお手入れから!発生してしまった後に対処することより、日頃から予防しておくことが大切です。
お酢スプレーなら、”今すぐに”、”誰でも”、”簡単に”用意することができ、”安全に”使用することができます。お天気のいい日の水やり後には、お酢スプレーを吹きかけるお手入れも取り入れてみませんか?
アブラムシを寄せ付けない、快適なガーデニングライフを満喫しましょう♪