ミニマリストとはどんな生き方?自分にとって大切な物を見定めよう

ミニマリストというと、『物を捨てる人』というイメージでしょうか。実は、間違ってもいませんが、正確でもないのです。ミニマリストという生き方について知ることで、あらためて自分の価値観と向き合うきっかけになるかもしれません。

ミニマリストとは?

ミニマリストは社会の中でどのように受け入れられてきたのか、ミニマリストの定義と共に、その変遷をみてみましょう。

必要最小限の物だけで暮らす人

ミニマリストは、必要最小限の物だけで暮らすライフスタイルを実践している人のことで、『不要な物を買わない』という姿勢を徹底しています。

とはいえ、ミニマリストにとって、片付けたり物を減らすことは、あくまでも手段です。普段過ごす空間からムダな物を取り除くことによって、自分の人生の棚卸しを行い、やりたいことを明確にすることを目的にしています。

ミニマリストが誕生した背景

ミニマリストとは『ミニマル(minimal: 最小限の)』から派生した言葉です。大量消費社会への疑問に端を発し、2010年前後から海外で使われ始めました。

日本でも、断捨離ブームとも相まって、現在も浸透し続けているライフスタイルの一つになっています。ちなみに2015年には、ミニマリストという言葉は、流行語大賞の候補にもなりました。

類似した概念に『断捨離』『片付け』が挙げられます。全てに共通しているのは、『物を持つことがよくない』『物のない生活をすべきである』ではなく、物一つひとつに向き合うという姿勢を通して、『自分の人生に必要な物を厳選し、それだけを持って暮らすのは豊かなことだ』という考え方です。

ミニマリストになるメリット

ミニマリストとは何か、おおよそ分かったところで、自分に合うライフスタイルなのかどうか見極めていきましょう。まずは、ミニマリストになるメリットを紹介します。

本当に大切な物が分かる

物を取捨選択することを通して、自分のライフスタイルを、ひいては生き方を見直すことができます。例えば、以前は大切にしていて手放せなかったものが、今はそうでもないということもあるでしょう。

このように、物の整理を通じて、自分が大切にしたいものは『家族との時間なのか』『仕事なのか』など、自分の内面を見つめ直せるのです。

ミニマリストになることによって、自分の中の価値観の変化に気づくきっかけになったり、今自分が大切にしたいことが何なのかがクリアになってきたりするのです。

ムダな時間が減る

物を整理するとまず、「どこに何があるのか?」と探し物をする時間がなくなり、自分の時間を有意義に使えるようになります。おのずとムダな時間がなくなるために、仕事や自分がしたいことに集中できます。

また、買い物の時間を減らすことができます。自分にとって必要な物と不要な物の境界線が明確であるため、『限定』『セール』などの言葉に惑わされて行列に並ぶこともなくなります。

自分と向き合った上で、大切なものが『買い物』だったり、『限定品などはどんどん試して刺激を得ること』だったりする場合は、そこを大切にすべきでしょう。

ただ、流されて買い物をしている人は、今一度自分を見直してみることをおすすめします。そこに、ムダな時間を減らすカギがあるでしょう。

節約ができ、お金がたまる

ミニマリスト的な発想をすると、自然と物を買わなくなる方向に行動パターンが移行していくことが多いので、自然と『貯金が増える』というメリットにつながりやすいです。

また、物を整理することで、収納場所が不要となり、今までよりも小さい家に引っ越すことも可能になります。実際に引っ越せば結果的に家賃も下がるというケースもあるでしょう。

収納する物が減っていくので、収納グッズをそもそも買わなくなったり、スーパーなどでのまとめ買いもしなくなります。家の中のどこに何があるかも把握できるので、同じ物を重複して買うこともなくなります。

考え方がシンプルになる

物理的な行動と思考は連動しやすく、ミニマリストになったことで、考え方そのものがシンプルになっていくことがあります。

『人生をシンプルにとらえ、自分にとって大切な物を見つめよう』という考え方が行動基準になるため、おのずと人間関係にも複雑に悩むことが減るという人もいるでしょう。

物を整理することで自分のスタンス・思考が確立され、人や世の中に振り回されることも減るようです。心の中にも程よい余白ができ、気持ちのゆとりにつながるのでしょう。

ミニマリストになりたい人が取るべき行動

ミニマリストになりたい人が取るべき行動とスタンスを知りましょう。もしもミニマリストに興味があるのであれば、部分的に取り入れるのもおすすめです。

迷ったら保留でOK

ミニマリストを目指す段階の人が持つべき思考は、『物を捨てるかどうか迷ったらまずは保留する』ことです。

やみくもに物を処分しすぎると後悔することにもなり、何より迷う時間がもったいないという考え方が根本にあります。

物を整理するときは大きな段ボールを用意し、捨てるかどうか判断を保留したいアイテムをその中に全部入れていきましょう。

きれいに保管しておけば、最終的にいらないという判断になったときも、人に譲ったり、売ったりする選択肢があります。

捨てることへの抵抗感を無くす

物を捨てることへの抵抗感が、ミニマリストになることの障壁になっていることは案外多いものです。この抵抗感を無くすためのコツがいくつかあります。

まずは、とにかく1日10個などと決めて、実際に物を捨ててみることです。物を捨てたらもったいないという考え方が、空間がもったいないという考え方に変わっていくはずです。

さらに、物を捨てることで自分が得られるメリットを具体的に想像してみるとよいでしょう。『部屋が広くなる』『思考がスッキリする』『掃除しやすくなる』など、言語化するとゴールを想像できるので行動につながりやすくなります。

買い物スタイルを改善する

ミニマリストは、ムダな衝動買いをしません。衝動買いしそうになったときには、『これを買ったことが後でストレスにならないか』『本当に使うのか』よく考えてみましょう。

そこでストップできる自信がない場合には、このように自分に問いかけてみるといいでしょう。『この3万円の服を、誰かに3万円で譲ってほしいと言われたら、自分はその人に物を売るかどうか』。

自分の答えが『売る』のであれば、自分にとっては今買おうとしている物よりも、お金が大切ということになります。この場合は、ミニマリストの考えにおいては『買わない』と選択するでしょう。

これは、ストレンジャーテストと呼ばれる手法で、自分にとって今買おうとしているものが本当に必要なのかどうかを判断する一つの軸となります。

やりすぎ注意?ミニマリストの注意点

ミニマリストにありがちな誤解とトラブルについてみていきましょう。

周りに貧乏だと勘違いされることも

ミニマリストにとって、不要な物を買わないのは合理的な判断です。洋服のバリエーションが少なく、ずっと同じ物を使い続けることも自然なことだと考えます。

例えば、毎回ペットボトルに入った飲み物を買うのでなく、常にマイボトルを持ち歩いたり、決まったドレスコードを崩さなかったりします。そんなとき、『新しい物を買えないのか』と周りに勘違いされることもあるでしょう。

ミニマリストは、洋服や物を選ぶ時間がもったいないと判断するケースが多いです。1着しか持っていないわけではなく、実は同じ洋服を複数枚持っていたり、高くて品質の良い物を1点買って長く着ていたりすることも多いのですが、見た目では分からず誤解されてしまうことがあるのです。

一緒に暮らす人とトラブルにならないように

自分がミニマリストであっても、自分以外の人をみだりに巻き込むのはよくありません。

家族を巻き込んでしまうとトラブルの原因になることもあります。ミニマリストの逆である『マキシマリスト』なる人も当然ながら存在しており、どちらかが間違っているわけではありません。

大切なのは、自分の考えを押し付けず、相手の考え方を理解することです。仮に『パートナーが勝手に自分の大事な物を捨てる』ということが重なれば、不満を生む可能性も否定できません。

そもそも、自分の考えを相手に押し付けてトラブルを引き起こすことは、本来ミニマリストの考え方には反するものです。

それぞれに大切な物を把握した上で、ミニマリスト・マキシマリストがいる事実、その状況をそのまま受け入れることこそ、ミニマリストの本質といえるでしょう。

自分にとって必要な物を見直そう

ミニマリストという生き方は、ただ単に物を捨てることではありません。物を捨てるという行為を通じて、自分にとって必要な物、大切な物を見極めることを目指してこそ、ミニマリストの一歩です。

ミニマリストになりたいというアプローチではなく、『自分を見直す過程の中にミニマリスト的な価値観が生まれてくる』ぐらいの捉え方がちょうどよいでしょう。

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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