成人の日は華やかな衣装に身を包み、大人の仲間入りを祝う大イベントです。その日は多くの人が地元に戻ってきて、学生時代を一緒に過ごした友人と久しぶりに再会して思い出話に花を咲かせることでしょう。
誰もが通ってきた道ではあるけれど、意外にも「成人の日がなぜ祝日なのか」知らない人は多いのではないでしょうか。
さらに、2022年4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下がり「いつ祝えばいいのか」「成人式の対象は何歳なのか」といった疑問がどんどん出てきますよね。これから成人を迎える人やその親御さんは混乱するでしょう。
そこで今回、成人の日が祝日になった歴史や由来に焦点を当てながら、2023年以降の成人式の対象年齢や祝い方について紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
成人の日が祝日になった理由や歴史
成人の日とは内閣府が発表している通り「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」日です。
今では当たり前のように1月の三連休の最終日が成人の日ですが、昔は成人を祝う日は1月15日に固定されていました。では、なぜ1月15日に祝っていたのでしょうか。成人式は昔から行われていたのでしょうか。
- 成人の日の由来は小正月
- 2022年から成年年齢が18歳に引き下がる
- 現在は1月第2月曜日が成人の日
成人の日の歴史、そして祝日になった理由などを紹介します。
成人の日の由来は小正月
現在ではあまり使われていませんが、1月1日を大正月と呼ぶのに対し1月15日は小正月と呼んでいました。小正月は正月を締めくくる日でもあり、関西を中心としたエリアでは1月15日が門松やしめ縄を飾る期間を表す松の内の最終日です。
この小正月に、奈良時代以降から続く男性の成人を祝う儀式「元服の儀」が古来の風習として行われていました。元は頭を表し、服はその名の通り着るものを表します。髪を結ったり冠または烏帽子をつけたりし、大人の装いや髪型に変えることで大人の仲間入りを祝いました。
また、女性も男性のように成人を祝う儀式「裳着(もぎ)」がありました。これは腰に巻きつけるスカートのようなものを表す裳を着て髪の毛を結い上げ、結婚が決まったタイミングで行われていました。
現在行われている成人の日では、特に女性は華やかな振袖を着て大人の仲間入りを祝います。裳着の影響が現代にまで残っていることが分かりますね。
現在は1月第2月曜日が成人の日
これまで成人の日は1月15日でしたが、2000年から1月第2月曜日に変更しました。その理由として、ハッピーマンデー制度が挙げられます。ハッピーマンデー制度とは、一部の祝日を固定ではなく月曜日に移動させ3連休を作る制度のことです。
そのため曜日は変わらないものの、毎年日にちが変わりました。たとえば、ここ最近の成人式は以下の通りです。
年 | 日にち | 曜日 |
2019 | 1月14日 | 月曜日 |
2020 | 1月13日 | |
2021 | 1月11日 | |
2022 | 1月10日 |
多少前後するので「覚えにくい」といった声もありますが、3連休になることで大学進学のために県外に出ていた人が地元に戻りやすいといったメリットがあります。
2023年以降の成人式はどうなる?対象者や日にちについて
2023年以降の成人式もこれまで通り1月第2月曜日におこなわれます。しかし、成年年齢の引き下げによって成人式の対象年齢が地域によって異なる可能性が考えられます。
成人式の対象年齢や日にちについて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 成人式の始まりは埼玉県蕨市
- 成人式の対象者は20歳にしている自治体が多い
- 2023年と2024年の成人対象者
- 祝日なのに会社を休めない人もいる
それではひとつずつみていきましょう。
成人式の始まりは埼玉県蕨市
現在の形で成人の日を祝うようになったのは、1946年に埼玉県蕨市で開催された青年祭の催しのひとつ、成年式が始まりといわれています。戦後の混乱のさなか、若者たちを励まそうと祭りを企画したそうです。
その後、1948年に施行された「国民の祝日に関する法律」が定められ、全国的に成人の日が浸透していきました。
2022年から成年年齢が18歳に引き下がった
明治時代から140年間続いた民法の成年年齢20歳が、2022年4月から18歳になりました。
これによって、2002年4月2日〜2004年4月1日生まれの人はすでに19歳または18歳なので成人です。また、2004年4月2日生まれの人は、18歳の誕生日を迎えた時点で成人の仲間入りです。
成年年齢の引き下げによって、これまで20歳にならなければできなかったことが、18歳からできるようになります。
18歳からできること
- 携帯電話の契約
- 部屋を借りる
- クレジットカードをつくる
- ローンを組む
- 進学や就職などの進路などを自分の意思で決定できる
- 10年有効のパスポートを取得
- 公認会計士や司法書士、行政書士などの国家資格取得
ただ、これまで20歳からできていたこと全てが18歳からできるようになるわけではありません。混乱しないように、これから18歳を迎える人やその親御さんは覚えておきましょう。
20歳にならなければできないこと
- 飲酒
- 喫煙
- 競馬やオートレースなどの投票権の購入
18歳といえば、高校を卒業して大学や専門学校に進学するタイミングです。学校の規則から解放された弾みで、親に相談することなく一人でなんでも契約してしまう人もいるかもしれません。
成人になれば、契約に対して責任を負うのは自分自身です。消費者トラブルに巻き込まれないためにも、契約に関する知識やルールをきちんと理解しておくといいですよ。
成人式の対象者は20歳にしている自治体が多い
2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、成人式は従来と変わらず20歳を対象にしている自治体が多いです。
もしも大学受験を控えた18歳の高校3年生が成人式の対象者であれば、忙しくて参加できない人も出てくるでしょう。また、お酒が飲めない、受験・入学・引っ越し費用で経済的負担が大きいなどのデメリットが考えられます。
実施時期や対象年齢は法律で定められているわけではないので、自治体に判断を委ねているのが現状です。
これから先、成人式の対象年齢や開催日時が変更していく可能性は十分に考えられます。20歳以下の人は、自治体のホームページを確認するなどして動向をチェックしておきましょう。
2023年と2024年の成人対象者
2023年2024年に成人を迎える人、20歳で成人式をする場合の対象者を紹介します。
2023年 | 2004年4月2~2005年4月1日 |
2024年 | 2005年4月2~2006年4月1日 |
2023年 | 2002年4月2日~2003年4月1日 |
2024年 | 2003年4月2日~2004年4月1日 |
現在は、多くの自治体が20歳を対象に成人式を開催する予定です。成人になるタイミングと成人式に参加するタイミングが混乱しないように気をつけてくださいね。
祝日なのに会社を休めない人もいる
成人の日は祭日ではなく祝日なので、一般的に会社は休みです。しかし、20歳を過ぎた会社員ならまだしも、成人式対象者である20歳の人でも会社を休めないことがあります。たとえば、人手不足やシフト制の会社、成人対象者を把握していないなどの理由が挙げられます。
土日祝が稼ぎ時の会社であれば上司に休み希望を言いにくいかもしれませんが、成人式は人生に一度の大イベントです。親御さんも子供の晴れ姿を見たいはずです。
上司に休みをもらえないかどうか相談してみましょう。気持ちよくその日を迎えるためにも、余裕をもって1ヶ月前までに休み希望を伝えるといいですよ。
成人の日にふさわしいお祝いの仕方!食べ物やプレゼントなど
成人式であれば友人と式典に参加して夜は同窓会といったスケジュールが多いでしょう。しかし、18歳で大人の仲間入りをした場合は、成人の日は何をすればいいのかいまいちピンとこないですよね。そこで今回は、18歳でも20歳でも家族と楽しめるお祝いの仕方を紹介します。
- 写真館で家族写真を撮る
- 親から子供へプレゼント
- 子供から親へプレゼント
- 豪華料理や親の手作り料理を食べる
上記を順に紹介します・
写真館で家族写真を撮る
日頃から写真を撮る習慣のある家庭でも、成人の日はプロのカメラマンに写真館で家族写真を撮ってもらってはいかがでしょうか。アルバムを数冊購入して、親戚や近所に見せたり贈ったりするのもいいかもしれません。
プロのカメラマンに撮ってもらえば、全員正面を向いているきれいな写真を残すことができますよ。
親から子供へプレゼント
大人の仲間入りをしたお祝いに、記念になるものを贈ると子供は喜ぶでしょう。たとえば、万年筆やアクセサリーなど、これから先一生使えるものがいいですね。
社会人になったり結婚をしたりして親元を離れた後でも、家族との思い出や親のありがたみを思い出すきっかけになるはずです。
子供から親へプレゼント
これまで育ててくれたお礼に子供から親へプレゼントしてみませんか。高価なものでなくても構いません。形に残るものでも、ご飯を作ったり肩もみしたり形に残らないものでも構いません。気持ちが大切です。
豪華料理や親の手作り料理を食べる
せっかくの祝いの場なので、成人した本人の食べたいものを用意するといいですよ。お寿司や焼肉などの豪華な料理もいいですし、またはお父さんやお母さんの手料理を準備するのもいいでしょう。
親戚が集まるのであれば、おじいちゃんやおばあちゃんも食べられる料理を別に用意してあげてくださいね。
まとめ:成人の日は大人の仲間入りをした若者を祝う祝日
成人の日は奈良時代から続く儀式が由来で1月15日に行われていましたが、現在は1月第2月曜日の祝日に変更。内閣府は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。」日として定めています。
2022年4月から成人対象者が20歳から18歳に引き下げられましたが、18歳からできるようになったこともあれば、これまで通り20歳にならなければできないこともあります。
多くの自治体で成人式は20歳を対象に開催するようですが、今後対象年齢や開催時期が変更していく可能性があります。これから成人を迎える人は自治体のホームページのチェックを忘れないでくださいね。