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ホタルイカを刺身で食べたい!生食が危険なのはなぜ?下処理のやり方と美味しい食べ方も紹介

身が柔らかく、甘みがあるホタルイカ。ボイルされたものを食べたことがある人は多いと思いますが、刺身で食べた経験のある人は少ないのではないでしょうか。

生のホタルイカには、食中毒の原因となる寄生虫がいる可能性があるため、加熱して食べることが推奨されています。しかし、下処理された鮮度の良いホタルイカであれば、刺身で食べることも可能です。

今回は「ホタルイカを刺身で食べてみたい」という人のために、生食する場合の下処理のやり方や美味しい食べ方を紹介します。

生のホタルイカの危険性についても最初にお伝えするので、食中毒が発生する可能性を理解したうえで調理してくださいね。

ホタルイカを刺身で食べるのは危険?

ホタルイカの内臓には、寄生虫である旋尾線虫(せんびせんちゅう)やアニサキスが寄生している可能性があります。これらの寄生虫を摂取すると食中毒を引き起こす危険性があるため「新鮮なホタルイカかどうか」「下処理がおこなわれているかどうか」などを見極める必要があります。

旋尾線虫とは、体長約10mm、体幅約0.1mmの糸くずのような白くて細長い形をしている寄生虫です。タラやスルメイカなどの内臓にも寄生していることが確認されています。その中でも、特にホタルイカの内臓から多く検出されており、寄生率は2〜7%といわれています。

また、アニサキスとは旋尾線虫と同じく細長い形をしており、体長約2〜3cm、体幅約0.5〜1mmの寄生虫です。ホタルイカ以外にもサバやアジ、イカなどの魚介類を介して、ヒトの体内に侵入します。

寄生虫を摂取してしまうと、食中毒症状を起こす危険性があります。特に、免疫力の低い子供や高齢者、体調を崩して免疫力が低下している人は、注意が必要です。

食中毒を防ぐためのホタルイカの捌き方や下処理の方法を後ほど紹介するので、記事の後半も参考にしてくださいね。

生のホタルイカがスーパーで売られていないのはなぜ?富山のホタルイカは鮮度抜群!

日本海のほぼ中央に位置する富山湾は、ホタルイカの漁獲地として有名。他の湾岸で獲れるホタルイカよりも身が大きく、鮮度が高いと評判です。

兵庫県や新潟県でもホタルイカの漁獲はおこなわれていますが、なぜホタルイカが富山の特産品と呼ばれているのか解説していきます。

  • 富山のホタルイカは定置網で漁獲されるから鮮度が高い!旬の時期はいつ?
  • 生のホタルイカがスーパーで販売されていない理由

鮮度の悪い生のホタルイカの特徴も紹介するので、スーパーや市場で購入する際の参考にしてくださいね。

富山のホタルイカは定置網で漁獲されるから鮮度が高い!旬の時期はいつ?

富山では、網を海中に固定して回遊する魚を誘い込む「定置網漁法」が用いられています。魚が暴れないようにゆっくりと網を引き上げるため、魚体が傷つきにくい利点があります。

さらに、網を引き揚げる寸前までホタルイカは自由に泳ぎ回れるので、ストレスがかかりにくく、鮮度の良い状態で獲れるのです。

一方、富山「以外」の地域のホタルイカ漁では、海底に沈めた袋状の網を漁船で引いて魚を獲る「底引き網漁法」がおこなわれています。

ホタルイカは魚のように体表を覆うウロコがなく、小さくて繊細な生き物です。底引き網漁法だと、網にかかった魚に接触して傷が付いたり圧迫したりして、鮮度が落ちてしまうのです。

漁法の違いはもちろん、富山湾の餌の量や質なども、ホタルイカの美味しさや大きさに影響を与えているのではないかと考えられています。

ホタルイカは毎年3〜6月頃に旬を迎えます。美味しい生のホタルイカを見極めるのは難しいため、スーパーや市場で見かけた際には「鮮度の悪いものを避ける」ことがポイントです。

ホタルイカが以下のような状態であれば、購入するのを控えましょう。

  • 黒目の部分がくすんでいる
  • ドリップが多く出ている
  • 変な臭いがする

購入時は鮮度が良くても、調理せずに生のまま数日冷蔵庫で放置すると、徐々に傷んでいきます。調理する前に見た目やニオイを確認し、安全だと判断したうえで食べるようにしてくださいね。

生のホタルイカがスーパーで販売されていない理由

生のホタルイカには、旋尾線虫やアニサキスなどの寄生虫が潜んでいる危険性があるため、多くのスーパーや市場では、ボイルされたものが販売されています。「ホタルイカの刺身が食べたい」と思っても、生食用はなかなか手に入らないのが現状です。

また、富山で獲れるホタルイカの鮮度が高い理由の1つに、漁場から漁港や加工場が近いことが挙げられます。獲ったホタルイカをすぐに下処理したり加工したりできるのです。

ただ、そのような好条件が揃った富山でも、水揚げされたホタルイカのほとんどは、すぐに釜茹でして出荷されます。

旋尾線虫とアニサキスは、熱に弱い特徴があります。安全を第一に考えるのであれば、ホタルイカを加熱して食べたほうがいいでしょう。

以下の方法を取り入れれば、寄生虫は死滅するといわれています。

  • 100℃以上のお湯で30秒以上加熱
  • ホタルイカの中心温度が60度以上になるまで加熱

しかし、鮮度が高いホタルイカを丁寧に下処理すれば、刺身で食べることも可能。通販サイトでも鮮度の良い富山産のホタルイカが販売されています。冷凍されたものが届くため、解凍後、刺身にして食べられますよ。

生のホタルイカを安全に食べるための方法

食中毒の危険性がある生のホタルイカですが、下処理をきちんとおこなえば美味しく食べられます。ホタルイカの下処理に初めて挑戦する人は「難しい」と感じるかもしれませんが、慣れれば簡単です。

ホタルイカの刺身を食べるなら「安全第一」なので、一つ一つの工程を丁寧におこなってくださいね。

  • 刺身で食べるなら冷凍保存しよう
  • 簡単な捌き方と下処理

ホタルイカをボイルして食べる際の下処理とは、少しやり方が違います。「ボイル用の下処理はしたことがある」という人も、ぜひ参考にしてください。

刺身で食べるなら冷凍保存しよう

冷凍で販売されているホタルイカであれば問題ありませんが、生のものを購入した場合は、一度冷凍してから食べましょう。ホタルイカを冷凍保存すれば、旋尾線虫やアニサキスなどの寄生虫による食中毒を防げるといわれています。

以下の方法で冷凍処理をおこなってください。

  • -30℃で4日間以上
  • -35℃で15時間以上
  • -40℃で40分以上

メーカーや機種によって多少の違いはありますが、家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度は-18℃前後。これは、微生物の繁殖を防ぐのに適した温度設定ですが、寄生虫の死滅温度には達していません。

また、冷凍環境が悪いと温度が下がりきらず、寄生虫が死滅しない可能性もあります。-30℃以下の温度を保つことが不可能な冷凍庫であれば、すでに冷凍処理されたホタルイカを購入するか、生食を諦めて加熱して食べましょう。

簡単な捌き方と下処理

寄生虫は、主にホタルイカの内臓に寄生しています。刺身で食べる場合、内臓を取り除くのが最も安全です。

ホタルイカの捌き方と下処理を紹介します。包丁で取り除きにくい口や目玉は、ピンセットを使うと取りやすいですよ。

  1. 目玉の上の部分を掴んで脚を引き抜く
  2. 目玉の上に付いている内臓を切り離す
  3. 内臓は捨てる
  4. 目玉をピンセットで取る
  5. 胴体の軟骨を指で摘まんで引き抜く
  6. 脚の間にある口をピンセットで取る
  7. 脚と胴体の中をしっかり洗う

ホタルイカの胴体の中に内臓が残っていると、食中毒リスクが高まります。一つ一つ中までしっかり洗い流しましょう。

ホタルイカは小さくて軽いので、洗う際に蛇口の水の勢いで手から滑り落ちてしまうことがあります。水を溜めたボウルを用意すると洗いやすいですよ。

内臓を取り除けば食中毒対策になりますが、内臓にはホタルイカの旨味成分が凝縮されています。内臓も一緒に食べたい人は、以下の動画を参考にしてみてください。内臓を残して食べる場合は、必ず冷凍処理されたホタルイカを使ってくださいね。

ホタルイカの美味しい食べ方!おすすめのタレや薬味はなに?

ホタルイカといえば沖漬けや酢味噌のイメージがありますが、その他にも、ホタルイカと相性の良いタレや薬味はたくさんあります。

新しい食べ方に挑戦してみたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

  • そのまま食べるなら何をつけるのがおすすめ?
  • 定番の酢味噌と沖津漬けのレシピ

それぞれみていきましょう。

そのまま食べるなら何をつけるのがおすすめ?

ホタルイカの刺身に合うタレや薬味は、醤油とワサビだけではありません。以下の組み合わせで食べるのがおすすめです。

  • 醤油とワサビ
  • 醤油とネギ
  • 醤油と細切り生姜
  • 醤油とすだち
  • ポン酢ともみじおろし

さまざまなタレや薬味を用意し、食べ比べてみるのも楽しいかもしれませんね。

定番の酢味噌と沖津漬けのレシピ

定番の酢味噌や沖漬けで食べたいという人は、以下のレシピをぜひ参考にしてくださいね。

酢味噌

調味料を混ぜるだけで簡単にできる酢味噌。甘めが好みの人は砂糖を、少しツーンとくるような辛さが欲しい人はからしを少し多めに入れるといいですよ。

酢味噌に必要な調味料

  • 白みそ 大さじ3
  • 酢 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1.5
  • からし 少々

沖漬け

ホタルイカの沖漬けは、スーパーなどでビン漬けされたものをよく見かけますが、自宅で簡単に手作りできますよ。生のホタルイカがたくさん余った人や刺身に飽きてしまった人は、ホタルイカの沖漬けにチャレンジしてみましょう。お酒のつまみにぴったりですよ。

冷凍処理と下処理されたホタルイカを必ず使用してくださいね。

沖漬けに必要な調味料(ホタルイカ約20杯の場合)

  • ホタルイカ 20杯
  • 醤油 50cc
  • みりん 50cc
  • 酒 50cc

沖漬けの作り方

  1. 鍋にみりんと酒を入れて火にかける
  2. ①を沸騰させてアルコールを飛ばす
  3. ②の粗熱が取れたら醤油を入れる
  4. ③が完全に冷めたらホタルイカを入れる
  5. 冷蔵庫で最低1日寝かせて完成

完成した手作りホタルイカの沖漬けは、冷凍保存が可能です。冷蔵保存であれば早めに食べ切る必要があるので、たくさん作った場合は小分けにして冷凍保存するといいでしょう。

まとめ|ホタルイカは下処理をおこなってから刺身で食べよう

生のホタルイカには、旋尾線虫やアニサキスなどの寄生虫が寄生している危険性があるため、食中毒対策として加熱して食べることが推奨されています。

刺身で食べる場合は、冷凍処理済みのホタルイカを必ず購入してください。醤油をつけて食べてももちろん美味しいですが、生姜やポン酢などのタレや薬味とも相性抜群です。ぜひいろいろな食べ方に挑戦してみてください。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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