空間に少し花を飾るだけで、その場が華やぎ、雰囲気が変わるものです。そんな花を生けるのに欠かせないのが花瓶です。この記事では、花瓶の種類や選び方、花を長持ちさせるポイント、さらにはおすすめの商品などを紹介します。
目次
花瓶にはいろいろな形状がある
一口に花瓶といっても、色々な形状があります。中でも初心者におすすめなのは、1本生けるだけで様になる、つぼ型や筒形、一輪挿しです。
ラッパ型は少し上級者向けですが、うまく生けることができれば、存在感のある華やかな雰囲気を演出できるでしょう。
初心者でも飾りやすい、つぼ型や筒型
初心者におすすめなのが、つぼ型や筒型です。つぼ型は口が狭い分、茎が安定しやすく、背の高い花を生けるのに向いています。一輪挿しとしても使えますし、数本の花を生けても見栄えがよく、不慣れな人でも使いやすいでしょう。
また真っすぐな筒型は安定性があり、背の高い花を入れても倒れにくい形状です。1本だけ飾っても様になりますし、たくさんの花を生けることもできます。洗いやすく、お手入れがしやすいのも魅力です。
安定感のある、ラッパ型
ラッパ型は比較的高さの低いものが多く、どっしりした安定感があります。口の部分が広く作られているので、ブーケやたくさんの花を生けたい場合に最適です。花瓶に生けた花を動かしやすいので、さまざまな形を作れます。
しかし生ける花の本数が少ない場合は、スペースが余りすぎてしまうため、花瓶の中で茎が動きやすくなってしまいます。安定しにくく、花が傾いてしまったり、あちこちに向いてしまったりして不格好になることもあるかもしれません。
そのため、初心者は避けた方が無難な形とも言えるでしょう。どうしてもラッパ型の花瓶を使いたい場合は、口にセロテープを十字に貼って、その隙間に生けるとうまくいきます。
好きな1本を楽しめる、一輪挿し
生け花についての知識がない初心者にとって、最も使いやすいのが一輪挿しです。好きな花を1本挿すだけなので、とても簡単に生けることができます。コンパクトなものが多いので、あまりスペースがない部屋でも、気軽に花を飾って楽しめるでしょう。
またデザインも豊富で、インテリアとしても映える、おしゃれなものが多いのも特徴です。食卓や玄関に花を一輪飾ってみるだけで、ずいぶん雰囲気が変わるでしょう。
材質別、花瓶の種類を紹介
花瓶の材質にとしては、主にガラス・陶器・プラスチックが挙げられます。それぞれ特徴がありますので、飾りたい部屋や、自分が重視することに合わせて選びましょう。
花の魅力を引き出すガラス製
最も花の魅力を引き出すのがガラス製の花瓶です。無色でシンプルなデザインのものも多いので、どんな色や形の花とも調和します。また、重さもあるので背の高い花を生けても安定しやすいでしょう。特に夏場は、涼しげな空間を演出するのにも最適です。
一方で無色透明なために、水が濁っていると目立ちます。小まめに水を取り替えて透明な状態を保つことが大切です。
また落としてしまうと割れる危険性もあるので、不安定な場所に置くのは避けた方がよいでしょう。特に小さな子どもやペットがいる人は、置く場所に気を付ける必要があります。
上品な雰囲気を出すには陶器製
上品な雰囲気を演出したい場合には、重厚感のある陶器製のものを選ぶのがおすすめです。和風のものや北欧風のスタイリッシュなもの、アンティーク調のものなどさまざまなテイストがあるので、お部屋やインテリアに合わせて選ぶとよいでしょう。
デメリットは中が見えないため、気づかないうちに中が汚れていることがあることです。小まめにお手入れして、汚れがたまらないように気を付ける必要があります。
安全性を重視するならプラスチック製
小さな子どもやペットがいて、安全性を重視するなら、落としても割れないプラスチック製のものがよいでしょう。価格もリーズナブルなものが多いので、複数用意しておいて、お花に合わせて使ったり、いくつかのお部屋に飾ったりするのもおすすめです。
日光などで劣化したり、多少安っぽく見えてしまったりすることがあるのはデメリットですが、一見すると陶器に見えるものや、かわいいデザインのものもありますので、上手に選ぶとよいでしょう。
どんな花瓶を選んだらいいの?
花の美しさを引き立てる役割のある花瓶は、花の形状に合ったものを選ぶことが大切です。またインテリアとしてもよくなじみ、お手入れのしやすいものであることも花瓶を選ぶ際のポイントです。
植物に合った形状のものを選ぶ
飾りたい花に合った形状の花瓶を選べば、花の美しさはより引き立つものです。例えば背丈のある花や、長い枝を飾りたい場合は、筒型かつぼ型の花瓶を使って生けると、植物のすらりとした美しさを生かせます。
また小さな花の場合は、丸みのある小さな花瓶を用いれば、花のかわいらしい印象そのままに生けることができるでしょう。
どんな花を飾ってみたいかイメージしながら探せば、より適したものを選べるはずです。
インテリアに合ったデザインを選ぶ
インテリアや部屋の雰囲気に合ったデザインを選ぶことも大切です。あまりに雰囲気とかけ離れたテイストのものを選んでしまうと、部屋と調和せず、そこだけ違和感があることになりかねません。
花が生けられていない花瓶だけの状態でも、部屋にマッチするものを選んでおくのが失敗しない選び方です。
また迷ったときは、無地でデザインのシンプルなものを選ぶのもおすすめです。特に白色の花瓶を選んでおけば、さまざまな花との相性がよく使いやすいでしょう。
お手入れしやすいものを選ぶ
内側が洗いやすく、お手入れをしやすいものであることも、大切なポイントです。
花瓶の内側に汚れが残っていると、バクテリアが発生しやすくなります。バクテリアが潜む水を花が吸い上げると道管が詰まり、早々にしおれてしまう原因になりかねません。
花瓶の水の入れ替えと一緒に、内側のお手入れもしっかりできるタイプのものを選ぶことが、花を長持ちさせるコツです。
花瓶に花を生けるときのポイント
花瓶に花を生けるときは、花瓶と花とのバランスを考えながら生けます。花瓶の色にも気を配り、美しく飾りましょう。
花瓶と植物の大きさのバランスを考える
花を生けるときは、花瓶と花の高さのバランスを考えながら生けると、見栄えがよくなります。
美しいとされるバランスについては諸説ありますが、初心者は花瓶の高さと、花の花瓶から出ている部分の高さが『1:1』となることを意識するとうまくいくでしょう。
また花瓶の口の大きさと、飾りたい花の本数とのバランスも大切です。口が大きすぎると、花の向きが不ぞろいになりやすいものです。特に花を飾ることに慣れないうちは、口径が10cmくらいまでのものを使うようにしましょう。
色付きの花瓶なら植物と同系色に
初めて花瓶を買うなら、どんな花にも部屋にもなじみやすい白色の花瓶がおすすめです。色付きの花瓶を選びたい場合は、飾りたい植物と同系色のものを選ぶとよいでしょう。同系色なら、まとまりのある印象を与えやすく、花の色も映えます。
逆に初心者は避けた方が無難なのは、無色透明のタイプです。無色透明タイプは、さまざまな種類の花や部屋とも合いますが、茎の様子まで見えてしまいます。茎が美しく見えるように生けるのは、初心者にはなかなか難しいものです。
どうしても透明のものを選びたい場合は、色付きのものや、すりガラスなどを選んだ方がよいでしょう。
花瓶の花を長持ちさせるポイント
花瓶の花を長持ちさせるには、できるだけ効率よく、花に水や栄養が行き渡る状態にすること、また清潔な水をしっかり吸い上げさせることが大切です。水切りや水替えを毎日行えば、長く楽しむことができます。
余分な葉や茎は切り取る
花を花瓶に生ける際は、余分な葉は切り取っておきましょう。
根っこのない生花は、地面に植わっているときほど、水や栄養を吸収する力がありません。そのため水や栄養が効率よく行き渡るように、余分な葉や茎は切り取った方が、花はより長持ちしやすくなるのです。
また特に、花瓶の水に触れる下の方に付いた葉は、水に浸かって傷みやすく、水が汚れる原因になります。下葉は必ず取り除いてから生けるようにしましょう。
切り花を購入したら水切りする
花を長持ちさせるためには、切り花を購入したときや、花瓶の水を替える際に『水切り』をしておくことも大切です。
水切りとは茎を水に浸けた状態で、茎の先端を斜めにカットすることをいいます。水の中で茎を切ることで、道管に空気が入ることや乾燥することを防ぎます。
また茎を斜めにカットするのは、断面積を大きくすることで、よりたくさんの水を取り込めるようにするためです。
さらに水切り後に『深水』をしておくのも効果的です。
深水の方法は、下葉を取り除き、葉が水に浸からない状態にしてから、水に浸かっていない部分を新聞紙などで包んで2~3時間水に浸けておけば完了です。より多くの水を吸い上げることができるので、花が生き生きした状態になり長持ちするでしょう。
花瓶の水は毎日替えよう
花瓶の水を毎日入れ替えて、きれいな状態を保つことも大切です。花瓶の水を放っておくと、雑菌やバクテリアが発生し、早々に花がしおれてしまう原因になります。多少面倒でも水は毎日替えることが、花を長持ちさせるためには非常に重要です。
また水替えと同時に花瓶の中もスポンジなどを使ってしっかり洗い、清潔を保ちましょう。さらに茎も洗って水切りすれば、より効果的です。
プレゼントに人気のおすすめ花瓶
花瓶はおしゃれなデザインのものも多く、プレゼントにするのもおすすめです。かわいらしいものから、スタイリッシュなものまで幅広くそろうので、相手の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
アデリア「一輪挿し F-71262」
手まりを思わせる見た目がかわいい、津軽びいどろの一輪挿しです。直径7×高さ6.5cmと手のひらサイズなので、狭いスペースでも置くことができます。
小さなお花が似合うので、お散歩ついでに見つけた野花を生けてもよいでしょう。
デザインは全部で9種類あり、開発コンセプトでもある『四季を感じる』ことのできる色使いのものがそろいます。季節に合わせて購入するのもおすすめです。
アデリア『一輪挿し F-71262』
ナハトマン「BOSSA NOVA 82087」
2本のひもが美しく交わるかのようなデザインがおしゃれなクリスタルガラスの花瓶です。清潔感や高級感があるので、おもてなしの席に置いても、上品な雰囲気を演出してくれるでしょう。
まっすぐな筒形をしており、高さは16cmとどんな植物も生けやすい形状です。花を入れずに飾っても、スタイリッシュなインテリアとして活躍するでしょう。
ナハトマン『BOSSA NOVA 82087』
イッタラ「カステヘルミ(Kastehelmi) ITT-ES02-000」
フィンランド語で『しずく』という名前の付いた、ラッパ型の花瓶です。月下で輝く夜露をイメージしたというデザインが美しく、インテリアとして飾っても存在感があります。
光が当たると、花瓶の内側に施された大小の凹凸に反射して輝き、一味違った美しさを放つのも魅力です。
サイズは口径14×高さ15.5cmで、ブーケなどたくさんの花を入れて飾るとよいでしょう。
イッタラ『カステヘルミ(Kastehelmi) ITT-ES02-000』
おしゃれなインテリアに合うおすすめ花瓶
花瓶には、個性的でそれだけでインテリア性に富んだものから、シンプルであくまで花の引き立て役に回るものまで、さまざまなデザインのものがあります。ここでは、おしゃれなインテリアの部屋にぴったりな花瓶を紹介します。
Fukuka「フラワーベースリボン付き JBF170」
洗練されたデザインに、リボンがアクセントとなっているおしゃれな花瓶です。白色なのでどんな色の花にも合いますし、玄関・寝室・客間はもちろん、オフィスに置いてもよいでしょう。
サイズは口部が直径約10cm、高さは18cm、重さは約590gと安定感のある大きさです。口が広いタイプのため、たくさんの花を飾って華やかな彩りを楽しめます。
Fukuka『フラワーベースリボン付き JBF170』
ダルトン「LINK TUBE VASE CH03-V76SV」
試験管を連ねたようなデザインがユニークでおしゃれな花瓶です。自由に形を変えることができたり、連結を外して使うこともできたりと、さまざま形で楽しめます。それぞれに別の種類の花を入れて飾っても、華やかでかわいいでしょう。
またパーツを分解することができ、さらに専用のお手入れ用ブラシも付属しているので、お手入れも楽にできるでしょう。
ダルトン『LINK TUBE VASE CH03-V76SV』
KINTO「アクアカルチャーベース 20841」
シンプルながら美しい見た目は、どんな部屋とも調和します。上部の皿と、下部の花瓶本体の二つのパーツで構成されていて、さまざまな植物を生けやすいよう工夫されているのが特徴です。
上部の皿はハーブなどの水耕栽培に適しますし、球根やアボカドの種がちょうど収まるサイズに設計されているため、球根の水耕栽培も楽しめます。
また植物に直接触ることなく水替えができるため、多肉植物のように繊細な植物を育てるのにも最適でしょう。
もちろん皿を外して、一般的な花瓶と同じように使うこともできます。
KINTO『アクアカルチャーベース 20841』
toyo sakura fashion「フラワーベース」
どんなテイストのインテリアとも調和し、リビングやダイニングといった部屋はもちろん、玄関やお店など来客者を迎える空間に置くのにも適した花瓶です。
白色でシンプルなデザインは主張しすぎることなく、お花をしっかり引き立ててくれるので、園芸愛好者に人気です。
サイズは12×10×7cmと小さいので、背の低い小さなお花を飾れば、かわいく部屋を彩ってくれるでしょう。
toyo sakura fashion『フラワーベース』
花瓶でおしゃれな空間を演出しよう
彩り豊かで美しい花々は、花に適した花瓶を選ぶことで、よりおしゃれな空間を演出することができます。
花を生けることに慣れないうちは、おしゃれな一輪挿しやつぼ型の花瓶を選べば、簡単にうまく飾ることができるのでおすすめです。たとえ1本や2本でも、花があるだけで空間に華やぎを与え、見ているだけで明るい気持ちにしてくれるものです。
ぜひお気に入りの花瓶を見つけ、日々の生活に花を取り入れて楽しみましょう。