【2022】家を買うタイミングっていつ?購入時期の決定に役立つデータを解説
住宅購入はほとんどの方にとって「人生で一番大きな買い物」になります。だからこそ、いつ買えばいいのかを理解して、適切なタイミングで購入したいですよね。そこで今回は、注文住宅を中心に家を買うタイミングについて解説します。購入時期を決めるポイントや、2022年は買うべき年なのかなど、購入のタイミングを悩んでいる方も参考にしてください。
みんなが家を買うタイミングとは
家を買うタイミングは人それぞれですが、いくつかの傾向があります。国土交通省の令和2年度住宅市場動向調査によると、住宅を初めて購入する方は30代が最も多く、次いで多いのが40代です。20代のうちは賃貸住宅に住んで資金を貯め、30代に入りある程度の頭金が溜まった段階で、購入する方が多いようです。
住宅ローンの面から考えても、50代・60代では審査が通りにくく、借り入れが現実的ではありません。住宅ローンを借りられる最長期間は50年ですが、30代であれば完済のタイミングまで現役で働ける可能性が高いこともあり、この年代で購入する人が多いようです。実際に不動産業界では、住宅ローンが借りやすいのは、30〜35歳だと言われています。
住宅ローンを借り入れる際、多くのケースで「借入時年齢」と「完済時年齢」の2つは審査対象となっています。令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書によると、金融機関が最も考慮する項目は「完済時年齢」で、アンケート対象の99%が重視すると回答しました。
また、年収で見てみると下記の図のような結果となっています。注文住宅に注目すると、全体の2.5割の方が世帯年収400~600万円の方、次いで600~800万円となっており、この層で全体の半数を占めています。平均世帯年収を見る限り、分譲マンションの購入と比較して注文住宅のハードルは高くないことが分かります。
さらに、貯蓄額からタイミングを考えることもできます。住宅の購入は、ほとんどの場合、自己資金と住宅ローンを組み合わせます。自己資金の平均額は、国土交通省の令和2年度住宅市場動向調査報告書によると注文住宅の場合848万円です。これ以上の貯金が貯まった段階で、購入を検討する方が多いようです。
ライフイベントとタイミング
住宅の購入はライフイベントと密接に関係しており、人生の節目で買う方も多いです。よくあるケースは、子どもが転校しなくて済むように小学校入学前に購入を検討することです。子育てにいい環境を考え、コミュニケーションが取りやすいように、家事がスムーズに行えるようにと間取りを工夫する方が多くいます。
結婚と同時に購入する方も多くいます。小学校入学のタイミングで購入する場合と比べて若い年齢での購入となるため、住宅ローンの返済を早めにスタートでき、ゆとりが生まれるというメリットも。ただし、子どもの人数など家族計画を具体的に検討する必要があります。
昇進のタイミングで家を買う方もいます。年収が上がることで住宅ローンが通りやすくなり、高額な物件など選択肢が広がることになるでしょう。
子どもが独立し、夫婦二人の生活になった時点で家を買うという選択肢もあります。この場合、必然的に年齢が高くなっているため、住宅ローンの月々の返済額は大きくなりますが、二人で暮らすのであればコンパクトな住宅も選びやすいため、自己資金と併せて検討してください。
最近ではIターンやUターンなどをする方も多く、移住をきっかけに住宅を購入する方もいます。特に東京などの都心部から地方へ移住する場合、住宅の相場が大きく下がるため購入のハードルが低くなるでしょう。
一方で、転職のタイミングで住宅を購入する方はあまりいません。ほとんどの方が住宅ローンを借り入れますが、その審査で「勤続年数」が重視されるためです。転職してすぐの場合、ある程度の貯蓄や年収があっても審査に落ちてしまうことがあります。金融機関によって、「勤続から〇年以上」という申し込み条件をつけていることもあるので、注意が必要です。
2022年は購入のタイミング?
「近々、家を購入したいと考えているが、2022年は適したタイミングだろうか」と悩む方も多いかもしれません。そこで参考になるのが、住宅購入を考えるにあたって大きな追い風となる、住宅ローン控除の内容についてです。2022年に住宅ローン控除が改正となる見込みであり、大きなポイントは制度の適用期間延長と控除率の変更、借入上限額の引き下げです。
多くの方が住宅ローンを利用して家を購入するでしょう。住宅ローン控除とは、年末時点での住宅ローン残高から数%を、所得税や住民税から控除される制度のことを指します。この制度が2022年も引き続き継続され、2025年の年末までに入居する方まで適用となりました。
どのくらいの率が控除されるのかという点が、2022年の変更点となります。2021年までに控除の適用を受けている方は1%の控除率でしたが、2022年はこれが0.7%に縮小されました。また、控除を受けられる期間は原則13年となりましたので、最大で「ローン残高×0.7%×13年分」が戻ってくることになります。ただし2024年以降は、環境性能に配慮した住宅でない”一般の”新築住宅の場合は10年間となるため、注意が必要です。
また、控除対象になるには条件があるのですが、このうち控除が適用される借入上限額が段階的に引き下げられることとなりました。新築住宅の場合、2022年以降は住宅の種類が細分化されて3,000万円~5,000万円の間で設定され、2024年以降で大きく引き下げとなります。
それぞれ、購入を検討している方にとっては改悪といえる内容ですが、それでも控除を受けられることには変わりありません。いつか購入したいと考えているのであれば、制度が適用されている期間中に利用したいところです。
続いて、住宅ローンの金利面から検討してみます。下のグラフは住宅金融支援機構が発表している民間金融機関の住宅ローン金利推移です。こちらも直近10年で大きな変動はなく、2021年1月時点で固定金利期間選択型(10年)は年3.3%、固定金利期間選択型(3年)は年3.0%、変動金利型は年2.475%前後を推移しています。
この表はあくまで過去の推移であり、ローン金利の今後の動きを言い当てることはできませんが、2022年も低金利が続くことになるだろうと見込まれており、引き続き住宅の購入の追い風になると思われます。
最後に、住宅地の価格推移です。住宅購入時に土地もあわせて購入する方にとっては、住宅地の価格が下がったことにより土地取得がしやすくなります。しかし、購入済みの住宅を売却して注文住宅を建てようとしている方にとっては、物件の売却価格を購入資金に充てることになるので、地価が減少してしまうことはマイナスに働きます。
地価についての具体的な数字は、下のグラフをご覧ください。バブル崩壊以降に右肩下がりになった地価も、直近10年では上昇傾向にあります。特に、東京23区においてはオリンピック需要が影響していたと言えます。そのオリンピックも終わった2022年は、急激に上昇するとは考えにくいでしょう。地方にいたっては上昇率はかなり緩やかで、ほぼ横ばいの状態が続いています。
2022年の地価については、生産緑地の「2022年問題」も注目されています。簡単に説明すると、都市部において、これまで農地(生産緑地)だった土地が宅地として大量に市場に流れ込むことによって、地価の大幅下落に繋がるのではと懸念されている、というものです。一戸建てを希望している方にとって直接的な関連は少ないかもしれませんが、気になる話題でしょう。法改正により当初懸念されていたほどの影響はないとの見方が大半ですが、多少なりとも動きがある可能性があります。
地価の下落は、手に届く宅地の選択肢が増えることになる一方、資産価値に影響を及ぼすという側面があります。お探しのエリアによって差が出やすいものなので、アンテナを張って見極めるのが良さそうです。
まとめ
上記のように、データを考慮して買い時を考えることは大切です。とはいえ、未来は予測不可能なことも事実。土地の価格や住宅ローンの金利が、突発的な理由により大きく変動する可能性はゼロではありません。
結局は、自分自身の「家を買いたい」という気持ちが大切です。そういった思いを持った時こそ、購入のタイミングだと言えるでしょう。
少しでも住宅購入に興味を持ったら少しでも行動を起こすことをおすすめします。ネットで情報を集めたり、カタログを見てみるだけでも構いません。本格的に買おうと決めたときにスムーズに行動することができます。
また、いい土地と出会えるかどうかも予測不能です。さらに、住宅メーカー選びやプラン決定までにかかる時間は人によって違います。知識が足りずに思わぬ後悔をしたり、遠回りをしたりといった失敗を避けるため、早くから行動し、リサーチに時間をかけるに越したことはありません。
この記事を読んでいる方は、少しは住宅購入に興味がある方でしょう。これを機に具体的な行動をしてみることがおすすめです。当サイトからは注文住宅について資金面など相談できる「ウチつく オンライン相談サービス」が利用できます。
また、住宅展示場の見学予約も可能です。ネットやカタログだけではイメージがわかない方も、実際に色々な家を見てみることで、どんな家に住みたいか、どんな暮らしがしたいかを明確にできます。
そして、住宅のプロに購入費用に関することやスケジュールの組み方について質問してみましょう。誰かに相談することで住宅購入に対する問題点が明らかになったり、どんなことを考えなくてはならないのかがクリアになったりと、メリットが大きいものです。
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