トレンチコートのベルトをきれいに結びたい
トラッドに、フォーマルに大活躍するトレンチコート。スーツに合わせてもカジュアルに羽織っても、びしっとコーデが決まります。
清潔感が大切になるアイテムなだけに、ウエストベルトも美しく巻いておきたいもの。簡単に蝶結びするのもいいですが、バックルに重みがあるため、すぐ結び目がほどけてしまいがちです。かっこよくて巻き直しいらずの「ダブルテール結び」「ネクタイ結び」を紹介します。
ダブルテール結び
その名の通り、2本の尻尾のような姿になる「ダブルテール結び」。後述する「ネクタイ結び」に比べて先端が短いため、立ったり座ったりしても邪魔になりません。
まずはバックル側のベルトを短めに、反対側のベルトを長めにします。
長い方のベルトを上にして交差させます。
長い方のベルトを腰のベルトの内側へ、下から上に向かって通します。
もう一度下から上に通し、輪(写真の右手親指で抑えている部分)を作ります。
作った輪、写真の赤丸部分にベルトの先端を通します。
ダブルテール、2本の尻尾が同じ長さになるよう形を整えたら、完成です!
ネクタイ結び
紳士用のネクタイと同じ巻き方になる「ネクタイ巻き」。すっきりとした縦のシルエットを作ってくれるので、スタイルアップにも繋がる結び方です。男性にもおすすめ。
まずはベルトを右にずらします。
長い方のベルトを上、バックルがついた短い側を下にして交差させます。
バックル側ベルトに、長いベルトを巻き付けます。
写真の右手で持っている部分に輪ができるよう、ぐるりと1周巻きます。
ベルトの先端を裏から上に通します。
作った輪にベルトの先端を、上から下に向かって通します。
形を整えたら、完成です!
そういえばトレンチコートのベルトって、なぜついているの?
「ティファニーで朝食を」オードリー・ヘップバーンや「ルパン三世」の銭形警部が着用していることでもおなじみ、トレンチコート。クラシカルでハードボイルドな印象のトレンチコートは、もともと第一次世界大戦でイギリス軍が軍服として作ったコートでした。「トレンチ(trench)」とは塹壕(ざんごう)、戦場で銃弾から身を守る防御施設を指します。
冷たい雨の中で戦うために作られており、雨がかかる背中は「ストームシールド」と呼ばれる二重構造になっています。胸元のダブルボタン、袖口のアームベルト、フラップつきのポケットなど、他にも至る所に雨風吹き込み防止のための工夫が。
ベルトも大切な装備のひとつで、ナイフや手榴弾など様々な道具を吊るすのに使われていました。紳士用のトレンチではベルトに金具がついている場合がありますが、その名残です。
トレンチコートが平和な時代のファッションアイテムになってからも、それらの装備が装飾として残っています。
(コーエン) COEN ルーズトレンチコート# 76606210088
COENのトレンチコート。長めの丈とやわらかい素材感、一癖あるデザインが2022年春のトレンドです。
トレンチコートのファッションを楽しもう
丈が長くなったり素材感が柔らかいものになったり、細部の変化は多少ありつつも、トラッドアイテムとして長年愛されているトレンチコート。
ベルトはコートのシルエットを整える大切なアイテムです。寒い時や風が気になる時はぜひ、ウエスト周りにきちっと巻いてみてください。
また、今回ご紹介した「ダブルテール結び」「ネクタイ結び」はトレンチコート以外にも、チェスターコートなど他のベルトつきコートにも流用できる結び方です。ぜひ試してみてください。