寒くなってくると活躍する暖房ですが、温度管理が難しい上に電気代も気になるので、寝る時の暖房はいつから使うべきなのか悩みますよね。
当然、地域によって寒くなる時期は異なるため、暖房を使い始めるタイミングも違います。
さらに、赤ちゃんがいる家庭は赤ちゃんの体質に合わせて暖房を使用する必要があり、意外と使い方が難しいですよね。
そこで今回は、快適な睡眠環境と電気代の節約という観点も踏まえて、暖房を使い始めるタイミングや使用方法を紹介します。
「寝る時の暖房の正しい設定温度が分からない」という人にも役立つ記事になので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
寝る時のエアコンの暖房機能はいつから使うべき?
寝る時の暖房は、室内温度を基準にして、使い始めるタイミングを決めるといいでしょう。体感温度を参考にするのも大切ですが、目で見てすぐに確認できる温度計を用いるほうがより正確です。
ただ、いつでも室内温度が確認できるとは限りませんよね。出張や転勤が多い人は、その地域の寒くなる時期や気温を把握しておくと便利ですよ。
室内温度20度以下になったら暖房を準備
寝る時の暖房は、室内温度が20度以下になったらいつでも使えるように準備しておくといいでしょう。「20度は暖かいからまだ大丈夫」と感じる人は多いですが、気温は毎日変動し、急に5度以上気温が下がることも珍しくはありません。
さらに、どの地域においても夜と朝とでは気温差が激しいため、寝る時に室内温度が20度でも朝方にはぐっと冷え込む可能性があります。16度以下になると、快適な睡眠が得られなくなると考えられているため、20度を目安に暖房を使い始めましょう。
ただ、昼の暖かさがまだ残っていたり、暖房の温風を暑いと感じたりして、暖房を必要とするタイミングはその都度変わります。
いつでも使えるように、室内温度20度以下になったタイミングで、夏の間にフル稼働したエアコンが稼働するかチェックしたり掃除したりして、準備しましょう。
【都道府県別】寝るときに暖房をつけるといい時期の目安
室内温度20度は暖房の使い始めの目安になりますが、地域によって寒くなるタイミングは大きく変わります。
例えば、ほとんどの地域で10月は18〜26度を観測していますが、札幌と仙台では快適な睡眠が得られなくなるといわれている16度を下回っています。
10月の平均気温 |
11月の平均気温 |
|
札幌 |
12.5 |
7.3 |
仙台 |
15.8 |
11.1 |
東京 |
18.2 |
13.7 |
名古屋 |
19.9 |
13.0 |
大阪 |
20.3 |
14.1 |
広島 |
19.9 |
13.1 |
福岡 |
21.0 |
13.9 |
那覇 |
26.0 |
21.8 |
11月になれば、沖縄以外の地域で16度を下回り、寝る時に暖房が必要になるでしょう。
また、9月から10月にかけて気温差が激しくなるため、東北地域では9月中に、その他の地域では10月中に暖房機能を準備しておくといいかもしれません。
冬の寝る時の暖房の温度設定の目安と使い方
暖房の使い始めの目安が分かれば、次に気になるのが、快適な睡眠を得るための正しい使い方ですよね。夜は、昼間と同じように温度変更が頻繁にできないので、寝る前の設定温度が重要です。
さらに、つけっぱなしにすると暑くなりすぎたり、消したら寒くなったり、夜中に何度も目を覚ますこともあるでしょう。暖房の使い方のポイントを押さえて、快適な睡眠を手に入れましょう。
冬の寝る時のエアコンの設定温度は20度がおすすめ
一般的に、暖房の温度を18〜22度に設定すると快適に過ごせるといわれており、寝る時も同様です。
16度以下であれば寒くて目が覚め、逆に22度以上であっても睡眠に障害がでると考えられているため、実際に多くの人が18〜22度の範囲内で温度を設定しています。
ただ、18〜22度の4度の差は大きいですし、そもそも何を基準にしたらいいか分からないですよね。そこで、環境省が推奨している、”室内温度20度”が目安になります。必ずしも室内温度=設定温度になるわけではないので、室内がきちんと温まっているか、20度を目安に暖房の設定温度を18〜22度に合わせて上手に使いましょう。
つけっぱなしはNGな場合も?体温調節が苦手な赤ちゃんは特に要注意
寝る時に暖房をつけっぱなしにして、暑く苦しく感じたり鼻や喉が乾燥したりして、夜中に目が覚めた経験のある人は多いのではないでしょうか。
だからといって暖房を切ると、一気に気温が下がるためなかなか寝付けないですよね。
暖房をつけっぱなしにすると大人でも寝心地が悪いと感じるので、体温調節が苦手な赤ちゃんはさらに注意したほうがいいでしょう。赤ちゃんは室内温度に応じて布団をはいだり寝返りを打ったりできません。
近年発売されているエアコンのほとんどは、切タイマーと入タイマーの機能が付いています。上手く活用すれば、大人も赤ちゃんも快適に寝られるので、工夫しながら使ってみてください。
寝る時に暖房をつけっぱなしにした時の電気代の節約方法
寒さで風邪をひかないためにも、なるべく暖房はつけっぱなしにしたほうがいいといわれています。そこで気になるのが、つけっぱなしにした時の電気代です。
部屋をきちんと温めながら節約できる方法はあるのかどうか調査したので、ぜひ参考にしてみてください。
寝る時に暖房をつけっぱなしにすると電気代はどれくらいかかるのか?
あるメーカーの8畳用エアコンを参考に、暖房をつけっぱなしにした場合の電気代を計算してみました。電気代は、「消費電力(KW)×1時間の電気代単価=1時間の電気代」で導き出せます。家電公取協は2022年7月22日に電気料金の目安単価を改定したため、1時間の電気代単価は現在31円/kWhです。
エアコンの暖房機能の消費電力は最低で0.165kWh、最高で1.3kWh。室内温度と設定温度にそれほど差がなければ、使用する電量は0.165kWhで済みます。しかし、設定温度と室内温度の温度差が大きければ大きいほど、部屋を温めるためにたくさんの電力を必要とするため、最大で1.3kWh消費します。
1時間の電気代単価と消費電力の数字を当てはめてみると…
- 最低:0.165(kWh)×31円=5.1円
- 最大:1.3(kWh)×31円=40.3円
つまり、1時間当たりの暖房使用料金は、5.1〜40.3円です。
つけっぱなしにした場合、寝る前の前日22時から、起床する翌朝7時までの9時間と想定して計算すると、5.1円×9時間=45.9円になり、寝る時に暖房を9時間つけっぱなしにした場合の電気代は、45.9円程度だと分かります。
暖房をつけっぱなしにすると、室内環境がある一定の温度に保たれるため、大きな電力を消費せずに済みます。
最初の1時間は設定温度に近づけるために最大電力が使われるとしても、数十円上がる程度と予測できますね。
つけっぱなしで電気代がお得になることもある
つけっぱなしにした場合、電気代が高くなりそうなイメージがありますが、ONとOFFを繰り返した場合よりも電気代がお得になることがあります。
先述の通り、電気を切って再度つけた場合、大きな気温差が生じるため最大電力を使う可能性が高いです。
寝る前の前日22時から、起床する翌朝7時までの9時間の間で3回繰り返したとすると、40.3円×3回=120.9円になり、つけっぱなしにした時よりもつけたり消したりした場合の方が、電気代は高くなります。
あくまでも、つけっぱなしにした場合=最低電力、ONとOFFを繰り返す場合=最大電力で計算しているため、ご家庭の電気代の参考程度にしてください。
電気代が抑えられる暖房の正しい使い方
暖房をつけたり消したりを何度も繰り返すと電気代が高くなるため、寝ている時に寝心地が悪いと感じなければ、つけっぱなしにしたほうがいいでしょう。
なるべく早く暖房を切るのも節約のコツです。朝になれば少しずつ日の光が入り込んで、寝室は暖かくなります。すぐにリビングに移動することも考えれば、目覚めてすぐに暖房を切ったほうが、ほんの少しでも電気代を抑えられます。
暖房をつけたり消したりを繰り返すよりも、つけっぱなしにしたほうが電気代がお得になったとしても、一番大切なのは快適な睡眠を取れているかどうかです。
設定温度を20度前後にしていても、温度や乾燥が気になる時もありますよね。そんな時は、最近の暖房に備わっている切タイマーと入タイマーの機能を活用しましょう。
暖房を切った後、気温が下がりきっていない状態で再度暖房がつくように設定すれば、大きな電力を使う必要がありません。
逆に、切る→つける間の時間に差がありすぎると、室内温度はガクンと下がるため、設定温度に近づけようと消費する電力は大きくなります。
快適な睡眠が維持できる範囲で、切タイマーと入タイマーを上手に設定することをおすすめします。暖房以外でも体を温める方法はたくさんあり、暖房を長時間使用しなくて済む場合もあります。
もっと快適に♪睡眠の質を向上させる寝る時の温度と環境
やはり気持ちの良い目覚めを得るためには、快適な環境を整えて入眠する必要があります。
温度だけでなく、寝る前の行動やどんなパジャマを着るかによっても変わってきます。冬になると「眠りにつくまでに時間がかかる」「夜中に頻繁に起きる」という人は、要チェックです。
寝室環境を整えるための適切な温度
快適に眠るために、寝室の温度は18〜22度を目安に、暖房を20度前後に設定するのをおすすめします。寒いからといって26度や28度に設定すると、就寝できたとしても、寝苦しくて夜中に起きるでしょう。
設定温度が高ければ高いほど、電力を消費して電気代が上がるデメリットもあります。少し寒いと感じても、布団やパジャマで調整がきくため、高すぎず、また低すぎない18〜22度に設定しておきましょう。
注意しておきたいのが、設定温度と実際の室内温度で生じる多少の差異で、必ずしも暖房で設定した温度に室内が保たれているとは限りません。部屋に温度計を置いて、照らし合わせながら寝室環境を整えるといいですよ。
寒くなり始めのパジャマはこう選ぼう
冬のパジャマは、温かさ・ムレにくさ・触り心地を基準にして選びましょう。寒くなり始めたからといって、もこもこで厚みのある生地のパジャマを着ると、お風呂上りは快適ですが、睡眠中は暑くなって汗をかく可能性が高いです。
パジャマを選ぶ際のポイントは、
- 温かさ
- ムレにくさ
- 触り心地
ポイントを一つずつ押さえながら紹介します。
①温かさ
やはり一番大切なのは、体を冷やさないことです。暖房をつける前の寝室は気温が低く、さらにパジャマも薄い生地のものであれば、寒さでなかなか寝付けられないでしょう。
リビングに比べて洗面所や廊下の気温は低く、激しい気温差によって風邪をひく可能性があるため、なるべく温かくて上下長袖のパジャマを着ましょう。
体温を調整しながら保温してくれるコットンやパイル生地がおすすめです。ウールやフリースは、寒くなり始めには暑すぎるので、注意してください。
②ムレにくさ
温かさを取り入れつつも、暑くなりすぎないパジャマ選びが重要です。睡眠時、暖房をつけていれば室内温度は一定に保たれますが、布団の中で丸まっている体の体温は徐々に上がっていきます。
さらに睡眠中に夢を見ると、興奮して体温が上がり汗もかきます。夏同様、冬でも汗をかく可能性は高いため、なるべくムレにくいコットンやダブルガーゼ、パイルなどの生地を選びましょう。
③触り心地
肌触りが悪い生地は、痒くなったりチクチクしたりして、快適に眠れないでしょう。少しふんわりとした生地は、包まれているような感じで気持ち的にも安心するため、ダブルガーゼやスムースニットなどがおすすめです。
寒くなり始めは、日によっては夏の暑さが残っているので、もこもこした素材のパジャマはまだ早いでしょう。
寝る前の行動が睡眠の質に影響する
寝る時の室温やパジャマだけが、睡眠の質の良し悪しを決めるわけではありません。夕食後の行動も、その日の睡眠の質を左右します。
例えば、お風呂です。体を温めるために熱いお風呂に浸かると、睡眠時に本来下げておくべき深部体温が下がりにくくなる可能性があります。いつも寝る直前にお風呂に入っている人は、お湯の温度に注意してください。
お酒やコーヒー、紅茶を飲んで体を温めるのも、睡眠の質を向上させるためには逆効果です。コーヒーや紅茶は覚醒作用を持つカフェインが多く含まれているため、就寝前はなるべく控えましょう。
また、快適な睡眠のために、寝る少し前から寝室の暖房を入れるのも効果的です。いざ寝ようとベッドに移動しても、部屋がまだ温かくなっていなければ、寒くて寝られません。寝室に移動するタイミングではなく、少し前から暖房をつけて部屋を温めておくといいですよ。
まとめ|10月または11月から寝る時に暖房を使い始め、設定温度は20度にしよう
寝る時の暖房の使い始めは地域によって異なりますが、気温が20度を下回る10月または11月から使い始めるといいでしょう。環境省が推奨している20度を目安に、暖房を18〜22度に設定するのをおすすめします。
暖房のつけっぱなしは、つけたり消したりを繰り返すよりも電気代がお得になります。赤ちゃんがいる家庭は、適度に切って寝室環境を調整する必要がありますが、電気代を抑えるためにはなるべくつけっぱなしにしましょう。
冬の温度調節は、暖房以外にもたくさんあります。ぜひ、この記事を参考にして、快適な睡眠を手に入れてくださいね。