ホームエレベーターとは?種類や特徴、費用などを解説


高齢になり階段を使うのが困難になった時に備えて、家の中にエレベーターを設置する方もいます。しかし、住宅用のホームエレベーターの初期費用やランニングコストが気になるという意見があります。そこで、今回はホームエレベーターの費用の他、種類や特徴、メリット・デメリットなどを解説します。

ホームエレベーターの種類と特徴

Point 定員数、ルームの形、扉の開閉方式、デザインが様々ある

 

ホームエレベーターは、定員数、ルームや扉の形、駆動方式、デザインが様々あります。

定員数

ホームエレベーターの定員数は、2人乗りあるいは3人乗りが一般的です。狭小地でエレベーターのスペースをあまり大きく取れない場合は、よりコンパクトな2人乗りを選ぶと良いでしょう。しかし、車椅子での利用を想定しているのなら、介助者が一緒に乗れるタイプが良いでしょう。

 

将来に備えて念のためホームエレベーターを設置しておきたいという方は、大型の車椅子と介助者が乗れるように3人乗りにしておくことをおすすめします。

ルーム・扉の形

ルームの形は、正方形と縦長と横長があります。設置スペースの形に合わせて選ぶのがポイントです。また、扉も片開き、両開きなど種類があるのでこちらも用途に合わせて選ぶ必要があります。

駆動方式

エレベーターには「油圧式」と「ロープ式」の大きく2種類の駆動方式があります。

「油圧式」は、電動ポンプで油圧ジャッキを働かせてエレベーターを昇降させる駆動方式です。

一方、「ロープ式」は、カゴをワイヤーロープで吊り上げ、巻き上げ機で昇降させ、エレベーターを動かします。

 

設置スペースの問題もあるので、どちらの方式が最適かは住宅メーカーに相談すると良いでしょう。

デザイン

ホームエレベーターは、ルーム内や扉などのデザインのバリエーションが増えています。クラシックやモダン、フレンチシックなど様々なテイストがあるものや、ドアカラー、照明タイプ、壁面、床などを自由にコーディネートできるものもあります。部屋のスタイルと近いテイストを選ぶと、全体的に統一感のある仕上がりになります。

 

 

 

ホームエレベーターのメリット

Point 上下階への移動が楽になる

楽に上下階へ移動ができる

高齢になって足腰が弱い方や、身体に不自由がある方なども階段を使わずに上下階へ移動ができます。階段での思わぬ事故も防ぐことができ、安全に暮らすことができるでしょう。

上下階への荷物の運搬が楽になる

階段を問題なく利用できる方でも、重いものや大きいものを上下階へ運搬するのは大変です。例えば、ホームエレベーターがあれば1階で洗濯をした後、2階のベランダまで洗濯物を運ぶのが楽になります。より家事をスムーズに行えるでしょう。

ホームエレベーターのデメリット

Point 初期費用や保守費用が必要で、固定資産税が高くなる

初期費用や保守費用が必要

初期費用だけでなく、ホームエレベーターを設置して安全に使用し続けるためには、保守費用が必要です。主にサイズや階数によって、かかるコストが変動します。

固定資産税が高くなる

ホームエレベーターがあると建物の評価が上がるため、固定資産税が高くなります。大きさや設備により変動するため、正確な額は一概に言えませんが、気になる方は住宅メーカーに事前に相談しましょう。

ホームエレベーターの初期費用とランニングコスト

Point 設置費用、申請費用、電気代、ランニングコストがかかる

初期費用

初期費用は、設置費用と申請費用が必要です。まず、設置費用は、一般的にサイズが大きく、階数が高いほど高額になり、3人乗り用のホームエレベーターを2階建て住宅に設置する場合、約300~400万円かかります。

 

この金額の中には、据付工事費が入っており、木造住宅は補強材などが必要になるため、RC造(鉄筋コンクリート造住宅)より高くなります。

 

さらに、インターホンや非接触センサーによる挟まれ防止機能といったオプションを付けると費用が高くなります。ただし、最近のホームエレベーターは、標準装備が充実しているため、オプションは付けない方も多くいます。

 

併せて、ホームエレベーターを設置するためには、確認申請書の提出が必要です。費用は検査機関によって異なるため、詳しくは住宅メーカーや自治体に問い合わせをしましょう。

 

ランニングコスト

電気代とメンテナンス費用が必要です。電気代は、ホームエレベーターのサイズや使用頻度などによって変わってきますが、2階建て住宅で10往復する程度の使用方法の場合、1ヶ月600円程度が目安となります。

 

メンテナンス費用は、定期点検と部品代、交換作業費などで年間5~10万程度が必要です。ホームエレベーターの耐用年数は約20~25年ですが、安全に使用するため定期的にメンテナンスを行いましょう。

リフォームで後付けする場合

Point リフォームで後付けするのは容易ではない

 

あくまでも目安ですが、リフォームしてホームエレベーターを後付けする場合、木造2階建て住宅に3人乗り用なら約400万円以上、軽鉄骨造3階建て住宅に2人乗り用なら約600万円以上かかるケースもあります。

 

リフォームでホームエレベーターを後付けするのは容易ではなく、解体する場所や広さにより解体工事費が変わり、建物の強度が足りない場合には補強工事が必要になります。大がかりな工事になると1,000万円を超えることもあるため、リフォームする場合は複数社から見積もりを取ることをおすすめします。

 

また、ホームエレベーターは、建築基準法を満たした住宅でなければ設置できません。リフォームする住宅の建築確認検査済証が手元にあれば問題ありませんが、ない場合は役所に行って確認および相談する必要があります。

ホームエレベーター設置の際に活用できる補助金・助成金

Point 自治体により制度が異なり、長期優良住宅化リフォーム推進事業を利用できることもある

 

国土交通省の方針に準じて、各自治体ではホームエレベーターを設置する時の補助金や助成金を設けているところがあります。高齢者や障がい者の方がいる家庭に限るなど、自治体によって条件や支給額が異なるため、確認してください。

また、リフォームでホームエレベーターを設置する場合「長期優良住宅化リフォーム推進事業」を利用できますが、予算額に達した場合は締め切られるため適宜確認してください。

まとめ

上下階への移動が楽になるホームエレベーターは定員数、ルームの形、扉の開閉方式、デザインが様々あるため、適したものを選びましょう。

 

しかし、初期費用やランニングコストが必要なため、メリット・デメリットや想定される使用頻度なども考慮して、設置するかどうか判断しましょう。

 

こういった情報を知ってさらに家づくりに興味が出てきた方には「ウチつくbyOnnela」の利用がおすすめです。当サービスではお客様のご希望やこだわりに沿った住宅メーカーに出会える「住宅メーカー検索機能」のほか、家づくりの流れや資金計画の考え方、住宅メーカー選びまで相談可能な「オンライン相談サービス」を提供しています。ぜひ、お気軽にご利用ください。

 

 

最新記事をもっとみる