インスタグラムでもブームのカリグラフィーは、おしゃれな飾り文字として、ちょっとしたメッセージやメモを、楽しく特別なものに変えてくれます。初心者でも扱いやすいカリグラフィーペンの選び方・始め方や、タイプごとのおすすめを紹介します。
目次
アルファベットを美しく見せるカリグラフィー
SNSに投稿された写真を見て、カリグラフィーに挑戦したくなった人もいるでしょう。カリグラフィーとは何か、どうすれば簡単に始められるかを見ていきます。
カリグラフィーは西洋風書道
カリグラフィーとは、アルファベットを美しく見せるための様式で、日本でいう書道と似ています。もともとカリグラフィーには、文字の傾き方・ペン先を紙に当てる角度などの細かなルールがありました。
近ごろ日本や海外で流行っている「モダンカリグラフィー」は、古典的なタイプよりも自由度が高く個性を出しやすいのが特徴です。SNSに、カリグラフィーで華やかに演出したメッセージカードや、手帳の写真を投稿するのも楽しいでしょう。
初心者向けカリグラフィーの始め方
モダンカリグラフィーの大まかなルールは、次の二つです。
- 文字の大きさ・間隔・傾斜をそろえる
- 上から下に書くときはやや強めに太く、下から上に書くときは力を抜いて細く書く
とにかく簡単に始めたいという人向けに、ゼブラ・ぺんてるなどの文具メーカーサイトにはお手本シートがあります。紙の下に印刷したお手本シートを敷いてなぞるだけで、おしゃれなカリグラフィーの完成です。
基本的に、慣れるまである程度の練習が必要で、本屋には初心者用のドリルが売られています。本格的に始めたくなったら、通信教材や、スクールにチャレンジするのも良いでしょう。
カリグラフィーペンの選び方
(出典) pexels.com
カリグラフィーには、専用のペンを使います。初めての人は扱いやすく、あまり手間の掛からないペンが良いでしょう。サインペン・万年筆・付けペンタイプそれぞれの特徴と、インクの交換方式やペンの太さの選び方を説明します。
手軽なサインペンタイプから始めるのがおすすめ
カリグラフィーペンの主なタイプは、サインペン・万年筆・付けペンの3種類です。付けペンは、ペン先にインクを付けて書きます。古典的なカリグラフィーでは一般的ですが、扱い慣れるまでに時間がかかります。
万年筆はインクの種類が多く、長く愛用できるのが魅力ですが、インクの補充やペン先の手入れが必要です。
安くて手入れが要らず、1番気軽に始められるのはサインペンです。初めはサインペンで練習し、カリグラフィーが身に付いてきたら、万年筆・付けペンにチャレンジしてみると良いでしょう。
インクの交換方式はカートリッジが簡単
万年筆を選んだ場合、インクの交換方法でさらに2種類に分けられます。インクの詰まったカートリッジを入れ替える方式は簡単ですが、普通はペンと同じメーカーのカートリッジしか合わないため、利用できる色数を事前にチェックする必要があります。
コンバーター式は、ボトルのインクを吸い上げる方式です。インクの色数が豊富で、長く愛用するならコスパが高くなるというメリットがあります。万年筆を使ったことがないなら、手軽に交換できるカートリッジ式から始めるのがおすすめです。
書きたい文字の大きさでペン先を選ぶ
カリグラフィー用のペンは、1本で細文字と太文字を書き分けられるため、筆幅は文字の大きさや、書くスペースの広さで決めます。
たとえば、メッセージカードに大文字を目立つように書くなら、太文字が映える1.5~2.0mm幅が適切です。逆に、手帳の狭いスペースに細文字を書くなら、1.0mm幅程度のペン先が合います。
カリグラフィーで何をしたいのかイメージが固まっていない場合は、太ペンと細ペンを1本ずつか、太細両用タイプを購入するのがおすすめです。
手軽に使えるサインペンタイプ4選
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サインペンタイプは特に手入れが要らず、普段使うカラーペンの延長として手に馴染みやすいでしょう。筆圧だけで強弱を付けられる筆ペンタイプや、優しい色味が人気の商品を紹介します。
ぺんてる「筆タッチサインペン」
筆タッチサインペンは、筆圧によって細い線と太い線を書き分けやすい筆ペンタイプです。色数は全部で24色あり、単体、6色セットA・B・C、24色セットが販売されています。
文字幅は約0.7~1.5mmで、水性染料インクが使われています。ビビッドカラーや大人っぽいくすみ色に、2022年9月から新色のソフトカラー6色が加わりました。
色を重ねて混ぜたり、濃淡を出したりするグラデーション使いも簡単で、のびのびと自分を表現できるカリグラフィーペンです。
ぺんてる「筆タッチサインペン」
呉竹「ZIG メモリーシステム カリグラフィー2」
筆幅約3.5mm芯と約2.0mm芯のツインタイプで、メッセージカードや色紙に見栄えの良い大文字を書くのに向いています。
色数は全部で24色、単体・6色・12色・24色のセットが販売されています。サーモンピンクやベビーピンクなど、ナチュラルな優しい色合いが多く、赤系と青系のバリエーションが豊富です。
初めて買うなら、適度な色味と濃淡がそろった12色セットが便利でしょう。筆幅の異なるペンを二組買ったようなお得さと、水性顔料インクの鮮やかな発色が魅力です。
呉竹「ZIG メモリーシステム カリグラフィー2」
ゼブラ「マイルドライナー ブラッシュ」
極細のペン先と筆ペンが付いた、両用タイプのカリグラフィーペンです。極細の筆幅は約0.5~0.7mmで、筆ペンは筆圧によって大きな文字も小さな文字も思いのまま書けます。
水性顔料インクが使われており、カラー展開は全部で25色です。単体、渋・和み・晴れやかなど五つのテーマでまとめられた5色セット、全て入った25色セットがあります。
水彩のような淡い色味は、どれだけデコレーションしても書き文字が埋もれません。文字を見やすくしたい手帳やノートのマーカー、背景イラストにぴったりです。
ゼブラ「マイルドライナー ブラッシュ」
コピック「マルチライナー カリグラフィーブラック2本組みセット」
色とりどりのカラーで書くカリグラフィーも楽しいですが、イラストの線画や細かな文字を書くために、ブラックが欲しい人もいるでしょう。そんな人におすすめな、筆幅約2mmと約4mmの2本がセットになったブラックペンです。
カリグラフィーでよく使われる2サイズは、抑揚のある大文字・細かい文字・イラストの線画にも対応できます。
コピックのマルチライナーは線画用に開発されたペンで、耐水・耐アルコール性の水性顔料により、乾くとにじみにくいのが持ち味です。
コピック「マルチライナー カリグラフィーブラック2本組みセット」
交換が楽なカートリッジ式の万年筆3選
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万年筆の繊細でなめらかな書き心地や、クラシックな雰囲気に憧れる人は多いでしょう。万年筆に慣れていない人でも簡単にインクを交換できる、カートリッジ式のおすすめのカリグラフィーペンを紹介します。
パイロット「パラレルペン」
薄い金属の板を2枚重ねたペン先は、平たい面を寝かせて太字を、細い面を立てて細字を書くというように、線の太さをコントロールしやすいのがメリットです。さびにくい特殊合金のペン先は手入れが楽で、万年筆を初めて使う人に向いています。
ペン本体のカラーは筆幅を表し、約1.5・ 2.4・3.0・ 3.8・4.5 ・6.0mmの6種類があります。
ペンは黒と赤のインクカートリッジが付属していますが、他のカラーは別売りなので注意しましょう。
パイロット「パラレルペン」
セーラー万年筆「ハイエースネオクリア カリグラフィー」
中のインクが見える透明ボディに、深い青のキャップが美しいペンです。筆幅は約1.0・1.5・2.0mmの3種類があり、カートリッジ・コンバーター両用式で、すぐ始められる書き方ガイドと、ブラックインクのカートリッジ3本が付属しています。
セーラー万年筆の公式サイトでは、軽やかなイタリック体や重厚なゴシック体の3書体見本・筆幅ごとの練習用紙がダウンロードできます。
公式サイトには親切な手本動画も掲載されており、カリグラフィーを始めやすい環境がそろっているのがメリットです。
セーラー万年筆「ハイエースネオクリア カリグラフィー」
カヴェコ「フロステッドスポーツ カリグラフィー ナチュラルココナッツ」
名前の通りココナッツミルク色のかわいいデザインは、女性への贈り物に喜ばれそうです。半透明なので中のインク残量が分かり、完全になくなる前にカートリッジの交換時期に気付けます。
筆幅は、約1.1・1.5・1.9・2.3mmの4種類から、好きなペン先を注文できます。カートリッジ式なのでインクの交換がしやすく、説明書と収納ケースが同封されています。
ドイツの文具メーカーらしい機能的なシンプルさと、古典的な優雅さが共存するデザインです。
カヴェコ「フロステッドスポーツ カリグラフィー ナチュラルココナッツ」
インクの種類が豊富なコンバーター式万年筆2選
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カートリッジ式の万年筆に慣れたら、次は色数の豊富なコンバーター式を試したくなるかもしれません。カートリッジ・コンバーター両用で、カリグラフィーを始めやすいセットを紹介します。
MANUSCRIPT(マニュスクリプト)「ビギナーカリグラフィーセット」
イギリスの文具メーカー『MANUSCRIPT(マニュスクリプト)』が販売する、初心者セットです。筆幅約0.85・1.1・1.6mmの交換できる3種類のペン先と、本体・黒のインクカートリッジ・ピストン式のコンバーターがまとめられています。
カートリッジ・コンバーターの両用で、初めは交換の楽なカートリッジを使い、後でコンバーターに切り替えて、インクの色幅を広げることもできます。
カリグラフィーを始めるのに必要な道具がセット一つでそろえられ、価格も手頃な初心者におすすめの商品です。
MANUSCRIPT「ビギナーカリグラフィーセット」
シュナイダー「カリグラフィー用 万年筆セット」
文字の大きさや書体で使い分けやすい、筆幅約1.1・1.5mmの2本セットです。カートリッジ・コンバーターの両用で、ブルーインクのカートリッジが2本付いています。コンバーターは別売りなので、必要に応じて追加購入しましょう。
『シュナイダー』はドイツの老舗文具ブランドで、11gの軽くスリムなボディは持ちやすく、長時間書いても疲れにくいように工夫されています。
「何を書きたいかは決めていないけれど、とりあえずカリグラフィーを試してみたい」という人にちょうど良いセットです。
シュナイダー「カリグラフィー用 万年筆セット」
カリグラフィーペンでおしゃれ文字を楽しむ
(出典) pexels.com
カリグラフィーのビジュアルを目にしたことがあっても、道具や書き方を知らない人は珍しくありません。
「せっかくカリグラフィーを始めたのに、ペンの手入れや扱いが面倒で嫌になった」などということがないように、選び方や使い方を踏まえて、自分に合ったカリグラフィーペンを見つけましょう。