【2026年版】長期優良住宅の固定資産税は6年目を境にどうなる?シミュレーションを交えて解説!


更新日:2026年06月10日

長期優良住宅には「新築から5年間は固定資産税が減税される」という制度が適用されます(2026年5月現在)。住宅を購入した方にとってありがたい制度ですが、それでは5年間の減税を享受した後の6年目以降は固定資産税の金額はどのように変わるでしょうか。これから住宅購入を考える方はもちろん、既に長期優良住宅を購入された方でも、その差額を確認しておらず「6年目から突然税金が高くなる」と漠然とした不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、長期優良住宅の固定資産税の仕組みの紹介から6年目に入ってからの変化、具体的にどれくらい税額が変わるのかのシミュレーションを交えてわかりやすく解説します。この記事を読むことで事前に正しい知識を身に着けて、減税措置が終了する前に何を準備し、どのように行動すべきかを把握しておきましょう。

※本記事に掲載している減税率や要件などの制度内容は、2026年5月時点の情報に基づいています。最新の税制状況は国土交通省やお住まい(あるいは建築予定の)の市区町村の税務窓口などにお問い合わせください。

長期優良住宅の固定資産税の仕組みは

長期優良住宅にお住まいあるいは建築を予定している方の中にも、固定資産税の計算方法について理解できていない方は多いのではないでしょうか。

長期優良住宅に認定されると、新築から5年間の固定資産税の軽減措置を享受できます。これは、一般の新築戸建て住宅の軽減措置期間である3年間よりも長く、長期優良住宅の強みともいえるポイントです。

しかし、6年目に入ると状況は大きく変わります。ここでは、新築後5年間と新築後6年目でどのように固定資産税が変わってくるのかを解説しますので、まずは基本の仕組みを押さえていきましょう。

新築後5年間の場合(軽減期間)

新築から5年間、長期優良住宅は、建物部分の固定資産税が「2分の1」に減額されます。この措置の背景には、国が質の高い住宅を建てる支援策を行うことで、居住環境の向上を目指す政策があります。住宅を所有する方にとっては、この税金の軽減は日々の収支に影響する大きなメリット。長期優良住宅を購入することは、結果的に家計の負担を軽減しつつ、快適な住まいを維持する手段の一つだといえるでしょう。

新築後6年目の場合(軽減終了)

新築後6年目を迎えると、固定資産税に関する「2分の1」の軽減措置は終了し、通常の額での課税に戻ります。税金の負担が大きくなるため、「急に増税された」ように感じて驚く方が多いですが、実際は「本来の税額に戻った」と捉えるのが正確だと理解しておきましょう。

長期優良住宅の固定資産税減税措置を受けるには

長期優良住宅を所有している方にとって、固定資産税の減税措置は魅力的な制度です。ですが、実はこの措置を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。ここではその条件について具体的に説明しつつ、注意点も合わせて記載します。これから長期優良住宅を購入しようとしている方はもちろん、購入し所有済みの方も改めて理解を深めておきましょう。

所在地が減税の適用地域である

減税措置の適用条件として初めに注目するべきなのは「自宅あるいは建築予定の土地が位置する地域は減税措置を受けられるのかどうか、そしてどんな減税の内容なのか」でしょう。これは、地域や自治体によっては減税の適用ルールや手続きが一部異なる場合があるためです。もちろん、適用される所在地でなければ他の条件が満たされていても減税措置を受けることはできません。

適用地域と内容は、市区町村の役場に直接問い合わせることで得ることができます。また、役場で聞けば、固定資産税の減税に関する詳細や申請に必要な手続き、必要書類などについても具体的な案内をしてくれるでしょう。

建築・購入時期や延床面積が条件を満たす

長期優良住宅の固定資産税減税を享受するには、住宅の建築や購入が特定の時期内に行われることが求められます。2026年5月現在の税制では、2026年(令和8年)4月1日~2031年(令和13年)3月31日までの期間で建築・購入された住宅に制度が適用されます。

また、延床面積が定められた条件をクリアしていることが求められます。2026年5月現在の税制では、「床面積が40㎡以上 240㎡以下であること」が主な条件となっています。床面積は住宅の高いエネルギー効率や優れた耐震性などに直結する要素です。環境に優しく、同時に住民の安全も守りやすい環境づくりへとつながるため、「国民の環境を整えるために、性能面に条件を持たせて減税措置を行っているのだ」と理解するとわかりやすいでしょう。

なお、具体的な条件や基準は地域によって異なるため、適用地域と同様に詳細は住宅を建築または購入する地域の自治体に問い合わせることが必要です。

適切な申請がされている

固定資産税の減税を受けるためには、適切な手続きを経て正確な申請をすることが必須です。この手続きには、詳細な住宅情報を含む申請書類の提出などがあります。そして、長期優良住宅としての基準を満たしていることを示すための証明書や資料も必要です。申請は、一般的に住宅が所在する地域の市区町村役場で受け付けられます。

しかし、申請に関する具体的な指針や必要な書類は自治体によって異なります。そのため、申請前には、役所の窓口で必要な情報を確認し、申請期限内に正確な書類を準備し提出することが重要です。適切な申請を行うことで、減税措置の適用をスムーズに進めることができ、住宅所有者にとって大きな金銭的利益につながります。

長期優良住宅の認定通知書を得ている

長期優良住宅の固定資産税の減税措置を適用するためには、住宅が長期優良住宅としての認定を受ける必要があります。そして、その証として認定通知書を保有していることが欠かせません。この認定通知書は、住宅が設定された厳格な基準に適合していることを公式に証明する書類です。

認定を受ける過程では、住宅の設計や構造が長期にわたる優良性を保持するための基準を満たしているかが詳細に審査されます。認定された住宅は、認定通知書をもって固定資産税の減税申請時に提出することで、減税の恩恵を受ける資格を得るのです。そのため、認定取得のための適切な申請と審査の通過は、減税措置を受けるための重要なステップとなります。

▼認定通知書の受取について詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。
長期優良住宅の認定通知書はいつもらえる?メリットやデメリットも紹介!

 

長期優良住宅の5年目までと6年目以降の税額シミュレーション

長期優良住宅を所有あるいは建築を予定している方にとって、固定資産税は費用に関わる大きなポイント。軽減措置が6年目にどのように変化するのか、日々の暮らしにどのように影響しそうかを把握しておくことはとても重要です。ここでは、長期優良住宅の固定資産税が6年目からにどう変わるのかを、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。

一般的に、新築住宅の「建物分」の固定資産税評価額は、実際の建築費(請負金額)の約50〜70%が目安とされています。よってこのシミュレーションでは、建物の固定資産税評価額を全体の60%を目安とし、建築費3,000万円に対し固定資産税評価額は1,800万円、固定資産税率は1.4%だと定義してみていきます。もし、ご自身の住宅についてより具体的に計算をするために数値を設定したい場合は、以下の記事などを参考に算出してみてください。

関連記事:建物の固定資産税評価額の目安とは?決まり方や調べる方法を徹底解説!

新築後5年目までの固定資産税額

長期優良住宅の認定を受けている場合、新築から5年目までは「建物分の固定資産税が2分の1になる」という手厚い軽減措置が適用されます。本来の税額を計算する場合、基準となる固定資産税評価額の1,800万円に、標準税率である1.4%を掛け合わせます。これによって導き出される本来の税額は年間25万2,000円です。新築後から5年目まではここからさらに2分の1(50%)が減額されるため、建築費3,000万円の住宅の固定資産税支払額の目安はは年間12万6,000円となります。この大きな減税効果が、新築から5年間継続します。

なお、実際は3年ごとに土地や家屋の評価額の見直しによって適用される「経年減点補正率」が4年目、5年目の支払額影響してきますが、変動する金額は比較的少額です。

6年目の固定資産税額

新築後6年目を迎えると、5年間続いた2分の1の軽減措置が終了し、通常の税率による課税へと戻ります。計算方法は、固定資産税評価額の1,800万円に、通常の税率である1.4%をそのまま掛け合わせる形になります。軽減措置による「2分の1」の掛け算がなくなるため、計算上の税額は年間25万2,000円へと戻ることになります。

また、経年減点補正率が3年ごとに見直され、評価額は築年数の経過に合わせて少しずつ下がっていく仕組みになっています。そのため、完全にこの満額(25万2,000円)が請求されるわけではありませんが、軽減されていた新築後~5年間に比べると税額が大きく上がる点に注意が必要です。

 

長期優良住宅の固定資産税はどのくらい得をするか

あくまで目安の金額ですが、具体的な費用感でシミュレーションができました。長期優良住宅にすれば、一般の住宅よりも税金がかからず全体費用が安く済むとみて取れますが、他に費用がかかる部分はなく、本当に長期優良住宅であれば必ずお得なのでしょうか?

最後に、「長期優良住宅であれば固定資産税でどのくらい得をするのか」の視点でみていきましょう。ここでは、長期優良住宅にすることでどれだけ節約ができるのか、その節約額が相殺されてしまうとしたらどんな場合かを解説します。既に長期優良住宅をお持ちの方も建築予定の方も、将来の家計の計画を立てる上できちんと把握しておきましょう。

固定資産税は一般住宅より「約25万2,000円」の得

一般の新築住宅(軽減期間3年間)と、長期優良住宅(軽減期間5年間)を比較すると、税金が半額になる期間が2年間長くなります。先ほどのシミュレーション(本来の税額25万2,000円が、半額の12万6,000円に減税)をベースに考えると、本来払うはずだった税金が1年あたり12万6,000円、2年間で合計25万2,000円分多く節約できる計算になります。あくまで目安の金額による計算ですが、一般住宅よりも一戸建ての固定資産税をトータルで25万円以上安く抑えられる場合があると考えると、長期優良住宅を選択するメリットとして捉えても良いでしょう。

申請費用によって抑えた費用が相殺される場合も

固定資産税の負担軽減という点でみると一般の新築住宅よりも長期優良住宅は節約できるようにみえますが、長期優良住宅として認定を受けるためには、申請にあたって一定の費用が必要になります。申請費用は、認定を受ける住宅の種類や地域によって異なりますが、住宅メーカーに申請書類を作成してもらう費用を含めると数万円から数十万円程度かかることが一般的です。場合によっては一般の新築住宅と比較して抑えられた金額と同じくらいの金額が申請にかかってしまう可能性もあるでしょう。

しかし、長期優良住宅のメリットは固定資産税の減税だけではありません。「光熱費が抑えられる」「将来高く売却しやすい」といった利点や、地域によっては他にも様々な減税制度が適用されます。長期にわたって暮らしていくことを考えれば、一般の新築住宅よりやはり費用面で優秀と捉えられるでしょう。なにより、快適な住環境を持てることは一番のメリットです。

▼固定資産税も含め長期優良住宅については他の記事でもご紹介しています
長期優良住宅にして固定資産税が高くなるのは嘘?いくら減額されるのか?
長期優良住宅とZEH住宅を検討中の方必見!違いやメリット・デメリットを徹底解説!

 

まとめ|長期優良住宅の固定資産税は6年目以降減税措置がなくなる

長期優良住宅の固定資産税減税は、新築後5年間有効であり、6年目からは通常の税率に戻ります。減税を受けるには、所在地が制度が適用される地域に含まれているか、建築・購入時期や延床面積が条件を満たしているか、適切な申請や認定通知書の取得が必要です。長期優良住宅の税制優遇は一時的なものとして捉えられる側面はありますが、長期的に快適な住環境を得られることは最大のメリットだと言えます。すでに長期優良住宅をお持ちの方も、これから建築予定の方も、これらの情報を踏まえて最適に家計の管理や住宅選びをしていきましょう。

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