週数回は必ず稼働し、長く使用することになる洗濯機。実家の機種を参考にしようとしても、ファミリー用と一人暮らし用では選び方のポイントが異なります。
そこで今回は、一人暮らしに適した洗濯機のサイズや機能の選び方をご紹介します!後半ではおすすめの購入場所や、搬入時の注意点をまとめました。初めて一人暮らしをする方は是非参考にしてみてくださいね♪
目次
学生や社会人の一人暮らしに適した洗濯機のサイズは5kg〜6kg
洗濯機の大きさや容量は、洗濯できる重量サイズで表されることが一般的です。4人家族であれば8kg〜10kgを使用しているご家庭が多いのではないでしょうか。
一人暮らしではファミリーほどの容量は必要なく、5kg〜6kgが適正サイズです。適正容量の計算方法と、それより小さいサイズや大きいサイズを選ぶ場合のポイントについて解説します。
5kg〜6kgは、週2〜3回洗濯をするときに最適
1人あたりの1日の洗濯量は1.5kgが目安と言われています。これには下着、肌着、トップス、ボトムス、靴下といった標準的な衣服に加えて、ハンドタオル2枚とバスタオル1枚の重量も含まれています。
洗濯物は基本的に毎日発生します。1週間の洗濯量の目安は、1.5kg×7日=10.5kgとして算出できます。少し余裕を持たせて1週間で12kg程度と考えてみましょう。すると、週2回洗濯をする場合は6kgの容量、週3回洗濯をする場合は4kgの容量が必要になります。
週2回、週3回という頻度はあくまで計算上の都合で、実際は「洗濯物が溜まってきたら洗濯する」パターンが多くなると思います。5kg〜6kg程度の容量がある洗濯機なら、3〜4日分の洗濯物をまとめて洗濯することができます。頻繁に洗濯機を回す必要がないので、家事に慣れていない方でも安心です。
5kg〜6kgは、1R賃貸の洗濯機置き場に収まるサイズ感
賃貸物件の場合、洗濯機は「防水パン」と呼ばれる台の上に設置することになります。防水パンの大きさは物件によって異なりますが、1R賃貸でのサイズは640×640の場合がほとんどです。防水パンの厚みを考慮すると600×600程度の洗濯機を選ぶことになります。
5kg〜6kg以下の洗濯機は、一人暮らし用の防水パン内にほぼ収まります。7kg以上は機種によっては収まりきらない場合が出てくるので気をつけましょう。
※あくまで傾向の話なので、実際に購入するときは防水パンの実寸と洗濯機のサイズを必ずチェックしてください。
4.2kgサイズは、布団カバーやシーツが洗えない!?
設置条件だけで考えるなら、5kg〜6kgより一回り小さい4.2kg〜4.5kgの洗濯機も採用候補として挙がってきます。生活のルーティーンが安定していて、毎日〜1日おきにこまめに洗濯をする方であれば問題ないスペックです。
注意したいのは、布団のシーツなどの寝具を家で洗うかどうかです。5kg〜6kgの容量があれば、シングルサイズのシーツやカバーを洗濯できます。4.2kg〜4.5kgではパワー不足になり、汚れが上手く落ちなかったり、洗濯機が故障したりする恐れがあります。自宅で寝具を洗濯したい場合は、5kg以上の洗濯機を選びましょう。
7kgサイズの洗濯機が適しているケースとは?
防水パンに収まる大きさであれば、「少し大きな7kgサイズのほうが便利では?」と考えたくなるところ。実際に、セミダブル〜ダブルサイズの寝具を自宅で洗いたいなら7kgの容量が必要です。
「5kg〜6kgにするか?7kgにするか?」は、性能とコストのバランスから検討しましょう。7kgからは洗浄力の高いモデル、静音モデル、ドラム式であれば乾燥機付きモデルなど、高性能なラインアップが揃います。しかし、その分価格もお高めです。
これから一人暮らしを始める方は、学生さんや新社会人の方が多いはず。就職、Uターン、転勤、結婚など、今後のライフステージによって暮らし方は変化します。使い勝手の良い高級品を買うか、機能そこそこの標準品を買うか、自分の中で指針を持っておきましょう。
種類&機能別の相場を紹介!5kg〜6kg洗濯機の価格帯まとめ
洗濯機には、縦型とドラム式/乾燥機の有無などの選択肢があります。一人分の洗濯量であれば、シンプルかつ安価な縦型洗濯機でも性能としては十分です。乾燥機付きのドラム式も人気ですが、一人暮らしで購入するには価格が高く、オーバースペックになりがちです。機能と価格のバランスをよく考えながら検討しましょう。
【シンプルで安い】縦型洗濯機の価格帯
5kg〜6kgの縦型洗濯機の相場は4万円〜7万円程度です。3万円そこそこの機種もありますが、ネット限定品や海外メーカー品の可能性があります。初めての一人暮らしでは、アフターサービスが手厚い国産品がおすすめです。
スペック例1:パナソニック『NA-F5B1-LH』
スタンダードな5kgタイプの製品例です。シンプルですが、普段使いに必要な機能が揃っています。
- 洗濯容量:5kg
- 寸法:奥行き572mm x 幅562mm x 高さ880mm
- 価格目安:43,000円〜49,000円程度
NA-F5B1-LH
スペック例2:東芝『AW-6DH2』
インバータを搭載した洗浄力の強い6kgタイプの製品例です。静音設計など「あったら便利」な機能を備えています。
- 洗濯容量:6kg
- 寸法:奥行き567mm x 幅555mm x 高さ998mm
- 機能:静音設計(40dB以下)
- 価格目安:64,000円〜80,000円程度
AW-6DH2
【機能重視】乾燥機付きドラム式洗濯機の価格帯
7kgの乾燥機付きドラム式洗濯機の相場は12万円〜20万円程度です。縦型洗濯機と比べると2、3倍以上の価格差があります。価格に見合った高性能が売りで、乾燥機能の他にも静音、強力な洗浄力、デリケートな衣装向けの洗濯コースなどを標準で備えていて、使い勝手は抜群です。
乾燥機がついたドラム式洗濯機は、ほとんどが7kg以上の製品です。防水パンのサイズに注意して選ぶようにしてください。
スペック例1:アイリスオーヤマ『HDK842Z』
乾燥機付きのモデルの中では、シンプルかつ安価なタイプです。乾燥以外の機能が不要であれば使い勝手も問題ないでしょう。
- 洗濯容量:8kg
- 寸法:奥行き652mm x 幅595mm x 高さ1065mm
- 機能:乾燥機能(4kg)
- 価格目安:140,000円〜160,000円程度
HDK842Z
スペック例2:シャープ『ES-S7H-WL』
洗濯機に欲しい機能をほぼすべて揃えた多機能タイプです。
- 洗濯容量:7kg
- 寸法:奥行き600mm x 幅640mm x 高さ1039mm
- 機能:乾燥機能(3.5kg)/静音設計(40dB以下)/自動お掃除機能
- 価格目安:160,000円〜200,000円程度
ES-S7H-WL
乾燥機無しのドラム式洗濯機はやめるべき?
ドラム式洗濯機には、乾燥機がついていないタイプもあります。ファミリー向けが多く、一人暮らしに適したサイズはほとんどラインアップされていません。参考までに、8kgの乾燥機なしのドラム式洗濯機の相場は7.5万円〜8.5万円程度です。
ドラム式洗濯機は、節水・省エネの設計になっていて、ランニングコストに優れます。しかし、そもそも一人暮らしでは洗濯量そのものがさほど多くありません。ランニングコストに大きな差が出るほど使い込むケースは稀です。縦型洗濯機に数万円の購入コストを上乗せしてまで、乾燥機なしのドラム式洗濯機を選ぶメリットは薄いでしょう。
乾燥機は単体でも買える?
乾燥機単体の相場は、5万円〜8万円程度です。縦型洗濯機+乾燥機単体の組み合わせなら、ドラム式洗濯機よりは多少コストを抑えることができます。
乾燥機は確かに便利ですが、一人分の洗濯物レベルであれば干すのもさほど苦ではない量です。家の乾燥機に頼るより、必要に応じてコインランドリーを使うほうが経済的にも良いかもしれません。
洗濯機選びでチェックしておくと良いポイント
サイズの目安と価格帯をふまえたところで、あると嬉しい+αの機能の紹介や選び方のコツを解説します。自分の生活スタイルに合った洗濯機を探すヒントにしてみてくださいね。
静音性のチェックは60dBと40dBを基準にしよう
洗濯機のお悩みとしてよく挙げられるのは「騒音トラブル」です。各洗濯機の騒音の程度は、製品のカタログに「運転音」として記載されています。騒音が気になるときは、60dBと40dBを基準にして洗濯機を選びましょう。
人の活動時間(午前9時頃〜午後9時頃)にだけ使う場合は、40dB〜60dBの洗濯機でOK
多くの人が起きている時間帯に洗濯ができるなら、運転音が40dB〜60dBの標準モデルを選べば問題ありません。60dBより運転音が大きいものは、自室でさえうるさく感じるので避けましょう。
早朝や深夜(午前9時以前/午後9時以降)にも使いたいなら、40dB以下の静音モデルを選ぼう
早朝や深夜に洗濯をする必要があるライフスタイルなら、運転音が40dB以下の静音タイプを選ぶといいでしょう。40dBは「図書館レベル」の騒音値と言われており、他の住人に迷惑をかけずに洗濯ができます。
※静音モデルを使用する場合も、深夜12時〜早朝5時の使用は極力控えましょう。
お手入れしやすいケース型糸くずフィルターのススメ
縦型洗濯機を選ぶときに確認しておきたいポイントは「糸くずフィルターの形状」です。糸くずフィルターには、洗濯槽内で発生した衣類の糸くずやゴミを絡めとる役割があります。
清掃の手間を減らすなら、ケース型になっている糸くずフィルターがおすすめです。ケース型のフィルターは、ネット型のものより容量が多いのでお手入れの頻度を減らすことができます。破けたり壊れたりする心配がなく、ゴシゴシ洗える点もポイントです。
乾燥機能は、衣類に優しいヒートポンプ乾燥タイプがおすすめ
乾燥機付きのドラム式洗濯機を検討している場合は「ヒートポンプ乾燥」のものを選ぶといいでしょう。ヒートポンプ乾燥とは、槽全体を除湿した後に60度程度の温風をあてる乾燥方法です。
槽の中が80度以上になるヒーター乾燥と比べると、衣類へのダメージを抑えることができます。衣類をふんわり仕上げたいのであれば、ヒートポンプ乾燥のモデルがおすすめです。
アフターサービスの対応状況は必ず確認!
購入時に必ず確認しておくべき点は「アフターサービスの対応状況」です。洗濯は日常生活と切り離せないもの。故障したときの対処法は事前に頭に入れておきましょう。整理しておくポイントは以下の3点です。
- 24時間365日対応は必要か?
- 土日対応は必要か?
- 電話/メール/チャットなど、連絡手段は何がいいか?
徒歩圏内にコインランドリーやクリーニング店があれば、24時間対応は不要かもしれません。とはいっても、1週間ずっと故障したままではさすがに不便です。新居の立地や洗濯頻度を考慮して、自分に合ったサービスを選びましょう。
こんな洗濯機には要注意!?買って後悔した洗濯機の特徴
家電のPRでは、各メーカーがユニークなお役立ち機能を宣伝しています。しかし実際は「少し便利だけどお金をかけるほどじゃない」くらいの機能が多いです。期待しすぎてガッカリしないためにも、購入後のお悩みや失敗談もチェックしておきましょう。
スマートな今風デザインの洗濯機は、衣類が取り出しにくいかも!?
洗濯機選びでは、機能やコスパが良いことはもちろん「シックでスマート」といった見た目のデザインも重要視される傾向があります。ここでの落とし穴は「容量の割にコンパクトに見える!」という謳い文句の製品です。
コンパクト型は全体が一回り小さくなる分、取り出し口も狭くなります。洗濯物の取り出しは、これから何百回、何千回とする動作です。「腕が無理なく入るか?」「取り出しにくくないか?」は展示品で必ずテストしましょう。
カビの生えにくい「穴なし洗濯機」への過信はNG
カビが生えにくくなると評判の、穴なし洗濯機の人気が高まっています。穴なし洗濯機とは、その名の通り洗濯槽に穴が空いていないモデルのことです。
穴なし洗濯機は、あくまで「カビが生えにくくなるだけ」です。全く発生しなくなるわけではありません。一般的な洗濯機と同様、日々のお手入れは必須です。お手入れの頻度を抑えるための補助的な仕様であることを念頭におきましょう。
ヒーター式乾燥機を使ったら服がカピカピに…
おすすめ機能ではヒートポンプ乾燥タイプをご紹介しましたが、それ以外の乾燥方法に、ヒーター式乾燥があります。ヒーター式乾燥は80度程度の熱風を送風する乾燥方法で、厚手の衣類やタオルを完全に乾かし切ることができます。
しかし、槽内が高温になることで、デリケートな衣類を痛めたり縮めたりしてしまう恐れがあります。洗濯物の種類によって使い分けが必要です。
洗濯機の寿命目安は約7年!中古品の製造年月に気をつけよう
一人暮らし向けの洗濯機の相場を見て「思っていたより高いから中古でいいかも…」と感じた方も多いのではないでしょうか。しかし、耐久年数とアフターサービスの面から、中古品はおすすめできません。
洗濯機の耐久年数は、製造年月から7年間が一般的な基準です。期間を超えてしまうと、アフターサービスの対応外になります。
サポート切れの洗濯機が故障した場合は新品を手配するしかありません。機種選び、購入、搬入作業を考えると1〜2週間は必要です。即日〜翌日対応のアフターサポートと比べると、どちらがより安心かは明確ですね。
フローを確認しておけば引っ越し後も安心!購入準備から設置までの手引き
購入すべき洗濯機のイメージは固まってきましたか?ここからは、賃貸選びでチェックしておくポイントや、実際の購入方法、搬入前の準備について解説します。
賃貸選び:洗濯機置き場の位置と防水パンのサイズに注意して選ぼう
洗濯機置き場は室内にあるか?
賃貸の間取りでは、洗濯機置き場が室内にある場合と、屋外にある場合があります。ここでは必ず室内洗濯機置き場を選びましょう。
屋外では、強い雨や台風などによって電気回路がショートする恐れがあります。外気温や湿度の調節もできないので、夏はカビが生えやすくなりますし、冬は水分が凍ってしまうことも。特別な理由がなければ、室内に設置できる物件一択です。
防水パンのサイズはどの程度か?高さの制限はあるか?
防水パンの仕様を確認して、横幅と奥行きの目安を把握します。洗濯機置き場の上に棚や柵がある物件では、洗濯機を設置できる高さの計測も忘れずに。余裕があれば何枚か写真を撮っておくといいでしょう。
賃貸契約後:共用玄関と個人玄関の扉サイズ、エレベータ有無との扉サイズを確認しよう
物件が決まったら、洗濯機の搬入に必要な情報を確認しておきましょう。洗濯機だけでなく、ベッドや本棚などの大きな家具を搬入するときにも役立ちます。
共用玄関、個人玄関の扉サイズ
搬入経路の途中にある扉のサイズは一通り計測しておきましょう。洗濯機が扉をくぐることができないと、最悪クレーンで吊るして窓から搬入することになります。かなり面倒なケースなので、扉サイズより小さい洗濯機を選びましょう。
エレベータの有無、エレベータ扉のサイズ
2階以上の物件に住む場合は、エレベータの有無と扉サイズは必ず確認しましょう。階段を使って搬入する場合、宅配業者側で手配する人員や準備が変わってきます。エレベータに関する情報は購入時に伝えられるようにしておきましょう。
購入:大型の家電量販店で洗濯機を購入しよう
購入時はネットや個人の家電店ではなく、大型の家電量販店へ足を運びましょう。大型の実店舗のメリットは以下の通りです。
実物を見て触れることができる
大型の家電量販店は展示品が豊富なので、実際のサイズ感や取り出しやすさを比較しながら選ぶことができます。店によってはデモンストレーションをしてくれる場合もあるので、静音チェックにもうってつけです。
プロの販売員にサイズの確認ができる
排水ホースの位置や予期せぬ出っ張りなど、洗濯機のサイズ感は図面上では把握しにくい場合があります。実店舗には販売員が常駐しているので「本当にこの洗濯機で問題ないか?」をプロ目線で判断してもらうことができます。
搬入の手配、故障時の対応など、アフターサービスがしっかりしている
その場で搬入の手配をしてくれるので、使い始めまでがスムーズです。故障時のサポート体制についても、各社のサービスを比較したり、疑問点を質問したり、といった事前の確認ができます。
一部の展示品が安く購入できる可能性あり
新生活準備のラッシュ時期をすぎると、展示品が現品限りとして安く売り出されることがあります。展示品の大半は1〜2年以内に製造されているので耐久面も安心です。
運搬:業者が到着するまでに準備しておくこと
購入と搬入の手続きが完了したら、いよいよ洗濯機が新居にやってきます。搬入予定日までに以下の準備を済ませておきましょう。
電気と水道の開通
搬入日までに電気、水道などのライフラインの開通を済ませておきましょう。洗濯機の搬入と設置を終えた後、業者が簡易的な動作チェックをしてくれます。このとき電気と水道が通っていないとチェックをすることができません。
玄関扉〜洗濯機置き場までのスペース確保
搬入当日は、玄関扉から洗濯機置き場までのスペースを片付けておきましょう。玄関マットなども端に避けておくと安心です。養生テープや傷防止用のマットなどは必要に応じて業者が用意してくれるので、事前に準備する必要はありません。
まとめ
初めての一人暮らしはやることが山積みで、始める側も見守る側も不安でいっぱいです。どれだけ用意周到に準備しておいても、実際に上手くいかないこともあるかもしれません。
しかし、”自分で頑張ってしてみたこと”の積み重ねは、これからの人生においてきっと役に立つはず。「これも一つの経験!」と考えて、自分の生活にぴったりな洗濯機を探してみてくださいね。